JP3202571U - 足付き補強プレート、舗装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】下地となる敷砂層との摩擦抵抗力を高めた足付き補強プレート及び舗装構造を提供する。【解決手段】足付き補強プレート9は、レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックが、下地となる敷砂層上に敷設された際に、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレート9であって、前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部9aと、前記基部9aから前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足9bと、前記基部9aから前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部9cとを備える。【選択図】図4
Description
本考案は、レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックが、下地上に敷設される際に利用される足付き補強プレートと、その足付き補強プレートを利用して構成された舗装構造に関する。
我が国の舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックは、1950年10月工業標準化法により「歩道用コンクリート平板」のJIS規格が制定され標準化が進められた。1950年代半ばには、現在の製造方法の原型である半自動での成型機による生産が行われるようになり、この成型機は即時脱型式の油圧成型機で固練り配合材料を基層とし、ホワイトセメントに顔料を配合したものをカラーセメントとして表層に用いて加圧成型するものであり、150mm×150mm×30mmの内装用セメントタイルと、300mm×300mm×60mmの歩道用カラーコンクリート平板が標準的な製造規格品として確立された。
その後、1960年代には生産性も向上し、表層材の投入・バック材の投入・プレス圧による締め固めおよび、脱型作業のそれぞれの工程に4つの型枠を配し、それらを順次回転させ連続生産とした4ステーション形の即脱成型機の半自動により、ほぼ今日に近い生産性を上げられるようになった。
後半には点字平板の仕様が定められ、統一された平板が全国的に製造されるようになった。
1970年代には、研磨平板に代わる表面仕上げとして、ドイツから輸入した遅延紙を用いて表面のモルタル部分を取り除き、骨材を露出させた洗い出し平板が誕生した。ついで数年後に船体の錆落としに用いられていたサンドブラスト機の砂を散弾に代えることにより、叩き出し平板として自然石の表面性状を模した擬石平板も誕生している。
1970年代には、研磨平板に代わる表面仕上げとして、ドイツから輸入した遅延紙を用いて表面のモルタル部分を取り除き、骨材を露出させた洗い出し平板が誕生した。ついで数年後に船体の錆落としに用いられていたサンドブラスト機の砂を散弾に代えることにより、叩き出し平板として自然石の表面性状を模した擬石平板も誕生している。
1990年代には、形状や寸法、景観性を重視したデザインの多様化など、規格品の大量消費の時代から景観重視の傾向が高くなり、表面テクスチュアとしてそれぞれの地域性を生かした天然の種石および破砕材が使用され、自然や街並みと調和した舗装材が求められるようになってきた。
技術的にも海外からの大型機械の導入等により、プレス成型を生かした即脱・即洗い出し方法が用いられるようになり、かつ、景観性を加味した生産性の向上や、特注となる大型版の製品の登場等、ユーザーの多様化・オリジナル化が現在までも進められてきた。
それと同時に製品のみならず周辺地域の構造物や舗装空間の調和が叫ばれ、CADやCGの活用により舗装デザイン面でのソフト技術が進み、公共性の高い分野へと使用範囲が急速に拡大した。
現在、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック製造されている製造方法には、湿式方法と乾式方法とがあり、特殊なデザインでない限り、量産製品は乾式方法である振動加圧成型即時脱型方式が主流となっている。
現在のほとんどの平板がこの即時脱型方式で製造されおり、いくつかのワークステーションと呼ばれる型枠が回転移動し、1回転で投入・圧密・脱型が行われ、サイクルタイムが約30秒で平板が製造されるのが通常である。この装置は、型枠底部に表層モルタルを入れ、そして基層材としてゼロスランプのモルタルを投入して約80kg/平方センチメートルの圧力でプレス成型後、即時脱型して製品化されている。
現在主流となっている舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの代表的な表面仕上げには、種石を露出させた洗い出し仕上げや、天然石風に平板表面に散弾を投打した叩き出し仕上げおよび、主に屋内に用いられる表面を研磨した研磨仕上げ方法がある。
1、カラー仕上げ
一般的に用いられる表面仕上げであり、2層打ち成型された表層部にホワイトセメントに顔料を混和したモルタルを配した即時脱型方式により成型する仕上げ方法である。
2、洗い出し仕上げ
