JP3201854B2 - 塩の電解分離方法 - Google Patents

塩の電解分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芒硝等の中和塩水溶液
を電解により酸とアルカリに分離するための電解分離方
法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】中和塩の酸及びアルカリへの
分離は化学反応によりイオン化傾向及び溶解度の差を利
用して行われていた。しかしこの方法で時として酸アル
カリの分離というより主としてアルカリの回収の目的で
行われることが多かった。一方イオン交換膜が実用化さ
れ、その性能の向上に応じて電気透析技術が発達し該技
術による分離技術が進歩した。しかしこの技術は装置が
簡単で電気エネルギーの消費が少ないという利点はある
ものの、効率良く分離するためには多量の水により希釈
するため、分離後に蒸発等の濃度制御をすることが必要
があり、極めて限られた範囲で実用化されるのみであっ
た。
【0003】これらの欠点を解消する方法として電解法
が検討され実用化に移されている。この電解法では、陽
イオン交換膜により陽極室と陰極室に区画した電解槽の
該陽極室に分離すべき塩を加え、陽極として酸素発生陽
極、陰極として水素発生陰極を使用して電解を行う。陽
極室中の金属イオン(陽イオン)が電場により陰極室に
移行すると同時に、陰極室では水素発生を行うことによ
り水酸イオンが供給され、両者の反応により金属水酸化
物(アルカリ)が生成する。即ち、 2H2 O + 2e- → H2 + 2OH-n+ + n(OH- ) → M(OH)n (n
は価数)
【0004】一方陽極室では残された陰イオンと陽極反
応による酸素発生で生じた水素イオンが反応して酸が生
成する。即ち、 2H2 O → O2 + 4H+ + 4e-n- + nH+ → Hn A (酸) (n
は価数)
【0005】しかしこのタイプの電解では陽極室内に未
反応の塩MAが存在するため実際には未反応の塩と生成
する酸の混合物となる。純粋な酸を得るためには陽イオ
ン交換膜と陰イオン交換膜の2枚のイオン交換膜を使用
して電解槽を陽極室、陰極室及びそれらの中間の中間室
の3室に区画し、該中間室に塩水溶液を供給すると、陽
極室には陰イオン交換膜を透過して中間室内の陰イオン
が移行し水素イオンと反応して純粋な酸を生成し、一方
陰極室には陽イオン交換膜を透過して中間室内の陽イオ
ンが移行し水酸イオンと反応して純粋なアルカリを生成
する。この3室法プロセスは従来は排煙脱硫プロセスの
一部等で僅かに行われていたが、中和塩は一般に廃棄し
やすく、又回収コストと比較して酸、アルカリが安価で
あることもあり、恒常的な使用がなされるには至ってい
なかった。
【0006】しかし最近の環境問題に対する認識の厳し
さから、塩の排出規制が行われようとしており、工程中
で生じた塩の排出量を最小限に留め、又化学原料の主体
を占める食塩電解による苛性ソーダ及び塩素の生産にお
ける苛性ソーダと塩素のアンバランス、つまり苛性ソー
ダの恒常的な不足が予想され、苛性ソーダをリサイクル
してその使用量を減少させかつ食塩以外の苛性ソーダ原
料を見出す必要が生じており、芒硝(Na2 SO4 )、
炭酸ソーダ(トロナ灰、Na2 CO3 )等の中和塩から
の酸アルカリ分離による苛性ソーダの生産が必要となっ
た。この生産の主体を成す技術が電解による酸アルカリ
分離技術であり、従来の一般的な技術を向上させてより
経済的に電解分離を行うことを目的に開発が続けられて
いる。
【0007】中でも注目されているのがガス電極を使用
して陰極反応又は陽極反応のエネルギー消費を減少させ
る技術である。特に陽極側を水素ガス電極とすることに
より陽極でガス発生反応が起こらず、理論上1.2 V以上
の電解電圧の低減が可能である。このガス電極を使用す
る芒硝電解技術として、ガス電極をイオン交換膜に密着
