JP3200532U - 衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】表地との間で強固に固着することで、衣服のずれを防止して美観を損ねることなく着用することができる衣服を提供する。【解決手段】生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して伊達襟3(3a,3b)や裏地生地として配設する。【選択図】図1

Description

本考案は、超微細ファインポリエステルナノファイバーを用いた衣服に関する。
和服などで本来の襟の下に重ねて別襟(伊達襟という)をつけることで、重ね着に見せることが行われている。この伊達襟は、本来の襟から数ミリ〜1センチ程度ずらすことで、重ね着をしているように見せることができる。一般的に、伊達襟を和服に固着する場合(浴衣に浴衣用の伊達襟を固着するような場合も含む)には、適正な位置に糸で縫いつけたり、クリップ止めにより固定する(図5を参照)。しかしながら、クリップや糸で固着する場合には、非常に手間が掛かってしまうという問題がある。また、クリップや糸で固着しても、動いているうちに少しずつずれたりする場合があり、その都度着付けのやり直し等をしなければならない。さらに、和服の襟を前方で合わせる際に、伊達襟と和服の表地がずれてしまう場合もある。
また、和服に限らず、胸元から下の部分しかないようなドレス等に関してもずれの問題がある。胸元より上部で(例えば、肩や首等で)支持するものがないため、ドレスがずれ落ちてしまい、最悪の場合は胸元が肌蹴てしまうような場合もある。
衣服のずれに関する技術として、例えば特許文献1に示す技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、経編のラッセル編で編成されている伸縮性生地において、生地の全体にドット状の小柄が散点状に編み込まれており、当該ドット状の小柄がナノファイバーで編成されており、スベリにくく、ズレにくく、ぴったりフィットする機能を有するとともに、着用者の身体の動きに対して適度な自由度も発揮し、汗等の水分放湿性能も有するものである。
特開2013−57135号公報
特許文献1に示す技術は、下着、インナー、ストッキング・靴下等の繊維製品を対象にしており、着用者の肌と各繊維製品とのずれなどは防止することが可能であるものの、それらの外側に被覆される表地やアウターとの間のずれなどは一切考慮されていない。すなわち、着用者の肌とインナー等のずれを防止したり、フィット感を向上させることは重要な要素の一つであるが、和服やドレスのように美観性を重視する場合には、表地とのずれを同時に防止することが極めて重要である。特に、和服の襟の下に重ねる伊達襟などは、数ミリのずれで美観を損ねてしまう可能性もあり、表地との間でしっかりと固着されることが極めて重要である。
本考案は、表地との間で強固に固着することで、衣服のずれを防止して美観を損ねることなく着用することができる衣服を提供する。
本考案に係る衣服は、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して伊達襟として配設したものである。
このように、本考案に係る衣服においては、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して伊達襟として配設するため、襟と伊達襟との固着を強固にすることができると共に、前方で襟を合わせた際に伊達襟と表地との間でのずれも防止することができ、美観を損ねることなく着用者の動きの自由度を向上させることができるという効果を奏する。
本考案に係る衣服は、前記超微細ファインポリエステルナノファイバーが、前記伊達襟の長手方向と平行な方向に挿入されているものである。
このように、本考案に係る衣服においては、前記超微細ファインポリエステルナノファイバーが、前記伊達襟の長手方向と平行な方向に挿入されているため、体型によって襟の合わせの位置が様々に異なる場合であっても、その位置に関係なく、伊達襟と表地とを超微細ファインポリエステルナノファイバーで固着させることができるという効果を奏する。
本考案に係る衣服は、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して裏地生地として配設したものである。
このように、本考案に係る衣服においては、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して裏地生地として配設するため、着用者の着用感を超微細ファインポリエステルナノファイバーにより向上させることができると共に、着用者の肌と裏地生地との間、裏地生地と表地生地との間でのずれを防止することができ、美観を損ねることなく着用者の動きの自由度を向上させることができるという効果を奏する。
本考案に係る衣服は、前記裏地生地が、生体のパーツの一部又は全体を周回するように構成され、前記超微細ファインポリエステルナノファイバーが、前記生体のパーツの一部もしくは全体を周回する周回方向、及び/又は、当該周回方向に垂直な方向に挿入されているものである。
このように、本考案に係る衣服においては、前記裏地生地が、生体のパーツの一部又は全体を周回するように構成され、前記超微細ファインポリエステルナノファイバーが、前記生体のパーツの一部もしくは全体を周回する周回方向、及び/又は、当該周回方向に垂直な方向に挿入されているため、着用者の着用感を超微細ファインポリエステルナノファイバーにより向上させることができると共に、着用者の肌と裏地生地との間、裏地生地と表地生地との間での周回方向、及び、周回方向に対する垂直方向へのずれを防止することができ、美観を損ねることなく着用者の動きの自由度を向上させることができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係る衣服の襟部の構造を示す第1の図である。 第1の実施形態に係る衣服の襟部の構造を示す第2の図である。 襟の合わせ部分の側断面を示す図である。 第2の実施形態に係る衣服の構造を示す図である。 伊達襟等の一般的な着用方法を示す図である。
以下、本考案の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
(本考案の第1の実施形態)
本実施形態に係る衣服について、図1ないし図3を用いて説明する。本実施形態に係る衣服は、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバー(例えば、ナノフロント(登録商標)(帝人株式会社製))を挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して伊達襟として配設したものである。このとき、超微細ファインポリエステルナノファイバーが、伊達襟の長手方向と平行な方向に挿入される。
