JP3199676U - 双軸式薄型ボビン改良構造 - Google Patents

Abstract

【課題】異なる数量の遮蔽カバーを利用することでコイル同士の間に異なる絶縁効果を発生させる双軸式薄型ボビン改良構造を提供する。【解決手段】第一、第二ボビン１、２に貫通する第一、第二中央通孔１１、２１をそれぞれ設け、第一、第二中央通孔外周に、隣接し合う複数の第一、第二巻線溝セット１２、２２を設け、第一、第二中央通孔の一端に横手方向に延在する第一、第二収容凹部１６、２６を設け、第一、第二収容凹部の両端に複数の第一、第二ピンセット１５、２５及び開口をそれぞれ設け、また、第二巻線溝セットの上下両側に二つの挟持溝２７を設け、且つ、第二ボビンの一方にコの字形に曲折する遮蔽カバー２８を設け、遮蔽カバーはその両縁に曲折する凸縁２８１を有し、凸縁を利用し、二つの挟持溝に嵌入することで、遮蔽カバーが第二ボビンと結合するように固定し、第一、第二ボビンを利用して開口を有する側面で並列に合着し合うことで、第一、第二収容凹部の連通が形成する。【選択図】図１

Description

本考案は、双軸式薄型ボビン改良構造、特に、異なるボビン同士の間に隔絶可能な遮蔽カバーを設置することで、異なるコイル同士の間の絶縁効果を向上することができるボビン構造である。

従来の二軸鉄芯変圧器構造は、例えば、特許文献１である「双軸式薄型鉄芯変圧器機構」のように、ベース、第一鉄芯台、少なくとも一つの第一コイルセット、第二鉄芯台、少なくとも一つの第二コイルセットを有し、前記ベースは、平面及び前記平面とほぼ垂直し合う軸方向を定義し、前記第一鉄芯台は第一収容凹部で第一鉄芯と前記ベースと一定の高さを有する第一側翼体とを収容し、前記第一コイルセットは前記第一鉄芯台外側表面に巻き付き、前記第二鉄芯台は第二収容凹部で第二鉄芯と前記ベースと一定の高さを有する第二側翼体とを収容し、また、前記第二鉄芯が軸方向に沿って延在する方向と、前記第一鉄芯が沿軸方向に沿って延在する方向との間には間隙があり、前記第二コイルセットは前記第二鉄芯外側表面に巻き付いており、これによって二軸鉄芯を同時に有する構造は、変圧器の軸方向の高さを顕著に低下させることができる。

しかし、実際の応用上、前記第一、第二コイルセットは、前記第一、第二鉄芯台の巻線溝に直接巻き付け、且つ前記第一、第二鉄芯台の間を隔絶するオブジェクトがないため、前記第一、第二コイル間の絶縁は、コイルの巻線本体にある絶縁層しかなく、このことから、一部の過酷な規格条件満たすため、多層絶縁層巻線を使用しなければならないが、多層絶縁層を有する巻線は巻線の放熱を阻害してしまうことから、コイルの温度が上昇し易く、変圧器の安定性に影響を及ぼしてしまう。

さらに、前記第一、第二コイルは一体的に連結していることから、巻線の巻き付けの際、互いに干渉し易い上、巻き付けが容易ではない。しかし、二つのコイルを離間し、各自巻き付けを行うことで、巻き付けが簡単で品質も容易に管理できるが、離間した二つのコイルを固定しないと、組み合わせた後、インダクタンス値の安定性に影響を及ぼすため、本考案では特に蟻溝で巻線の巻き付けを終えたコイルを連結することにより、インダクタンス値及び漏れインダクタンス等の特性が良好に制御することができる。

