JP3200408B2 - 粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部への給油方法 - Google Patents
粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部への給油方法Info
- Publication number
- JP3200408B2 JP3200408B2 JP08429898A JP8429898A JP3200408B2 JP 3200408 B2 JP3200408 B2 JP 3200408B2 JP 08429898 A JP08429898 A JP 08429898A JP 8429898 A JP8429898 A JP 8429898A JP 3200408 B2 JP3200408 B2 JP 3200408B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- rotating part
- mill
- measured
- bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Crushing And Grinding (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セメント原料、
カーボン電極原料、酸化チタン等の粒塊状物を粉砕する
ローラミルのローラの軸受(オイルジャーナル)などの
粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部へ
の給油方法に関する。
カーボン電極原料、酸化チタン等の粒塊状物を粉砕する
ローラミルのローラの軸受(オイルジャーナル)などの
粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部へ
の給油方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図1乃至図3に示す竪型ローラ
ミルは、ケーシング10の中央に回転竪軸11を設け、
この回転竪軸11の上端に固定したスパイダ12の周囲
にローラ13を回転自在に取付け、ローラ13を自転さ
せるとともに回転竪軸11の周りに回転(公転)させ、
ローラ13とケーシング10内面のタイヤ14との間で
原料aを粉砕する。
ミルは、ケーシング10の中央に回転竪軸11を設け、
この回転竪軸11の上端に固定したスパイダ12の周囲
にローラ13を回転自在に取付け、ローラ13を自転さ
せるとともに回転竪軸11の周りに回転(公転)させ、
ローラ13とケーシング10内面のタイヤ14との間で
原料aを粉砕する。
【0003】この竪型ローラミルにおいて、一般に、軸
受部の潤滑状態が悪くなると、軸受温度が上昇し、さら
に潤滑状態が悪くなって、焼付きに至る。このため、特
にローラ13は高速回転するため、その回転軸受部に
は、定期的にグリースを給油する必要がある(詳細は後
述の実施例参照)。従来、その給油は、所要の運転時間
毎に行っている。
受部の潤滑状態が悪くなると、軸受温度が上昇し、さら
に潤滑状態が悪くなって、焼付きに至る。このため、特
にローラ13は高速回転するため、その回転軸受部に
は、定期的にグリースを給油する必要がある(詳細は後
述の実施例参照)。従来、その給油は、所要の運転時間
毎に行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、上記ロ
ーラ13の回転軸受部には、定期的に給油しているが、
一般に、油切れによる焼付きを恐れて早めに給油する
と、給油過多となり、他の軸受潤滑油への流下混入によ
る潤滑油の劣化及び排グリースの原料の混入などの不具
合を生じる。一方、給油時期が遅れると、油切れとなっ
て軸の焼付きが生ずるし、粉砕した粉も軸受部へ侵入し
やすくなって、焼付きを早める。
ーラ13の回転軸受部には、定期的に給油しているが、
一般に、油切れによる焼付きを恐れて早めに給油する
と、給油過多となり、他の軸受潤滑油への流下混入によ
る潤滑油の劣化及び排グリースの原料の混入などの不具
合を生じる。一方、給油時期が遅れると、油切れとなっ
て軸の焼付きが生ずるし、粉砕した粉も軸受部へ侵入し
やすくなって、焼付きを早める。
【0005】また、軸受摺動部の温度を測定し、その温
度が許容温度を超える前に適宜に給油を行えば、上記潤
滑油の劣化による焼付きなどの不具合を解消し得る。し
かし、ローラ13は回転竪軸11の周りを高速回転して
いるため、軸受摺動部の温度をケーシング10外の静止
位置にリード線等の簡単な手段で導き出すことができ
ず、従来ではその温度を測定していないのが実情であ
る。この測定していない点は、各種の粉砕ミルにおいて
は、図1に示す竪型ローラミルに限らず、自転とともに
公転する回転部において同様である。
