JPH09217185A - 3室型電解槽 - Google Patents

3室型電解槽

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JPH09217185A
JPH09217185A JP8052336A JP5233696A JPH09217185A JP H09217185 A JPH09217185 A JP H09217185A JP 8052336 A JP8052336 A JP 8052336A JP 5233696 A JP5233696 A JP 5233696A JP H09217185 A JPH09217185 A JP H09217185A
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JP
Japan
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chamber
cathode
anode
exchange membrane
intermediate chamber
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Application number
JP8052336A
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English (en)
Inventor
Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Yoshinori Nishiki
善則 錦
Masashi Tanaka
正志 田中
Yasuo Nakajima
保夫 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
De Nora Permelec Ltd
Original Assignee
Permelec Electrode Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09217185A publication Critical patent/JPH09217185A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/46104Devices therefor; Their operating or servicing
    • C02F1/4618Devices therefor; Their operating or servicing for producing "ionised" acidic or basic water

Abstract

(57)【要約】 【目的】 陽極室からORPが高く純粋な酸性水を、又
陰極室からORPが低く純粋なアルカリ性過酸化水素水
を同時にかつ高効率で得るための電解装置を提供する。 【構成】 陰イオン交換膜2及び陽イオン交換膜5によ
り陽極室3−中間室4−陰極室6に区画された3室型電
解槽1の中間室にも前記陰イオン交換膜及び陽イオン交
換膜に密着させて陽極9及び陰極8を設置し、陰極室に
酸素含有ガスを供給する。該陽極9及び陰極8を電気的
に接続すると、勾配がなくなり中間室内のイオンの移行
が完全に自由に行なえるようになり、又前記陽極9及び
陰極8を別個に電源に接続すると、両電源による通電量
を別個に最適値に設定でき、不要な通電及びそれに伴う
無駄なエネルギー消費を回避でき、この高効率電解によ
り陽極室で酸性水が陰極室でアルカリ性過酸化水素水が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度のアルカリ性過
酸化水素水及び酸性水を同時生成することが可能な3室
型電解槽に関し、より詳細には電子部品の製造や洗浄に
使用する金属汚染のない高純度の酸性水及びアルカリ性
過酸化水素水を比較的高電流密度及び低電解電圧で製造
するための3室型電解槽に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】電子部品の製造や洗浄には、
従来から該用途のために特別に調製された硫酸、フッ
酸、過酸化水素、塩酸等が使用されてきた。これらは今
後も用途に応じて使用されるが、それぞれに応じた化学
プロセスで製造された製品を特別に精製して得られたも
のであり、製造過程の触媒等から混入してくる金属成分
の除去等を行なうために操作が煩雑で結果的に高価な製
品となっている。又精製操作を丁寧に行なっても電子デ
バイスの高度化に伴う許容不純物量の低下に対しては必
ずしも十分に対応できるものではなく、新たな代替手法
が要請されている。
【0003】その代替手法の1つとしてオゾン水の使用
があり、特に電気分解により製造した高濃度オゾン水
は、電子デバイスの洗浄用等として極めて有効であるこ
とが知られている。しかしオゾン水単独の使用のみでは
不十分なことがあり、オゾン水の有しない他の機能例え
ば酸化作用及び還元作用を有しかつ金属成分を全く含有
しない処理液の必要性が高まっている。該処理液とし
て、いわゆる酸性水あるいは超酸性水があり、該酸性水
は通常pHが3以下で酸化還元電位(ORP)が1.2 V
以上であり、超純水中に金属を含まないごく微量の電解
質を溶解し、これを電解することにより電解槽の陽極室
で得られ、電子デバイスの洗浄用等として僅かではある
が使用されている。この酸性水製造と同時に前記電解槽
の陰極室ではpHが10以上でORPが0V以下のアルカ
リ水が副生し、該アルカリ水の洗浄等の用途への使用の
検討も開始されている。なお用途によっては単なるアル
カリ水ではなく過酸化水素を含むアルカリ水、換言する
とアルカリ性過酸化水素水を使用が望ましいことがあり
この場合にはアルカリ水に代えてアルカリ性過酸化水素
水が製造できれば更に好都合となる。
【0004】これらの酸性水やアルカリ水の電解製造時
には、隔膜であるイオン交換膜により陽極室と陰極室に
区画された2室型電解槽が使用され、前記陽極室又は陰
極室に、超純水に金属成分を含まない数百から1万ppm
程度の微量の塩化アンモニウム等の電解質を溶解した電
解液を供給しながら電解を行なう。この場合陽極室側の
電解質を例えば塩化アンモニウム(NH4 Cl)とする
と、陽極反応は、 Cl- + H2 O → 2H+ + ClO- + 2
- となり、酸性で酸化性の強いpHが3以下でORP>1.
