ところが、上記特許文献1に開示された取付具の構成では、下部基板(2)の水平面が建物の既設床面(11)へ、木ネジなどによって取り付け固定されるとしても、その下部基板(2)の垂直面は上部基板(3)の垂直面(3a)と面接触した状態において、ボルト(9)とナット(8)により締結されるに過ぎないため、そのボルト(9)の受け入れ孔が長孔(6)であることや畳(10)が沈む如く撓み変形することとも相俟って、両垂直面が正背(前後)方向へ振れ(揺れ)動きやすい。
そうすると、上部基板(3)の水平面から垂立している支援棒手摺りに対して、健常でない病弱者や高齢者などの立ち上がり動作時に頼る強い力が加わった場合、その支援棒手摺りが上下方向や傾く方向などへ容易に動かされてしまい、安定性並びに支持強度に劣り、甚だ危険である。
又、上記ボルト(9)とナット(8)を介して締結された上部基板(3)の垂直面(3a)と下部基板(2)の垂直面は、畳(10)の縁部から室内へ垂立した状態にあるため、高齢者や病弱者が転倒したような場合に、その両基板(2)(3)の上縁部(木口面)によって負傷する危険があるばかりでなく、室内の装飾効果を阻害することにもなる。
本考案はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では建物の床板に取り付け固定される水平な地板と、畳の表面へ露出することとなる水平な天板と、その平行な天板と地板との一端部同士又は中央部同士を連結一体化した垂直な背板とから、全体的なほぼコ字形又はほぼ工字形に造形された畳受け入れ枠と、
その畳受け入れ枠における天板の中央部から一体的に垂立された手摺り受け筒とを備え、
上記畳受け入れ枠における畳と床框若しくは無目敷居との相互間又は畳同士の隣り合う相互間に介在することとなる背板の天板から垂立している手摺り受け筒によって、手摺りの下端部を受け止めるように定めたことを特徴とする。
又、請求項2では全体的なほぼコ字形に造形された畳受け入れ枠の垂直な背板へ、建物の床框又は無目敷居に対する取り付け固定用木ネジの受け入れ孔を複数開口分布させたことを特徴とする。
請求項3では畳受け入れ枠の垂直な背板から左右何れか一方又は双方へ張り出す水平な地板の張り出し長さを、同じく垂直な背板から左右何れか一方又は双方へ張り出す水平な天板の張り出し長さよりも長く寸法化して、
その地板の長く張り出す先端部に複数の木ネジ受け入れ孔を開口分布させたことを特徴とする。
請求項4では畳受け入れ枠の水平な地板を左右方向へ細長く延在する長方形又は楕円形に造形する一方、
同じく畳受け入れ枠の水平な天板を円形又は左右方向へ細長く延在する楕円形若しくは半楕円形に造形したことを特徴とする。
更に、請求項5では手摺り受け筒の胴面へ少なくとも上下一対の皿ネジ受け入れ孔を、その一対の開口方向性が互いに一定の鋭角だけ交叉する関係状態に開口分布させたことを特徴とする。
請求項1に記載された構成のうち、畳受け入れ枠がほぼ工字形に造形された手摺り受け台にあっては、その畳受け入れ枠が垂直の背板を中央部とする左右対称な形状になっているため、その水平な地板を建物の床板へ安定良く取り付け固定することができ、しかも上記背板によって中央部が支持された状態にある水平な天板の中央部から、手摺りの下端部を受け止める手摺り受け筒が一体的に垂立されているため、その背板が畳同士の隣り合う相互間に介在し、ここから手摺りが垂立する状態として使用されても、その手摺りの振れ(揺れ)動くおそれはなく、安心・安全な和室用の手摺り受け台として提供できる効果がある。
他方、畳受け入れ枠がほぼコ字形に造形された手摺り受け台の構成では、上記左右対称な工字形の畳受け入れ枠に比して、その安定性が低下するとしても、その天板と地板との一端部(基端部)同士を連結一体化した垂直な背板が、畳と建物の床框又は無目敷居との相互間に介在するため、その背板と地板とを建物の床框又は無目敷居と床板へ各々取り付け固定することにより、その天板から垂立する手摺り受け筒に受け止め支持されている手摺りが、振れ(揺れ)動くおそれをやはり確実に予防することができ、安心・安全な使用状態を得られるのである。