度が許容温度を超える前に適宜に給油を行えば、上記潤
滑油の劣化による焼付きなどの不具合を解消し得る。し
かし、ローラ13は回転竪軸11の周りを高速回転して
いるため、軸受摺動部の温度をケーシング10外の静止
位置にリード線等の簡単な手段で導き出すことができ
ず、従来ではその温度を測定していないのが実情であ
る。この測定していない点は、各種の粉砕ミルにおいて
は、図1に示す竪型ローラミルに限らず、自転とともに
公転する回転部において同様である。
【0006】この発明は、粉砕ミルにおいて、その自転
及び公転する回転部の異常温度を検出し得るようにする
ことを第1の課題とし、その回転部への適切な給油を行
い得るようにすることを第2の課題とする。
及び公転する回転部の異常温度を検出し得るようにする
ことを第1の課題とし、その回転部への適切な給油を行
い得るようにすることを第2の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を達成す
るために、この発明は、ミルケーシング内で自転すると
ともに公転する回転部の摺動面の温度を測定し、その測
定温度信号を無線によってケーシング外に導出し、その
導出測定温度信号に基づき、前記回転部の異常温度を検
出するようにしたのである。無線伝送であれば、被測定
点が回転していても支障はない。
るために、この発明は、ミルケーシング内で自転すると
ともに公転する回転部の摺動面の温度を測定し、その測
定温度信号を無線によってケーシング外に導出し、その
導出測定温度信号に基づき、前記回転部の異常温度を検
出するようにしたのである。無線伝送であれば、被測定
点が回転していても支障はない。
【0008】第2の課題を達成するために、この発明
は、上記測定温度を記録し、その回転部の温度経時変化
に基づき、回転部に給油するようにしたのである。潤滑
油がなくなれば、温度上昇するため、その上昇により焼
付きが起こる温度の手前で、給油をすれば、焼付きを有
効に阻止して、回転部の寿命を伸ばすことができる。
は、上記測定温度を記録し、その回転部の温度経時変化
に基づき、回転部に給油するようにしたのである。潤滑
油がなくなれば、温度上昇するため、その上昇により焼
付きが起こる温度の手前で、給油をすれば、焼付きを有
効に阻止して、回転部の寿命を伸ばすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態としては、
ミルケーシング内に回転竪軸を設け、この回転竪軸の周
囲に粉砕ローラを自転自在に取付け、その粉砕ローラの
自転回転部に、その摺動面の温度を測定するセンサを設
け、このセンサから回転竪軸に設けた送信器にその測定
温度信号を導びき、この送信器から前記ミルケーシング
外の受信器にその測定温度信号を無線伝送するようにし
た構成を採用する。
ミルケーシング内に回転竪軸を設け、この回転竪軸の周
囲に粉砕ローラを自転自在に取付け、その粉砕ローラの
自転回転部に、その摺動面の温度を測定するセンサを設
け、このセンサから回転竪軸に設けた送信器にその測定
温度信号を導びき、この送信器から前記ミルケーシング
外の受信器にその測定温度信号を無線伝送するようにし
た構成を採用する。
【0010】上記センサーには熱電対などを採用でき、
その熱電対を回転部のブッシュなどに当接させて、その
温度を検出する。その検出信号を送受信器を介して外部
に導びき、その測定温度Tn が許容値(危険温度T0 )
を超えれば、ミルを強制停止し、その旨を表示するとと
もに警報を出す。また、記録計により、測定温度を自動
記録し、軸温(摺動面温)の経時変化から、給油時期を
判断する。
その熱電対を回転部のブッシュなどに当接させて、その
温度を検出する。その検出信号を送受信器を介して外部
に導びき、その測定温度Tn が許容値(危険温度T0 )
を超えれば、ミルを強制停止し、その旨を表示するとと
もに警報を出す。また、記録計により、測定温度を自動
記録し、軸温(摺動面温)の経時変化から、給油時期を
判断する。
【0011】なお、摺動部の異常温度検出段としては、
上記の測定温度Tn が許容温度T0を超えるか、否かを
判断するものの他、測定温度上昇率(Tdn =Tn −T
n-1)が許容値Td0 を超えたか否かで判断したり、ま
た、その温度上昇率の変化率(Tddn =Tdn −Td
n-1 )が許容値Tdd0 を超えたか否かで判断する、等
の各種のものを採用し得る。
上記の測定温度Tn が許容温度T0を超えるか、否かを
判断するものの他、測定温度上昇率(Tdn =Tn −T
n-1)が許容値Td0 を超えたか否かで判断したり、ま
た、その温度上昇率の変化率(Tddn =Tdn −Td
n-1 )が許容値Tdd0 を超えたか否かで判断する、等
の各種のものを採用し得る。
【0012】
【実施例】一実施例を図1乃至図8に示し、この実施例