2 Vの次亜塩素酸の溶液が生成するが、この溶液中には
未反応の塩化アンモニウムが残留し、電子デバイス用を
はじめとする高純度洗浄水としては十分満足できるもの
ではなかった。この残留塩化アンモニウムを陰極室側に
循環し再度電解し塩化アンモニウムを反応により消耗さ
せることにより高純度の洗浄水を得ることができるが、
この際に次亜塩素酸イオンを選択的に陰極室から陽極室
へ透過させることが必要で換言すると陰イオン交換膜の
使用が必要になる。しかし現在市販されている陰イオン
交換膜は事実上炭化水素を骨格とする膜であり陽極液の
酸化作用に長期間耐えられるものではなく、実験室的規
模では実施可能でも工業的に有効に使用できる手法では
ない。
【0005】更にこの手法では陽極液と陰極液の一方し
か純粋な溶液が得られず、合目的ではない。更に電解質
を加えても液の電気伝導度は100 〜10000000Ωcm程度で
液抵抗が大きいため、電流密度は最大でも5A/dm2
度、通常は1A/dm2 と低く、多量の液を必要とする際に
は、その設備が極めて大きくなってしまうという問題点
がある。またこの手法を使用すると、理由は明確ではな
いが電極の消耗が加速するという現象が生じやすく、本
発明者らの経験によると白金電極を使用した場合でも通
常の電解質溶液の電解と比較して数倍から10倍以上の消
耗が観察されている。本発明者らはこれらの問題点を解
決するために、イオン交換膜に電極物質を密着して電解
し、イオン交換膜を固体電解質として使用することによ
り数十A/dm2以上の高電流密度で使用可能な電解方法を
提案した。しかしこの方法でも目的イオン以外の電解物
質を含まない陽極液及び陰極液を同時に製造することは
不可能である。
【0006】不純物を含有しない陽極液及び陰極液を同
時に製造する方法として、電解槽を陰イオン交換膜(又
は陽イオン交換膜)及び陽イオン交換膜を使用して陽極
室−中間室−陰極室の3室に区画し、中間室に所望の陽
イオン及び陰イオンを生成できる塩溶液を供給しながら
電解を行い、例えば陽極室で酸性水を陰極室でアルカリ
水を製造する方法が知られている。しかしこの従来法で
は陽極室と陰極室にそれぞれ陽極及び陰極が設置され、
両電極間に通電しながら電解を行なう構成であるため、
中間室内の抵抗によりイオンの移行が抑制され、又電解
電圧の上昇をも招き、効率の良い酸性水及びアルカリ水
の製造方法とは言えない。
【0007】
【発明の目的】本発明者らは、前述の従来技術の問題点
を解決するために、特に陽極室からORPが高く純粋な
酸性水を、又陰極室からORPが低く純粋なアルカリ性
過酸化水素水を同時にかつ高効率で得るための電解装置
を検討し、本発明に到達したものであり、本発明はこの
ような所定のORPを有する酸性水及びアルカリ性過酸
化水素水を効率良く製造できる3室型電解槽を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、陰イオン交
換膜又は陽イオン交換膜により陽極室及び中間室に、陽
イオン交換膜により前記中間室及び陰極室にそれぞれ区
画された3室型電解槽において、前記陰イオン交換膜又
は陽イオン交換膜の陽極室面に陽極室用陽極を、該陰イ
オン交換膜又は陽イオン交換膜の中間室面に中間室用陰
極を、前記陽イオン交換膜の中間室面に中間室用陽極
を、及び該陽イオン交換膜の陰極室面に陰極室用陰極を
それぞれ密着させ、中間室に塩溶液を供給しかつ陰極室