上述したような二軸鉄芯延圧機構造にある欠点を鑑み、改善を図った結果、本考案が創作された。

台湾実用新案公告第Ｍ３９３１０２号

本発明の主な目的は、異なる安全規格の絶縁需要を満たすため、異なる絶縁需要に基づき、二つのボビンの間に少なくとも一つの遮蔽カバーを設置し、異なる数量の前記遮蔽カバーを利用することでコイル同士の間に異なる絶縁効果を発生させる双軸式薄型ボビン改良構造を提供することにある。
また、本考案のもう一つの目的は、各種検査規定を満たすため、前記ボビン上に鉄芯を通過させるための中央通孔を設けるだけでなく、前記中央通孔の横手方向に連通する収容凹部をさらに設け、前記収容凹部を利用して前記鉄芯のその他の局部部位を被覆することができる双軸式薄型ボビン改良構造を提供することにある。
また、本考案のもう一つの目的は、巻線の巻き付けの際、異なる需要に応じて異なる巻き付け回数で巻線溝毎にそれぞれ巻き付けることにより、変圧器各コイル抵抗同士の漏れインダクタンスを調整して平衡にする効果を達するため、前記ボビン上に離間して隣接し合う複数の巻線溝を設ける双軸式薄型ボビン改良構造を提供することにある。

上述する目的と効果とを達成するため、本考案は、第一ボビンと、第二ボビンとを包括し、前記第一ボビンは貫通する第一中央通孔を有し、前記第一中央通孔外周に、隣接し合う複数の第一巻線溝セットを設け、前記第一中央通孔の一端に横手方向に延在する第一収容凹部を設け、前記第一収容凹部の両端に複数の第一ピンセット及び開口をそれぞれ設け、また、前記第二ボビンは貫通する第二中央通孔を有し、前記第二中央通孔外周に隣接する複数の第二巻線溝セット及び二つの挟持溝を設け、前記第二中央通孔の一端に横手方向に延在する第二収容凹部を設け、前記第二収容凹部の両端に複数の第二ピンセット及び開口をそれぞれ設け、且つ、前記第二ボビンの一方にコの字形に曲折する遮蔽カバーを設け、前記遮蔽カバーはその両縁に曲折する凸縁を有し、前記凸縁を利用し、前記二つの挟持溝に嵌入することで、前記遮蔽カバーが前記第二ボビンと結合するように固定し、前記第一、第二ボビンが前記開口を有する側面で並列に合着し合うと、前記第一、第二収容凹部の連通が形成し、且つ前記第一、第二中央通孔が平行に延在し合うと同時に、複数の前記第一、第二ピンセットが前記第一、第二ボビンの両側に分布している。

上述した構造において、前記第一ボビンは、前記開口の両側に第一結合部及び第一被結合部をそれぞれ設け、前記第二ボビンは、前記開口の両側に第二結合部及び第二被結合部をそれぞれ設け、前記第一結合部は前記第二被結合部と、前記第二結合部は前記第一被結合部と対応するように連結することができる。

上述した構造において、前記第一、第二結合部は、蟻ほぞであって、前記第一、第二被結合部は、蟻溝である。

上述した構造において、前記二つの挟持溝は、前記第二巻線溝セットの上下両側に設置している。

図１は本考案の構造を示す分解図である。 図２は本考案の全体の組み合わせを示す模式図である。 図３は本考案の組み合わせを示す断面図である。

図１、図２及び図３は本考案の主要機構を示し、主に第一ボビン１、及び、第二ボビン2等の部品を包括し、そのうち、前記第一ボビン１は、貫通する第一中央通孔１１を設け、前記第一中央通孔１１外周に、隣接し合う複数の第一巻線溝セット１２を設け、なお、本発明で開示する実施例において、前記第一巻線溝セット１２は３つの巻線溝を有しており、また、前記第一中央通孔１１の一端に対応して前記第一ボビン１に横方向に延在する第一収容凹部１６を形成し、前記第一収容凹部１６の両端に複数のピンからなる第一ピンセット１５及び開口をそれぞれ設けている。

好ましい実施例において、前記第一収容凹部１６の一方にある前記開口の両側に、対応し合う第一結合部１３と、第一被結合部１４をそれぞれ設けている。なお、前記第一結合部１３は蟻ほぞ、前記第一被結合部１４は蟻溝である。