天然の川砂利で代表される玉石や砕石等(粒径5〜20mm程度)を表層モルタルとし、即脱成型時に表面となる部分に遅延紙を挿入し平板を製造する。その後、遅延剤の効果で水和の遅れている表面部分を水洗いし、セメント分を取り除き平板表面の玉石等を露出させる仕上げ方法である。
3、叩き出し仕上げ(擬石仕上げ)
表層材に天然石や砕石、砕砂等の種石(粒径5〜12mm程度)を用いて表層モルタルとして2層打ちし、即脱成型後ある程度強度発現の後、ショットブラスト機で散弾を平板表面に打ちつけ、表層モルタルのセメント部分を剥落させ種石を露出することにより、天然石風の表面性状を与える仕上げ方法である。
4、研磨仕上げ
叩き出し仕上げと同様に天然石や砕石、砕砂等の種石を用い、即脱成型された平板の表面を研磨機で磨き出す。モルタル中に混和されている種石の特徴を生かした仕上げ方法である。
1、カラー仕上げ
一般的に用いられる表面仕上げであり、2層打ち成型された表層部にホワイトセメントに顔料を混和したモルタルを配した即時脱型方式により成型する仕上げ方法である。
2、洗い出し仕上げ
天然の川砂利で代表される玉石や砕石等(粒径5〜20mm程度)を表層モルタルとし、即脱成型時に表面となる部分に遅延紙を挿入し平板を製造する。その後、遅延剤の効果で水和の遅れている表面部分を水洗いし、セメント分を取り除き平板表面の玉石等を露出させる仕上げ方法である。
3、叩き出し仕上げ(擬石仕上げ)
表層材に天然石や砕石、砕砂等の種石(粒径5〜12mm程度)を用いて表層モルタルとして2層打ちし、即脱成型後ある程度強度発現の後、ショットブラスト機で散弾を平板表面に打ちつけ、表層モルタルのセメント部分を剥落させ種石を露出することにより、天然石風の表面性状を与える仕上げ方法である。
4、研磨仕上げ
叩き出し仕上げと同様に天然石や砕石、砕砂等の種石を用い、即脱成型された平板の表面を研磨機で磨き出す。モルタル中に混和されている種石の特徴を生かした仕上げ方法である。
今日の舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックには、その用途により、普通品・透水品・保水品、或いは廃棄物を再生骨材としたリサイクル品等があり、ブロックを構成する骨材には、一般廃棄物の焼却残渣である溶融スラグ等の産業廃棄物や、廃プラスチックや廃ガラス等を再生骨材として再利用(再製品化)したものが普及しつつある。
従来の舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックには、特に車道から歩道への乗り上げ部分、または、高齢者・障害者のための勾配のある傾斜したスロープとなった歩道等があるが、それらの施工をする際には、ブロックの上から加わる垂直荷重や、傾斜スロープの勾配に対する縦横方向または左右方向のズレを防止するための工夫は少なく、また、レンガやタイル、ブロック等同士を安定化させる補強プレート(ハイキーパーメンテ)等の舗装強化用プレートが一部で使用されてはいるが、従来のものには舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの組成物と、その下地となる敷砂層との摩擦抵抗力を生かした機能はあまり考慮されてはいなかった。
本件の舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの製造方法については、この30年以上の歴史から、ほぼ現在一般的に流通されているブロック形状は確立されたものであり、施工方法についてもヘリンボンボンドパターンと呼ばれる基本敷設パターンはすでに周知されたものである。
しかしながら、JIS(日本工業規格)の物理的性能基準は到達しているものの、更なる改良点は検討されてはおらず、規格を満たしていれば良い。という風潮にも思われる。
また、近年増加し始めた舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックには、一般廃棄物の焼却後に排出される一般廃棄物由来の溶融スラグ類や、廃プラスチック、廃ガラス等の産業廃棄物を再生骨材として、レンガやタイル、ブロック類を構成する骨材として再利用したものもあるが、各骨材がその物理的強度や嵩比重も違うものを配合しているに対し、それぞれの配合に応じた物理的な性能基準や試験基準はなく、かつ、特定有害物質の有無等に対する生態系への安全性についても、各省庁および自治体等の設計基準は、必ずしも統一された基準または審査方法ではない。
また、近年増加し始めた舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックには、一般廃棄物の焼却後に排出される一般廃棄物由来の溶融スラグ類や、廃プラスチック、廃ガラス等の産業廃棄物を再生骨材として、レンガやタイル、ブロック類を構成する骨材として再利用したものもあるが、各骨材がその物理的強度や嵩比重も違うものを配合しているに対し、それぞれの配合に応じた物理的な性能基準や試験基準はなく、かつ、特定有害物質の有無等に対する生態系への安全性についても、各省庁および自治体等の設計基準は、必ずしも統一された基準または審査方法ではない。
更に、高齢者・障害者のための勾配のある傾斜スロープとなった歩道があるが、それらの設計および施工をする際には、ブロックの縦横方向または左右方向の勾配に対するズレを防止するための工夫は少なく、レンガやタイル、ブロック同士の安定化を向上させる補強プレートも、ブロック組成物とその下地となる敷砂層との摩擦抵抗力についてもあまり考慮されてはいなかった。