に酸素含有ガスを供給しながら各電極に通電し、前記陽
極室で酸性水を及び前記陰極室でアルカリ性過酸化水素
水をそれぞれ生成することを特徴とする3室型電解槽で
ある。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明の特
徴は、陰イオン交換膜(又は陽イオン交換膜)及び陽イ
オン交換膜により陽極室−中間室−陰極室に区画された
3室型電解槽の前記陰イオン交換膜(又は陽イオン交換
膜)及び陽イオン交換膜の両面にそれぞれ1対の陽極及
び陰極を密着させた点にあり、従って陰イオン交換膜
(又は陽イオン交換膜)により中間室と区画された陽極
室には陽極が、中間室には陰極及び陽極が、又陽イオン
交換膜により中間室から区画された陰極室には陰極が存
在する。電解反応は中間室に、金属イオンを含有しない
アンモニウム塩等の塩溶液、例えば塩化アンモニウム水
溶液、硫酸アンモニウム水溶液及び硝酸アンモニウム水
溶液等を供給して行なう通常の水電解であり、陽極室で
酸性水を得て、陰極室側には酸素含有ガスを供給して過
酸化水素を発生させ、得られるアルカリ水中に過酸化水
素を溶解させてアルカリ性過酸化水素水を得るようにす
る。
【0009】陽極室の陽極表面では水の電解により酸素
(オゾンを含むことがある)が発生し、かつ中間室から
移行してくる陰イオン例えば塩素イオンが塩素ガスに更
に次亜塩素イオンに電解酸化されて、酸性水が生ずる。
又中間室の陰極表面では、水の電解により水酸イオンが
発生し、更に該中間室の陽極表面で生ずる次亜塩素酸及
び酸素ガスの還元による塩素イオン及び水酸イオンの発
生が生じ、一方該中間室の陽極表面では、水の電解によ
る酸素ガスの発生、陽イオン例えばアンモニウムイオン
の酸化によるNOxの発生、水素ガスの酸化による水素
イオンの発生、前記中間室の陰極表面で生ずる塩素イオ
ンの酸化による塩素ガスや次亜塩素酸の発生等が生ず
る。陰極室の陰極表面では水電解により水酸イオンが発
生し、更に酸素含有ガス中の酸素と水との反応により下
式に従って水酸イオンと過酸化水素イオンが発生する。 H2 O + O2 → OH- + HO2 -
【0010】従って陽極室では酸素(オゾン)ガスと次
亜塩素酸イオン等を含み他の不純物のない酸性水が得ら
れ、陰極室では水酸イオン及び過酸化水素を含むアルカ
リ性過酸化水素水が得られる。不純物が存在しないた
め、得られる酸性水のORPが極めて高く、かつ得られ
るアルカリ性過酸化水素水のORPは極めて低く、理想
的な酸性水及びアルカリ性過酸化水素水の製造プロセス
が提供できる。そして本発明では従来の3室型電解槽と
異なり、中間室にも1対の陽極及び陰極をそれぞれ陰極
室の陰極と陽イオン交換膜を介してまた陽極室の陽極と
陰イオン交換膜(又は陽イオン交換膜)を介して近接す
るように設置している。これらの中間室電極への通電
は、両電極を電気的に接続して、陽極室の陽極→中間室
の陰極→中間室の陽極→陰極室の陰極の順に行なっても
良く、又2個の電源を使用して陽極室の陽極と中間室の
陰極、及び中間室の陽極と陰極室の陰極間に別個に通電
しても良い。
【0011】前者の通電における両電極の接続は集電体
を介して電解槽外で接続しても、液中に多孔性の導電体
例えば高耐食性の多孔性チタンや多孔性カーボンを位置
させて両電極を中間室内で接続しても良く、これにより
中間室内の電位勾配がなくなり中間室内のイオンの移行
