JP3200049B2 - 皮膚縫合用ステープル - Google Patents

皮膚縫合用ステープル

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JP3200049B2
JP3200049B2 JP19666799A JP19666799A JP3200049B2 JP 3200049 B2 JP3200049 B2 JP 3200049B2 JP 19666799 A JP19666799 A JP 19666799A JP 19666799 A JP19666799 A JP 19666799A JP 3200049 B2 JP3200049 B2 JP 3200049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は皮膚縫合用ステー
プル、詳しくは皮膚縫合手術に使用される皮膚縫合用ス
テープル、特にマットレス縫合を可能とした皮膚縫合用
ステープルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の外科用皮膚縫合ステープラとして
は、例えば特開平4−240443号公報に記載された
ものが知られている。このものは医療用ステープラであ
って、使用に際し、レバーを回動させると、この回動に
よってラムが下方に前進し、その成形突起がステープル
のクラウンに当接してステープルに対する成形を開始す
る。このとき、クラウンは、アンビルの幅方向の両端部
を支点として上方に向かって凸状の弓状に変形する。そ
して、この変形と同時にステープルにラムによる成形力
およびアンビルの傾斜角度に応じて分力が発生し、この
分力がステープルに作用する方向の付勢力と対向して付
勢力を相殺することになる。この場合、使用するステー
プルは略コの字形状であった。その折れ曲がった両端の
先端が爪となっていた。したがって、このステープルを
打ち込むためのステープラは本体にアンビル(クリンチ
ャ)を有し、アンビルに向かってステープルを打ち込む
と、橋絡部がアンビルに当接し、さらに力が作用して両
端が内側に曲がる結果、ステープルが全体として扁平な
形になって患部の皮膚を縫合することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の外科用ステープルにあっては、皮膚を一定深
さ位置でのみ縫合するものであった。よって、マットレ
ス縫合のような精密な縫合は行うことができなかった。
マットレス縫合は、表皮近くの縫合と真皮下の縫合とを
同時的に行うもので、四肢や頸部など皮膚の薄い部分の
皮膚全層の表皮部分の体裁を整えることができる。すな
わち、従来の皮膚縫合用ステープルを用いた縫合手術で
は皮膚の薄い部分の表皮の体裁を整えることが不可能で
あった。また、ステープルがコの字形状であったため、
皮膚組織への局所圧が高く、打ち込む際の力も大きかっ
た。
【0004】
【発明の目的】この発明の目的は、ステープルによりマ
ットレス縫合を行うことである。また、この発明の目的
は、マットレス縫合を行うためのステープルを提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、断面円形の線材を略楕円形状に湾曲して形成した皮
膚縫合用ステープルで、その両端に二股の第1の爪、第
2の爪をそれぞれ有し、各爪は上記楕円形状に略沿って
内向きに突出し、各端の第1の爪同士、第2の爪同士は
対向する皮膚縫合用ステープルであって、上記第1の爪
は第2の爪より長く、かつ、これらの爪の先端は先細り
状に尖って形成された皮膚縫合用ステープルである。
【0006】請求項2に記載の発明は、上記対向する第
1の爪の先端の各外側面が平坦にまたは角形に形成され
た請求項1に記載の皮膚縫合用ステープルである。
【0007】請求項3に記載の発明は、上記線材はステ
ンレス、チタンまたはチタン合金製である請求項1また
は請求項2に記載の皮膚縫合用ステープルである。
【0008】請求項4に記載の発明は、上記略楕円形状
のステープルの幅と高さとの比は2:1である請求項1
〜請求項3のいずれか1項に記載の皮膚縫合用ステープ
ルである。
【0009】請求項5に記載の発明は、上記ステープル
の幅は8〜10mmであり、その高さは4〜5mmであ
る請求項4に記載の皮膚縫合用ステープルである。
【0010】請求項6に記載の発明は、上記第1の爪の
長さは、2.0〜3.0mmであり、上記第2の爪の長