はローラミルに係るものであり、その回転竪軸11は、
減速機Bを介して主電動機Mによって一定回転速度で左
回転する。ローラ13を支持するオイルジャーナル20
は、その軸受部15を竪軸11と共に回転するスパイダ
12の軸受台(図示省略)にピン16を介して連結する
ことにより吊下げられており、竪軸11と同方向に同心
円周上を回転する。この為、オイルジャーナル20は、
ピン16を軸に遠心力によって外側へ移動し、ローラ1
3がミルベース17に固定されたタイヤ14に押付けら
れる。オイルジャーナル20は、図3に示すように、上
部本体21aと下部本体21bが一体となって、ジャー
ナルヘッド23と一体のジャーナル軸22を中心として
回転自在の構造であり、下部本体21bに固定されたロ
ーラ13がタイヤ14に押圧されつつ竪軸11と同心円
周方向に移動することでジャーナル軸22を中心に右回
転する(自転する)。
はローラミルに係るものであり、その回転竪軸11は、
減速機Bを介して主電動機Mによって一定回転速度で左
回転する。ローラ13を支持するオイルジャーナル20
は、その軸受部15を竪軸11と共に回転するスパイダ
12の軸受台(図示省略)にピン16を介して連結する
ことにより吊下げられており、竪軸11と同方向に同心
円周上を回転する。この為、オイルジャーナル20は、
ピン16を軸に遠心力によって外側へ移動し、ローラ1
3がミルベース17に固定されたタイヤ14に押付けら
れる。オイルジャーナル20は、図3に示すように、上
部本体21aと下部本体21bが一体となって、ジャー
ナルヘッド23と一体のジャーナル軸22を中心として
回転自在の構造であり、下部本体21bに固定されたロ
ーラ13がタイヤ14に押圧されつつ竪軸11と同心円
周方向に移動することでジャーナル軸22を中心に右回
転する(自転する)。
【0013】原料aは、ケーシング10の上部側面に設
けられたロータリーフィーダVによってミル内へ供給さ
れ、一方、図示しない送風機によって、粉砕された原料
a’を空気輸送するための空気bがエアーハウジング1
8からケーシング10内に吹込まれる。このため、原料
aは竪軸11と共に回転するブロー19によって掻上げ
られてローラ13とタイヤ14の間に連続供給され、ロ
ーラ13の押付力によって挟圧粉砕される。粉砕された
原料a’は、スパイダ12とケーシング10のサイド面
の間を通り、上部へ空気輸送されて、分級機、バグフィ
ルタ(図示省略)を経て製品ホッパに貯留される。
けられたロータリーフィーダVによってミル内へ供給さ
れ、一方、図示しない送風機によって、粉砕された原料
a’を空気輸送するための空気bがエアーハウジング1
8からケーシング10内に吹込まれる。このため、原料
aは竪軸11と共に回転するブロー19によって掻上げ
られてローラ13とタイヤ14の間に連続供給され、ロ
ーラ13の押付力によって挟圧粉砕される。粉砕された
原料a’は、スパイダ12とケーシング10のサイド面
の間を通り、上部へ空気輸送されて、分級機、バグフィ
ルタ(図示省略)を経て製品ホッパに貯留される。
【0014】上記オイルジャーナル20の構造を図3を
参照して詳細に説明すると、ジャーナルヘッド23とジ
ャーナル軸22は焼締めされて固結されている。上部本
体21aおよび下部本体21bは、ジャーナル軸22と
の間の上部ブッシュ24aおよび下部ブッシュ24b、
さらにジャーナルヘッド23と上部本体21aの間のヘ
ッドブッシュ24cの3個所の滑り軸受でジャーナル軸
22の周りを自在に回転できるようになっている。ジャ
ーナル軸22の軸受部、すなわち上部ブッシュ24aお
よび下部ブッシュ24bへの潤滑油は軸上部の注油金具
25により、軸22内部に設けられた給油孔26を経て
下部のオイルバース27に溜まる。そのオイルレベルは
上部ブッシュ24a上端附近とする。この潤滑油は、給
油孔26がプラグ25aで密栓されているので殆ど減る
ことはなく長時間に亘って給油の必要はない。
参照して詳細に説明すると、ジャーナルヘッド23とジ
ャーナル軸22は焼締めされて固結されている。上部本
体21aおよび下部本体21bは、ジャーナル軸22と
の間の上部ブッシュ24aおよび下部ブッシュ24b、
さらにジャーナルヘッド23と上部本体21aの間のヘ
ッドブッシュ24cの3個所の滑り軸受でジャーナル軸
22の周りを自在に回転できるようになっている。ジャ
ーナル軸22の軸受部、すなわち上部ブッシュ24aお
よび下部ブッシュ24bへの潤滑油は軸上部の注油金具
25により、軸22内部に設けられた給油孔26を経て
下部のオイルバース27に溜まる。そのオイルレベルは
上部ブッシュ24a上端附近とする。この潤滑油は、給
油孔26がプラグ25aで密栓されているので殆ど減る
ことはなく長時間に亘って給油の必要はない。
【0015】一方、ジャーナルヘッド23の軸受部、す
なわちヘッドブッシュ24cの潤滑油は、グリースニッ
プル28によって定期的に給油するようになっている。