しかも、上記コ字形をなす畳受け入れ枠の天板から垂立する手摺り受け筒に受け止め支持された手摺りと、建物の壁面との相互間には、手摺りの握り手を挿入できる一定間隙が確保されるため、その手摺り使用上の問題を生じない。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、上記コ字形畳受け入れ枠の垂直な背板を建物の床框又は無目敷居へ、複数の木ネジやタッピングネジなどによって容易に正しく取り付け固定することができ、便利でもある。
又、請求項3の構成を採用するならば、ほぼコ字形又はほぼ工字形をなす畳受け入れ枠の水平な天板に邪魔されることなく、上方から回動工具を使って、その畳受け入れ枠の地板に開口する木ネジ受け入れ孔を通じ、建物の床板へ木ネジやタッピングネジなどをねじ込み作業することができる。
請求項4の構成を採用するならば、畳受け入れ枠を安全に取り扱うことができるほか、特にその畳の表面へ露出することになる天板の角張ったコーナー部がない平面形状により、手足の負傷事故を予防し得る効果がある。
更に、請求項5の構成を採用するならば、特に上記コ字形をなす畳受け入れ枠の天板から垂立する手摺り受け筒の皿ネジ受け入れ孔が、建物の壁面に向かうことを防ぎ、回動工具を支障なく使用して、その皿ネジ受け入れ孔から手摺りの下端部ヘ皿ネジやタッピングネジなどをねじ込み作業できる効果がある。
以下、図面に基いて本考案の具体的な構成を詳述すると、図1〜5はその和室用手摺り受け台(A1)の第1実施形態を示しており、これは建物の和室における畳(M)同士の隣り合う相互間(突き合わせ部/継ぎ目部)へ介挿使用される仕様品であって、ほぼ工字形の剛性な畳受け入れ枠(1)を具備している。
即ち、その手摺り受け台(A1)の畳受け入れ枠(1)は金属製品として、一定幅(X)(例えば約100mm)の水平な天板(2)と水平な地板(3)並びにその互いに平行な天板(2)と地板(3)との中央部同士を連結一体化した垂直な背板(4)とから、左右(横)の双方へ開口する全体的なほぼ工字形に造形されており、その言わば背中合わせのほぼコ字形をなす畳受け入れ溝(G)に、隣り合う左右一対の畳(M)が受け入れられるようになっている。その各畳受け入れ溝(G)の深さ(d)は畳(M)の厚み(t)とほぼ対応しており、例えば約55mmである。
その場合、図示実施形態の畳受け入れ枠(1)は一定の幅(X)(先に例示した約100mm)と長さ(Y)(例えば約200mm)を有する長方形な地板(3)の中央部と、その同じ一定幅(X)が直径(D)の寸法になる円形な天板(2)の中央部との上下相互間へ、同じ一定幅(X)と背丈(Z)(例えば約55mm)の垂直な背板(4)を介在させる状態に溶接して、ほぼ工字形に作成しているが、その作成法は問わない。上記地板(3)と天板(2)並びに背板(4)としては、約4.0mm〜約6.0mmの一定厚みを備えた金属板、殊更ステンレス鋼板の採用が好ましい。
何れにしても、図6〜8の使用状態から明白なように、畳受け入れ枠(1)の水平な地板(3)には複数(図例では左右5個づつの合計10個)の木ネジ受け入れ孔(5)が開口分布されており、ここから建物の床板(6)へねじ込まれる皿頭付きの木ネジ(7)やタッピングネジなどによって、地板(3)が建物の床板(6)へ安定良く取り付け固定されるが、上記畳受け入れ枠(1)の水平な天板(2)だけは畳(M)の表面から露出することになる。
そのため、上記畳受け入れ枠(1)の垂直な背板(4)を中心として、ここから左右(横)方向へ張り出す水平な地板(3)の張り出し長さ(L1)(例えば約100mm)を、同じく垂直な背板(4)から左右(横)方向へ地板(3)と平行に張り出す天板(2)の張り出し長さ(L2)(例えば約50mm)よりも長く寸法化して、その一定寸法(L)(例えば約50mm)だけ長く張り出す先端部へ、上記木ネジ受け入れ孔(5)を開口分布させることにより、その皿頭付きの木ネジ(7)やタッピングネジなどを天板(2)に邪魔されることなく、上方から図外の回動工具を使用して建物の床板(6)へ正しくねじ込み固定できるようにすると共に、上記水平な天板(2)を円形に造形して、万一天板の角張った先端コーナー部が畳(M)の表面へ露出することによる手足の負傷事故を予防し、その安全性や意匠性などを確保することが好ましい。