させたいわゆる固体電解質型電極を陽極として使用し電
解分離を行う技術が提案されている。この技術では電極
が陽極液に接触しないため電極が液の影響を受けにく
く、又陽分極が殆どないため陽極液中に存在する酸以外
のイオンの影響が殆どないといった特徴を有している。
【0008】しかし前述のガス電極をイオン交換膜に密
着させた固体電解質型電極を作製するためにはイオン交
換膜と電極とを予め接合しておかなければならないとい
う問題点があり、小型のもの又は実験室レベルの使用で
は問題がないが、大型化又は工業レベルへの用途拡大の
ためには設備の大型化が必要であり、実用化を図るため
には多大の問題点を有していた。ガス電極を陽極として
使用する場合、該ガス電極には水素ガス供給される。つ
まり陽極反応はH2 →2H+ +2e- であり、H+ はイ
オン交換膜を通って陽極液に供給されるがイオン交換膜
へは陽極液側から水が供給されることにより前記水素イ
オンは陽極液中に拡散するものと考えられる。
【0009】しかし通常イオン交換膜はイオンの移行と
ともに水を移行させる機能を有し、特に高電流密度では
陽極液からの拡散水のみでは水が不足しイオン交換膜が
乾燥する可能性があり、高電流密度例えば30A/dm2 以上
では電流が流れにくくなったり、膜抵抗が上昇して槽電
圧も上昇するという問題点があった。又ガス電極への電
流の供給は集電体と呼ばれる導電性の金属ネットを使用
して行われる。イオン交換膜の特性として陽イオン交換
膜を使用しても若干の陰イオンが陽イオン交換膜を通っ
てガス電極側に移行(バックマイグレーション)するこ
とがあり、更に水素イオンが多量に存在し極めて強い酸
となっているため、ガス電極は主として白金と炭素から
成り強い酸雰囲気に対して耐性があるとしても、前記集
電体が腐食するという問題点があり、更に陽極室が通常
の金属製であると該陽極室を腐食してしまい短期間にこ
れを破壊するという問題点がある。これらの問題点を回
避するために実用的には、集電体を特に酸に強い耐食性
材料を使用し、電解槽本体に特殊な耐食性材料を使用す
る必要があった。これらも小型レベルでは実用化できて
も実用の電解槽として実現することが困難であるという
問題点があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、叙上の問題点を解決し、既存
の材料を使用した電解槽で長期間に渡り安定した運転が
可能な塩の電解分離方法を提供することを目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明方法は、隔膜に
より陽極室と陰極室に区画された電解分離用電解槽の陰
極室に水素発生陰極を、陽極室に水素ガス電極を設置
し、該陽極室に塩を供給し、該水素ガス電極をイオン交
換膜の前記隔膜との反対面に密着させるとともに該水素
ガス電極に水素と水分を含有する混合ガスを供給しなが
ら塩を電解することを特徴とする塩の電解分離方法であ
る。以下本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明方法では、イオン交換膜に接触し陽
極として機能するガス電極に前記イオン交換膜とは反対
面の後面側から水素と水分を含有する混合ガスを供給し
ながら塩の電解分離による酸とアルカリの生成を行う。
これにより従来のように水素ガスのみを供給しながら電
解を行う際に生ずる陽イオンの陰極室又は中間室への移
行に伴うイオン交換膜の乾燥を防止することができ、特
に50A/dm2 以上の大電流の場合でも支障なく酸とアルカ
リの生成を行うことができる。
【0013】つまり通常水分が不足しがちなガス室に水
分が十分に存在するため、多量の電流を流しても水素イ
オンと同伴する移行水が不足することがなく、従来のよ
うにイオン交換膜の乾燥に起因する種々の問題が生ずる
ことがなくなる。そして水素イオンが溶液室中に移動し
てガス室内に殆ど残存しないためガス室内のドレーン水