以下、本考案において、上記目的を達成するために採用した構成について説明する。
本考案の足付き補強プレートは、レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックが、下地となる敷砂層上に敷設された際に、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレートであって、前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部と、前記基部から前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足と、前記基部から前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部とを備える。
本考案の足付き補強プレートは、レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックが、下地となる敷砂層上に敷設された際に、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレートであって、前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部と、前記基部から前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足と、前記基部から前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部とを備える。
本考案の足付き補強プレートは、金属製とされていてもよい。
本考案の足付き補強プレートは、プラスチック製(ただし、生分解性プラスチックを除く。)とされていてもよい。
本考案の足付き補強プレートは、プラスチック製(ただし、生分解性プラスチックを除く。)とされていてもよい。
本考案の足付き補強プレートは、複数の前記足が形成されていてもよい。
本考案の舗装構造は、レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックを、下地となる敷砂層上に敷設して構成された舗装構造であって、前記敷砂層と前記ブロックとの間には、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレートが介装されており、前記足付き補強プレートは、前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部と、前記基部から前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足と、前記基部から前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部とを備えている。
本考案の舗装構造は、レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックを、下地となる敷砂層上に敷設して構成された舗装構造であって、前記敷砂層と前記ブロックとの間には、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレートが介装されており、前記足付き補強プレートは、前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部と、前記基部から前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足と、前記基部から前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部とを備えている。
図4に示すとおり、従来のレンガやタイル、ブロック類の、車等の垂直荷重または傾斜スロープに対する縦横方向または左右方向のズレを防止する補強プレートには、図4−6dのT字型のように、ブロックの下地となる敷砂層との摩擦抵抗力等についての検討は、あまり期待が出来ないものはあったが、特に車道から歩道を渡って駐車場等へ車両が進入する道路に勾配のある傾斜スロープがある場合等においては、インターロッキングブロックと敷砂層との摩擦抵抗値を向上するように、従来のレンガやタイル、ブロック類の施工時でも採用が可能な「足付き補強プレート」を採用することにより、JIS(日本工業規格)に定められた基準に比べ、はるかに優れた使用上の安定性・安定性を提供することが可能であると同時に、施工後のメンテナンスにおいても後の費用負担が抑えられると共に、従来の補強プレート採用箇所よりも長期間に渡り有効的な機能が期待出来る。
前記に記載しているとおり、車等の重量物の垂直荷重や、勾配のある傾斜スロープでのブロックの歪みやズレを最小限に抑えることが可能である。
ブロック間同士の歪みやズレを防止するため、専用の補強プレートを採用することにより、長期間にわたりメンテナンスが不要となり、ランニングコストを抑えられる。
ブロック間同士の歪みやズレを防止するため、専用の補強プレートを採用することにより、長期間にわたりメンテナンスが不要となり、ランニングコストを抑えられる。
次に、本考案の実施形態について、いくつかの具体的な例を挙げて説明する。
「実施例1」
実施例1では、ブロックに凹凸の形状を付けることで、舗装された道路に車等の重量物が垂直荷重を掛けた場合に、ブロックの縦横方向または左右方向の歪みやズレを抑える形状であり、また、ブロックを敷設する際にブロックとブロックとの隙間を埋める目地砂に対して、水平方向の摩擦抵抗力に対する負荷を高めるための目地キープ機能を採用した、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの製品事例について説明する。
「実施例1」
実施例1では、ブロックに凹凸の形状を付けることで、舗装された道路に車等の重量物が垂直荷重を掛けた場合に、ブロックの縦横方向または左右方向の歪みやズレを抑える形状であり、また、ブロックを敷設する際にブロックとブロックとの隙間を埋める目地砂に対して、水平方向の摩擦抵抗力に対する負荷を高めるための目地キープ機能を採用した、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの製品事例について説明する。
実施例1で利用する舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングは、一般的な機能分類として、通常広く利用されている普通品、雨水を速やかに地中に浸透させる透水品、逆に雨水を一時的にブロック内に蓄えるための保水品、廃棄物を再利用して再生品化したリサイクル品等に分けられる。
本考案では、従来のブロック形状には少ない、側面部分に凹凸を付け、更にブロックとブロックの隙間を埋めている目地砂の摩擦抵抗力を向上させる目地キープ機能を追加している。
「実施例2」
実施例2では、ブロックの底面と側面に切り込みを入れた形状にし、専用の連結補強プレートを採用することで、垂直荷重および勾配のある傾斜スロープに対する縦横方向または、左右方向の歪みやズレを抑える形状を採用した、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの製品事例について説明する。
実施例2では、ブロックの底面と側面に切り込みを入れた形状にし、専用の連結補強プレートを採用することで、垂直荷重および勾配のある傾斜スロープに対する縦横方向または、左右方向の歪みやズレを抑える形状を採用した、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの製品事例について説明する。
実施例2で利用する舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングは、一般的な機能分類として、通常広く利用されている普通品、雨水を速やかに地中に浸透させる透水品、逆に雨水を一時的にブロック内に蓄えるための保水品、廃棄物を再利用して再生品化したリサイクル品等に分けられる。
本考案では、従来のブロック形状には少ない、底面および側面部分に切り込みを入れ、更にブロックとブロックとを金属製プレート或いは、生分解性プラスチック製は除くプラスチック製樹脂プレートにより、連結することで垂直荷重の荷重伝達力を分散させる機能を追加している。
「実施例3」
実施例3では、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングの原材料および再生骨材の製品方法について説明する。
実施例3では、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングの原材料および再生骨材の製品方法について説明する。
従来の普通品、透水品、保水品の各製品では、セメント、天然石や砕石、砕砂等の粗骨材および細骨材、混和材、並びに一部顔料等の組成成分で構成されていた。しかし本考案では、特に一般廃棄物由来の溶融スラグ類および、安定型産業廃棄物を再利用して再生骨材化したリサイクル品の舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキング製造過程に特徴がある。
粗骨材には、従来の生コンクリート製造プラント工場内で余剰に生産されたコンクリートや、建設現場で打設し余剰となったコンクリートまたは、現場から持ち帰ったロスコンクリートは、一般的に瓦礫類として産業廃棄物として処分を行っているものがある。本考案は、そのような余剰となったコンクリートを産業廃棄物としては一切排出せず、新たな舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングの製造のための再生骨材として100%再利用している。
また、再生骨材として利活用する粗骨材又は細骨材には、一般廃棄物由来の溶融スラグ類や、採石および窯業廃土、廃インターロッキングブロックを含む陶磁器くず、石炭灰、廃プラスチック、貝殻、廃残土、建設廃材(汚泥を含まず)、廃ゴム、ガラスカレット、副産石膏等のいずれも安定型5品目に分類される産業廃棄物のうち、いずれか1種類又は複数種を原材料としている。
これらの廃棄物は、廃棄物の種類に応じて事前に選別を行い、次に選別物の破砕をして、その破砕物に対して、例えば廃棄され破砕されたガラス瓶は、割れた角が尖って作業上危険なため、作業場の安全性を確保するために建設現場で使用されるポットミキサー機または、専用工場で使用されるロールクラッシャー機等で破砕物を混練することにより、破砕物の角張った面を取り除き、その後、振動ふるい機等で粒度毎に分級をしたものを再生骨材として利用している。
また、廃棄され破砕されたガラス瓶は、割れて角が尖っている廃棄物は、角の面取りを実施したら作業上の安全性は確保出来るが、生態系への安全性の観点では必ずしも安全とは言えない。例えば、廃棄されたガラス瓶をリサイクル原材料とする場合は、通常飲料用の廃棄ガラス瓶を再利用しているが、中には塩酸や硫酸等の試薬、或いは農薬等も同じ茶色や透明色のガラス瓶があり、破砕して持ち込まれたガラスカレットに付着しているかも知れないその毒性または危険性、病原菌等の細菌の有無について、持ち込んだ相手方を信用するしかなかった。
そこで本考案では、特定有害物質の含有量を問わず、作業上の安全を確保するために行った面取り加工の後、環境基準を上回る危険性が少しでも予測される場合には、次亜鉛素酸ナトリウム水溶液および界面活性剤等での洗浄および、熱湯純水洗浄によるミスト処理を行い、その後の酸化チタンコーティングを施した再生骨材専用の乾燥機で再生骨材を製造する。但し、更なる滅菌処理が必要と判断した場合には、再生骨材が乾燥機を通過中に、追加処理工程として紫外線での滅菌処理も実施が可能である。
表1の配合計算書に示すとおり、実施例1、実施例2、実施例3まで説明したとおり、本考案で製造された舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングの製造方法の、原材料の配合割合を示した表であり、原材料には、セメント、粗骨材、細骨材、コンクリート混和剤、強度が満たない練り強度の場合には強化繊維を投入する。また、各原材料の嵩比重および強度により配合毎に分類し、各分類に対応するように配合比率の範囲内でコンクリートを調整しながらミキシングすることにより、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキング構築物、或いは組成物は製造される。
実施例4では、レンガやタイル、或いはブロック類の採用時に有効な足付き補強プレートについて説明する。
図4に示すとおり、従来のレンガやタイル、ブロック類は、車両等による垂直荷重または、傾斜スロープでの縦横方向または左右方向に対するブロック類の歪みやズレを防止する補強プレートには、図4−(a)−6dのように、ブロックの下地となる敷砂層との摩擦抵抗力を想定した設計にはなっておりにくく、単純にレンガやタイル、ブロック間同士のズレを防止することしか想定はして無かった。
本考案では、特に車道から歩道を渡って駐車場等へ車両が進入する道路に勾配のある傾斜スロープがある場合等において、インターロッキングブロック間同士の歪みやズレを防止することは勿論、インターロッキングブロックと下地の敷砂層とを強固に連携し、かつ摩擦抵抗力を高め、勾配によるズレ防止機能を充実するため、従来のレンガやタイル、ブロック類の施工時でも採用が可能な「足付き補強プレート」を採用することにより、JIS(日本工業規格)に定められた基準に比べ、はるかに優れた使用上の安定性を提供することが可能である。また、同時に施工後のメンテナンスにおいても、従来の補強プレート採用箇所よりも長期間に渡り有効的な機能が期待出来る。
図4(d)に示すように、足付き補強プレート9は、ブロックと敷砂層との間に挟み込まれる基部9aと、基部9aから敷砂層側へ突出し、敷砂層に突き刺さる複数の足9bと、基部9aからブロック側へ突出し、隣り合うブロック間に挟まれる立設部9cとを備える。
本考案の、足付き補強プレートの素材は、金属製でも、生分解性プラスチックを除くプラスチック製でも良く、一体成型の金型で製作が可能であり、設計耐用年数は5〜6年程度を想定して設計している。
「その他の実施例」
以上、本考案の実施例について説明したが、本考案は上記の具体的な一実施形態に限らず、この他にも種々の形態で実施することが出来る。
以上、本考案の実施例について説明したが、本考案は上記の具体的な一実施形態に限らず、この他にも種々の形態で実施することが出来る。
例えば、本考案における、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックは、300mm×300mm×60mmの寸法で説明しているが、形状については正方形でも、長方形でも、丸形や異形でも良く、製品については、本考案の舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックに限らず、瓦を含むレンガ類、非焼成タイルを含む陶磁器質タイル類、内外装用または舗装用・緑化用・園芸用、建設工事用・港湾土木資材等の多岐に渡り、利用される各種コンクリート製ブロック類等、幅広く利用されてもよい。
本考案における、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの寸法は、300mm×300mm×60mmの寸法で説明しているが、平板の形状は一般的に正方形か長方形であり、JIS A 5304「舗装用コンクリート平板」には、表3(舗装用コンクリート平板寸法)に示す寸法とされている。
本考案における、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック製品の物理的性能評価のうち、曲げ強度に対しては、JIS A 5209「曲げ破壊荷重の基準に準じた試験」を基準として設計している。各種平板の曲げ強度の品質標準については、表4のとおりである。
本明細書において開示するその他の技術について付記する。
本明細書において開示する舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック組成物は、図1に示すとおり、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックが、車等の通行者の垂直荷重に対する縦横方向または左右方向に対する歪みやズレを最小限に抑える形状について、側面に欠き込みのある凹凸部を設置すると共に、同様側面に、ブロックを敷設する際にブロックとブロックとの隙間を埋める目地砂に対して摩擦抵抗力のある目地キープ機能を備えることを特徴とする。
また、図2に示すとおり、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの製造時の金型に工夫を加え、平板製品の側面に切り込み加工を行い、専用の連結補強プレートを組み込むことにより、ブロックに対する垂直荷重を分散すると共に、垂直荷重または勾配のある傾斜スロープに対する縦横方向および左右方向の歪みやズレを最小限に抑えられ、JIS規格に定められた基準に比べ、はるかに優れた物理的強度および使用上の安定性を備えた舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック製品を提供することが可能である。
但し、この時に使用される連結補強プレートは、錆に強いステンレス製が望ましいが、生分解性プラスチックを除く、ポリプロピレン等の硬質プラスチック製樹脂であってもよい。
更に、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックは、通常、セメント・砕石・砕砂等で構成されるが、本件の場合、セメント工場内の生産過程から排出される余剰コンクリートまたは端材、建設現場で余剰撤去または建設現場から持ち帰りをしたロスコンクリートを、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックの再生骨材として再利用が出来る。
他にも、一般廃棄物由来の溶融スラグ類や、採石および窯業廃土、廃インターロッキングブロックを含む陶磁器くず、石炭灰、廃プラスチック、貝殻、廃残土、建設廃材(汚泥を含まず)、廃ゴム、ガラスカレット、副産石膏等の、安定型産業廃棄物由来の廃棄物が主に再生骨材化され、一般或いは安定型産業廃棄物を問わず、本明細書において開示する舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックとして再利用が可能である。
ところで、再生骨材の生態系への安全性については、図3に示すとおり、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングの再生骨材を加工する生産過程において、自社排出または、持ち込まれた安定型産業廃棄物を利活用する際には、変状・劣化等または不純物・有害物質の付着していないものを優先して利用するが、土壌汚染または水質汚染により特定有害物質や、試薬を含む毒物・危険物または残留農薬、病原菌等の細菌類が含有または、それらの物質が付着している可能性は目視だけでは判断が出来ないため、次亜鉛素酸ナトリウム水溶液および界面活性剤等でのミスト処理洗浄および、その後、熱湯純水洗浄により、再生骨材の洗浄と、洗浄排水の中和処理を行い、その後の酸化チタンコーティングを施した再生骨材専用の乾燥機で再生骨材が通過中には、追加の最終処理工程として紫外線での滅菌処理を実施してもよい。
この作業工程を加えることにより、確実に再生骨材を無害化することが可能となる。
また、各原材料となる再生骨材の嵩比重や骨材自身の強度には、それぞれの再生骨材の組成により違いが出るため、製造毎に各原材料の嵩比重や、骨材の劣化による強度測定をしてから配合調整を実施する。その上で、コンクリート強度を更に高めたい場合或いは、常にコンクリート強度を一定値に保つため、長さ3mm〜20mm、直径0.25mm〜2mmのグラスファイバーまたは炭素繊維等の強化繊維を0.1〜2.0パーセントの割合で配合することが可能である。
また、各原材料となる再生骨材の嵩比重や骨材自身の強度には、それぞれの再生骨材の組成により違いが出るため、製造毎に各原材料の嵩比重や、骨材の劣化による強度測定をしてから配合調整を実施する。その上で、コンクリート強度を更に高めたい場合或いは、常にコンクリート強度を一定値に保つため、長さ3mm〜20mm、直径0.25mm〜2mmのグラスファイバーまたは炭素繊維等の強化繊維を0.1〜2.0パーセントの割合で配合することが可能である。
技術的な効果としては、
ブロック製造時の原材料に、従来であれば廃棄処分または、埋立処分をされていた廃棄物を、余す所なく再生骨材として再利用することが可能である。
ブロック製造時の原材料に、従来であれば廃棄処分または、埋立処分をされていた廃棄物を、余す所なく再生骨材として再利用することが可能である。
次に、社会的な効果としては、
新しく製造する舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックは、可能な限り廃棄物を再利用することで、現在の産業廃棄物最終処分場での埋立率の削減を図ると共に、本明細書において開示する取組みにより地域社会の循環型社会の形成に貢献することが出来る。
新しく製造する舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロックは、可能な限り廃棄物を再利用することで、現在の産業廃棄物最終処分場での埋立率の削減を図ると共に、本明細書において開示する取組みにより地域社会の循環型社会の形成に貢献することが出来る。
