JP3201903U - 防風・防砂柵 - Google Patents

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渡辺 俊一
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Abstract

【課題】 耐久性に優れ、かつ、廃棄時の分別に手間がかからない防風・防砂柵を提供する。【解決手段】防風・防砂柵1は、複数の木製の支柱2と、支柱2に交差して延びるとともに支柱2の上方に位置する第1横木3と、第1横木3の下方に位置する第2横木4と、支柱2および第1横木3、支柱2および第2横木4をそれぞれ連結する木製の連結具5と、支柱2の間に位置し第1横木3および第2横木4に交差して延びる複数の縦木6と、第1横木3または第2横木4と、縦木6とを互いに固定する植物由来材料によって構成される固定具7とを備える。【選択図】図1

Description

この考案は、砂浜等に設置され防砂および防風機能を有する防風・防砂柵に関し、より詳細には防砂林として植栽された苗木等の周りに設置され、苗木等を砂や風から保護することができる防風・防砂柵に関する。
従来、防砂林として松の苗木等を砂浜に植栽し、この苗木が成長するまでの間、砂や風から保護するために防風・防砂柵で囲っていた。柵がないと、砂や風によって苗木が倒れてしまい十分に成長できず、防砂林として機能できなくなってしまう。そこで、少なくとも苗木が十分に成長するまで、防風・防砂柵を設け苗木を保護することとしている。このような防風・防砂柵は、苗木が成長した後に撤去されることもあるし、そのまま放置される場合もある。
特開2000−27122号公報
しかしながら、従来の防風・防砂柵は、木材を釘、針金、ボルトなどの金属金具で固定したものを用いるのが一般的であった。苗木が成長した後、これを撤去しようとした場合には、金具の分別が非常に煩わしいという問題があった。また、そのまま放置した場合には、木材は劣化するが、釘や針金は木材に比べて劣化せず、これら木材から飛び出たりして、見た目にもよくないし、付近を通る人にとって危険であるという問題もあった。さらに、釘等が錆びてしまった場合には、これらを木材から抜くことができず、解体が困難であった。そのようなときは、チェーンソーやのこぎりで木材を切断し解体していたが、釘やボルトがある部分では切断することもできないという問題もあった。
さらに、特許文献1のように紙製廃棄物を用いて防風・防砂柵を形成するというものもあるが、この場合には耐久性に欠け、苗木が成長する前に自然分解されてしまうことが懸念される。
この考案では、耐久性に優れ、かつ、廃棄時の解体および分別に手間がかからない防風・防砂柵を提供することを課題とする。
この考案は、複数の木製の支柱と、前記支柱に交差して延びるとともに前記支柱の上方に位置する第1横木および前記第1横木の下方に位置する第2横木と、前記支柱および前記第1横木、前記支柱および前記第2横木をそれぞれ連結する木製の連結具と、前記支柱の間に位置し前記第1横木および前記第2横木に交差して延びる複数の縦木と、前記第1横木または第2横木と、前記縦木とを互いに固定する植物由来材料によって構成される固定具と、を備えたことを特徴とする。
この考案の防風・防砂柵によれば、構成要素のすべてを木製または植物由来材料を用いているので、これを撤去する際の分別が不要である。また、主要部を木製材料によって構成するので、風雨に対する耐久性が高く、長期間に亘ってその形状を維持することができる。
この考案の防風・防砂柵の一例を示す斜視図であって、説明のためその一部を破断した図。 図1のII−II線拡大断面図。 連結具の説明図。
図1および2を参照すれば、防風・防砂柵1は、図面上下方向へ延びる複数の木製の支柱2と、支柱2に交差して延びるとともに支柱2の上方に位置する第1横木3と、第1横木3の下方に位置する第2横木4と、支柱2および第1横木3、支柱2および第2横木4をそれぞれ連結する木製の連結具5と、支柱2の間に位置し第1横木3および第2横木4に交差して延びる複数の縦木6と、第1横木3または第2横木4と、縦木6とを互いに固定する植物由来材料によって構成される固定具7とを備える。
