JP3201351B2 - 仮撚加工機 - Google Patents

仮撚加工機

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JP3201351B2 JP18409098A JP18409098A JP3201351B2 JP 3201351 B2 JP3201351 B2 JP 3201351B2 JP 18409098 A JP18409098 A JP 18409098A JP 18409098 A JP18409098 A JP 18409098A JP 3201351 B2 JP3201351 B2 JP 3201351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニップツイスター
やフリクションディスク等の回転部材との摩擦によりフ
ィラメント糸に仮撚を与えて捲縮性を有する加工糸を製
造する仮撚加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】仮撚加工機は、複数錘分の仮撚ユニット
を有し、各仮撚ユニットで糸に仮撚を加えながら糸を走
行させて仮撚を行っている。従来のこのような仮撚加工
機の各仮撚ユニットは、これを示せば図5の通りであ
る。従来の仮撚加工機は、図5の紙面に対して垂直方向
に複数錘分並設された仮撚ユニット1から構成され、各
仮撚ユニット1はクリールスタンド2に支持された給糸
パッケージ3から糸(フィラメント糸)Yを引き出す第
1のフィードローラ4を備えている。従来の仮撚加工機
においては、前記第1フィードローラ4は、全錘共通の
ラインシヤフトからの駆動力を受けるように構成され、
全錘共通の回転速度で駆動されている。この第1のフィ
ードローラ4から一次ヒータ5、クーリングプレート6
を順に経た糸Yは、仮撚装置7により仮撚が施される。
仮撚の施された糸Yは、糸張力検出部15、第2のフィ
ードローラ8、二次ヒータ9、第3のフィードローラ1
0を順に経て巻取装置11により巻取パッケージ12に
巻き取られ、仮撚加工が終了する。
【0003】前記仮撚装置7であるベルト式ニップツイ
スタは、図6に拡大して示すように、交差した一対のベ
ルト13,14を備えており、両ベルト13,14間で
糸Yを挟んで糸Yに撚りと送りを与えるようになってい
る。このベルト式ニップツイスタ7で形成される撚りは
第1のフィードローラ4まで伝播し、一次ヒータ5で熱
固定される。すなわち、ベルト式ニップツイスタ7より
上流側が加撚側であり、下流側が解撚側となっている。
【0004】このようにベルト式ニップツイスタ7は、
互いに交差して接する2本の無端状のベルトで糸Yを押
し挟むように構成されており、両ベルトをそれぞれ回転
走行させることにより、糸Yの送り出しと加撚とが行わ
れる。ベルトどうしのニップ圧(接圧ともいう)或いは
これらの回転速度(ベルト表面速度ともいう)は、下流
側(解撚側)の糸の張力T2に影響を与え、その解撚張
力T2は解撚後の糸Yの品質や性状に影響を与える。ま
た同じニップ圧や回転速度であってもベルトの経時変化
により、解撚張力T2が変化する。
【0005】そこで、通常はニップ圧を調整して解撚張
力T2を一定に保持することにより、糸Yの品質や性状
を均一化させることが行われている。具体的には、図5
に示す如く、ベルト式ニップツイスタ7の下流に糸Yの
解撚張力T2を検出する糸張力検出部15を設けて常時
解撚張力T2を監視できるようにしている。解撚張力T
2の制御には制御目標値を予め設定しておき、検出され
た解撚張力T2を制御目標値と比較し、検出値が目標値
と異なる場合は、その差に基づいてベルト13及び14
のニップ圧を調整している。ベルト13及び14のニッ
プ圧を調整すると、その下流では糸Yの解撚張力T2が
変化するので、検出値を目標値に近づけることが可能で
ある。
【0006】前記仮撚装置は、ベルト式ニップツイスタ
7とは別の図7に示すタイプのフリクションディスク式
ツイスタ17を用いる場合もある。このフリクションデ
ィスク式ツイスタ17は、複数個の摩擦円板18を止着
した3本又はそれ以上の数の軸19を有し、各軸19の
摩擦円板18が互いに部分的に重合して交差し、螺旋状