の酸性が弱くなり、ガス室の部材特に電解槽壁の腐食が
抑制される。本発明方法で使用する電解槽は陽極として
ガス電極を使用し、該ガス電極自体はグラファイトやフ
ッ素樹脂等から構成される従来のものを使用すればよ
く、前記電解槽は隔膜で陽極室と陰極室とに区画され、
更に2枚の隔膜で陽極室及び陰極室とその中間の中間室
に区画するようにしてもよい。該隔膜は陽イオン交換膜
とすることが望ましい。
【0014】そして本発明では前記ガス電極を密着させ
るイオン交換膜を使用する。該イオン交換膜は前記隔膜
をイオン交換膜とする場合はこれを兼用してもよいが、
好ましくは前記隔膜とは別個にイオン交換膜を使用し該
イオン交換膜で陽極室内を溶液室とガス室に区画し、該
イオン交換膜のガス室側表面に前記ガス電極を密着さ
せ、更に該ガス電極に給電する集電体を積層する。これ
らの3部材は互いに接着してもよいが、操作性を向上さ
せるためには単に密着させたままで陽極室内に収容し、
集電体側から例えば給電ロッドで押圧すれば、10〜50A/
dm2 程度の電流密度では該給電ロッドと溶液室内の電解
液の水圧とにより所定位置に密着状態で保持される。
【0015】前記ガス室内のガス電極に供給される混合
ガスは、少なくとも水素と水分を含有し、他の不活性ガ
スを少量ならば含有していてもよい。前記水分には水蒸
気やミストが含まれ、任意のガス状水分子を指称する。
水分の供給量はイオン交換膜を透過する水素イオンに同
伴する移行水が十分供給される量とし、通常は移行水の
2〜4倍とする。前記混合ガスは水素ガスと水分を混合
して生成してもよいが、電解槽の陰極室で水分を含む水
素ガスが生成しかつ排出されるのでこのガスを循環して
使用することが望ましく、水分が不足する場合にはこの
陰極室ガスを水中を通した後に供給すればよい。
【0016】この電解槽の陽極室の溶液室に中和塩水溶
液を、ガス室に混合ガスを、又陰極室に純水又は目的の
金属水酸化物(アルカリ)水溶液を供給しながら電解を
行うと、ガス室のガス電極で生成する水素イオンが存在
する水分を移行水としてイオン交換膜を透過して溶液室
内の陽極液に溶解し、陽極液中の金属陽イオンが隔膜を
透過して陰極室に達し水酸イオンと反応して目的の金属
水酸化物水溶液が得られる。なお前記ガス室内にはバッ
クマイグレーションにより若干の酸が存在する。従って
ガス室からのドレーン水は廃棄するのではなく陽極室に
循環すると経済的であるとともに環境汚染防止にも寄与
することができる。前記電解では、水素イオンが十分な
移行水を伴ってイオン交換膜を透過するため常に該イオ
ン交換膜が湿潤状態に維持され、イオン交換膜の乾燥に
伴う問題点例えばイオン交換膜の抵抗増大による電解電
圧の上昇を抑制し、そしてイオン交換膜を十分な移行水
が透過するため、バックマイグレーションによる前記酸
の量を最小限にすることができる。
【0017】次に添付図面に基づいて本発明方法に使用
可能な電解槽の一例を説明する。図1は本発明方法に使
用可能な電解槽の一例を示す概略縦断面図である。箱型
電解槽1は、隔膜であるイオン交換膜2により陽極室3
と陰極室4に区画され、更に該陽極室3は電極用イオン
交換膜5により前記隔膜用イオン交換膜2側の溶液室6
と反対側のガス室7とに区画され、該電極用イオン交換
膜5は前記電解槽1の周壁に密着して溶液室6内の電解
液がガス室7内に流入しないようにしている。
【0018】前記電極用イオン交換膜5のガス室7側表
面には例えば触媒としての白金族金属やその酸化物等を
フッ素樹脂粉末やグラファイトと共に基体に被覆して成
るガス電極8が形成され、更に該ガス電極8のガス室側
にはメッシュ状金属から成る集電体9が位置しかつ該集
電体9は給電ロッド10に接続されている。前記電極用イ
オン交換膜5−ガス電極8−集電体9は溶液室6側の水
圧により給電ロッド10に向かって押圧され互いに密着し
ている。陰極室4側の電解槽1側壁は陰極11として機能