また、前記第二ボビン２は、貫通する第二中央通孔２１を設け、前記第二中央通孔２１外周に、隣接し合う複数の第二巻線溝セット２２及び二つの挟持溝２７を設け、なお、本発明で開示する実施例において、第二巻線溝セット２２は二つの巻溝を有しており、前記挟持溝２７は、前記第二巻線溝セット２２の上下両側に設置し、また、前記第二中央通孔２１の一端に対応して前記第二ボビン２に横方向に延在する第二収容凹部２６を形成し、前記第二収容凹部２６の両端に複数のピンからなる第二ピンセット２５及び開口をそれぞれ設けている。

好ましい実施例中において、前記第二ボビン２は、前記第二収容凹部２６の開口に近接する一方にコの字形に曲折する遮蔽カバー２８を設け、前記遮蔽カバー２８はその両縁に曲折する凸縁２８１を有し、前記凸縁２８１を利用し、前記二つの挟持溝２７に嵌入することで、前記遮蔽カバー２８が前記第二ボビン２と結合するように固定しており、また、前記第二収容凹部２６の前記開口の両側に、対応し合う前記第一被結合部１４と結合可能な第二結合部２３と、前記第一結合部１３と結合可能な第二被結合部２４をそれぞれ設けている。なお、前記第二結合部２３は蟻ほぞ、前記第二被結合部２４は蟻溝である。

また、組み立て時、前記第一ボビン１を前記第一結合部１３（蟻ほぞ）で前記第二ボビン２の前記第二被結合部２４（蟻溝）に結合、即ち挿入し、前記第二ボビン２の前記第二結合部２３（蟻ほぞ）で前記第一ボビン１の前記第一被結合部１４（蟻溝）に結合、即ち挿入することにより、前記第一ボビン１と前記第二ボビン２とは一体的に結合し合い、且つ結合した前記第一、第二ボビン１，２は、平行に延在する前記中央通孔１１，２１をそれぞれ有し、前記第一、第二ピンセット１５、２５を両側に分布させている。

実際に応用する際、まず、二つの巻線を（一次コイル４、二次コイル５）を前記第一、第二ボビン１、２にある前記第一、第二巻線溝セット１２、２２にそれぞれ巻き付け、前記一次、二次コイル４、５の末端を前記第一、第二ピンセット１５、２５にそれぞれ接続し、さらに前記遮蔽カバー２８を前記第二ボビン２上に組み合わせた後、前記第一、第二ボビン１、２を互いに結合させ、組合わせた前記第一、第二ボビン１、２は、相対し合う二つのコの字型鉄芯３と組み合わせることができ、前記コの字型鉄芯３は両側の縁に同じ方向に向かって平行に凸出する側面部３１、３２をそれぞれ設け、前記二つのコの字型鉄芯３を利用して、前記側面部３１を前記第一ボビン１の上下方向から挿入して前記中央通孔１１内で接触するように、また、前記側面部３２を前記第二ボビン２の上下方向から挿入して前記第二中央通孔２１内で接触するように、それぞれ連結させることで、前記二つのコの字型鉄芯３の間に電磁回路を形成することができ、これにより双軸式薄型変圧器構造を構成している。

上述した構造において、前記遮蔽カバー２８は、前記第一、第二ボビン１、２の間で隔絶を形成することで、前記一次、二次コイル４、５間の絶縁効果を向上しており、これによって、同じ絶縁要求の条件下において、前記一次、二次コイル４、５は、絶縁層が少ない巻線を使用することができるため、好ましい放熱効果を有することができると同時に、前記第一、第二収容凹部１６、２６を利用し、前記第一、第二ピンセット１５、２５に近接する一方にある前記コの字型鉄芯３を収納することができるため、前記第一、第二ピンセット１５、２５を基板に半田付けする際、前記基板に近接する前記コの字型鉄芯３はほぼ完全に被覆されて隔絶することから、各種安全検査の規格を満たしている。