に位置するように各軸19が平行に設けられている。糸
Yは、糸ガイド20から各摩擦円板18が重合して交差
する部分に順次摺接して螺旋状に走行し、下流側の糸ガ
イド21へ達する。そして、前述した図5に示す仮撚ユ
ニットの場合と同じように巻取パッケージ12に巻き取
られるようになっている。各摩擦円板18は同方向に回
転し、糸Yに撚りを与える。仮撚加工機は、摩擦円板よ
りも上流側において撚りが加えられて成長し(加撚
側)、下流側において撚りが解除される(解撚側)もの
であることは前述したニップツイスタを用いた場合と同
じである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の仮撚加
工機では、仮撚ユニット1間(錘間)で巻取パッケージ
12の糸品質がばらついたり、更に同一の仮撚ユニット
1内でも巻取パッケージ12間で糸品質がばらついたり
することがあった。その原因には、大きくは機械的要因
や給糸要因がある。機械的要因としては、第1フィドー
ローラ4での糸スリップや給糸パッケージ3のクリール
スタンド2位置における上下段の差等が挙げられる。給
糸要因としては、各仮撚ユニット1に供給される給糸の
伸度の変動が挙げられる。この伸度の変動は、各給糸パ
ッケージ3で異なる場合や、同一の給糸パッケージ3の
解舒途中で異なる場合がある。これら機械的要因や給糸
要因により給糸側の状態が変動した場合には、各仮撚ユ
ニット1における同一の延伸倍率(第2のフィードロー
ラ8の表面速度と第1のフィードローラ4の表面速度と
の比)で延伸しても、第1フィードローラ4と仮撚装置
7との間の糸の張力(加撚張力)T1が経時変動した
り、仮撚ユニット1間でばらついたりし、これが原因で
仮撚ユニット1毎に更には巻取パッケージ12毎に糸品
質が異なることがあった。これは、たとえ解撚張力T2
を一定にする従来の制御を行っていても生じることがあ
った。得られた巻取パッケージ12毎に糸品質が異なる
場合には、後工程で行われる染色のバラツキとなり、染
色の歩留りを著しく低下させることになる。
【0008】本発明は従来技術の前記課題に鑑みてこれ
を改良除去したものであって、各巻取パッケージの糸品
質のばらつきを無くすことができる仮撚加工機を提供せ
んとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】各巻取パッケージの糸品
質のばらつきを無くするために本発明が採用した請求項
1の手段は、糸に仮撚を付与する仮撚装置と、仮撚装置
より上流側に設けた第1のフィードローラと、該上流側
の糸張力と仮撚装置より下流側の糸張力との比率を所定
範囲内に保つように第1のフィードローラの回転速度を
操作して自動制御する糸張力比制御装置とを備え、該糸
張力比制御装置は、仮撚装置より上流側の糸張力を検出
する糸張力検出部と、第1のフィードローラの回転速度
を調整するロール速度可変装置と、該糸張力検出部及び
仮撚装置より下流側の糸張力を検出する糸張力検出部の
検知結果から張力比率を求める張力比率検出部と、張力
比率を設定する目標値設定部と、張力比率検出部で得ら
れた張力比率の結果と設定目標値との偏差に基づいてロ
ール速度可変装置を操作するための調節部及び操作部と
を具備することを特徴とする仮撚加工機である。従っ
て、本発明の仮撚加工機にあっては、仮撚装置より上流
側の糸張力と下流側の糸張力との比率を所定範囲内に保
つように第1のフィードローラの速度調整で制御するた
めに、各巻取パッケージの糸品質のばらつきを無くすこ
とが可能となる。
【0010】なお、糸の延伸倍率に適正な許容範囲をも
たせるために、前記糸張力比制御装置は、前記第1のフ
ィードローラの回転速度を変更できる範囲の制御上限値
と制御下限値とを設定可能とすることもある。これによ
り、第1のフィードローラと仮撚装置より下流側に設け
た第2のフィードローラとの速度比(延伸倍率)を許容
範囲内で適正に制御して、各巻取パッケージの糸品質の
ばらつきを無くすことが可能となる。
【0011】仮撚装置より下流側の糸張力を適正に制御
するために本発明が採用した請求項2の手段は、糸に仮
撚を付与する仮撚装置と、仮撚装置より上流側に設けた
第1のフィードローラと、該上流側の糸張力と仮撚装置
より下流側の糸張力との比率を所定範囲内に保つように