但し、上記畳受け入れ枠(1)の垂直な背板(4)から張り出す水平な天板(2)の張り出し先端面が角張らず、円弧面(2e)を呈するならば、その天板(2)を図示実施形態のような円形に代る左右(横)方向への細長い楕円形に造形しても勿論良い。
更に、上記畳受け入れ枠(1)における水平な天板(2)の中央部からは手摺り受け筒(8)が一体的に垂立されており、手摺り(R)の下端部を受け入れ支持するようになっている。図示実施形態の場合、金属パイプから成る手摺り受け筒(8)の下端部を上記天板(2)へ上方から溶接している。尚、手摺り(R)としては握り棒と称する木材の丸棒や金属パイプなどが採用される。
(9)は上記手摺り受け筒(8)の胴面に開口分布された少なくとも上下一対の皿ネジ受け入れ孔であり、ここからねじ込まれる皿ネジ(10)や木ネジなどによって、手摺り(R)の下端部がその手摺り受け入れ筒(8)へ抜け止め状態に固定維持されることとなる。
その場合、上記皿ネジ受け入れ孔(9)の開口方向性は図4に示唆する如く、その上下一対での互いに一定の鋭角(θ)(好ましくは約90度)だけ交叉する関係状態に設定することが望ましい。
高齢者や病弱者などが和室の畳(M)から立ち上がることを支援するため、建物の和室へ手摺り(R)を後付け施工するに当っては、上記第1実施形態に係る手摺り受け台(A1)の複数を用意して、その何れも畳受け入れ枠(1)における水平な地板(3)を建物の床板(6)へ、木ネジ(7)やタッピングネジなどによって取り付け固定するのであるが、その際畳受け入れ枠(1)の垂直な背板(4)が図6〜8のように、畳(M)同士の隣り合う相互間(突き合わせ部/継ぎ目部)へ正しく介在することになる位置関係として、その複数の手摺り受け台(A1)を予じめ点在分布状態に配置する。
それから上記手摺り受け台(A1)の各個について、その畳受け入れ枠(1)における左右一対のコ字形畳受け入れ溝(G)へ、各々畳(M)を差し込んで並列状態に敷設する。そうすれば、畳受け入れ枠(1)の水平な天板(2)が畳(M)の表面へ露出することになり、その天板(2)から手摺り受け筒(8)が一体的に垂立しているため、その手摺り受け筒(8)へ上方から手摺り(R)を抜き差し自在に差し込み垂立させ、その手摺り受け筒(8)の皿ネジ受け入れ孔(9)から手摺り(R)へ皿ネジ(10)や木ネジなどをねじ込むことにより、手摺り(R)の下端部を抜け止め状態に固定する。
そして、このような取り付け固定状態にある手摺り受け台(A1)の複数は、畳(M)同士の隣り合う相互間(突き合わせ部/継ぎ目部)に点在分布しており、その畳受け入れ枠(1)の水平な天板(2)から手摺り(R)が一定高さ(H)(例えば約800mm〜約900mm)だけ垂立することになるため、その垂立する手摺り(R)の隣り合う相互間へ図6、7のように、例えば別個なエルボ型の手摺り受けブラケット(11)を介して、水平な手摺りバー(B)を連結一体化すれば良い。
そうすれば、その水平な手摺りバー(B)は畳(M)の長辺縁部や短辺縁部と平行に横架することとなり、上記高齢者や病弱者などが畳(M)から立ち上がり移動するときに、その手摺りバー(B)を確かに握り持つことができ、又移動上の誘導・案内を行えるのである。
但し、上記手摺り受け台(A1)を施工する場合の配列レイアウトは、その施工主の希望や和室の大きさ、間取り、その他の条件に応じて自由に設定することができる。
次に、図9〜12は本考案に係る和室用手摺り受け台(A2)の第2実施形態を示しており、これは畳(M)と床框又は無目敷居(12)との相互間へ介挿使用される仕様品であって、ほぼコ字形の剛性な畳受け入れ枠(101)を具備している。
つまり、その手摺り受け台(A2)の畳受け入れ枠(101)は金属製品として、一定幅(X)(例えば約100mm)の水平な天板(102)と水平な地板(103)並びにその互いに平行な天板(102)と地板(103)との一端部(基端部)同士を連結一体化した垂直な背板(104)とから、左右(横)何れか一方へ開口する全体的なほぼコ字形に造形されており、そのコ字形をなす畳受け入れ溝(G)に、畳(M)が受け入れられるようになっている。その畳受け入れ溝(G)の深さ(d)はやはり畳(M)の厚み(t)とほぼ対応しており、例えば約55mmである。