すなわち、ミル運転中、オイルジャーナル20は粉砕さ
れた原料aによって高濃度の雰囲気に曝され、上部本体
21aとヘッドブッシュ24cの隙間(摺動面)から微
粉が該軸受部内に侵入しがちである。これは、グリース
の給油間隔が不適当に長いと発生しやすい。グリース切
れが発生すれば、当然、ヘッドブッシュ24cと上部本
体21aの摺動面で摩擦熱により温度上昇が起こり、微
粉の侵入によって温度上昇はさらに加速され、軸受を傷
めたり、焼付きを起こしたりする。これを恐れ、頻繁に
給油したり、給油量を増やしすぎると、軸受内部から漏
れ出て上部本体21a表面にグリースが流れ出て製品
a’に混入したり、ヘッドブッシュ24cの上方へ溢
れ、ジャーナル軸22と上部本体21aの隙間から上部
ブッシュ24cの方へ流れ落ち、オイルバース27内の
潤滑油に混入して潤滑油の劣化原因となるなどの弊害が
ある。また、給油のタイミングは、運転終了後に点検口
(図示省略)の蓋を開けて、各オイルジャーナル20を
点検し、ヘッドブッシュ24c近傍のジャーナルヘッド
23外表面の温度を触手またはポータブル温度計で計測
して管理しているが、面倒な作業のため省略しがちであ
り、この為、給油間隔が不正確になり、上記のような弊
害が出ていた。
なわちヘッドブッシュ24cの潤滑油は、グリースニッ
プル28によって定期的に給油するようになっている。
すなわち、ミル運転中、オイルジャーナル20は粉砕さ
れた原料aによって高濃度の雰囲気に曝され、上部本体
21aとヘッドブッシュ24cの隙間(摺動面)から微
粉が該軸受部内に侵入しがちである。これは、グリース
の給油間隔が不適当に長いと発生しやすい。グリース切
れが発生すれば、当然、ヘッドブッシュ24cと上部本
体21aの摺動面で摩擦熱により温度上昇が起こり、微
粉の侵入によって温度上昇はさらに加速され、軸受を傷
めたり、焼付きを起こしたりする。これを恐れ、頻繁に
給油したり、給油量を増やしすぎると、軸受内部から漏
れ出て上部本体21a表面にグリースが流れ出て製品
a’に混入したり、ヘッドブッシュ24cの上方へ溢
れ、ジャーナル軸22と上部本体21aの隙間から上部
ブッシュ24cの方へ流れ落ち、オイルバース27内の
潤滑油に混入して潤滑油の劣化原因となるなどの弊害が
ある。また、給油のタイミングは、運転終了後に点検口
(図示省略)の蓋を開けて、各オイルジャーナル20を
点検し、ヘッドブッシュ24c近傍のジャーナルヘッド
23外表面の温度を触手またはポータブル温度計で計測
して管理しているが、面倒な作業のため省略しがちであ
り、この為、給油間隔が不正確になり、上記のような弊
害が出ていた。
【0016】この実施例では、各ジャーナルヘッド23
の軸受部にヘッドブッシュ24cに接して熱電対30
(30a、30b、30c、30d)を取付け、軸受温
度を検出し、図1および図2に示すように補償導線31
によってスパイダ12上面に設けた送信器40に配線す
る。この送信器40は図4に示すように、熱電対30か
らの温度信号(数mV)を熱電温度変換器41によっ
て、フルスケールに対して統一されたレベルのアナログ
信号(例えば、フルスケール0〜200℃に対し0〜
1.0V(ボルト)DC)に変換し、並−直変換部42
で入力順に1からnまで時分割に直列に並んだアナログ
信号がサイクリックに繰返えす信号に変換され、A−D
変換部43によってアナログ信号レベルに応じたディジ
タル信号に2進符号化され、この符号で搬送波44をデ
ィジタル変調し、電力増幅部45で増幅し、送信アナテ
ナ46から電波を放射する。なお、実施例では、オイル
ジャーナル20を4個有するため、その軸受部も4個
(n=4)あり、各図中、その各軸受部に対応して、
“1〜4”又は“No.1〜No.4”を記している。
の軸受部にヘッドブッシュ24cに接して熱電対30
(30a、30b、30c、30d)を取付け、軸受温
度を検出し、図1および図2に示すように補償導線31
によってスパイダ12上面に設けた送信器40に配線す
る。この送信器40は図4に示すように、熱電対30か
らの温度信号(数mV)を熱電温度変換器41によっ
て、フルスケールに対して統一されたレベルのアナログ
信号(例えば、フルスケール0〜200℃に対し0〜
1.0V(ボルト)DC)に変換し、並−直変換部42
で入力順に1からnまで時分割に直列に並んだアナログ
信号がサイクリックに繰返えす信号に変換され、A−D
変換部43によってアナログ信号レベルに応じたディジ
タル信号に2進符号化され、この符号で搬送波44をデ
ィジタル変調し、電力増幅部45で増幅し、送信アナテ
ナ46から電波を放射する。なお、実施例では、オイル
ジャーナル20を4個有するため、その軸受部も4個
(n=4)あり、各図中、その各軸受部に対応して、
“1〜4”又は“No.1〜No.4”を記している。
【0017】ケーシング10の内面にその受信アンテナ