第1のフィードローラの回転速度を操作して自動制御す
る糸張力比制御装置と、仮撚装置より下流側の糸張力を
所定範囲内に保つように仮撚装置を操作して自動制御す
る下流側糸張力制御装置とを備えたことを特徴とする
撚加工機である。従って、本発明の仮撚加工機にあって
は、第1のフィードローラの速度調整で仮撚装置より上
流側の糸張力と下流側の糸張力との比率を所定範囲内に
制御すると共に、下流側糸張力制御装置で仮撚装置より
下流側の糸張力を適正に制御するため、各巻取パッケー
ジの糸品質のばらつきを無くすことが可能となる。
【0012】仮撚装置としてフリクションディスク式ツ
イスタを採用するときの請求項3の手段は、仮撚装置
は、複数個の摩擦円板を止着した3本以上の軸を、各軸
の摩擦円板が互いに部分的に重合して交差するように設
け、交差する部分に順次摺接させて糸を螺旋状に走行さ
せるものであり、該摩擦円板の回転速度を操作して前記
仮撚装置より下流側の糸張力を自動制御する請求項2記
載の仮撚加工機である。
【0013】仮撚装置としてベルト式ニップツイスタを
採用するときの請求項4の手段は、仮撚装置は、仮撚装
置は、交差した一対の回転するベルトの間に挟んだ糸に
撚りと送り出しを与えるものであり、該送り出しの速度
を操作して前記仮撚装置より下流側の糸張力を自動制御
する請求項2記載の仮撚加工機である。
【0014】なお、複数の仮撚ユニツトを備えた場合に
おいて各仮撚装置より上流側の糸張力を適正に制御して
仮撚ユニツト間の糸品質のばらつきを無くするために、
糸に仮撚を付与する複数錘分の仮撚装置と、各錘の仮撚
装置より上流側に設けた第1のフィードローラと、各錘
の仮撚装置より上流側の糸張力と各錘の仮撚装置より下
流側の糸張力との比率を所定範囲内に保つように各錘の
第1のフィードローラの回転速度を各錘毎に個別に操作
して自動制御する糸張力比制御装置を備えた仮撚加工機
とすることもある。この仮撚加工機にあっては、各仮撚
ユニツトの第1のフィードローラの速度調整で仮撚装置
より上流側の糸張力と下流側の糸張力との比率を所定範
囲内に制御するために、仮撚ユニツト間の巻取パッケー
ジの糸品質のばらつきを無くすことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の対象とする仮撚加工装置
は、給糸側から順に、糸を送るための第1のフィードロ
ーラ、糸を加熱するためのヒータ、糸に仮撚を付与する
ための仮撚装置、糸を送るための第2のフィードロー
ラ、糸を巻取るための巻取装置を備えたもので、第1の
フィードローラと第2のフィードローラとの間で糸を延
伸しつつ、ヒータ及び仮撚装置の作用によって糸に仮撚
加工を施すものである。必要に応じて、第2のフィード
ローラと巻取装置との間に第2のヒータ及び第3のフィ
ードローラが設けられる。
【0016】以下に、本発明の構成を図面に示す発明の
実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1
は本発明の一実施の形態に係るものであり、図1は一つ
の仮撚ユニットにおける糸のパスラインを示す模式図及
び制御ブロック図である。この実施の形態に係る仮撚加
工機の全体構成は、ほぼ図5に示したようになってい
る。
【0017】図1に示す如く、この仮撚加工機では、複
数錘分並設された仮撚ユニット1から構成されている。
各仮撚ユニット1は、クリールスタンド2(図5参照)
に支持された給糸パッケージ3から糸(合成繊維のフィ
ラメント糸:本実施例ではポリエステルの部分延伸糸)
Yを引き出す第1のフィードローラ4を備えている。こ
の第1のフィードローラ4から糸張力検出部24の検出
ローラ24a、一次ヒータ5、クーリングプレート6、
検出ローラ24bを順に経た糸Yは、仮撚装置であるフ
リクションディスク式ツイスタ17(図7参照)により
仮撚が施される。仮撚の施された糸Yは、糸張力検出部
15、第2のフィードローラ8、二次ヒータ9、第3の
フィードローラ10を順に経て巻取装置11(図5参
照)により巻取パッケージ12に巻き取られ、仮撚加工
が終了する。なお、各仮撚ユニット1は、第1のフィー
ドローラ4に対し第2のフィードローラ8を所定の割合
で増速させ、第1のフィードローラ4と第2のフィード