さは1.5〜2.0mmである請求項5に記載の皮膚縫
合用ステープルである。
【0011】
【作用】請求項1〜請求項6に記載の発明では、例えば
ステープラなどを用いて略楕円形状のステープルを所定
位置に保持し、このステープルを皮膚組織に打ち込んで
これを閉じる。この場合、ステープルの両端に形成され
た二股の第1の爪、第2の爪は楕円形状に略沿ってそれ
ぞれ突出し、第1の爪同士、第2の爪同士は内向きに対
向している。よって、皮膚組織に打ち込まれて閉じられ
た結果、第1の爪同士で深い部分が第2の爪同士で浅い
部分が縫合される。すなわち、皮膚組織を二重に縫合す
る(マットレス縫合する)ことができる。また、皮膚組
織表面をきれいに縫合することができる。また、このス
テープルは両端の爪を含んで略楕円形状に湾曲している
ため、その打ち込みの際に大きな力を必要とせず、皮膚
にスムーズに入る。特に第1の爪の外側を平坦にカット
してある場合、深い部分で閉じる作用をスムーズに行う
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1の(A)は一実施例に係るステ
ープラを示す斜視図である。図1の(B)はこのステー
プラのストッパ板取付部を示す分解斜視図である。図1
の(C)はこのステープラのストッパ板を示す背面図で
ある。図2は一実施例に係るステープラの側面断面図で
ある。図3の(A)は一実施例に係るステープラの先端
部を示す断面図である。図3の(B)は同じくステープ
ラ本体の先端部を示す断面図である。図4は一実施例に
係るステープラを示す平面図である。図5は一実施例に
係るステープラを示す底面図である。図6の(A),
(B)はステープラのアンビル,押圧部材とカートリッ
ジとの位置関係をそれぞれ示す断面図である。図7の
(A)は一実施例に係るアンビル部材を示す斜視図であ
る。図7の(B)は一実施例に係るアンビル部材を示す
側面図である。図7の(C)は一実施例に係るアンビル
部材を示す正面図である。図7の(D)は一実施例に係
るアンビル部材を示す平面図である。図8の(A)は一
実施例に係る押圧部材を示す斜視図である。図8の
(B)は一実施例に係る押圧部材を示す側面図である。
図8の(C)は一実施例に係る押圧部材を示す正面図で
ある。図8の(D)は一実施例に係る押圧部材を示す平
面図である。図8の(E)は一実施例に係る押圧部材の
凹部を示す断面図である。図9は一実施例に係るカート
リッジの装着部および曲げられたステープルをアンビル
から脱落させてフリーにするための凹所を示す斜視図で
ある。図10は同じく曲げられたステープルを凹所に納
めた状態を示す正面図である。図11は一実施例に係る
カートリッジを示す側面図である。図12は一実施例に
係るカートリッジを示す平面図である。図13は一実施
例に係るカートリッジを示す底面図である。図14の
(A)は一実施例に係るカートリッジを示す正面図であ
る。図14の(B)は一実施例に係るカートリッジを示
す背面図である。図15は一実施例に係るカートリッジ
を示す側面断面図である。図16は一実施例に係るカー
トリッジのステープルの発射口部分を示す斜視図であ
る。図17の(A),(B)は一実施例に係るステープ
ルの発射状態を説明するための断面図である。図18の
(A),(B)は一実施例に係る押圧部材の動作を説明
するための模式図である。図19の(A),(B)は一
実施例に係る押圧部材の押圧動作を説明するための模式
図である。図20の(A),(B),(C)は一実施例
に係るカートリッジの抜け止め構造を示す部分断面図で
ある。図21は一実施例に係るスケールガイドを示す平
面図である。図22は一実施例に係るアンダセンターガ
イドを示す図である。図23はアンダセンターガイドの
使用状態を説明するための図である。図24は一実施例
に係るステープルと曲げられたステープルを示す正面図
である。図25は一実施例に係るステープルの打ち込み
状態を説明するための図である。図26は一実施例に係
るステープルのリムーバの先端を示す模式図である。図
27は一実施例に係るリムーバの使用状態を説明するた
めの模式図である。
【0013】図1〜図5はこの実施例に係る外科用皮膚
縫合ステープラを示している。これらの図において示す
ように、皮膚組織を縫合するための外科器具であるステ
ープラは、上側が開口したプラスチック製長箱型のステ
ープラ本体20と、このステープラ本体20の上面を覆