51が張設され、この受信アンテナ51で受信した電波
は、同軸ケーブル51aを経て受信器50に入力され
る。受信器50は、図4に示すように、受信部52で送
信電波のみを分離増幅し、検波部53、信号判別部54
で2進符号化されたディジタル信号に復調し、データレ
ジスタ55に1時記憶する。このディジタル温度データ
は出力メモリ56に順次シフトされ、直−並変換される
と共にD−A変換部57で計装統一信号である4〜20
mA(ミリアンペア)DCのアナログ信号に変換され、
警報接点付温度計58a〜58d(総称符号:58)へ
入力する。これと同時に、軸受温度信号として出力され
る。警報接点付温度計58で軸受温度Tn が管理値T0
(許容値)を超えて異常に高くなった事を検知すると、
警報を発するとともに、ミル停止信号をミル動力制御盤
(図示省略)へ出力し、主電動機Mを強制停止する。
51が張設され、この受信アンテナ51で受信した電波
は、同軸ケーブル51aを経て受信器50に入力され
る。受信器50は、図4に示すように、受信部52で送
信電波のみを分離増幅し、検波部53、信号判別部54
で2進符号化されたディジタル信号に復調し、データレ
ジスタ55に1時記憶する。このディジタル温度データ
は出力メモリ56に順次シフトされ、直−並変換される
と共にD−A変換部57で計装統一信号である4〜20
mA(ミリアンペア)DCのアナログ信号に変換され、
警報接点付温度計58a〜58d(総称符号:58)へ
入力する。これと同時に、軸受温度信号として出力され
る。警報接点付温度計58で軸受温度Tn が管理値T0
(許容値)を超えて異常に高くなった事を検知すると、
警報を発するとともに、ミル停止信号をミル動力制御盤
(図示省略)へ出力し、主電動機Mを強制停止する。
【0018】これら各部の信号パターンS1 〜S5 (S
1 :軸受温度Tn の変化パターン、S2 :軸受温度Tn
の時分割送りパターン、S3 :アナログ信号から2進符
号化変換パターン、S4 :受信電波からの2進符号化パ
ターン、S5 :2進符号からアナログ信号への変換パタ
ーン)を図6に示す。この図において(2)〜(4)の
時間軸は、図示の都合上(1)、(5)に較べ拡大して
ある。また、各軸受温度も差を付けて示してあり、tは
時間を示す。
1 :軸受温度Tn の変化パターン、S2 :軸受温度Tn
の時分割送りパターン、S3 :アナログ信号から2進符
号化変換パターン、S4 :受信電波からの2進符号化パ
ターン、S5 :2進符号からアナログ信号への変換パタ
ーン)を図6に示す。この図において(2)〜(4)の
時間軸は、図示の都合上(1)、(5)に較べ拡大して
ある。また、各軸受温度も差を付けて示してあり、tは
時間を示す。
【0019】受信器50から出力された各軸(ヘッドブ
ッシュ24c)の温度信号は、軸受温度上昇を計算する
ために図5の演算器60a〜60d(総称符号:60)
及び多点温度記録計R1 に入力される。軸受温度上昇は
軸受温度Tn と軸受周囲の雰囲気温度Ta との差に相当
するので、周囲温度Ta を計測するため、ケーシング1
0に熱電対(図示省略)を設けてケーシング10内部の
温度を計測し、この計測信号と軸受温度信号を図5の演
算器60で比較演算して各軸の温度上昇信号ΔTn とし
て取出し、多点温度記録計R2 に入力する(ΔTn =T
n −Ta )。周囲温度Ta は両多点温度記録計R1 、R
2 にも入力されており、この両記録計R1 、R2 を設け
たのは、精度補償のためである。
ッシュ24c)の温度信号は、軸受温度上昇を計算する
ために図5の演算器60a〜60d(総称符号:60)
及び多点温度記録計R1 に入力される。軸受温度上昇は
軸受温度Tn と軸受周囲の雰囲気温度Ta との差に相当
するので、周囲温度Ta を計測するため、ケーシング1
0に熱電対(図示省略)を設けてケーシング10内部の
温度を計測し、この計測信号と軸受温度信号を図5の演
算器60で比較演算して各軸の温度上昇信号ΔTn とし
て取出し、多点温度記録計R2 に入力する(ΔTn =T
n −Ta )。周囲温度Ta は両多点温度記録計R1 、R
2 にも入力されており、この両記録計R1 、R2 を設け
たのは、精度補償のためである。
【0020】給油タイミングは、予め、初めの給油から
次の給油適期に至るミル運転積算時間と温度上昇の経時
変化のパターンを調査しておき、記録部(多点温度記録
計R1 、R2 )の温度記録とミル運転経過時間の双方か
ら目視判断する。その代表的な温度記録のパターンを図
7、図8に示す。
次の給油適期に至るミル運転積算時間と温度上昇の経時
変化のパターンを調査しておき、記録部(多点温度記録
計R1 、R2 )の温度記録とミル運転経過時間の双方か
ら目視判断する。その代表的な温度記録のパターンを図
7、図8に示す。
【0021】図7は、演算器を通さない生の温度記録