ローラ8との間で糸を所定の比率で延伸させている。従
って、糸Yは延伸されつつ仮撚される。
【0018】この仮撚加工機は、各仮撚ユニット1ごと
に、フリクションディスク式ツイスタ17より上流側
(加撚側)の糸張力の制御を行うための上流側糸張力
制御装置30を備えている。そして、上流側糸張力
制御は、フリクションディスク式ツイスタ17より上
流側の糸Yの張力を検出するように設けた糸張力検出部
24で加撚張力T0(またはT1)を検出すると共に、
糸張力検出部15で検出されたフリクションディスク式
ツイスタ17より下流側の糸張力T2との比率TR(T
R=T0/T2、またはTR=T1/T2)を所定範囲
内に保つように行うようにしている。上流側糸張力
制御装置30は、糸張力検出部24と、第1のフィード
ローラ4の回転速度を調整するロール速度可変装置31
と、糸張力検出部24及び糸張力検出部15の検知結果
から張力比率TR(T0/T2またはT1/T2)を求
める張力比率検出部35と、張力比率TRを設定する目
標値設定部32と、張力比率検出部35で得られた張力
比率TRの結果と設定目標値との偏差に基づいてロール
速度可変装置31を操作するための調節部33及び操作
部34とを備えている。
【0019】上記糸張力検出部24は、糸Yの張力を受
ける検出ローラ24a,24bと、各検出ローラ24a
または24bが受けた張力(T0またはT1)を検知す
るロードセル等からなる検出具(図示略)を備えてい
る。そして、糸張力検出部24は、一次ヒータ5と第1
のフィードローラ4との間に検出ローラ24aを配置す
ることにより、仮撚装置7で形成された撚りが糸張力検
出部24で阻害されずに一次ヒータ5の上流側まで伝播
してヒータ5で確実に熱固定できるようしてある。撚り
が検知ローラを通過して伝播できる場合には、検出ロー
ラ24bを仮撚装置7とクーリングプレート6(又は一
次ヒータ5)との間に配置する。糸張力検出部24は、
一次ヒータ5より上流側の糸張力T0の検出と、一次ヒ
ータ5より下流側の糸張力T1の検出とを選択するため
の、切替部24cを備えている。なお、検出ローラ24
a,24bをいずれか一方だけ設けるようにしてもよ
い。
【0020】前記ロール速度可変装置31は、第1のフ
ィードローラ4を駆動する可変速モータ又は各加撚ユニ
ツト1に共通の駆動用ラインシヤフト(図示略)と第1
のフィードローラ4とを連結する速度調節機能付きクラ
ッチ(例えば、渦電流式クラッチ)等を用いる。このた
め、第1のフィードローラ4は、各仮撚ユニット1毎に
独立して回転可能になっている。前記目標値設定部32
は、図2に示す如く、糸張力に適正な目標範囲をもたせ
るように、張力比率TRの上限値と下限値とを設定でき
るようにしてある。更に、目標値設定部32は、各仮撚
ユニット1における糸の加工速度に対応した設定速度を
中心として、第1のフィードローラ4の回転速度を可変
させることができる範囲の制御上限値と制御下限値とを
設定できるようになっており、糸の延伸倍率が所定範囲
内に保たれるようにしてある。
【0021】前記調節部33及び操作部34は、第1の
フィードローラ4の回転速度を次のように制御するよう
に、ロール速度可変装置31を操作するようにしてあ
る。すなわち、図2に示す如く、偏差が目標範囲内にあ
るときには、第1のフィードローラ4の回転速度を維持
させ、偏差が目標範囲を越えたときには、目標範囲内と
なるように第1のフィードローラ4の回転速度を変更す
るようにしてある。なお、第1のフィードローラ4の回
転速度の変更については、前記制御上限値と制御下限値
が設定されるため、第1のフィードローラ4の回転速度
を変更しても張力比率TRがなかなか目標範囲内に入ら
ない場合には、第1のフィードローラ4の回転速度は、
制御上限値又は制御下限値に到達し、それ以上に回転数
の変更は行われない。なお、前記調節部33及び操作部
34は、偏差が目標範囲内にあるときにも、張力比率T
Rの検知結果と設定目標値との偏差量に基づいてロール
速度可変装置31を連続的に操作するように構成するこ
ともある。
【0022】また、この仮撚加工機は、図1に示すよう
に各仮撚ユニット1ごとに、フリクションディスク式ツ
イスタ17より下流側(解撚側)の糸張力の制御を行う