うハンドル30とを有している。ステープラ本体20の
下端部の内部には長箱型のカートリッジケース21が形
成され、このカートリッジケース21には長箱型のステ
ープル40のカートリッジ41が着脱自在に装着されて
いる。このカートリッジケース21の側板およびカート
リッジ41は、残りのステープル40の数がわかるよう
に(ステープル40が見えるように)透明なプラスチッ
クで形成されている。装着されたカートリッジ41の先
端41Aは、後述するストッパ板22の下端部裏面に当
接されている(図3参照)。図6(B)には、このカー
トリッジ41の側板41Cと、その底板41Dとを示し
ている。また、ステープラ本体20でカートリッジケー
ス21の長手方向の先端側にはステープル40の発射部
が形成されている。この発射部はカートリッジケース2
1の先端との間に所定間隔の隙間を形成するストッパ板
22を有している。このストッパ板22とカートリッジ
ケース21との隙間には、図3(A),(B)および図
6(B)に示すように、正立されたステープラの上下方
向において往復動自在となるように2つの部材が装着さ
れている。すなわち、ストッパ板22側にアンビル部材
23が、カートリッジケース21側に押圧部材24が互
いに重なるように装着されている。ストッパ板22はス
テープラ本体20の前側壁を構成している。そして、こ
のストッパ板22の上端部の天板部分22Aはステープ
ラ本体20から着脱自在に設けてある。すなわち、図1
の(B),(C)に示すように、ステープラ本体20の
先端部でその上端角部には溝20Jが両側に形成され、
この溝20Jに天板部分22Aの突起22Jがそれぞれ
嵌合している。
【0014】アンビル部材23は平板状で、そのカート
リッジケース21側の側面の下端部には上に凸に湾曲し
たアンビル25が突出している。アンビル25とアンビ
ル部材23下端との間の距離、すなわちアンビル25の
形成高さ位置は、図3に示す状態でカートリッジケース
21の開口高さの約半分である。換言すると、ステープ
ル40の高さの約半分といってもよい。また、アンビル
部材23、押圧部材24およびアンビル25の各厚さ
は、ステープル40の直径よりごくわずか大きい程度と
する。図7の(A)〜(D)に示すように、アンビル部
材23の上端部は水平に屈曲して突出し、この水平屈曲
部23Aには上下に貫通する矩形の孔23Bが形成され
ている。また、このアンビル部材23には、図7の
(A)に示すように、上端屈曲部分と中間高さ位置と
に、その幅方向の両側に所定長さだけ突出する揺れ防止
ガイド23C,23Dがそれぞれ形成されている。さら
に、このアンビル部材23の中央には縦方向に所定長さ
の矩形の窓23Eが設けられ、押圧部材24の突起24
Dがこの窓23E内を上下動する構成である。平板状の
押圧部材24は、図8の(A)に示すように、アンビル
部材23と同様に、その上端部が水平に屈曲している。
押圧部材24の水平屈曲部24Aを上記アンビル部材2
3の孔23Bに通した後、これらの水平屈曲部24Aと
水平屈曲部23Aとの間には双方が離間する方向に付勢
する線ばね26が介装されている。この線ばね26はコ
イルばねの両端をそれぞれ接線方向に延長して延長端を
各水平屈曲部23A,24Aに掛止させたものである。
また、この押圧部材24は上下方向に動いて、アンビル
部材23の内側でカートリッジケース21の開口縁との
間の隙間(スロット)に出没可能に構成されている。押
圧部材24の下端は、下に向かって略U字形状に湾曲し
て開口した凹部24Bを有している。この凹部24Bが
ステープル40のストライカ部となる。この凹部24B
のステープル40との接触面には、図8の(B)に示す
ように、丸い線材であるステープル40を捉えやすくす
るため、凹溝を形成してある。さらに、押圧部材24の
中間高さ位置にはアンビル部材23の上端に当接する揺
れ防止ガイド24Cが形成されている。これらの揺れ防
止ガイド23C,23D,24Cは両部材23,24の
上下動時、ステープラ本体20の側壁内面に形成された
縦溝22Bに摺接してアンビル部材23および押圧部材
24の前後方向の揺れと横揺れを防止することができ
る。図3(B)には、これらの揺れ防止ガイド23C,
23D,24Cの縦溝22Bでの下限位置を示してい
る。また、アンビル部材23と押圧部材24の上下動は
窓23E内を移動する突起24Dにより規制されてい
る。さらに、矩形の孔23Bの幅αは押圧部材24の水