(記録計R1 )で、管理温度T0 と軸受温度Tn の差の
変化を把握するためのもの、図8は演算器60を通した
軸受温度上昇の変化△Tn を見るもので(記録計
R2 )、周囲の温度変化に左右されることなく、軸受の
潤滑状態に起因する軸受温度の変化を把握するためのも
のである。いま、初めの給油を行って、停止していたミ
ルをt0 点で起動する。この時点では軸受温度Tn は、
周囲温度即ちミル内部温度Ta に一致している。従っ
て、温度上昇はないので温度記録計R2 は0℃を記録し
ている。ミル起動によって、図3のローラ13、即ち上
部本体21aが回転し、ヘッドブッシュ24cとのすべ
り面で摩擦熱が発生する。この摩擦熱はヘッドブッシュ
24cからジャーナルヘッド23へ伝達されてジャーナ
ルヘッド23表面から放射されるが、発生する摩擦熱の
方が大きいため、軸受温度Tn は上昇する。運転時間の
経過と共に軸受温度Tn は上昇し続け, t1 点で飽和す
る。t1 からt2 の間は相当な時間となるが、この間、
連続で運転される場合と、生産計画上、数日運転して数
日停止するパターンを繰返す場合がある。後者の場合
は、t1 〜t2 間で停止時にはTn がTa まで低下(△
Tn は0℃まで低下)し、再始動時にはt0 〜t1 間と
同様の昇温曲線が記録される(図示省略)。
(記録計R1 )で、管理温度T0 と軸受温度Tn の差の
変化を把握するためのもの、図8は演算器60を通した
軸受温度上昇の変化△Tn を見るもので(記録計
R2 )、周囲の温度変化に左右されることなく、軸受の
潤滑状態に起因する軸受温度の変化を把握するためのも
のである。いま、初めの給油を行って、停止していたミ
ルをt0 点で起動する。この時点では軸受温度Tn は、
周囲温度即ちミル内部温度Ta に一致している。従っ
て、温度上昇はないので温度記録計R2 は0℃を記録し
ている。ミル起動によって、図3のローラ13、即ち上
部本体21aが回転し、ヘッドブッシュ24cとのすべ
り面で摩擦熱が発生する。この摩擦熱はヘッドブッシュ
24cからジャーナルヘッド23へ伝達されてジャーナ
ルヘッド23表面から放射されるが、発生する摩擦熱の
方が大きいため、軸受温度Tn は上昇する。運転時間の
経過と共に軸受温度Tn は上昇し続け, t1 点で飽和す
る。t1 からt2 の間は相当な時間となるが、この間、
連続で運転される場合と、生産計画上、数日運転して数
日停止するパターンを繰返す場合がある。後者の場合
は、t1 〜t2 間で停止時にはTn がTa まで低下(△
Tn は0℃まで低下)し、再始動時にはt0 〜t1 間と
同様の昇温曲線が記録される(図示省略)。
【0022】給油タイミング近辺で適正に給油すれば、
図示実線のごとく軸受温度Tn は元の正常値に戻るが、
給油せずに放置すると、図7、図8の破線のように上昇
を続けて管理温度(T0 )に達し、警報接点付き温度計
58の警報接点が作動(臥勢)し、警報を発すると同時
にミルを強制停止する。仮に、この時点でミルを停止さ
せずに運転を継続した場合には、軸受温度Tn はさらに
上昇を続け、摩擦面の潤滑膜を破壊し、局部的あるいは
全面的焼付きに至り、ジャーナルヘッド23の軸受部
(ヘッドブッシュ24c)を損傷する。
図示実線のごとく軸受温度Tn は元の正常値に戻るが、
給油せずに放置すると、図7、図8の破線のように上昇
を続けて管理温度(T0 )に達し、警報接点付き温度計
58の警報接点が作動(臥勢)し、警報を発すると同時
にミルを強制停止する。仮に、この時点でミルを停止さ
せずに運転を継続した場合には、軸受温度Tn はさらに
上昇を続け、摩擦面の潤滑膜を破壊し、局部的あるいは
全面的焼付きに至り、ジャーナルヘッド23の軸受部
(ヘッドブッシュ24c)を損傷する。
【0023】この実施例では、多点温度記録計R1 、R
2 の軸受温度上昇の記録から給油タイミングを目視判定
しているが、ミルの運転時間(積算時間)がt2 を超え
た時、電気接点を出力するプリセットカウンタを設ける
とともに、多点温度記録計R1 、R2 に警報接点を設け
て、ミル運転時間がt2 を超え、且つ、軸受温度Tnが
設定温度Tc を越えた時、又は△Tn が標準温度から予
め設定した温度ΔTcを超えた時に、それぞれ警報を発
したり、ランプ表示するなどして、自動的に報知するこ
とも可能である。この警報・ランプ表示は両方の温度計
R1 、R2 によって行う必要もなく、一方のみでもよ
い。この自動警告の際、必ずしも記録する必要はなく、
Tn とTc 、ΔTn とΔTc を比較器で比較し、その比
較値に基づき警報等をするようにしてもよい。
2 の軸受温度上昇の記録から給油タイミングを目視判定
しているが、ミルの運転時間(積算時間)がt2 を超え
た時、電気接点を出力するプリセットカウンタを設ける
とともに、多点温度記録計R1 、R2 に警報接点を設け
て、ミル運転時間がt2 を超え、且つ、軸受温度Tnが