が完全に自由に行なえるようになる。更に中間室の幅を
大きくとっても抵抗を無視でき、両極で発生する酸素ガ
スと水素ガスの混合による爆発の危険がある場合には好
都合となる。なお該爆発の危険がない場合には中間室の
幅は小さくすることが望ましく、発生する水素と酸素が
減極し合い、無駄なガス発生が抑制される。爆発の危険
が若干ありかつ幅を狭く設定する場合には、中間室へ供
給される塩溶液の流速を上げて発生するガスを速やかに
電解槽外へ取り出せば良い。又後者の通電では、両電源
による通電量を別個に最適値に設定でき、酸性水をアル
カリ性過酸化水素水より多量に必要とする場合には陽極
室の陽極と中間室の陰極間の通電量を大きくし、アルカ
リ性過酸化水素水を多量に必要とする場合には中間室の
陽極と陰極室の陰極間の通電量を大きくし、不要な通電
及びそれに伴う無駄なエネルギー消費を回避できる。こ
の通電の場合にも中間室の幅は小さくすることが望まし
く、発生する水素と酸素が減極し合い、ガス発生量は陽
極室側と陰極室側の供給電流量の差と減極が十分に行な
われないことに起因する水素又は酸素が発生するのみで
ある。
【0012】両イオン交換膜に密着して設置する陽極及
び陰極は常法に従って設置すれば良く、例えば電極物質
を付着させ又はそれ自身が電極物質として機能するメッ
シュ状又はシート状の電極を物理的に押し付けても、又
シート状の電極をイオン交換膜にバインダーを介し又は
介さずに加熱等により接着しても良い。この他にイオン
交換膜表面に無電解めっきや物理又は化学蒸着により電
極物質を付着させても良い。いずれにしても電極物質は
完全にイオン交換膜に密着させることが望ましく、必要
に応じて給電体を使用して給電する。このように構成さ
れたイオン交換膜は実質的に固体電解質として作用し、
電解液の抵抗に関係なく十分に低い電気抵抗で通電が可
能になる。陰極室へ供給する酸素ガスや空気等の酸素含
有ガスは、工業用酸素ボンベから供給したり、大気を精
製して供給しても良いが、陽極室で生成する酸素ガスを
循環して使用することが好ましい。
【0013】前記電極物質つまり陽極物質と陰極物質は
特に限定されないが、陽極室の陽極用物質は生成する酸
性水のORPを上昇させるように選択することが好まし
く、白金族金属やその酸化物を主体とし特に白金、イリ
ジウム、酸化イリジウムの使用が望ましい。又酸化鉛の
ようなオゾン発生に適した陽極物質を使用すると、陰極
側でアルカリ性過酸化水素水が得られるとともに、陽極
側でオゾン水が得られる。陰極室の陰極用物質は、アル
カリ度を高くしかつORPをより低くしかつ過酸化水素
発生に高活性のあるものが好ましく、炭素、白金あるい
は金の使用が望ましい。両電極物質ともこれら以外の物
質でも良く、更に中間室の電極用物質は特に限定されず
水電解に活性な任意の物質を使用できる。使用するイオ
ン交換膜は特に限定されないが、酸性水が生成する陽極
側は耐酸性のより強いフッ素樹脂系の陰イオン交換膜を
使用することが望ましい。しかしフッ素樹脂系の陰イオ
ン交換膜は入手が困難であり入手できない場合は、陰イ
オン交換膜と電極間にフッ素樹脂系のイオン交換体(例
えばデュポン社製の商品名ナフィオン)を薄層状に位置
させることにより前記陰イオン交換膜の見掛け上の耐酸
性を向上させることができる。前記ナフィオンは陽イオ
ン交換体であるが薄層であれば陰イオンも透過させ、か
つ該ナフィオンは陽極におけるオゾン発生を補助してO
RP上昇にも貢献する。該陰イオン交換膜の代わりに陽
