JP3199409U - 内視鏡用処置具 - Google Patents
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Abstract
【課題】送水をより的確に行うことができる内視鏡用処置具を提供する。【解決手段】内視鏡用処置具1は、管状の挿入部10と、貫通孔12を有して挿入部の先端部に設けられたストッパ11と、挿入部に対して進退可能に挿入部に挿通された操作ワイヤ20と、操作ワイヤの先端部に設けられて貫通孔に挿通される棒状のナイフ部30と、挿入部内であってストッパよりも基端側に設けられ、ナイフ部30と操作ワイヤとを接続する接続部材35とを備え、貫通孔の内径は、ナイフ部30の外径よりも大きく、接続部材は、貫通孔内に進入不能な形状を有し、接続部材をストッパにさせた状態において、貫通孔の内面とナイフ部30との間に形成される隙間と、挿入部の内腔とが流体供給可能に連通する。【選択図】図1
Description
本考案は、内視鏡用処置具、より詳しくは、処置を行う部位の送水が可能な内視鏡用処置具に関する。
従来、経内視鏡的に体腔内に挿入し、高周波電流を通電して粘膜等を切除するナイフ部を備えた内視鏡用処置具が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような内視鏡用処置具は、内視鏡のチャンネルに挿入される絶縁性のシース内に挿通されたワイヤの先端に、処置に用いるナイフ部が取付けられて構成されている。ナイフ部はワイヤの基端が固定された操作部材を操作することによって、シースの先端から突没自在となっている。切開部の形状としては、丸棒状のものや、棒状部材の先端部をL字状に曲げた、いわゆるフックナイフ等が知られている。
特許文献1に記載の内視鏡用処置具では、高周波ナイフとして機能する電極部材の根本に設けられたストッパ部材に送液通路溝が形成されている、電極部材をシースから突出させた状態でシース内に流体を供給すると、流体は、送液通路溝を通り、シース先端に取り付けられた隔壁部材に形成された送液通路孔を通ってシースの先端から流出する。これにより、シース先端から送水等を行うことができる。
特許文献1に記載の内視鏡用処置具では、電極部材が突出する挿通孔と、送液通路孔とが離間しているため、高周波ナイフの先端に向けて流体を噴射したいときなどに調節が難しい場合がある。また、内視鏡用処置具はチャンネル内で軸線まわりに回転するため、内視鏡の視野では、突出した内視鏡用処置具における送液通路孔の正確な位置が把握しにくい。その結果、予期せぬ位置から流体が噴出し、その後の調節動作が煩雑になることがある。
上記事情を踏まえ、本考案は、送水をより的確に行うことができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
本考案は、管状の挿入部と、貫通孔を有して前記挿入部の先端部に設けられたストッパと、前記挿入部に対して進退可能に前記挿入部に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤの先端部に設けられて前記貫通孔に挿通される棒状の処置部と、前記挿入部内であって前記ストッパよりも基端側に設けられ、前記処置部と前記操作ワイヤとを接続する接続部材とを備え、前記貫通孔の内径は、前記処置部の外径よりも大きく、前記接続部材は、前記貫通孔内に進入不能な形状を有し、前記ストッパに当接させた状態において、前記貫通孔の内面と前記処置部との間に形成される隙間と、前記挿入部の内腔とが流体供給可能に連通する内視鏡用処置具である。
本考案の内視鏡用処置具によれば、送水をより的確に行うことができる。
本考案の一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態の内視鏡用処置具1の全体構成を示す図である。内視鏡用処置具1は、軟性の挿入部を備えた内視鏡に挿通して使用するものであり、可撓性を有する管状の挿入部10と、挿入部10に挿通された操作ワイヤ20と、操作ワイヤ20の先端部に取り付けられたナイフ部(処置部)30と、挿入部10に接続された操作部40とを備えている。
図1は、本実施形態の内視鏡用処置具1の全体構成を示す図である。内視鏡用処置具1は、軟性の挿入部を備えた内視鏡に挿通して使用するものであり、可撓性を有する管状の挿入部10と、挿入部10に挿通された操作ワイヤ20と、操作ワイヤ20の先端部に取り付けられたナイフ部(処置部)30と、挿入部10に接続された操作部40とを備えている。