その場合、図示実施形態の畳受け入れ枠(101)は一定幅(X)(先に例示した約100mm)と長さ(L1)(例えば約150mm)を有する長方形な地板(103)の一端部(基端部)と、同じ一定幅(X)と長さ(L2)(例えば約105mm)を有するほぼ半楕円形天板(102)のストレートな一端部(基端部)との上下相互間へ、同じ一定幅(X)と背丈(Z)(例えば約55mm)の垂直な背板(104)を介在させる状態に溶接して、ほぼコ字形に作成しているが、その作成法は問わない。上記天板(102)と地板(103)並びに背板(104)としては、やはり約4.0mm〜約6.0mmの厚みを備えた金属板、就中ステンレス鋼板の採用が好ましい。
何れにしても、図13〜15の使用状態から明白なように、上記畳受け入れ枠(101)の水平な地板(103)には複数(図例では合計4個)の木ネジ受け入れ孔(105)が開口分布されており、ここから建物の床板(6)へねじ込まれる皿頭付きの木ネジ(107)やタッピングネジなどによって、地板(103)が建物の床板(6)へ取り付け固定される。
又、同じく畳受け入れ枠(101)の垂直な背板(104)にも複数(図例では合計2個)の木ネジ受け入れ孔(13)が開口分布されており、ここから建物の床框又は無目敷居(12)へねじ込まれる皿頭付きの木ネジ(14)やタッピングネジなどによって、上記背板(104)が床框又は無目敷居(12)へ安定良く取り付け固定され、上記畳受け入れ枠(101)の残る水平な天板(102)だけが畳(M)の表面に露出することとなる。
そのため、上記畳受け入れ枠(101)の垂直な背板(104)から左右(横)方向へ張り出す水平な地板(103)の張り出し長さ(L1)(例えば約150mm)を、同じく垂直な背板(104)から左右(横)方向へ地板(103)と平行に張り出す天板(102)の張り出し長さ(L2)(例えば約105mm)よりも長く寸法化して、その一定寸法(L)(例えば約45mm)だけ長く張り出す先端部へ、上記木ネジ受け入れ孔(105)を開口分布させることにより、その皿頭付きの木ネジ(107)やタッピングネジなどを天板(102)に邪魔されることなく、上方から図外の回動工具を用いて建物の床板(6)へ正しくねじ込み固定できるようにすると共に、上記水平な天板(102)をほぼ半楕円形に造形して、万一天板の角張った先端コーナー部が畳(M)の表面へ露出することによる手足の負傷事故を予防し、その安全性や意匠性などを確保することが好ましい。
但し、上記背板(104)から張り出す水平な天板(102)の張り出し先端面が角張らず、円弧面(102e)を呈するならば、その天板(102)を図示実施形態のような半楕円形以外の平面形状に造形してもさしつかえない。
そして、上記畳受け入れ枠(101)における水平な天板(102)の中央部から手摺り受け筒(108)が一体的に垂立されており、その内部へ手摺り(R)の下端部を受け入れるようになっている。図示の実施形態では金属パイプから成る手摺り受け筒(108)の下端部が上記天板(102)へ上方から溶接されている。
更に、(109)は上記手摺り受け筒(108)の胴面に開口分布された少なくとも上下一対の皿ネジ受け入れ孔であり、ここからねじ込まれる皿ネジ(110)や木ネジなどによって、手摺り(R)の下端部がその手摺り受け筒(108)へ抜け止め状態に固定されることとなる。
その場合、上記皿ネジ受け入れ孔(109)の開口方向性は図11に示唆する如く、やはり上下一対での互いに一定の鋭角(θ)(好ましくは約90度)だけ交叉する関係状態に設定することが望ましい。
高齢者や病弱者などが和室の畳(M)から立ち上がることを支援するため、上記第2実施形態に係る手摺り受け台(A2)の複数を用いて、和室へ手摺り(R)を後付け施工する場合には、その各手摺り受け台(A2)における畳受け入れ枠(101)の水平な地板(103)と垂直な背板(104)を、建物の床板(6)と床框又は無目敷居(12)へ各々木ネジ(7)(14)やタッピングネジなどによって取り付け固定する。(15)は建物の根太である。
即ち、上記畳受け入れ枠(101)の垂直な背板(104)が図13〜15のように、畳(M)と床框又は無目敷居(12)との相互間へ介在することになる位置関係として、その複数の手摺り受け台(A2)を予じめ点在分布状態に配置し、後述の手摺りバー(B)が建物の壁面(W)や畳(M)の長辺縁部又は短辺縁部に沿って延在するように定める。