イオン交換膜を使用しても良い。
【0014】中間室に供給される塩溶液の塩の種類は、
目的とする酸性水とアルカリ性過酸化水素水に応じて決
定すれば良く、例えば酸性水が次亜塩素酸イオンを含み
アルカリ水は水酸イオンのみを含むことが望ましい場合
には、陰イオンとして塩素イオンを含みかつ陽イオンと
して電解により分解するアンモニウムイオンを含む塩化
アンモニウムを選択できる。陽極室及び陰極室へは純水
又は目的とする酸性水又はアルカリ性過酸化水素水の希
釈溶液を供給すれば良い。
【0015】図1は本発明に係わる3室型電解槽の一例
を示す概略縦断面図、図2は同じく他の例を示す概略縦
断面図である。図1において、3室型電解槽1は、陰イ
オン交換膜2により陽極室3及び中間室4に、又陽イオ
ン交換膜5により前記中間室4と陰極室6に区画されて
いる。前記陰イオン交換膜2の陽極室3側には陽極室用
陽極7が、又中間室5側には中間室用陰極8がそれぞれ
密着し、更に前記陽イオン交換膜5の中間室5側には中
間室用陽極9が、又陰極室6側には陰極室用陰極10がそ
れぞれ密着している。前記中間室4の陰極8及び陽極9
はチタン製等の導線11により電気的に接続され、陽極室
用陽極7及び陰極室用陰極10はそれぞれ電源に接続され
ている。陽極室3の底面及び上面には純水供給口12及び
酸性水取出口13が、中間室5の底面及び上面には塩化ア
ンモニウム等の塩溶液供給口14及び塩溶液取出口15が、
陰極室6の底面及び上面には純水及び酸素含有ガス供給
口16及びアルカリ性過酸化水素水取出口17がそれぞれ設
置されている。なお18はイオン交換膜2、5と周縁部間
のパッキングである。
【0016】図2の3室型電解槽1aでは、図1の3室
型電解槽の導線11が存在せず、その代わりに中間室4の
陰極8a及び陽極9aに外部電源が接続されている。図
1及び図2のいずれの電解槽1、1aでも、塩溶液供給
口14から塩化アンモニウム水溶液や硫酸等の塩溶液を、
又陽極室3の純水供給口12から純水を、及び陰極室6の
純水及び酸素含有ガス供給口16から純水及び酸素含有ガ
スをそれぞれ供給しながら、図1の場合には陽極室用陽
極7と陰極室用陰極10間に通電し、図2の場合には陽極
室用陽極7と中間室用陰極8間、及び中間室用陽極9と
陰極室用陰極10間にそれぞれ通電すると、中間室4から
塩素イオン等の陰イオンが陰イオン交換膜2を透過して
陽極室3に達して酸性水が生成し、該中間室4の陽イオ
ンが陽イオン交換膜5を透過して陰極室6に達して水酸
イオン及び過酸化水素イオンを生成してアルカリ性過酸
化水素水となる。図1の電解槽では中間室4の陽極8及
び陰極9が導線11で接続されているため、中間室4に電
位勾配がなく従ってイオンが自由に移行し酸性水及びア
ルカリ性過酸化水素水の生成が円滑に行なわれる。図2
の電解槽では、陽極室3と中間室4間及び中間室4と陰
極室6間の通電量を別個に制御できるため、酸性水及び
アルカリ性過酸化水素水の生成量を別個に最適値に設定
でき、無駄な電力の浪費を防止できる。
【0017】
【実施例】次に本発明に係わる3室型電解槽を使用する
酸性水及びアルカリ性過酸化水素水の製造の実施例を記
載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
【0018】
【実施例1】電極面積が0.2 dm2 である、白金触媒を担
持した気液透過性のチタン製の多孔性陽極、及び白金触
媒を担持したカーボン製多孔性陰極を陰極室と中間室を
区画する陽イオン交換膜ナフィオン117 (デュポン社
製)の両面に密着させ、かつ電極面積が0.2 dm2 であ
る、白金触媒を担持した気液透過性のチタン製の多孔性
陽極、及び金触媒を担持したカーボン製多孔性陰極を陽
極室と中間室を区画する陰イオン交換膜トスフレックス
SF48(東ソー株式会社製)の両面に密着させ、かつ中
間室内の両電極をチタン製導線で電気的に接続して図1
に示すような電解槽を形成した。陽極室には純水を毎分
1mlで、中間室には50g/lの塩化アンモニウム水溶液
を毎分10mlで、陰極室には純水及び工業用酸素ボンベか
らの酸素ガスをそれぞれ毎分1ml及び毎分500 mlで供給
した。温度を30℃とし、1Aの電流を流したところ、槽
電圧は5.5 Vであり、陽極室出口からORPが1100mVで
pHが2.3 である酸性水が毎分1ml回収され、同時に陰
極室出口からORPが−200 mVで5g/lの過酸化水素
を含むpHが12であるアルカリ性過酸化水素水が毎分1
ml回収された。
【0019】
【実施例2】陽イオン交換膜に密着させた陽極を酸化鉛
触媒を担持した気液透過性のチタン製の多孔性陽極とし
たこと以外は実施例1と同様にして3室型電解槽を構成
した。中間室供給する溶液を50g/lの硫酸アンモニウ
ム水溶液としたこと以外は、溶液の種類及び量とも実施
例1と同様にして陽極室、中間室及び陰極室へ供給し
た。温度及び通電量とも実施例1と同一条件で電解を行
なったところ、槽電圧は5.8 Vであり、陽極室出口から
8容量%のオゾンガスを含有するORPが1100mVでpH
が2.3 である酸性水が毎分1ml回収され、同時に陰極室
出口からORPが−200 mVで5g/lの過酸化水素を含
むpHが12であるアルカリ性過酸化水素水が毎分1ml回
収された。
【0020】
【実施例3】陰イオン交換膜としてネオセプタAMH
(トクヤマ株式会社製)を使用し、この膜の陽極側表面
にナフィオン117 樹脂液(アルドリッチ社製)を10ミク
ロンの厚さになるように塗布したものを使用したこと以
外は実施例1と同一条件で電解を行なったところ、槽電
圧は4.0 Vであり、陽極室出口からORPが1120mVでp
Hが2.1 である酸性水が毎分1ml回収され、同時に陰極
室出口からORPが−200 mVで5g/lの過酸化水素を
含むpHが12であるアルカリ性過酸化水素水が毎分1ml
回収された。
【0021】
【発明の効果】本発明は、陰イオン交換膜又は陽イオン
交換膜により陽極室及び中間室に、陽イオン交換膜によ
り前記中間室及び陰極室にそれぞれ区画された3室型電
解槽において、前記陰イオン交換膜又は陽イオン交換膜
の陽極室面に陽極室用陽極を、該陰イオン交換膜又は陽
イオン交換膜の中間室面に中間室用陰極を、前記陽イオ
ン交換膜の中間室面に中間室用陽極を、及び該陽イオン
交換膜の陰極室面に陰極室用陰極をそれぞれ密着させ、
中間室に塩溶液を供給しかつ陰極室に酸素含有ガスを供
給しながら各電極に通電し、前記陽極室で酸性水を及び
前記陰極室でアルカリ性過酸化水素水をそれぞれ生成す
ることを特徴とする3室型電解槽である。本発明では陰
極室に、酸素含有ガスを供給しながら前述の水電解を行
なうことにより、通常の水電解の場合のアルカリ水に代
えて、陰極室で過酸化水素を含有するアルカリ水つまり
アルカリ性過酸化水素水が得られる。又陽極物質として