し、該陰極11には給電ロッド12から電気が供給される。
なお、13及び14はそれぞれガス室7上下の電解槽壁に設
置された混合ガス供給口、及びガス及びドレーン排出口
であり、15は溶液室6上縁の電解槽壁に設置された陽極
液供給及び排出口、16は陰極室4上縁の電解槽壁に設置
された陰極液供給及び排出及びガス排出口である。
【0019】図示の電解槽1のガス室7に混合ガス供給
口13から水素と水蒸気又はミストの混合ガスを供給し、
溶液室6に陽極液口15から芒硝等の中和塩水溶液を供給
し、更に陰極室4に希苛性ソーダ水溶液を供給しながら
通電して電解を行わせると、水素ガスがガス電極8で酸
化されて水素イオンに変換され、該水素イオンは同時に
供給された水分中の水分子を移行水として伴って電極用
イオン交換膜5を透過して溶液室6に達する。そして該
水素イオンと溶液室6内の陰イオンとで酸を生成する。
一方陰極室4においては通常の電解の場合と同様に水素
を発生しながら金属水酸化物の水溶液を得ることができ
る。なお陰極室4で発生する水分を含む水素ガスをガス
室7に循環して有効利用するようにしてもよく、水分が
不足する場合には水中を通した後に循環させればよい。
【0020】この場合通常水分が不足しがちなガス室7
に水分が十分に存在するため、多量の電流を流してもつ
まり電流密度を高くしても水素イオンと同伴する移行水
が不足することがなく、従来のようにイオン交換膜の乾
燥に起因する種々の問題が生ずることがなくなる。そし
て水素イオンが溶液室6中に移動してガス室7内に殆ど
残存しないためガス室7内のドレーン水の酸性が弱くな
り、ガス室7の部材特に電解槽壁の腐食が抑制される。
【0021】
【実施例】次に本発明の塩の電解分離方法の実施例を記
載するが、本発明方法はこれらに限定されるものではな
い。
【実施例1】パーフルオロスルホン酸陽イオン交換膜
(商品名ナフィオン#427 )によって陽極室及び陰極室
に区画された2室法電解分離用電解槽の陰極としてニッ
ケル多孔体から成る活性陰極を、又陽イオン交換膜とし
てナフィオン#117 を、陽極としてピッチ系炭素繊維を
手織した布に粒径5μm以下のフッ素樹脂とグラファイ
ト粉末を混練し焼き付け更にその表面にフッ素樹脂によ
って白金黒を付着させた粒子を焼き付けて調製したガス
電極をそれぞれ使用した。
【0022】集電体として厚さ0.5 μmとなるように白
金をめっきしたチタンネットを使用し、このチタンネッ
ト、ガス電極及び前記陽イオン交換膜はそれぞれ個別に
接着せずにガス室側のチタン製エキスパンドメッシュ上
に設置し電解液の圧力で前記3者が密着するようにし
た。電解液圧力は平均して1mAqであった。この電解
槽の溶液室に30%の硫酸ナトリウム水溶液を、陰極室に
は得られる苛性ソーダ水溶液の濃度が20%となるように
脱イオン水をそれぞれ供給しながら電解を行った。陰極
室で発生する水素と別個の小型の電解水素発生装置で発
生する水素を混合し30cmの水中を通した後に理論量の
10%増となるように陽極に供給した。混合ガス中の水分
量はミストを含めて水素陰極室に対して3.5 分子となる
量であった。
【0023】電流密度を10、20、30及び50A/dm2 と変
化させ、各電流密度における電解電圧を測定したところ
表1に示す通りであった。この結果から本実施例では高
電流密度まで電流密度−電解電圧が直線関係にあること
が判る。更にガス室のドレンからの水のpHを測定した
ところ表1に示す通り5.2 であり、更に僅少量の硫酸イ
オンが検出され、集電体の溶解等に起因すると思われる
金属イオンは全く見られなかった。
【0024】
【比較例1】水素ボンベ中の水素をそのまま電解槽の陽
極室に供給したこと以外は実施例1と同様の条件で電解
を行った。電流密度と電解電圧の関係及びドレン水のp
Hは表1に示す通りであった。比較例1の電流密度−電
解電圧の関係を見ると、高電流密度側で急激な電圧上昇
が生じていることが判る。これはガス電極部分の抵抗が