平屈曲部24Aの幅よりやや短く形成されている。図7
の(C)に示すアンビル部材23の本体部分の幅βは、
押圧部材24のそれと略同一の長さである。図7の
(C)に示すアンビル部材23の揺れ防止ガイド部分2
3Cの幅γは、押圧部材24の揺れ防止ガイド24Cそ
れと略同一の長さである。また、窓23Eの幅は突起2
4Dの幅よりもわずかに大きく形成してある。
【0015】図1,図2に示すように、押圧部材24の
水平屈曲部24Aの上面には、ハンドル30の垂下部
(ストライカ)31の下端が当接している。ハンドル3
0はステープラ本体20の長さ方向の一端部のピン32
を支点として垂直面内で揺動自在に(すなわちステープ
ラ本体20を開閉自在に)設けられている。また、使用
時はハンドル30がステープラ20から上方に逸脱しな
いように一対の小突起20Aでその動きが規制されてい
る。なお、ハンドル30の長さ方向の他端部、すなわち
垂下部31形成部の上面がステープラ本体20をグリッ
プした場合の押圧部33となるよう上に凹に湾曲成形さ
れている。押圧部33はプラスチック成形品である。そ
して、このハンドル30の垂下部31が当接する押圧部
材24の水平屈曲部24Aは、図2,図3に示すよう
に、板バネ34で上方に向かって付勢されている。具体
的には、板バネ34は、長さ方向中間部のピン35を支
点として一端が水平屈曲部24Aの下面に、その他端が
ステープラ本体20側壁内面に突設した掛止ピン36に
それぞれ掛止されている。
【0016】図1,図4,図5はそれぞれステープラ本
体20を示す。ステープラ本体20の前面、すなわちス
トッパ板22の下端前面には三角形のマークからなるセ
ンタガイド51が設けられている。センタガイド51
は、成形した突起でもよく、シールを貼着して形成して
もよい。このセンタガイド51は装着されたカートリッ
ジ41のステープル40の幅方向の中心を示すものであ
る。さらに、このストッパ板22の前側下端部には2股
状に突出した透明なプラスチックからなる爪状ガイド5
2が設けられている。この爪状ガイド52のU字形凹部
52Aの中心は上記センタガイド51と同じくステープ
ル40の幅方向の中心を示している。2股の爪状ガイド
52の尖った水平板の先端部上面にはそれぞれ幅方向に
延びる直線Lが付され、この直線Lがステープル40の
打ち込み位置との前後方向の間隔、すなわちステープル
40による縫合間隔を示す目安となる。図21にはこれ
らのガイド51,52を示している。この直線Lとステ
ープル発射位置との間隔(縫合間隔)は例えば7〜10
mmとする。なお、図3(B),図6(A),(B)に
示すように、アンビル部材23の幅方向両側に突出した
揺れ防止ガイド23C,23Dおよび押圧部材24の揺
れ防止ガイド24Cは、溝22Bに挿入されて上下動す
る。
【0017】図9,図10に示すように、ステープル発
射部であるカートリッジケース21の開口端面の開口の
直下には凹所27が形成されている。凹所27は上に凸
の略半円形で、上記アンビル25の曲率とほぼ同じ曲
率、すなわち、ステープル40のプレス後(閉じた後)
の形状を示している。凹所27の深さは閉じたステープ
ル40の直径よりわずかに大きい。カートリッジケース
21の凹所27の両側下面21F(傾斜面)に対して凹
所27部分の下面21Gは所定高さだけ上側に形成され
ており、この下面21Gは、図10に示すように、ステ
ープル40の押し曲げ時、その第2の爪40Bが下方に
位置するように形成されている。すなわち、押圧部材2
4が下動して凹部24Bによりステープル40が曲げら
れた後(皮膚縫合後)、この凹所27にステープル40
を移すことにより、アンビル25を抜き取るものであ
る。図17の(A)および(B)はこの状態を示してい
る。
【0018】図11〜図16にはカートリッジ41を示
している。カートリッジ41は上記カートリッジケース
21に後方より着脱することができる構成である。カー
トリッジ41は断面矩形の箱形であって、その上面、側
面は透明なプラスチックで、その下面は金属でそれぞれ
形成してある。55はカートリッジ41の金属製下面の
後方縁に下方に向かって突設された引き抜き爪である。
この引き抜き爪55を摘んでカートリッジ41をカート
リッジケース21から引き抜くことができる。このカー
トリッジ41は複数本のステープル40を詰めたもので
ある。ステープル40は押し板54を介してスプリング
53により後方から前方に向かって付勢されている。す