挿入部10は、可撓性を有する長尺のシース16を用いて構成されている。シース16としては、公知の樹脂製のチューブシース等を用いることができる。操作ワイヤ20は、シース16内に配置され、先端部にナイフ部30が設けられている。操作ワイヤ20の基端部は、操作部40と接続されており、操作部40を操作することで、操作ワイヤ20およびナイフ部30を、挿入部10に対して進退させることができる。操作ワイヤ20としては、公知の撚り線ワイヤ等を用いることができる。
ナイフ部30は金属等で形成されており、操作ワイヤ20と接続される棒状の本体部31と、本体部31の先端側に設けられた大径部32とを有する。大径部32は、本体部31の軸線まわりの全周において径方向外側に突出している。本体部31と大径部32との径方向の寸法関係は適宜設定されてよい。
操作部40は、挿入部10が接続された流体供給部41と、操作ワイヤを操作するためのワイヤ操作部46とを有する。流体供給部41は、コック42を有し、コック42にシリンジ100等を接続することにより、流体供給部41から挿入部10内に液体や気体等の流体を供給することができる。コック42に吸引源を接続すれば、挿入部10の先端から患者体内の液体等を吸引することも可能である。
ワイヤ操作部46は、棒状の操作本体47と、操作本体47に対して摺動可能に取り付けられたスライダ48とを備えた公知の構成を有する。操作ワイヤ20の基端部は、後述するパイプを介してスライダ48に取り付けられており、スライダ48を操作本体47に対して摺動することにより、操作ワイヤ20を挿入部10に対して前進および後退させることができる。スライダ48には、外部電源と接続されるプラグ49が設けられている。プラグ49に電源コード等が接続されると、プラグから操作ワイヤ20を経由してナイフ部30に給電することができる。
図1に示すように、挿入部10の先端部には、ナイフ部30の挿入部10からの突出長を所定値以下に制限するためのストッパ11が取り付けられている。ストッパ11は、略円柱状の部材であり、円柱形状の中心軸線に沿って貫通孔12が設けられている。貫通孔12の内径は、ストッパ11の中心軸線方向にわたり一定であり、ナイフ部30の本体部31の外径よりも大きい。これにより、貫通孔12の内面と、貫通孔12に挿通された本体部31との間には、本体部31の周方向にわたって流体が通過可能な隙間が形成されている。
ナイフ部30と操作ワイヤ20とは、ストッパ11より基端側の挿入部10内において、接続部材35により一体に接続されている。接続部材35は円筒状の部材であり、先端側から本体部31の基端部が進入し、基端側から操作ワイヤ20の先端部が進入した状態で両者を一体に接続している。接続部材35とナイフ部30および操作ワイヤ20との接続は、接着やカシメ、ロウ付け等、およびこれらの方法を適宜組み合わせて行うことができる。
接続部材35の外径はストッパ11に形成された貫通孔12の内径よりも大きいため、接続部材35は貫通孔12内に進入不能である。接続部材35の先端側外周面の一部は、接続部材35の軸線と平行に切り落とされて除去されている。除去される部位は、接続部材35の基端まで延びていてもよいし、図1に示すように軸線方向中間部で終わっていてもよい。また、除去される部位の形状には特に制限はないが、後述するように、接続部材35がストッパ11の基端面と当接した際に、挿入部10の内腔と貫通孔12内の空間との連通状態が確保されるように設定される。
図2は、操作部40の部分断面図である。操作ワイヤ20の基端側は、座屈防止用のパイプ21に挿通され、パイプ21に固定されている。パイプ21は、流体供給部41内を通って操作本体47内に延び、スライダ48(不図示)に固定されている。流体供給部41とパイプ21との間は、Oリング22により水密が確保されており、コック42から供給された流体はワイヤ操作部46に漏れない。
図3に拡大して示すように、パイプ21の先端部は、切削等により基端側の領域よりも径寸法が小さくなっており、小径部23が設けられている。操作ワイヤ20とパイプ21とは、小径部23に設けられた孔23aから流し込まれたロウ材24により一体に接続されている。このような構造により、パイプ21の先端側からパイプ21内に水等が入り込むことを防止している。また、孔23aから盛り上がったロウ材24が小径部23よりも基端側の領域よりも径方向外側に突出しにくく、ロウ付け後に余剰のロウ材を除去する工程が必要となる事態が起きにくい構造である。
上記のように構成された本実施形態の内視鏡用処置具1の使用時の動作について説明する。