ための下流側糸張力制御装置40を備えている。そし
て、下流側糸張力制御装置40は、フリクションディス
ク(図7に示す摩擦円板18)を用いるフリクションデ
ィスク式ツイスタ17に対して、回転速度制御部43を
設けている。回転速度制御は、フリクションディスク式
ツイスタ17より下流側の糸張力を検知するように設け
た糸張力検出部15で解撚張力T2を検出し、これに基
づいて摩擦円板18,18…の回転速度の調節を行うよ
うにしている。
【0023】前記回転速度制御部43は、下流側の糸張
力検出部15と、摩擦円板18,18…の回転速度(V
R)を調整する可変速モータからなる回転速度可変装置
44と、下流側の糸Yの張力を設定する目標値設定部4
2と、糸張力検出部15の検知結果と設定目標値との偏
差に基づいて回転速度可変装置44を操作するための調
節部45及び操作部46とを備えている。
【0024】この仮撚加工機は、図1に示すように各仮
撚ユニット1ごとに、糸張力の管理ができるように、判
定部48及び記録部49を設けてある。この管理は、加
撚張力T0(またはT1)と解撚張力T2とを個別に行
うようにする以外に、両張力T0(またはT1),T2
を総合して行うようにすることもある。個別に行うとき
には、張力比率TRの設定目標値と検知結果との偏差が
目標範囲内に有るか否かを判定部48で判断すると共
に、解撚張力T2の設定目標値と糸張力検出部15の検
知結果との偏差が目標範囲内に有るか否かを判定部48
で判定し、夫々の判定結果を個別に記録部49に記録す
る。総合して行うときには、一方の偏差が目標範囲内か
ら外れたときにのみ、不合格の判定を行い記録する。こ
れにより、この仮撚加工機は、各錘毎の糸品質の良否を
判定でき、各巻取パツケージ12毎に高度な品質管理が
可能となる。
【0025】更に、前記判定部48は、図2に示す如
く、張力比率TRについてアラームレベル及びカットレ
ベルを設定できるようにすることもある。張力比率TR
の検知結果が上下のアラームレベルを越えたときには、
警報を発すると共に記録部49へ記録信号を発するよう
にしてある。また、張力比率TRの検知結果が上下のカ
ットレベルを越えたときには、糸切断装置(図示略)に
起動信号を発して仮撚ユニット1を通過中の糸Yを強制
的に切断させるようにしてある。加撚張力T0(T1)
及び/又は解撚張力T2についても同様にアラームレベ
ル、カットレベルを設けるようにしてもよい。
【0026】このように本実施の形態の仮撚加工機にあ
っては、糸Yの加撚装置であるフリクションディスク式
ツイスタ17よりも上流側の加撚張力T0(またはT
1)と下流側の解撚張力T2との張力比率TRを、第1
のフィードローラ4の回転速度を変更することで一定範
囲内になるように制御しており、またフリクションディ
スク式ツイスタ17よりも下流側の解撚張力T2を加撚
装置27の摩擦円板18,18…の回転速度を変更する
ことで一定範囲内になるように制御している。つまり、
仮撚加工が張力比率TRと解撚張力T2との管理の下で
行われるようになっており、仮撚加工された糸Yの品質
に優れたものを得ることが可能である。しかも、これら
の制御は、各錘ごとに行うことが可能であり、各錘間に
おける品質を均一に揃えることが可能である。
【0027】ところで、本発明は上述した実施の形態に
限定されるものではなく、図3に示す如く、ベルト式ニ
ップツイスタ7(図6参照)による仮撚装置へも適用可
能である。ベルト式ニップツイスタ7を用いる仮撚加工
機が、図1に示すフリクションディスク式ツイスタ17
を用いる場合と異なるところは、ベルト式ニップツイス
タ7より下流側(解撚側)の糸張力の制御を行うための
下流側糸張力制御装置50である。下流側糸張力制御装
置50以外の構成は、図1に示す場合と実質的に同一で
ある。
【0028】この下流側糸張力制御装置50は、ベルト
式ニップツイスタ7に対して、それぞれニップ圧制御部
52と、回転速度制御部53とを設けている。ニップ圧
制御と回転速度制御とは、ニップツイスタ7より下流側
の糸張力を検知するように設けた糸張力検出部15で解
撚張力T2を検出し、これに基づいて行うようにしてい
る。なお、ニップ圧制御は、一対のベルト13又は14
(図6参照)の一方を空圧シリンダ(図示略)で他方へ