なわち、その側面同士を密着して列状に構成したステー
プル列は前方開口に向かって付勢されている。カートリ
ッジ41の開口にはストップ板56が上下方向の溝41
Bを介して装着されている。このストップ板56により
ステープル列の前方への飛び出しを防いでいる。なお、
このストップ板56の厚さはステープル40の線径と同
一で、押圧部材24により下方に押し出すことができ
る。カートリッジ41の開口側底壁の隅部には、図1
4,図15に示すように、金属製のつめであるストッパ
57が形成されている。このストッパ57は押し板54
の前方への飛び出しを防いでいる。
【0019】図20(A),(B),(C)は、カート
リッジ41をカートリッジケース21に固定するための
係止材60を示すものである。この係止材60の先端フ
ック部がカートリッジ41の底孔61に係止してカート
リッジ41をカートリッジケース21に固定する。この
係止を解除することにより、カートリッジ41を取り外
すことができる。すなわち、カートリッジケース21の
底孔61から係止材60の先端フックを外し、カートリ
ッジ41をカートリッジケース21に挿入する(B)。
所定位置まで挿入されると、先端フックが底孔61を介
してカートリッジ41に係止してこれを固定する
(A)。図22の(A),(B),(C)は、このステ
ープル発射部(カートリッジケース21の前端部)の下
端から下方に突設された第2のセンタガイド66を示し
ている。第2のセンタガイド66は、所定長さの軸部6
6Aと、この軸部66Aの下端に形成されたフラット部
66Bとを有している。フラット部66Bが、図23に
示すように、皮膚組織の切れ目に挿入されて縫合位置を
ガイドすることとなる。フラット部66Bの幅は例えば
2mm、軸部66Aの高さは例えば2〜3mmとする。
これは人体の皮膚組織を縫合する場合である。このセン
タガイド66はネジ式などとして取り外し可能に構成し
てもよい。
【0020】図24は、ステープル40を示す。このス
テープル40はマットレス縫合を行うために開発された
もので、例えばSUS,チタンなどの断面円形の線材を
弓形に湾曲させたものである。線材の両端部は、それぞ
れ2股状に形成され、長い第1の爪40Aと、短い第2
の爪40Bとがそれぞれ形成されている。第2の爪40
B同士が皮膚組織の浅い部分を、第1の爪40A同士が
その深い部分をそれぞれ一時に縫合することとなる。図
25は、このステープル40を使用した縫合動作を説明
するものである。すなわち、アンビル25にステープル
40の中間部下面が押し付けられ、押圧部材24の凹部
24Bがその両端の爪部40A,40Bを上側から押圧
することにより、各第1の爪40A、第2の爪40B同
士が内側に向かって変形しこれらの爪を閉じることとな
る。表皮部分を第2の爪40Bが、真皮下の脂肪層を第
1の爪40Aが縫合するものである。
【0021】図26,図27は、縫合したステープル4
0を皮膚組織の治癒終了後に抜き取るリムーバ70を示
している。リムーバ70は2股のはさみ状で、その一方
は先端が2股の鉗子71で、他方にはこの2股の間を抑
える鉗子72で構成されている。鉗子の先端部間にステ
ープル40の中間部をはさみ、抜き取るものである。
【0022】以下、上記ステープル40についてさらに
詳細に説明する。このステープル40は、円形断面の線
材を略楕円形に湾曲してなり、上述のように、その線材
の両端に2股の第1の爪40A、第2の爪40Bをそれ
ぞれ有している。各端の第1の爪40A同士、第2の爪
40B同士は内向きに対向している。換言すると、所定
長さの線材を楕円形状に曲げ、その両端に尖った一対の
第1の爪40Aを、第1の爪より線材の長手方向(ステ
ープル全体としては幅方向)の中央部側に尖った一対の
第2の爪40Bをそれぞれ有し、第1の爪40Aは第2
の爪40Bより長く内側に向かって突出している。各爪
の形状は、以下の通りである。すなわち、図24に示す
ように、第1の爪40Aはその先端近くで外側にカット
面40AAが形成されている。カット面40AAは平坦
面で形成しても、角形(外に凸の三角形)に加工しても
よい。また、第2の爪40Bはその基部(分岐部)より
なめらかにテーパ状に先鋭化して形成されている。これ
らの爪形状により、ステープル40に加えられた力が小
さくても容易に縫合を行うことができる。図24の
(A)はステープル40がカートリッジ41内に収納さ
れて開いた状態を、(B)はカートリッジ41から打ち