まず、使用者は、内視鏡挿入部を患者の体内に挿入し、内視鏡挿入部の先端部を処置対象部位の付近まで移動させる。続けて、使用者は、内視鏡用処置具1を、ナイフ部30が設けられた先端側から内視鏡の鉗子栓等に挿入し、内視鏡挿入部内の処置具チャンネルに挿通する。内視鏡用処置具1のチャンネルへの挿通は、内視鏡挿入部を患者の体内に挿入する前に行われてもよい。
まず、使用者は、内視鏡挿入部を患者の体内に挿入し、内視鏡挿入部の先端部を処置対象部位の付近まで移動させる。続けて、使用者は、内視鏡用処置具1を、ナイフ部30が設けられた先端側から内視鏡の鉗子栓等に挿入し、内視鏡挿入部内の処置具チャンネルに挿通する。内視鏡用処置具1のチャンネルへの挿通は、内視鏡挿入部を患者の体内に挿入する前に行われてもよい。
使用者がスライダ48を操作本体47に対して前進させると、挿入部10の先端からナイフ部30が突出する。接続部材35がストッパ11に当接すると、それ以上ナイフ部30は前進できないため、接続部材35がストッパ11に当接した状態におけるナイフ部30の挿入部10からの突出長が、内視鏡用処置具1におけるナイフ部30の最大突出長となる。
上述したように、接続部材35は、先端側外周面の一部が除去されている。そのため、接続部材35がストッパ11に当接した状態において、接続部材35の先端側は、図4に拡大して示すように、貫通孔12の基端側開口を完全には覆わない。その結果、挿入部10の内腔が、貫通孔12の内面と本体部31との間に形成された隙間と、流体供給可能に連通した状態が確保される。
したがって、コック42から導入した流体は、矢印で示すように、挿入部10の内腔を通って貫通孔12内に進入し、貫通孔12内においてナイフ部30との隙間を好適に流れることができる。
以上の作用により、内視鏡用処置具1においては、ナイフ部30の突出長を最大突出長に保持しつつ、挿入部10の先端部から送水等を行うことができる。このとき、供給された流体は、ナイフ部30の本体部31の周囲から、本体部31と略平行に、すなわち本体部31に略沿った方向に流出する。
したがって、コック42から導入した流体は、矢印で示すように、挿入部10の内腔を通って貫通孔12内に進入し、貫通孔12内においてナイフ部30との隙間を好適に流れることができる。
以上の作用により、内視鏡用処置具1においては、ナイフ部30の突出長を最大突出長に保持しつつ、挿入部10の先端部から送水等を行うことができる。このとき、供給された流体は、ナイフ部30の本体部31の周囲から、本体部31と略平行に、すなわち本体部31に略沿った方向に流出する。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡用処置具1によれば、ストッパ11と当接する接続部材35の先端側外周面の一部が除去されているため、ストッパ11と接続部材35とが当接した状態においても、流体供給のための流路を確実に開存させることができる。
また、流体は、ナイフ部30が挿通された貫通孔12から本体部31と略平行に流出するため、挿入部10が内視鏡内で軸線まわりに回転しても、流体が流出する位置はほぼ変化しない上、本体部31は内視鏡の視野内に位置していることが多いため、どこからどのように流体が出てくるかをイメージしやすい。したがって使用者は、所望の位置に適確に送水等を行うことができる。
本実施形態において、接続部材35の先端側外周面の一部を除去することにより、先端側外周面に溝が形成されてもよい。このとき、接続部材に形成される溝の形状には特に制限はない。例えば、溝の断面形状は、V字状でもよいし、矩形状であってもよい。さらに、底面が曲面状であってもよい。
また、上述の説明では、円筒状の部材の先端側外周面の一部を除去して接続部材35の形状を形成する例を説明したが、これに代えて、樹脂成型や鋳造等により、接続部材35の形状を直接形成してもよい。
また、上述の説明では、円筒状の部材の先端側外周面の一部を除去して接続部材35の形状を形成する例を説明したが、これに代えて、樹脂成型や鋳造等により、接続部材35の形状を直接形成してもよい。
以上、本考案の内視鏡用処置具について、一実施形態を用いて説明したが、本考案の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
例えば、本考案の接続部材は、略円筒状のものには限られない。したがって、ストッパへの当接と、当接状態における挿入部から貫通孔への流体供給の確保とを両立できれば、角筒状等の他の形状であってもよい。
例えば、本考案の接続部材は、略円筒状のものには限られない。したがって、ストッパへの当接と、当接状態における挿入部から貫通孔への流体供給の確保とを両立できれば、角筒状等の他の形状であってもよい。
(参考例)
以下には、貫通孔内に流体供給のための空間を形成する参考例の内視鏡用処置具について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
以下には、貫通孔内に流体供給のための空間を形成する参考例の内視鏡用処置具について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図5は、参考例に係る内視鏡用処置具51の先端部を示す断面図である。内視鏡用処置具51においては、ナイフ部30と操作ワイヤ20とが、円筒状の接続部材52により一体に接続されている。接続部材52の外径は、貫通孔10の内径よりも小さく、貫通孔10の内面と本体部31との間の隙間を接続部材52が塞ぐことはない。
ストッパ11の貫通孔12の内面には、溝53が形成されている。溝53の底部は、貫通孔12に挿通されたナイフ部30の大径部32よりも径方向外側に位置している。溝53は、貫通孔12の周方向における一部の範囲にのみ形成されているため、図5に示すように、ナイフ部30を後退させて大径部32をストッパ11に接触させても、大径部32は貫通孔12内に進入しない。
参考例の内視鏡用処置具51においては、図5に示すように大径部32をストッパ11に接触させても、大径部32が溝53を完全には覆わない。したがって、挿入部10内に供給された流体は、貫通孔12の内面と本体部31との間の隙間に入り、溝53を通って大径部32の脇から流出する。
すなわち、内視鏡用処置具51では、ナイフ部30の突出長を最小に保持しつつ、ナイフ部30の近傍から好適に送水等を行うことができる。挿入部10が内視鏡内で軸線まわりに回転しても、流体が流出する位置が大きく変化しない点は、上述した内視鏡用処置具1と同様である。
すなわち、内視鏡用処置具51では、ナイフ部30の突出長を最小に保持しつつ、ナイフ部30の近傍から好適に送水等を行うことができる。挿入部10が内視鏡内で軸線まわりに回転しても、流体が流出する位置が大きく変化しない点は、上述した内視鏡用処置具1と同様である。
内視鏡用処置具51における溝53の形状は、大径部32をストッパ11に接触させた状態において溝53が大径部32によって完全に覆われない態様である限り、特に制限はない。
1 内視鏡用処置具
10 挿入部
11 ストッパ
12 貫通孔
20 操作ワイヤ
30 ナイフ部(処置部)
35 接続部材
10 挿入部
11 ストッパ
12 貫通孔
20 操作ワイヤ
30 ナイフ部(処置部)
35 接続部材
Claims (1)
- 管状の挿入部と、
貫通孔を有して前記挿入部の先端部に設けられたストッパと、
前記挿入部に対して進退可能に前記挿入部に挿通された操作ワイヤと、
前記操作ワイヤの先端部に設けられて前記貫通孔に挿通される棒状の処置部と、
前記挿入部内であって前記ストッパよりも基端側に設けられ、前記処置部と前記操作ワイヤとを接続する接続部材と、
を備え、
前記貫通孔の内径は、前記処置部の外径よりも大きく、
前記接続部材は、前記貫通孔内に進入不能な形状を有し、
前記接続部材を前記ストッパに当接させた状態において、前記貫通孔の内面と前記処置部との間に形成される隙間と、前記挿入部の内腔とが流体供給可能に連通する、
内視鏡用処置具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015002929U JP3199409U (ja) | 2015-06-10 | 2015-06-10 | 内視鏡用処置具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015002929U JP3199409U (ja) | 2015-06-10 | 2015-06-10 | 内視鏡用処置具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3199409U true JP3199409U (ja) | 2015-08-20 |
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2015
- 2015-06-10 JP JP2015002929U patent/JP3199409U/ja not_active Expired - Fee Related
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