高電流密度側で急激に立ち上がっているためと推測され
る。又ドレン水は約20%の硫酸であり、チタンイオンが
多量に含有されかつ白金も認められた。これはガス電極
部分が高濃度硫酸となり集電体が溶出しているためと推
測できる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明方法は、隔膜により陽極室と陰極
室に区画された電解分離用電解槽の陰極室に水素発生陰
極を、陽極室に水素ガス電極を設置し、該陽極室に塩を
供給し、該水素ガス電極をイオン交換膜の前記隔膜との
反対面に密着させるとともに該水素ガス電極に水素と水
分を含有する混合ガスを供給しながら塩を電解すること
を特徴とする塩の電解分離方法である。従来のガス電極
を使用する電解槽では、ガス電極にガスのみが供給され
ていたため、ガス電極及び該ガス電極に近接するイオン
交換膜が乾燥しやすく、特に電流密度を高くして水素イ
オンの移行量が増加するとそれに伴う移行水も増加する
ため乾燥が促進され、イオン交換膜の抵抗増に起因する
電解電圧の上昇等の不都合が生じていた。
【0027】しかしながら前述の本発明によると、水素
イオンに同伴する移行水を十分に補うことのできる水分
がガス電極に供給されるため、電流密度を高くしてもイ
オン交換膜の乾燥が生ずることがなく、常にイオン交換
膜を湿潤状態に維持し、安定した電解反応を進行させる
ことができる。又通常のガス電極を使用する電解ではバ
ックマイグレーション等によりガス電極付近が強い酸性
雰囲気になるが、本発明では十分な量の移行水が水素イ
オンを溶液室側に移行させるため、極端にpHが高くな
ることがなく、ガス室の部材保護の面からも有利であ
る。
【0028】又本発明方法は2室法で好適に使用される
が、本発明を3室法電解に適用すると、陽極室でも純度
の高い酸を得ることができるため、更に好都合である。
本発明方法では陰極室で水素を含む湿潤ガスが発生する
が、このガスを陽極室のガス室に循環して混合ガスとし
て使用すると、余剰生成物の有効利用になり、消費電力
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用可能な電解槽の一例を示す概
略縦断面図。
【符号の説明】
1・・・ 箱型電解槽 2・・・隔膜用イオン交換膜
3・・・陽極室 4・・・陰極室 5・・・電極用イオ
ン交換膜 6・・・溶液室 7・・・ガス室 8・・・ガス電極 9・・・集電体 10・・・給電ロッ
ド 11・・・陰極 12・・・給電ロッド 13・・・混合
ガス供給口 14・・・ガス及びドレーン排出口 15・・・陽極液供給及び排出口、16・・・陰極液供給及
び排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−130497(JP,A) 特開 昭59−43889(JP,A) 特開 昭59−133386(JP,A) 特開 昭53−16371(JP,A) 特開 平6−173061(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔膜により陽極室と陰極室に区画された
    電解分離用電解槽の陰極室に水素発生陰極を、陽極室に
    水素ガス電極を設置し、該陽極室に塩を供給し、該水素
    ガス電極をイオン交換膜の前記隔膜との反対面に密着さ
    せるとともに該水素ガス電極に水素と水分を含有する混
    合ガスを供給しながら塩を電解することを特徴とする塩
    の電解分離方法。
  2. 【請求項2】 電解槽が、2枚の隔膜により陽極室、中
    間室及び陰極室の3室に区画されている請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 混合ガスが陰極で発生するガスである請
    求項1に記載の方法。
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