図1及び図2は、本実施形態に係る衣服の襟部の構造を示す図である。図1は、襟を合わせた場合の構造を示しており、図2は、着用者の着用状態における襟部の構造を示している。和服1を着用する際に、あたかも重ね着しているように見せるために、襟2の内側に配設される襟を伊達襟3という。伊達襟3は、図5に示すように、和服1の襟2の内側に糸で縫い付けたり、クリップで止めることで固着される。このとき、伊達襟3を襟2の外(着用者から見て襟2の上部)に数ミリ〜1センチ程度出すことで、図1及び図2に示すように、襟2を合わせた際にあたかも重ね着しているように見せることが可能となる。
図5に示すように、襟2と伊達襟3とは糸やクリップで留めることでずれ難い構造となっているが、伊達襟3に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入した超微細繊維部4の領域を設けることで、超微細ファインポリエステルナノファイバーが滑り止めとして機能し、ずれをより効果的に防止することが可能となる。
また、図1及び図2に示すように、和服を着用する際は、左右の襟2を前方の合わせ部5で合わせる。このとき、着用者の動作や時間経過に伴って、合わせた襟2同士がずれてしまい美観性を損ねることがあるが、本実施形態においては、伊達襟3に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入することで、合わせた襟2同士がずれないようにする。
図3は、襟の合わせ部分の側断面を示す図である。図3に示すように、着用者が和服を着用した状態では、合わせ部5において最下層から、肌襦袢6、長襦袢7、右の伊達襟3a、右の襟2a、左の伊達襟3b、右の襟2bといった順に積層された状態となっている。上述したように、本実施形態においては、第3層目と第5層目の伊達襟3a,3bに超微細ファインポリエステルナノファイバーが挿入されているため、長襦袢5と右の伊達襟3aとの間のずれ、右の伊達襟3aと右の襟2aとの間のずれ、右の襟2aと左の伊達襟3bとの間のずれ、左の伊達襟3bと左に襟2bとの間のずれを防止することが可能となっている。したがって、着用者の動作や時間経過に伴ったずれを防止することができ、美観性を損ねることなく長時間の着用が可能になる。
なお、図1及び図2に示すように、超微細繊維部4の領域において超微細ファインポリエステルナノファイバーを伊達襟3の長手方向に平行な方向に挿入することが望ましい。そうすることで、着用者の体型によって合わせ部5の位置が異なるような場合であっても、上記のずれ防止を確実に実現することが可能となる。
また、半襟を付けるような場合も本実施形態に係る技術を同様に適用可能である。
このように、本実施形態に係る衣服においては、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して伊達襟として配設するため、襟と伊達襟との固着を強固にすることができると共に、前方で襟を合わせた際に伊達襟と表地との間でのずれも防止することができ、美観を損ねることなく着用者の動きの自由度を向上させることができる。
(本考案の第2の実施形態)
本実施形態に係る衣服について、図4を用いて説明する。本実施形態に係る衣服は、生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して裏地生地として配設したものである。特に、裏地生地が生体のパーツの一部又は全体を周回するように構成される場合、超微細ファインポリエステルナノファイバーが、生体のパーツの一部もしくは全体を周回する周回方向、及び/又は、当該周回方向に垂直な方向に挿入される。
図4は、本実施形態に係る衣服の構造を示す図である。図4に示すように、胸元より上部が露出されるような衣装(例えば、ドレス、下着、ワンピース、キャミソール等)であって、ストラップレスのもの(以下、ストラップレス衣服という)8の裏地生地9に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地が用いられる。ストラップレス衣服8は、肩、首、腕などで支持する機能がないため、万が一下方にずれたりした場合は、肌が露出して非常に大きな問題となる。本実施形態においては、裏地生地8の超微細繊維部4に超微細ファインポリエステルナノファイバーが挿入されているため、ずれを防止し、前記のような問題を防止することが可能となる。
なお、裏地生地9の下は、肌着等の繊維物であってもより地肌であってもよい。いずれの場合であっても超微細ファインポリエステルナノファイバーによりずれを防止することが可能である。
また、図4に示すようなストラップレス衣服8だけではなく、生体のパーツの一部又は全体を周回するように構成される衣類等(例えば、日焼け防止用の長い手袋、靴下、腹巻、サポーター、アームウォーマー、ネックウォーマー、レッグウォーマー等)の裏地にも適用することが可能である。このとき、超微細ファインポリエステルナノファイバーは、その周回方向、及び/又は、周回方向に垂直な方向に挿入されることで、各衣類等の周回方向へのずれ、及び/又は、周回方向に垂直な方向へのずれを確実に防止することが可能となる。
1 和服
2 襟
3(3a,3b) 伊達襟
4 超微細繊維部
5 合わせ部
6 肌襦袢
7 長襦袢
8 ストラップレス衣服
9 裏地生地

Claims (4)

  1. 生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して伊達襟として配設したことを特徴とする衣服。
  2. 請求項1に記載の衣服において、
    前記超微細ファインポリエステルナノファイバーが、前記伊達襟の長手方向と平行な方向に挿入されていることを特徴とする衣服。
  3. 生地に超微細ファインポリエステルナノファイバーを挿入して形成される布地を表地の内側面に重畳して裏地生地として配設したことを特徴とする衣服。
  4. 請求項3に記載の衣服において、
    前記裏地生地が、生体のパーツの一部又は全体を周回するように構成され、
    前記超微細ファインポリエステルナノファイバーが、前記生体のパーツの一部もしくは全体を周回する周回方向、及び/又は、当該周回方向に垂直な方向に挿入されていることを特徴とする衣服。
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