出されてステープル40が閉じた状態を示している。ま
た、上記線材(爪を除く部分)の断面は円形(直径は
0.5mm程度)とすることができる。さらに、この線
材はステンレス、チタンまたはチタン合金製とすること
ができる。ステープル40が開いた状態を示している図
24の(A)にて、片側の湾曲部分Aと直線部分Bとの
長さの比は約2:1である。また、例えばステープル4
0の幅と高さとの比を2:1とし、その幅は8〜10m
m、その高さは4〜5mmとすることもできる。この場
合、例えば第1の爪40Aの長さは2.0〜3.0mm
で、第2の爪40Bのそれは第1の爪40Aより短い
1.5〜2.0mmとする。
【0023】以上の構成に係る外科用皮膚縫合ステープ
ラにあっては、カートリッジ41をステープラ本体20
に装着し、まず、ハンドル30を押し下げる。この結
果、カートリッジ41からストップ板56が打ち出さ
れ、縫合のためのステープラの準備が完了する。そし
て、患部の表皮の切れ目部分よりその内部に対してアン
ダガイド66を挿入し、センタガイド52を切れ目また
は縫合位置に合わせる。この状態でハンドル30を押し
下げる。ストライカ31が押圧部材24を押し下げると
ともに、線バネ26を介してアンビル部材23が下方に
押し下げられる。すなわち、図18に示す位置から図1
9に示す下限位置にまで押圧部材24が押し下げられ、
その凹部24Bおよびアンビル25の協動によりステー
プル40が内方に向かって狭められ、略円形形状に曲げ
られる。この結果、図26に示すように、第1の爪40
A同士および第2の爪40B同士がともに閉じられ、皮
膚組織を表皮部分と真皮下部分とで縫合することとなる
(図25)。このようにして、患部皮膚のマットレス縫
合が行われる。
【0024】ハンドル30を離すと、板バネ34、線バ
ネ26により押圧部材24およびアンビル部材23が押
し上げられ、初期位置に戻る。そして、カートリッジ4
1からは1本ずつ次のステープル40がアンビル位置に
供給される。この場合、直線Lをスケールとして患部位
置を決定し、次の縫合位置を定めてその縫合を行うこと
ができる。また、上記の場合、センタガイド52および
アンダガイド66によって、縫合位置を正確に縫合する
ことができる。
【0025】なお、カートリッジ41を着脱することに
より、このステープラを連続して使用することができる
ことはもちろんである。また、ハンドル30を開いてス
テープラ本体20の内部を水洗、消毒などすることもで
きる。さらには、ハンドル30のハンマー部31に磁石
を固着し、この磁石を介してハンドル30を押圧部材2
4に固定することもできる。
【0026】次に、上記4本の爪を有するステープルの
製造方法について説明する。第1の方法は、4本の爪を
有するステープルを1本の線材で作製する方法である。
第2の方法は両端に第1の爪を有する第1の線材を作製
し、また、両端に第2の爪を有する第2の線材を第1の
線材とは別個に作製し、これらの第1および第2の線材
同士を接合することにより、本発明に係る皮膚縫合用ス
テープルを製造する方法である。前者の方法では、線材
を伸線し、これを所定長さにカットした後、両端を分岐
して第1の爪と第2の爪とを成形する。後者の方法で
は、第1の線材と第2の線材とをそれぞれ個別に成形し
て針形状とし、これらを接合することとなる。個別の作
製工程は、例えば丸線(SUS)を引き伸ばす伸線工
程、所定長さに切断する工程、両端に爪を形成する工
程、湾曲させる工程を含む。また、接合する工程は、線
材の中間部分同士を接着剤を用いて、または用いずに接
合することになる。なお、線材の引き抜き加工、熱処
理、圧延、カット、曲げ加工(チゼルポイントの作
製)、接着剤などの各加工では公知の技術を適用するこ
とができる。なお、このようにして作製されたステープ
ルは例えば50本ずつカートリッジに収納されて上記ス
テープラにより用いられる。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、ステープルを使用し
てマットレス縫合を行うことができる。すなわち、従来
できなかった皮膚の薄い部分にこのステープルを使用す
ることができ、その患部表面をきれいに縫合することが
できる。また、マットレス縫合の作業に要する時間を短
縮することができる。このステープルは略楕円形のため
押圧力が少なくて済み、また、閉じたとき皮膚全層にわ
たって略円形となるため、皮膚全層にかかる圧力も均一