設定温度Tc を越えた時、又は△Tn が標準温度から予
め設定した温度ΔTcを超えた時に、それぞれ警報を発
したり、ランプ表示するなどして、自動的に報知するこ
とも可能である。この警報・ランプ表示は両方の温度計
R1 、R2 によって行う必要もなく、一方のみでもよ
い。この自動警告の際、必ずしも記録する必要はなく、
Tn とTc 、ΔTn とΔTc を比較器で比較し、その比
較値に基づき警報等をするようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】この発明は、以上のようにして、公転す
る回転部からその温度を検出するようにしたので、その
回転部の温度上昇を的確に把握でき、焼付きなどの損傷
を有効に防ぐことができる。
る回転部からその温度を検出するようにしたので、その
回転部の温度上昇を的確に把握でき、焼付きなどの損傷
を有効に防ぐことができる。
【図1】一実施例の切断正面図
【図2】同実施例の切断平面図
【図3】図1の要部断面図
【図4】送信器及び受信器のブロック図
【図5】演算部のブロック図
【図6】各信号パターン図
【図7】温度パターン図
【図8】温度パターン図
10 ミルケーシング 11 回転竪軸 13 粉砕ローラ 14 タイヤ 20 オイルジャーナル(回転部) 22 ジャーナル軸 23 ジャーナルヘッド 24c ヘッドブッシュ 30 熱電対 31 補償導線 40 送信器 50 受信器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16 B02C 19/00 - 25/00
Claims (2)
- 【請求項1】 ミルケーシング10内で自転するととも
に公転する回転部の摺動面の温度を測定し、その測定温
度信号を無線によってケーシング10外に導出し、その
導出測定温度信号に基づき、前記回転部の異常温度を検
出するようにした粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置
において、 上記ミルケーシング10内に回転竪軸11を設け、この
回転竪軸11の周囲に粉砕ローラ13を自転自在に取付
け、その粉砕ローラ13の自転回転部に、その摺動面の
温度を測定するセンサ30を設け、このセンサ30から
回転竪軸11に設けた送信器40にその測定温度信号を
導びき、この送信器40から前記ミルケーシング10外
の受信器50にその測定温度信号を無線伝送するように
したことを特徴とする粉砕ミルの回転部の異常温度検出
装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の異常温度検出装置の測
定温度を記録し、その回転部の温度経時変化に基づき、
回転部に給油するようにした粉砕ミルの回転部への給油
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08429898A JP3200408B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部への給油方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08429898A JP3200408B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部への給油方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11276921A JPH11276921A (ja) | 1999-10-12 |
JP3200408B2 true JP3200408B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=13826579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08429898A Expired - Fee Related JP3200408B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部への給油方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3200408B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011089786A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Toyota Motor Corp | 潤滑システム |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5650085B2 (ja) * | 2011-10-03 | 2015-01-07 | 田村 允孝 | ロールミル |