酸化鉛のようなオゾン発生に活性のある電極物質を使用
すると、陽極室でオゾン水を陰極室で過酸化水素水を同
時に得ることができ、殺菌や洗浄能力の高い両化合物を
同時に得ることができる。
【0022】従来の3室型電解槽と異なり、本発明の3
室型電解槽では中間室にも、陽極室用陽極及び陰極室用
陰極にそれぞれ対向して中間室用陰極及び中間室用陽極
を設置している。このように構成すると、該中間室の両
電極間を電気的に接続したり、陽極室用陽極と中間室用
陰極、及び中間室用陽極と陰極室用陰極間のそれぞれに
別個に通電したりすることが可能になる。前者の通電に
よると、中間室内の電位勾配がなくなり中間室内のイオ
ンの移行が完全に自由に行なえるようになる。更に中間
室の幅を大きくとっても抵抗を無視でき、両極で発生す
る酸素ガスと水素ガスの混合による爆発の危険がある場
合には好都合となる。又後者の通電では、両電源による
通電量を別個に最適値に設定でき、通電量を、必要とす
る酸性水及びアルカリ水の量に適合させることにより、
無駄な電力消費を防止しかつ不要な液処理も回避でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる3室型電解槽の一例を示す概略
縦断面図。
【図2】本発明に係わる3室型電解槽の他の例を示す概
略縦断面図。
【符号の説明】
1、1a・・・3室型電解槽 2・・・陰イオン交換膜
3・・・陽極室 4・・・中間室 5・・・陽イオン
交換膜 6・・・陰極室 7・・・陽極室用陽極 8、
8a・・・中間室用陰極 9、9a・・・中間室用陽極
10・・・陰極室用陰極 11・・・導線 12・・・純水
供給口 13・・・酸性水取出口 14・・・塩溶液供給口
15・・・塩溶液取出口 16・・・純水及び酸素含有ガ
ス供給口 17・・・アルカリ性過酸化水素水取出口 18・・・パッ
キング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン交換膜又は陽イオン交換膜によ
    り陽極室及び中間室に、陽イオン交換膜により前記中間
    室及び陰極室にそれぞれ区画された3室型電解槽におい
    て、前記陰イオン交換膜又は陽イオン交換膜の陽極室面
    に陽極室用陽極を、該陰イオン交換膜又は陽イオン交換
    膜の中間室面に中間室用陰極を、前記陽イオン交換膜の
    中間室面に中間室用陽極を、及び該陽イオン交換膜の陰
    極室面に陰極室用陰極をそれぞれ密着させ、中間室に塩
    溶液を供給しかつ陰極室に酸素含有ガスを供給しながら
    各電極に通電し、前記陽極室で酸性水を及び前記陰極室
    でアルカリ性過酸化水素水をそれぞれ生成することを特
    徴とする3室型電解槽。
  2. 【請求項2】 中間室の陽極及び陰極を電気的に接続し
    た請求項1に記載の3室型電解槽。
  3. 【請求項3】 陽極室用陽極と中間室用陰極、及び中間
    室用陽極と陰極室用陰極間のそれぞれに別個に通電する
    ようにした請求項1に記載の3室型電解槽。
  4. 【請求項4】 陽極室で生成する酸素ガスを陰極室に供
    給するようにした請求項1に記載の3室型電解槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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