押し付けることでニップ圧を得ているので、空圧シリン
ダの押し付け力を変更することでニップ圧を可変として
いる。また回転速度制御は、ニップツイスタ7の一対の
ベルト13及び14がモータ(図示略)の駆動プーリ3
6(図6参照)に巻き掛けられて走行しているので、こ
のモータの回転速度を直接制御することで変更するよう
にしている。
【0029】このようなニップ圧制御と、回転速度制御
とは、図4の図(A)及び図(B)に示す特性図から明
らかなように、ニップ圧(CP)に対して解撚張力T2
が大きく変化する相関関係を示し、またニップツイスタ
7の回転速度(VR)に対して解撚張力T2がほぼ直線
的に大きく変化する相関関係を示すことに着目して創案
されている。つまり、これらの相関関係を利用し、ニッ
プ圧(CP)及び/又は回転速度(VR)を変更するこ
とで解撚張力T2を目標値となるように制御している。
【0030】ところで、前記ニップ圧制御部52は、図
3に示すように、下流側の糸張力検出部15と、ニップ
圧(CP)を調整する空圧シリンダからなるニップ圧可
変装置57と、下流側の糸Yの張力を設定する目標値設
定部60と、糸張力検出部15の検知結果と設定目標値
との偏差に基づいてニップ圧可変装置57を操作するた
めの調節部58及び操作部59とを備えている。操作部
59は、ベルト13,14間のニップ圧(CP)を制御
する空圧シリンダからなるニップ圧可変装置57への供
給空気圧を所定圧に操作するためのものである。
【0031】前記回転速度制御部53は、下流側の糸張
力検出部15と、ニップツイスタ7の一対のベルト13
及び14の回転速度(VR)を調整する可変速モータか
らなる回転速度可変装置61と、下流側の糸Yの張力を
設定する目標値設定部60と、糸張力検出部15の検知
結果と設定目標値との偏差に基づいて回転速度可変装置
61を操作するための調節部62及び操作部63とを備
えている。
【0032】前記ニップ圧制御部52及び回転速度制御
部53は、糸張力検出部15及び目標値設定部60が共
通するため、糸張力検出部15の検知結果と設定目標値
との偏差を、ニップ圧制御部52の調節部58及び回転
速度制御部53の調節部62へ切り替えて出力できるよ
うに、切替部64を設けてある。切替部64は、偏差の
出力先を所定間隔毎に自動的に変更できるように、又は
手動で変更できるように回路構成してある。
【0033】下流側糸張力制御装置50で解撚張力T2
を制御するのに、ニップ圧(CP)を操作の対象に選択
したときには、図4の図(A)に示すように、解撚張力
T2の制御で加撚張力T0(またはT1)が若干変動し
て上流側糸張力制御に影響を及ぼすことがある。この場
合には、前記下流側糸張力制御装置50でニップ圧(C
P)を調整するとき、下流側糸張力制御装置50及び上
流側糸張力制御装置30による制御を並行して行わ
せることなく交互に行わせるように、制御時間帯切替部
(図示略)を設けることもある。この制御時間帯切替部
は、制御可能な時間帯を所定間隔毎に交互に自動変更で
きるように、又は手動で任意に変更できるようにする。
【0034】また、下流側糸張力制御装置50で解撚張
力T2を制御するのに、回転速度(VR)を操作の対象
に選択したときには、図4の図(B)に示すように、解
撚張力T2を制御しても加撚張力T0(またはT1)が
変化しないときがある。この場合には、前記下流側糸張
力制御装置50及び上流側糸張力制御装置30によ
る制御を並行して行わせるように構成することも、下流
側糸張力制御装置50及び上流側糸張力制御装置3
0による制御を交互に行わせるように、制御時間帯切替
部(図示略)を設けることもある。なお、ニップ圧制御
部52及び回転速度制御部53をいずれか一方だけ設け
るようにしてもよい。
【0035】このように本実施の形態の仮撚加工機にあ
っては、糸Yのニップツイスタ7よりも上流側の加撚張
力T0(またはT1)と下流側の解撚張力T2との張力
比率TRを第1のフィードローラ4の回転速度を変更す
ることで一定範囲内になるように制御しており、またニ
ップツイスタ7よりも下流側の解撚張力T2をニップツ
イスタ7のニップ圧(CP)及び/又は回転速度(V
R)を変更することで一定範囲内になるように制御して
