JP3200180B2 - 濾布剥離装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特にパルスジェット型
バグフィルタにおける濾布剥離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、図４に示すようなパルスジェッ
ト型バグフィルタは、逆洗式バグフィルタと比較して、
濾過速度を２〜３倍にすることができる。その結果、濾
過面積が少なくて済むため、装置全体をコンパクトにし
て据え付け空間を小さくすることができ、近年、バグフ
ィルタの主流となっている。

【０００３】ところで最近、都市ゴミ焼却炉からの排気
ガスの処理には、除塵と有害ガス吸収とが同時に可能
で、ダイオキシン対策に適するバグフィルタがほぼ全面
的に採用されている。

【０００４】通常、都市ゴミ焼却炉からの排気ガスに
は、通常３０〜４０％の水分が含まれている。バグフィ
ルタは、水滴による濾布の目詰まりを嫌うため、ガスの
酸露点以上の高いガス温度での運転が好ましい。

【０００５】しかし、バグフィルタの濾材は高温用ほど
その価格が高く、１８０〜２００℃の温度を境に４倍の
価格差があるため、運転温度を少しでも下げようとする
傾向がある。高温時には濾布の焼付きにより又低温時に
はリテーナの腐食により濾布とリテーナとが固着してし
まうことがしばしば生じる。固着を生じると、パルスジ
ェット時に、図５に示すように、濾布の膨らみが少なく
なり、クリーニング効果が小さい。その結果、圧力損失
が増大して、濾布を交換せざるを得なくなる。

【０００６】また、濾布が破損した時も、濾布を交換す
る。時には濾布の寿命をチェックするため、定期的に取
り出すこともある。

【０００７】濾布とリテーナが固着していると、図６に
示すように、リテーナを容易に抜脱することができな
い。このような場合には、含塵ガス側の汚れたケーシン
グ部に入って、刃物で切り裂くか、図７に示すように、
リテーナを潰して濾布と一体で下部に落とし、マンホー
ルより取り出すしか方法がなく、パルスジェット型のバ
グフィルタの濾布交換時の最大の問題となっている。

【０００８】特に最近では汚れたケーシングに入っての
作業は嫌われ、濾布交換をする作業者を確保することが
困難であり、深刻な問題を生じている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するためになされたもので、その目的とす
るところは、固着した濾布を清浄ガス側から、手を汚さ
ずに能率よく剥離することができる濾布剥離装置を提供
することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の濾布剥離装置
は、リテーナに沿って転動する円形の胴部と、該胴部の
両端部に放射状に取り付けられ、上記リテーナを両側か
ら挟む複数のピンとから成るピン車と；該ピン車を回転
自在に取り付けるフレームと；該フレームを介して上記
ピン車をリテーナに弾性的に押し付ける手段と；から構
成されていることを特徴とする。上記ピン車とフレーム
とを２組備え、これらのフレームを圧縮バネから成る上
記押し付け手段の両側に取り付けたことも特徴とする。
また、複数の濾布剥離装置を、リテーナ内に設けた保持
管体に沿って所定回転角ずつずらせて配置したことも特
徴とする。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図１において、１は外筒であって、
その内側に内筒２が入れ子式に内挿されている。これら
の外筒１と内筒２は、相互に回転することなく長手方向
に摺動できるように、外筒１に形成された長穴１ａと、
内筒２に植設されるとともに該長穴１ａに案内される案
内ピン２ａにより、規制されている。

【００１２】該内筒２内には圧縮バネ３が収容されてい
て、上記外筒１と内筒２を相互に離れる方向に付勢して
いる。

【００１３】上記外筒１と内筒２の外端部には、それぞ
れコ字状のフレーム４および５が一体的に取り付けられ
ている。これらのフレーム４および５には、それぞれ軸
４ａおよび５ａが取り付けられていて、ピン車６および
７が各々回転自在に取り付けられている。

【００１４】上記ピン車６は、円形の胴部６ａと、該胴
部６ａの両端部に放射状に取り付けられた複数のピン６
ｂから構成されている。図２に示すように、上記胴部６
ａの外周面はリテーナＡに当接するようになっている。
隣接する２つのピン６ｂの基部の間にはリテーナ保持リ
ングＢが係合するようになている。

【００１５】上記ピン６ｂの長さは、図１（Ｂ）に示す
ように、リテーナ保持リングＢに係合している状態で
も、その先端部がリテーナＡより外側に十分突出するこ
とができる長さ、即ち、リテーナＡの直径とリテーナ保
持リングＢの直径の合計より長い寸法となっている。
尚、ピン６ｂの先端部は丸くなっていて、濾布を突き破
らないようにしている。

【００１６】上記ピン車７も、ピン車６と同様に、胴部
７ａと多数の放射状のピン７ｂから構成されていて、同
様の構造および機能を有する。

【００１７】本実施例の装置は、以上のように構成され
ているので、両ピン車６および７は圧縮バネ３によりリ
テーナＡに弾性的に押し当てられながら、リテーナＡに
沿って上下に転動すると共に、リテーナＡの外側に固着
している濾布をピン６ｂおよび７ｂの先端部により強制
的に剥離する。

【００１８】図４に示すように、リテーナＡの本数が８
本の場合には、上記剥離装置を４組使用する。この場
合、４組の剥離装置を保持管体８に上下方向に沿って４
５°の回転角ずつ方向をずらせて配置する。

【００１９】

【発明の効果】ピン車が、リテーナに固着している濾布
を押圧しながら、リテーナに沿って転動するように構成
されているので、濾布をリテーナから迅速かつ確実に剥
離することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明の剥離装置の一実施例を示す上
面図、（Ｂ）は（Ａ）のイ−イ線に沿った断面図であ
る。

【図２】ピン車がリテーナにのみ係合した状態の側面図
である。

【図３】（Ａ）は８本のリテーナに装着した剥離装置の
側面図、（Ｂ）は上面図である。

【図４】パルスジェット型バグフィルタの概略図であ
る。

【図５】濾布のリテーナへの固着状態の説明図である。

【図６】リテーナの濾布からの抜脱作業の説明図であ
る。

【図７】濾布とリテーナ上部を潰して取外す作業の説明
図である。

【符号の説明】

１ 外筒 １ａ 長穴 ２ 内筒 ２ａ 案内ピン ３ 圧縮バネ ４ フレーム ５ フレーム ６ ピン車 ６ａ 胴部 ６ｂ ピン ７ ピン車 ７ａ 胴部 ７ｂ ピン ８ 管体 Ａ リテーナ Ｂ リテーナ保持リング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B01D 46/02 B01D 46/04 104 B01D 46/06

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リテーナに沿って転動する円形の胴部
   と、該胴部の両端部に放射状に取り付けられ、上記リテ
   ーナを両側から挟む複数のピンとから成るピン車と；該
   ピン車を回転自在に取り付けるフレームと；該フレーム
   を介して上記ピン車をリテーナに弾性的に押し付ける手
   段と；から構成されていることを特徴とする濾布剥離装
   置。
2. 【請求項２】 上記ピン車とフレームとを２組備え、こ
   れらのフレームを圧縮バネから成る上記押し付け手段の
   両側に取り付けたことを特徴とする請求項１記載の濾布
   剥離装置。
3. 【請求項３】 上記請求項２記載の複数の濾布剥離装置
   を、リテーナ内に設けた保持管体に沿って所定回転角ず
   つずらせて配置したことを特徴とする濾布剥離装置。