支柱2は、上端部2Aに比較して下端部2Bが先鋭となっており、砂浜等に打ち込みやすいようにしている。第1横木3および第2横木4は、それぞれ厚さ方向へ2枚並んで配置される。これら第1横木3および第2横木4は、連結具5によって支柱2に固定される。特に図3を参照すれば、連結具5は、木製の柱状の棒体51と、棒体51の端面51Aから挿入される木製のくさび52とを含む。棒体51には、端面51Aからその奥へと向かうスリット53が設けられる。スリット53にくさび52を打ち込むことができる。
特に図2を参照すれば、第1横木3の一端部3Aおよび他端部3Bにはそれぞれ略円形の貫通孔31Aおよび31Bがそれぞれ設けられるとともに、支柱2の上端部2Aにも径方向に貫通する略円形の貫通孔21Aが設けられる。二枚の第1横木3の貫通孔31Aおよび支柱2の貫通孔21Aには、棒体51が挿入される。第1横木3および支柱2に挿入された棒体51のスリット53にはくさび52が打ち込まれる。くさび52を打ち込むことによって、スリット53が広がり、棒体51が貫通孔21Aに押圧されて第1横木3および支柱2が強固に連結および固定され、抜けにくくすることができる。同様に第1横木3の他端部3Bに設けられた貫通孔31Bにも棒体51が挿入され、支柱2と連結される。
さらに、図示しないが、第2横木4の一端部4Aおよび他端部4Bにも略円形の貫通孔41Aおよび41Bがそれぞれ設けられる。これら貫通孔41Aおよび41Bと支柱2に設けられた貫通孔21Aとに棒体51を挿入し、くさび52を打ち込むことによって、第2横木4と支柱2とを連結、固定することができる。このように、くさび52とスリット53を用いることによって、支柱2および第1横木3、支柱2および第2横木4をそれぞれ連結することができるから、金属金具を用いる必要がない。
上記のように第1横木3の貫通孔31A,31B、第2横木4の貫通孔41A,41B、および支柱2の貫通孔21Aが略円形であり、これに柱状の棒体51を挿入する。したがって、第1横木3および第2横木4は支柱2に対して棒体51を中心に回動可能となる。防風・防砂柵1を傾斜地に設置する場合には、その角度に合わせて第1横木3および第2横木4を回動させ支柱2との角度を変更することができる。したがって、傾斜地においても容易に設置が可能である。
縦木6は、二枚の第1横木3の間、および二枚の第2横木4の間にそれぞれ保持される。具体的には、縦木6の上端部6Aが第1横木3の間に位置し、下端部6Bが第2横木4の間に位置する。縦木6は、固定具7によって第1横木3および第2横木4にそれぞれ固定される。具体的に、固定具7として木製のくさびを用いることができる。固定具7であるくさびは、縦木6と第1横木3の間、縦木6と第2横木4の間であって、その上方から打ち込む。このようにすることで、縦木6を第1横木3の間、第2横木4の間にそれぞれ固定することができる。
このような防風・防砂柵1を施工する際、作業者は一本目の支柱2の下端部2B側を地中に埋設し、続いて第2横木4の一端部4Aの貫通孔41Aと支柱2の貫通孔21Aとを一致させ、棒体51を挿入して仮止めする。このとき第2横木4から手を放すと、一端部4Aは棒体51によって保持され、他端部4Bは地面で保持される。次に、作業者は第2横木4の他端部4B側へと移動し、設置した他端部4Bの近傍に二本目の支柱2の下端部2Bを埋設する。次に、第2横木4の他端部4Bの貫通孔41Aおよび二本目の支柱2の貫通孔21Aに棒体51を挿入し仮止めする。同様に、第1横木3の一端部3Aおよび他端部3Bも支柱2に仮止めする。次に、二枚の第1横木3の間および二枚の第2横木4の間を通るように縦木6を挿入する。二枚の第1横木3および二枚の第2横木4の間隔は、それぞれ縦木6の厚さよりも大きくしておく。縦木6の下端部6Bは地面に当接し保持される。縦木6を挿入したら、仮止めしていた第1横木3の一端部3Aおよび他端部3Bをそれぞれ連結具5で支柱2に固定するとともに、第2横木4の一端部4Aおよび他端部4Bも連結具5で支柱2に固定する。さらに、縦木6と第1横木3との間、縦木6と第2横木4との間に固定具7を挿入し、これらを固定する。
上記のような施工方法によれば、一本目の支柱2と二本目の支柱2との間隔を仮止めした第2横木4で把握することができる。したがって、メジャー等他の器具を使用して支柱の間隔を測定する必要がなく、施工性に優れている。また、メジャー等を使用した場合には、その先端を抑える人と、他端でメジャーを伸ばして測定する人が必要であるが、この実施形態では一人で施工することができる。
上記のような防風・防砂柵1によれば、構成要素のすべてを木製としているので、仮にこれを撤去する場合であっても、分別の必要がない。また、撤去しない場合であっても、木材が風化し自然分解させるだけであるので、環境に非常に優しい。さらに、風化の過程において釘や針金などが構成部材から突出し、これでけがをするということもない。植林された苗木が成長し防砂林として機能するまでには数年の月日を要するとされているが、この考案では木製の部材を用いるので少なくとも数年の耐久性を有し、苗木が成長するまでは防風・防砂柵1として機能することができる。
この実施形態で用いられる木材として、杉等の間伐材を用いることができる。間伐材を用いることによって、小径木および低質材の有効利用を図ることができるとともに、森林の育成に寄与することができる。また、金具を使用しないことにより二酸化炭素の排出を削減でき、さらには、木材を利用することによる二酸化炭素の固定を図ることもでき、地球環境の保護に貢献することができる。
この実施形態において、一対の支柱2とその間に位置する第1横木3、第2横木4および縦木6をひとつのユニットとして、これを複数ユニット連続して設置することができる。この時、第1のユニットと第2のユニットにおいて、支柱2を共通にすることができる。また、第1のユニットの第1横木3および第2横木4を支柱2の手前側に設置した場合、これに隣接する第2のユニットの第1横木3および第2横木4は、支柱2の奥側に設置することが望ましい。このように交互に設置することによって、一本の支柱2の手前側に第1のユニットの第1横木3および第2横木4を取付け、奥側に第2のユニットの第1横木3および第2横木4を取付けることができ、支柱2を有効に利用することができる。また、連結具5も第1のユニットと第2のユニットとで共通して使用することができ資源を節約することができる。
この実施形態において、固定具7として木製のくさびを用いているが、例えば棕櫚縄等の植物由来材料を用いた他の部材を用いることもできる。すなわち、第1横木3または第2横木4と、縦木6とを棕櫚縄で結んで固定することもできる。また、第1横木3および第2横木4のいずれか一方においてくさびの固定具7を用い、他方において棕櫚縄等の固定具7を用いることもできる。このように固定具7として、植物由来材料を用いることで、防風・防砂柵1の撤去時の分別を不要とすることができる。また、棒体51は、各貫通孔に挿入可能であれば、円柱型でも多角柱型でもよい。さらに、この実施形態で用いる木材においては、防腐剤を注入して用いることもできる。
1 防風・防砂柵
2 支柱
3 第1横木
4 第2横木
5 連結具
6 縦木
7 固定具

Claims (1)

  1. 複数の木製の支柱と、
    前記支柱に交差して延びるとともに前記支柱の上方に位置する第1横木および前記第1横木の下方に位置する第2横木と、
    前記支柱および前記第1横木、前記支柱および前記第2横木をそれぞれ連結する木製の連結具と、
    前記支柱の間に位置し前記第1横木および前記第2横木に交差して延びる複数の縦木と、
    前記第1横木または第2横木と、前記縦木とを互いに固定する植物由来材料によって構成される固定具と、
    を備えたことを特徴とする防風・防砂柵。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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