それから各手摺り受け台(A2)について、その畳受け入れ枠(101)のコ字形畳受け入れ溝(G)へ畳(M)を差し込み敷設する。そうすれば、上記畳受け入れ枠(101)の水平な天板(102)が畳(M)の表面へ露出し、その天板(102)から手摺り受け筒(108)が垂立することになるため、その手摺り受け筒(108)へ上方から手摺り(R)を抜き差し自在に差し込み垂立させ、その手摺り受け筒(108)の皿ネジ受け入れ孔(109)から手摺り(R)へ皿ネジ(110)や木ネジなどをねじ込むことにより、手摺り(R)の下端部を抜け止め状態に固定維持する。
このような取り付け固定状態にある手摺り受け台(A2)の複数は、建物の壁面(W)や畳(M)の長辺縁部又は短辺縁部に沿って点在分布しており、その畳受け入れ枠(101)の水平な天板(102)から手摺り(R)が一定高さ(H)(例えば約800mm〜約900mm)だけ垂立すると共に、その垂立した手摺り(R)と建物の壁面(W)との相互間には、手摺りの握り手(図示省略)を挿入できる一定間隙(S)(例えば約30mm以上)が確保されることになる。
そのため、その垂立する手摺り(R)同士の隣り合う相互間へ、図13、14に例示するような別個のエルボ型手摺り受けブラケット(11)を介して、水平な手摺りバー(B)を連結一体化するのである。
そうすれば、その水平な手摺りバー(B)は建物の壁面(W)や畳(M)の長辺縁部又は短辺縁部に沿って横架することとなり、高齢者や病弱者などが畳(M)から立ち上がるときに、その手摺りバー(B)を握り持って安全に移動することができる。尚、上記手摺り受け台(A2)を施工する場合の配列レイアウトも、図13、14に示すそれだけに限らず、自由に設定することができる。
上記第1実施形態に係る手摺り受け台(A1)の図6、7に示した施工例では、その同じ手摺り受け台(A1)の複数を畳(M)同士の隣り合う相互間(突き合わせ部/継ぎ目部)へ介在させており、又上記第2実施形態に係る手摺り受け台(A2)の図13、14に示した施工例では、そのやはり同じ手摺り受け台(A2)の複数を畳(M)と床框又は無目敷居(12)との相互間へ介在させているが、図16、17の別な施工例に示す如く、上記第1実施形態の手摺り受け台(A1)と第2実施形態の手摺り受け台(A2)とを併用して、建物の和室へ手摺り(R)を施工することも可能であり、その施工も建物のリフォームとしてのみならず、建物の新築として行うことができる。
つまり、図16、17のように上記第1実施形態の手摺り受け台(A1)を畳(M)同士の隣り合う相互間へ、既述の方法によって取り付け固定する一方、これと別個な上記第2実施形態の手摺り受け台(A2)を、畳(M)と床框又は無目敷居(12)との相互間へ、既述の方法によって取り付け固定する。
そして、その第1実施形態に係る手摺り受け台(A1)の畳受け入れ枠(1)から垂立する手摺り(R)と、第2実施形態に係る手摺り受け台(A2)の畳受け入れ枠(101)から垂立する手摺り(R)との相互間へ、エルボ型やT字型の手摺り受けブラケット(11)を介して、所要長さの水平な手摺りバー(B)を連結一体化するのである。
その場合、上記第2実施形態に係る手摺り受け台(A2)の畳受け入れ枠(101)はほぼコ字形として、その垂直な背板(104)が建物の床框又は無目敷居(12)へ取り付け固定され、その強度と安定性に富むため、これから垂立する手摺り(R)の上端部を図16、17のように、エルボ型の手摺り受けブラケット(111)を介して建物の壁面(W)へ取り付け固定すると共に、その背高い手摺り(R)の中途高さ位置と上記水平な手摺りバー(B)とを、T字型の手摺り受けブラケット(112)によって連結一体化することが望ましい。
上記エルボ型の手摺り受けブラケット(111)を取り付け固定する建物の壁面(W)が、例えば表面剛性の低い土壁であるようなときには、図外の柱と間柱との相互間へ図16、17のような下地補強桟(16)を介して、その表側から手摺り受け材(17)を固定横架させ、その手摺り受け材(17)へ上記手摺り受けブラケット(111)を取り付け固定すれば良い。