また、前記一次コイル４は、必要に応じて巻き数を前記第一コイルボビン１２に巻き付けることができ、前記二次コイル５も同様に必要に応じて巻き数を前記第二コイルボビン２２に巻き付けることができるため、前記一次、二次コイル４、５間は、漏れインダクタンスの平衡を形成している。

好ましい実施例において、例えば、第一ボビン１は第二ボビン２、第二ボビン２は、第一ボビン１であるというように、前記第一、第二ボビン１、２は同じ構造としており、このことから、同じ前記第一ボビン１同士を組み合わせた場合、その間には前記遮蔽カバー２８による隔絶がないため、絶縁要求が低い製品の構造に用いることができ、また、同じ前記第二ボビン２同士を組み合わせた場合、その間には二つの前記遮蔽カバー２８による隔絶があるため、絶縁要求が高い医療用クラスの製品の構造に用いることができる。

以上のことから、本考案に係る双軸式薄型ボビン改良構造は、医療用クラスの製品コイルの高い絶縁要求を確実に達することができ、且つ巻き付けが容易で、漏れインダクタンス等が安定している等の効果を有している。なお、上述した説明の内容は、本考案に係る好ましい実施例に過ぎず、本考案の技術的手段及びその範囲における変化、修正、変更及びこれに等しい置換は、本考案に係る請求範囲内に属するものである。

１ 第一ボビン
１１ 第一中央通孔
１２ 第一巻線溝セット
１３ 第一結合部
１４ 第一被結合部
１５ 第一ピンセット
１６ 第一収容凹部
２ 第二ボビン
２１ 第二中央通孔
２２ 第二巻線溝セット
２３ 第二結合部
２４ 第二被結合部
２５ 第二ピンセット
２６ 第二収容凹部
２７ 挟持溝
２８ 遮蔽カバー
２８１ 凸縁
３ コの字型鉄芯
３１、３２ 側面部
４ 一次コイル
５ 二次コイル

Claims (4)

1. 第一ボビンと、第二ボビンとを包括し、
   前記第一ボビンは、貫通する第一中央通孔を有し、前記第一中央通孔外周に隣接する複数の第一巻線溝セットを設け、前記第一中央通孔の一端に横手方向に延在する第一収容凹部を設け、前記第一収容凹部の両端に複数の第一ピンセット及び開口をそれぞれ設け、
   前記第二ボビンは、貫通する第二中央通孔を有し、前記第二中央通孔外周に隣接する複数の第二巻線溝セット及び二つの挟持溝を設け、前記第二中央通孔の一端に横手方向に延在する第二収容凹部を設け、前記第二収容凹部の両端に複数の第二ピンセット及び開口をそれぞれ設け、且つ、前記第二ボビン側面にコの字形に曲折する遮蔽カバーを設け、前記遮蔽カバーの両縁には曲折する凸縁があり、前記凸縁を利用し、前記二つの挟持溝に嵌入することで、前記遮蔽カバーが前記第二ボビンと結合するように固定し、
   前記第一、第二ボビンが前記開口を有する側面で並列に合着し合うと、前記第一、第二収容凹部の連通が形成し、且つ前記第一、第二中央通孔が平行に延在し合うと同時に、複数の前記第一、第二ピンセットが前記第一、第二ボビンの両側に分布することを特徴とする双軸式薄型ボビン改良構造。
2. 前記第一ボビンは、前記開口の両側に第一結合部及び第一被結合部をそれぞれ設け、前記第二ボビンは、前記開口の両側に第二結合部及び第二被結合部をそれぞれ設け、前記第一結合部は前記第二被結合部と、前記第二結合部は前記第一被結合部と対応するように連結することができることを特徴とする請求項１に記載の双軸式薄型ボビン改良構造。
3. 前記第一、第二結合部は、蟻ほぞであって、前記第一、第二被結合部は、蟻溝であることを特徴とする請求項２に記載の双軸式薄型ボビン改良構造。
4. 前記二つの挟持溝は、前記第二巻線溝セットの上下両側に設置することを特徴とする請求項１に記載の双軸式薄型ボビン改良構造。