また、自然の山肌を削り、砕石を採取するような従来の環境破壊型ではなく、従来なら埋立される廃棄物を再生骨材として再利用することから、地球温暖化防止に関わる温室効果ガス(CO2)の排出削減にも貢献することが出来る。
更に、自社の独占特許とはせず本明細書において開示する技術を広く世界に公表し、同業他社或いは異業種からの事業参入であったとすれば、新産業または新事業の創出となり、本考案の技術をより簡単により解かりやすく技術指導を行うことにより、世界各地のゴミ問題の解決に寄与することが出来る。
加えて、特に東南アジア沿岸部または太平洋のいずれかから排出されたものであろう、日本の沿岸部に漂着する膨大な漂着ゴミについても、漂着ゴミを排出しているであろう諸国に対して、本明細書において開示する製造技術指導を実施することにより、日本の沿岸部に到達している漂着ゴミの減少に繋げられる。
本明細書において開示する技術は、広域ではセメント業界となるが、舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック製品に限定すると、主に公共工事での土木資材となる。用途例では、歩道35%・公園35%・建築外構20%・その他10%(参照元:全国エクステリアコンクリート協会)となっており、民間需要は全体の25%はあるものの、駐車場程度の舗装が主な施工となるので、一般消費者がホームセンター等で購入出来る製品ではない。しかしながら、数量ベースで年間330万平方メートル、金額では200億円規模の市場規模と言われている。
仮に前記の市場規模をベースにして産業上の利用可能性を考えると、新規で毎年製造されている330万平方メートル分にもおよぶ舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック製品は、社団法人土木学会をはじめ、社団法人インターロッキングブロック協会、社団法人日本産業機械工業会、前記の全国エクステリアコンクリート協会等、循環型環境社会の形成が叫ばれる日々の中で、ようやく業界団体の施工方法に対するマニュアルも整備されつつあり、いずれ近い将来には更に汎用化され、一般消費者が気軽にホームセンター等で購入することができるDIY商品も開発される期待の分野であり、本明細書において開示する技術もその技術提供が可能な利用範囲と利用可能性を兼ね備えた製品である。
1a・・・側面に凹のある舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック、1b・・・側面に凸のある舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック、2・・・目地キープ、3・・・底面および側面に切り込みの入った舗装用コンクリート平板、或いはインターロッキングブロック、4・・・切り込み箇所、5・・・専用連結補強プレート、5a・・・普通プレート(上部)、5b・・・摺り鉦プレート(上部)、5c・・・波板プレート(上部)、5d・・・普通プレート(側面)、5e・・・摺り鉦プレート(側面)、5f・・・波板プレート(側面)、6・・・従来ブロックの補強プレート施工例、6a・・・ブロック、6b・・・敷砂層、6c・・・路盤層、6d・・・従来ブロックの補強プレート、7・・・足付き補強プレート施工例、7a・・・ブロック、7b・・・敷砂層、7c・・・路盤層、7d・・・足付き補強プレート、8・・・足付き補強プレート平面図、9・・・足付き補強プレート斜視図、9a・・・基部、9b・・・足、9c・・・立設部。
Claims (5)
- レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックが、下地となる敷砂層上に敷設された際に、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレートであって、
前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部と、
前記基部から前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足と、
前記基部から前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部と
を備える足付き補強プレート。 - 請求項1に記載の足付き補強プレートであって、
金属製とされている足付き補強プレート。 - 請求項1に記載の足付き補強プレートであって、
プラスチック製(ただし、生分解性プラスチックを除く。)とされている足付き補強プレート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の足付き補強プレートであって、
複数の前記足が形成されている足付き補強プレート。 - レンガ、タイル、舗装用コンクリート平板、及びインターロッキングブロックのうちのいずれかであるブロックを、下地となる敷砂層上に敷設して構成された舗装構造であって、
前記敷砂層と前記ブロックとの間には、前記敷砂層上において前記ブロックにズレが生じるのを抑制可能な足付き補強プレートが介装されており、
前記足付き補強プレートは、前記ブロックと前記敷砂層との間に挟み込まれる基部と、前記基部から前記敷砂層側へ突出し、前記敷砂層に突き刺さる足と、前記基部から前記ブロック側へ突出し、隣り合う前記ブロック間に挟まれる立設部とを備えている
舗装構造。
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