いる。つまり、仮撚加工が加撚張力T1と解撚張力T2
との管理の下で行われるようになっており、仮撚加工さ
れた糸Yの品質に優れたものを得ることが可能である。
しかも、これらの制御は、各錘ごとに行うことが可能で
あり、各錘間における品質を均一に揃えることが可能で
ある。
【0036】
【発明の効果】請求項1〜4記載の発明の仮撚加工機に
あっては、仮撚装置より上流側の糸張力と下流側の糸張
力との張力比率を適正に制御することにより、全製品を
通して糸品質のばらつきが無い優れた加工方法が得られ
る。請求項2記載の発明の仮撚加工機にあっては、仮撚
装置より下流側の糸張力を適正に制御するために、張力
比率をより適正に制御でき、各巻取パッケージの糸品質
のばらつきを無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る仮撚加工機の一つの仮撚ユニット
における糸のパスラインを示す模式図及び制御ブロック
図である。
【図2】張力比率の変動と、第1のフィードローラの回
転速度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る仮撚加工機の他の仮撚ユニットに
おける糸のパスラインを示す模式図及び制御ブロック図
である。
【図4】本発明に係るものであり、図(A)はニップツ
イスタにおける加撚張力とニップ圧との特性関係を示す
図面、図(B)は解撚張力と回転速度との特性関係を示
す図面である。
【図5】従来の一般的な仮撚ユニットの一つを示す図面
である。
【図6】ニップツイスタによる仮撚の原理を示す斜視図
である。
【図7】フリクションディスクによる仮撚の原理を示す
正面図である。
【符号の説明】
4…第1のフィードローラ、7,17…仮撚装置、30
…上流側糸張力比制御装置、40…下流側糸張力制
装置、Y…糸、T0(T1)…上流側(加撚側)糸張
力、T2…下流側(解撚側)糸張力

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸に仮撚を付与する仮撚装置と、仮撚装置
    より上流側に設けた第1のフィードローラと、該上流側
    の糸張力と仮撚装置より下流側の糸張力との比率を所定
    範囲内に保つように第1のフィードローラの回転速度を
    操作して自動制御する糸張力比制御装置とを備え、該糸
    張力比制御装置は、仮撚装置より上流側の糸張力を検出
    する糸張力検出部と、第1のフィードローラの回転速度
    を調整するロール速度可変装置と、該糸張力検出部及び
    仮撚装置より下流側の糸張力を検出する糸張力検出部の
    検知結果から張力比率を求める張力比率検出部と、張力
    比率を設定する目標値設定部と、張力比率検出部で得ら
    れた張力比率の結果と設定目標値との偏差に基づいてロ
    ール速度可変装置を操作するための調節部及び操作部と
    を具備することを特徴とする仮撚加工機。
  2. 【請求項2】糸に仮撚を付与する仮撚装置と、仮撚装置
    より上流側に設けた第1のフィードローラと、該上流側
    の糸張力と仮撚装置より下流側の糸張力との比率を所定
    範囲内に保つように第1のフィードローラの回転速度を
    操作して自動制御する糸張力比制御装置と、仮撚装置よ
    り下流側の糸張力を所定範囲内に保つように仮撚装置を
    操作して自動制御する下流側糸張力制御装置とを備えた
    ことを特徴とする仮撚加工機。
  3. 【請求項3】仮撚装置は、複数個の摩擦円板を止着した
    3本以上の軸を、各軸の摩擦円板が互いに部分的に重合
    して交差するように設け、交差する部分に順次摺接させ
    て糸を螺旋状に走行させるものであり、該摩擦円板の回
    転速度を操作して前記仮撚装置より下流側の糸張力を自
    動制御する請求項2記載の仮撚加工機。
  4. 【請求項4】仮撚装置は、交差した一対の回転するベル
    トの間に挟んだ糸に撚りと送り出しを与えるものであ
    り、該送り出しの速度を操作して前記仮撚装置より下流
    側の糸張力を自動制御する請求項2記載の仮撚加工機。
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