となり、皮膚組織にとってやさしい(非侵襲)ものとな
っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るステープラを示す斜
視図である。
【図2】この発明の一実施例に係るステープラの側面断
面図である。
【図3】この発明の一実施例に係るステープラの先端部
を示す断面図である。
【図4】この発明の一実施例に係るステープラを示す平
面図である。
【図5】この発明の一実施例に係るステープラを示す底
面図である。
【図6】この発明の一実施例に係るステープラの発射口
部分を示す底面図である。
【図7】この発明の一実施例に係るアンビル部材を示す
斜視図である。
【図8】この発明の一実施例に係る押圧部材を示す斜視
図である。
【図9】この発明の一実施例に係るカートリッジの装着
部および曲げたステープルが落ち込む凹所を示す斜視図
である。
【図10】この発明の一実施例に係る曲げたステープル
が凹所に納まった状態を示す正面図である。
【図11】この発明の一実施例に係るカートリッジを示
す側面図である。
【図12】この発明の一実施例に係るカートリッジを示
す平面図である。
【図13】この発明の一実施例に係るカートリッジを示
す底面図である。
【図14】この発明の一実施例に係るカートリッジを示
す正面図である。
【図15】この発明の一実施例に係るカートリッジを示
す側面断面図である。
【図16】この発明の一実施例に係るカートリッジのス
テープルの発射口部分を示す斜視図である。
【図17】この発明の一実施例に係るステープルの発射
状態を説明するための断面図である。
【図18】この発明の一実施例に係る押圧部材の動作を
説明するための模式図である。
【図19】この発明の一実施例に係る押圧部材の動作を
説明するための模式図である。
【図20】この発明の一実施例に係るカートリッジの抜
け止め構造を示す模式図である。
【図21】この発明の一実施例に係るスケールガイドを
示す平面図である。
【図22】この発明の一実施例に係るアンダセンターガ
イドを示す図である。
【図23】この発明の一実施例に係るアンダセンターガ
イドの使用状態を説明するための図である。
【図24】この発明の一実施例に係るステープルを示す
正面図である。
【図25】この発明の一実施例に係るステープルの使用
状態を説明する模式図である。
【図26】この発明の一実施例に係るステープルのリム
ーバの先端を示す模式図である。
【図27】この発明の一実施例に係るリムーバの使用状
態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
20 ステープラ本体、40 ステープル、40A 第
1の爪、40B 第2の爪。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 17/03 - 17/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円形の線材を略楕円形状に湾曲して
    形成した皮膚縫合用ステープルで、その両端に二股の第
    1の爪、第2の爪をそれぞれ有し、各爪は上記楕円形状
    に略沿って内向きに突出し、各端の第1の爪同士、第2
    の爪同士は対向する皮膚縫合用ステープルであって、 上記第1の爪は第2の爪より長く、かつ、これらの爪の
    先端は先細り状に尖って形成された皮膚縫合用ステープ
    ル。
  2. 【請求項2】 上記対向する第1の爪の先端の各外側面
    が平坦にまたは角形に形成された請求項1に記載の皮膚
    縫合用ステープル
  3. 【請求項3】 上記線材はステンレス、チタンまたはチ
    タン合金製である請求項1または請求項2に記載の皮膚
    縫合用ステープル
  4. 【請求項4】 上記略楕円形状のステープルの幅と高さ
    との比は2:1である請求項1〜請求項3のいずれか1
    項に記載の皮膚縫合用ステープル
  5. 【請求項5】 上記ステープルの幅は8〜10mmであ
    り、その高さは4〜5mmである請求項4に記載の皮膚
    縫合用ステープル
  6. 【請求項6】 上記第1の爪の長さは、2.0〜3.0
    mmであり、上記第2の爪の長さは1.5〜2.0mm
    である請求項5に記載の皮膚縫合用ステープル
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