CN103341396A (zh) * | 2013-07-28 | 2013-10-09 | 洛阳理工学院 | 水泥磨主轴承温度双重测控保护装置 |
CN103657795B (zh) * | 2014-01-09 | 2016-02-24 | 郑州维科重工机械有限公司 | 用于辊磨机的直驱式主结构 |
JP6657926B2 (ja) * | 2015-12-24 | 2020-03-04 | 宇部興産機械株式会社 | 温度測定装置 |
CN111203304B (zh) * | 2020-03-13 | 2021-06-18 | 广东立伟达矿业有限公司 | 一种制备碳酸钙粉末的磨粉机 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP08429898A patent/JP3200408B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011089786A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Toyota Motor Corp | 潤滑システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11276921A (ja) | 1999-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6138078A (en) | Machine monitor with tethered sensors | |
US5726911A (en) | Electric motor monitor | |
US6065345A (en) | Method for monitoring the condition of a mechanical seal | |
JP3200408B2 (ja) | 粉砕ミルの回転部の異常温度検出装置及びその回転部への給油方法 | |
US20100131232A1 (en) | Belt slip meter | |
CA2380280A1 (en) | Shaft voltage and current monitoring system | |
WO2016019431A1 (en) | Conveyor roller monitoring apparatus, system and method | |
US20020023496A1 (en) | Bearing vibration diagnostic apparatuses and methods of detecting vibration of bearings | |
JPH05292704A (ja) | 回転子異常監視装置 | |
US20140169715A1 (en) | Bearing, housing including a set of bearings, associated method and computer program | |
US20020105429A1 (en) | Bearing condition monitoring method and apparatus | |
AU2018427246A1 (en) | Tail rope monitoring device of mine hoisting system | |
US20030178515A1 (en) | System and method of monitoring a crushing device | |
EP0124530B1 (en) | Apparatus for determining the condition of a rolling bearing | |
KR101196444B1 (ko) | 컨베이어시스템의 통합모니터링장치 및 그 방법 | |
CN214067191U (zh) | 一种密闭式称重给煤机转速测量装置及给煤机 | |
JP7136153B2 (ja) | センサ装置および異常監視装置 | |
KR101196443B1 (ko) | 산업용 컨베이어 벨트의 아이들러 롤러 회전감시시스템 및 장치와 그 방법 | |
JP2003227526A (ja) | センサ付軸受装置 | |
CN112278776B (zh) | 皮带机的检测装置 | |
JPS588823A (ja) | 軸受異常の診断方法 | |
JP2004093185A (ja) | 回転体の異常診断装置及び方法 | |
CN210773927U (zh) | 物料膜检测装置 | |
JP2004003573A (ja) | 転動装置用センサ | |
CN100387937C (zh) | 电子涡轮气体流量计 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |