JP3199332B2 - 高分子−金属複合体及びその製造方法、並びにそれを用いた固体表面処理剤及び紫外線遮蔽剤 - Google Patents

高分子−金属複合体及びその製造方法、並びにそれを用いた固体表面処理剤及び紫外線遮蔽剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子−金属複合体及
びその製造方法、並びにそれを用いた固体表面処理剤及
び紫外線遮蔽剤に係わり、特にカルボキシル基を含有す
る高分子と金属アルコキシドとを複合化した高分子−金
属複合体及びその製造方法、また、複合体中の未反応の
アルコキシド残基と、固体表面上の水酸基との反応を利
用して該複合体を固体表面にコ−テイングすることを特
徴とする固体表面処理剤、及び紫外線遮蔽効果を有する
高分子−金属複合体、または複合体を表面にコーティン
グした紫外線遮蔽剤に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子と金属イオンとの複合体は、接着
性および力学的特性などの物理化学的特性に優れ、各種
包装材料やスポーツ用品等の塗布剤として幅広い用途が
ある。
【0003】また、無機粉体は一般に、表面が親水性で
あり、水に濡れやすく、非水溶媒中での分散性に劣ると
いう欠点があるが、その分散性の改善および表面活性の
抑制という観点から、種々の表面改質法が提案され、粉
体表面に機能性基を導入し、新しい機能を有する改質粉
体が数多く生産されている。
【0004】しかしながら、これまでに知られているナ
トリウム、亜鉛、鉄などを含有する高分子−金属複合体
は、各種溶媒に対して溶解度が低く、低温・液相で塗布
等の表面処理を行うのは困難である。たとえこれらの複
合体を液相で表面処理したとしても得られる表面皮膜に
は透明性がなく、また接着性が弱いため実用に供するこ
とができない。従って、表面処理には複合体を加熱溶融
して処理する方法をとらざるを得ないが現状である。
【0005】また、従来の複合体を用いた粉体の表面改
質にあたっては、同様の理由で粉末状態のまま直接添加
し撹伴混合、あるいは焼成などの方法によってのみ、表
面処理を行うことができる。
【0006】しかし、これらの方法では、例えば有機顔
料や無機顔料を含有させる場合、黄色酸化鉄、紺青のよ
うに熱に弱いものは処理することができない。例えば、
有機顔料の赤色202号は80℃で脱水し、結晶系がα
型からβ型へ変化するとともに色調が変化してしまう。
また、紺青は熱を加えると分解し、150℃以上でシア
ンガスを徐々に放出する。
【0007】一般に、焼き付け処理は、処理温度の高い
ものでは350℃で2時間程度、低いものでは150℃
で15〜40時間程度で行なわれる。このような条件下
では、上記したように紺青は色調変化が起こるのみなら
ず、有毒なシアンガスを放出し、はなはだ危険である。
【0008】一方、地上に照射される太陽光には、中紫
外線(280〜320nm;UV−B)と近紫外線(3
25〜400nm;UV−A)とが含まれている。これ
らの紫外線は、種々の化学物質の変質、変色などの原因
となる。また、生体に対しても、たとえば、中紫外線
は、皮膚の紅斑水泡等の炎症を引き起こし、近紫外線
は、メラニン生成を促して皮膚の褐色化を生じさせるこ
とが知られている。
【0009】そこで、このような紫外線の化学物質およ
び生体(皮膚)ヘの悪影響に対処するため、従来より紫
外線遮蔽剤を配合した塗料、フィルターおよび日焼け止
め化粧品が知られている。
【0010】このような用途に用いられる紫外線遮蔽剤
としては、大別すると、ジベンゾイルメタン系、桂皮酸
系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤と、酸化亜
鉛、酸化チタンなどの紫外線散乱剤との2種類に分類さ
れる。
【0011】しかし、これらの紫外線遮蔽剤は,UV−
A及びUV−Bの紫外線に対する吸収能が不十分であっ
たり、またベンゾフェノン系のように衣類を着色させる
という問題もある。更に、散乱型のものは、粒子の凝集
が起こりまたは使用感が悪化するため、配合できる剤型
が限定されているのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明者は、低温での表面処理等を可能とするべく種々の
溶媒に溶解し、被処理体との付着力が強くまたは/及び
処理後も透明性を有する高分子−金属複合体を提供する
ことを目的とする。
【0013】本発明の第2の目的は、上記複合体の製造
方法を提供することを目的とする。更に本発明は固体を
高分子−金属複合体で被覆し、固体に種々の機能をもた
せることが可能な固体表面処理剤を提供することを目的
とする。更に加えて、種々の剤型の化粧料・薬剤等に適
用でき、紫外線遮蔽効果の高い紫外線遮蔽剤を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、カルボキ
シル基を有する高分子と多価金属のアルコキシドにより
形成される高分子−金属複合体及びそれを用いた表面改
質法によって達成することができる。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1の要
旨は、カルボキシル基を有する変性シロキサンと、多価
金属とからなる高分子−金属複合体であって、イオン結
合により前記多価金属と前記高分子のカルボキシル基と
が結合していることを特徴とする高分子−金属複合体に
存在する。
【0016】本発明の第2の要旨は、カルボキシル基を
有する変性シロキサンと多価金属のアルコキシドを非水
溶媒中、80℃以下で混合攪拌して高分子−金属複合体
を形成することを特徴とする高分子−金属複合体の製造
方法に存在する。
【0017】第3の要旨は、カルボキシル基を有する高
分子と多価金属のアルコキシドとを未反応のアルコキシ
基が残る割合で混合した混合物であって、該混合物を表
面に水酸基を有する固体と接触させ、該粉体の水酸基と
前記未反応のアルコキシ基とを反応させることにより、
固体の表面に高分子−金属複合体を形成することを特徴
とする固体表面処理方法に存在する。
【0018】また、第4の要旨は、上記高分子−金属複
合体を用いることを特徴とする紫外線遮蔽剤に存在す
る。
【0019】
【作用】本発明の高分子−金属複合体は、カルボキシル
基を有する変性シロキサンと多価金属のアルコキシドを
非水溶媒中で反応させることにより得られ、金属との錯
形成後は、種々の溶媒に対して高い溶解性を示し、透明
な粘稠溶液となる。また、この透明性は乾燥後も維持さ
れる。したがって、液相で種々の物質を表面改質するこ
とが可能となり、従来の含イオン高分子にない優れた加
工性を有する。
【0020】また、固体の表面改質においても、通常の
金属アルコキシドの加水分解反応は、室温もしくは80
℃以下で反応を進行させることができるため、熱的に不
安定な化合物も含有させることができる。しかも本発明
の高分子−金属複合体は、付着性に優れた膜となる。
【0021】更に、機能性分子をカルボキシル基を介し
て多価金属に固定化することにより、機能性分子特有の
機能を複合体にもたせることができる。
【0022】以下に本発明の構成を詳細に説明する。
【0023】本発明で用いられるカルボキシル基を含有
する高分子は、カルボキシル基を有する共重合体である
限り特に限定されるものではなく、ポリマー主鎖に直結
もしくはアルキレン基もしくはアルキレンオキシ基など
のスペーサーを介してカルボキシル基が結合されている
か、もしくはぺンダント基にカルボキシル基を有してい
るか、またはポリマー鎖末端にカルボキシル基を有して
いるものをいう。具体的には、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等とその他の
ビニルモノマーとの共重合体、あるいは末端にカルボキ
シル基を有する各種高分子が用いられ、特に側鎖にスペ
ーサーを介してカルボキシル基を含有するビニルポリマ
ーもしくは変性ポリシロキサンが好ましい。カルボキシ
ル基を有するビニルポリマー及び変性シロキサンの構造
の一例をそれぞれ(I)、(II)式に示す。
【0024】
【0025】高分子中のカルボキシル基含量は、特に限
定されるものではないが、カルボキシル基を有する単量
体のモル比として30%以下が望ましい。30%を越え
るとイオンによる架橋率が高くなり、各種溶媒に対する
溶解度が低下する。
【0026】本発明に用いられる多価金属アルコキシド
は、特に限定されるものではなく、例えばチタン、鉄、
アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛等の多価金属と、例
えばエタノール、イソプロパノール等のアルコールとの
反応により得られる多価金属アルコキシドが用いられ、
特にチタンのイソプロポキシドが好ましい。
【0027】本発明の固体表面処理剤が対象とする固体
は、常温で固体でありさえすれば、寸法、形状及び材質
は問わない。従って、寸法としては、0.02μm程度
の超微粉体からmmのオ−ダ−の粉体、そしてcmない
しmのオ−ダ−又はそれ以上の物体が含まれる。また、
形状としては、粉末状、繊維状、シ−ト状、塊状等が含
まれる。また、1種以上の材料の凝集体、成形体もしく
は造形体、または複合体等も含まれる。更に、材質も任
意である。例えば、無機材料[例えば、金属及びその誘
導体(例えば無機酸化物)、粘土鉱物、セラミック、コ
ンクリ−ト、ガラス]、及び有機材料[生体物質(例え
ば木材、セルロ−ス等の生体高分子あるいは生体低分子
等)、合成物質、有機顔料)等]が含まれる。
【0028】前記金属酸化物としては、例えばベリリウ
ム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、カルシウム、
バナジウム、バリウム、チタン、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、二ツケル、銅亜鉛、ガリウム、インジウ
ム、タリウム、ジルコニウムなど金属及び合金の酸化物
があげられ、これらのうちで、透明性にすぐれた微粒子
シリカ、あるいは微粒子酸化亜鉛が特に好適に適用され
る。また、酸化チタンや酸化亜鉛のように、元来UV−
A領域に散乱効果を有する酸化物である必要はない。
【0029】また、本発明の固体表明処理剤は、例えば
流体透過材(例えば、モノリス担体または多孔質体)に
適用される。この流体透過材は、例えば、セラミックス
(活性アルミナ、コ−ディエライト等)、メタル(アル
ミニウム合金、鉄、ステンレススチ−ル等)、生体高分
子(セルロ−ス、キチン等)、カ−ボンまたはガラスか
らなる。前記流体透過材は、通常0.01〜1000μ
m、好ましくは0.01〜300μm、更に好ましくは
0.01〜10μmの口径の多数の透過口を備えたもの
であり、形状は一般にシ−ト状、円筒状または板状であ
る。
【0030】次に、本発明の複合体の製造方法について
詳述する。まず、カルボキシル基を有する共重合体、お
よび多価金属アルコキシドの溶液を調製する。多価金属
アルコキシドは、水の存在下で容易に加水分解するの
で、本発明の高分子−金属アルコキシド複合体の調製に
はべンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム等の非
水溶媒を用いるのが好ましい。用いる溶媒は特に限定さ
れるものではなく、原料の高分子をよく溶解し、しかも
水を含まないものであればよい。次に、共重合体溶液
に、多価金属アルコキシド溶液を攪拌しながら滴下して
均―な混合物を製造する。これによつてカルボキシル基
と多価金属アルコキシドとの反応により、(COO-n
n+なるイオン結合による架橋構造が生じる。このよう
な架橋構造を形成した場合でも、本発明の高分子−金属
複合体溶液は、粘度の増大を伴うが透明性は失われず、
固体の析出等は認められない。更に、溶媒を蒸発させた
後も本発明の高分子−金属複合体は透明性を維持する。
【0031】次に、本発明の機能性高分子を固定した高
分子−金属複合体の製造方法を、多価金属アルコキシド
としてチタンテトライソプロポキシド、機能性分子とし
て紫外線吸収剤である桂皮酸を用いた場合について説明
する。
【0032】まず、桂皮酸のクロロホルム溶液に、チタ
ンテトライソプロポキシドのクロロホルム溶液を加え、
桂皮酸―チタンイオン複合体を調製する。ここに、桂皮
酸とチタンテトライソプロポキシドとのモル比は、3/
1以下とすることが好ましい。
【0033】一方、カルボキシル基を有する高分子のク
ロロホルム溶液を調製し、この溶液中に、桂皮酸−チタ
ンイオン複合体のクロロホルム溶液を、激しく撹伴しな
がら7 滴下する。滴下開始とともに、系は粘稠となり
複合体の生成が認められる。生じた粘稠溶液をシャーレ
上に流延して自然乾燥することにより、透明な高分子膜
が得られる。さらに溶媒を完全に除去するためにはこの
状態で真空乾燥することが望ましい。
【0034】このようにして調製した高分子−チタン−
桂皮酸複合体は、透明皮膜であり、放置してもチタンイ
オンのない系で見られるような桂皮酸の析出はなく、透
明性は長時間安定に維持される。
【0035】高分子―金属複合体に固定化される機能性
分子は、カルボキシル基を有するものであれば、特に限
定されるものではなく、例えば紫外線吸収剤としての種
々の桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、防腐剤としての
安息香酸誘導体、カルボキシル基を有するアミノ酸、ペ
プチド等の各種薬剤等があげられる。
【0036】また、高分子中のカルボキシル基含量に対
し過剰の金属アルコキシドを加えた場合には、アルコキ
シド残基が一部イオン結合を形成せずに残存するため、
カツプリング剤として使用することができ、そのアルコ
キシド残基と固体表面上の水酸基との反応を利用するこ
とにより、高分子による固体の表面改質が可能となる。
【0037】例えば、本発明の高分子−金属複合体によ
る粉体の表面処理は、以下の手順をもって行なわれる。
【0038】まず、高分子−金属複合体を、多価金属ア
ルコキシドのアルコキシ基の一部が未反応で残るよう
に、カルボキシル基を有する高分子とカルボキシル基を
有する機能性分子と多価金属アルコキシドとを調製す
る。該複合体の溶液を粉体を分散した液に滴下し、滴下
終了後も室温で16時間程度攪拌する。撹伴終了後ろ過
及び/またはエバポレーションにより、固体を回収し溶
媒で洗浄する。さらに50℃で一昼夜真空乾燥すること
により改質粉体を得ることができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれによつて限定されるものではな
い。
【0040】(実施例1)本発明の高分子−金属複合体
を以下の手順で作製した。
【0041】カルボキシル基1.3モル%を含有するカ
ルボキシ変性シリコ−ン(分子量2000)の10%ト
ルエン溶液中に、チタンテトライソプロポキシド0.2
5モル当量を含む卜ルエン溶液を撹枠しながら滴下す
る。滴下後室温で16時間攪拌を続けた。得られた粘稠
溶液を石英基板上にキャストし、乾燥して複合体の皮膜
を作製した(試料1)。
【0042】また、機能性分子(桂皮酸)を固定した複
合体を次のようにして作製した。
【0043】前記カルボキシ変性シリコ−ンの10%ト
ルエン溶液に、チタンテトライソプロポキシド0.5モ
ル当量、桂皮酸0.5モル当量を含むトルエン溶液を撹
粋しながら滴下した。得られた粘稠な液体を試料1と同
様にして皮膜を作製した(試料2)。
【0044】また、比較のためカルボキシ変性シリコー
ンだけの皮膜(比較試料1)及びチタンテトライソプロ
ポキシドと桂皮酸からなる皮膜(比較試料2)も同様に
して作製した。
【0045】試料1,2及び比較試料1は、透明な皮膜
となったが、高分子を含まない比較試料2は白く濁り、
均一な膜は得られなかった。
【0046】試料1,2及び比較試料1の紫外可視吸収
スペクトルを図1に示す。図から明らかなように、カル
ボキシ変性シリコ−ン及びチタンイソテトラプロポキシ
ドだけでは紫外領域に吸収はみられないが、両者の複合
体である試料1のスペクトルには360nmに吸収端を
持つバンドが現れることが分かる。即ち、高分子と金属
を複合化することにより得られる複合体が、紫外線吸収
能を持ち紫外線遮蔽剤に適用できることが分かった。
【0047】更に、紫外線吸収剤である桂皮酸を固定し
た試料2のスペクトルの吸収端は410nmにシフト
し、桂皮酸の紫外線吸収効果が観察された。言い換えれ
ば、試料2の複合体には、桂皮酸が固定化されているこ
とを示している。
【0048】本実施例では、機能性分子として紫外線吸
収効果を有する桂皮酸を用いたが、紫外線吸収効果を有
する分子に限らず、カルボキシル基を有する分子でさえ
あれば複合化して複合体に固定化することが可能であ
り、その分子特有の種々の機能を持たせた透明な複合体
を作製することができる。
【0049】
【実施例】(実施例2) カルボキシ基1.3モル%を含有するカルボキシ変性
シリコ−ン(分子量2000)の10%クロロホルム溶
液中に、等モルのチタンテトライソプロポキシドを含む
クロロホルム溶液を攪拌しながら滴下することにより、
透明で粘稠な液体を得た。本溶液を、シリカOX−50
(日本アエロジル社製)のクロロホルム分散液中に加
え、16時間室温(25℃)で攪拌した。反応終了後、
固体を吸引ろ過して溶媒から分離し、50℃で真空乾燥
して、改質粉体を得た。
【0050】得られた粉体及び未処理の粉体をクロロホ
ルム中、25℃で3時間放置したところ、未処理の粉体
は、即座に凝集・沈降し始めたのに対し、本実施例の粉
体は3時間後でも凝集せず、安定な分散状態を示した。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明により、被処理体との付
着力が強く、表面処理後も透明性を有し、被処理体の外
観を損なわない表面処理剤・塗布剤等を提供することが
可能となる。
【0052】また請求項2の発明により、機能性分子特
有の機能を複合体にもたせることができ、種々の機能を
有する薬剤・化粧料を製造することが可能となる。更
に、液相で処理可能なため、熱的に不安定な物質等も含
有させることも可能となり、紫外線吸収剤、防腐剤、美
白剤等のより広範囲な応用が可能となる。
【0053】請求項5及び6の発明により、高分子−金
属複合体の製造方法を提供することが可能となる。
【0054】更に請求項7及び8の本発明により、固体
を高分子−金属複合体で被覆し、固体に種々の機能をも
たせることが可能な固体処理剤を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合体の紫外可視吸収スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−262736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/398 C08F 8/42

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有する変性シロキサン
    と多価金属とからなる高分子−金属複合体であって、イ
    オン結合により前記多価金属と前記カルボキシル基とが
    結合していることを特徴とする高分子−金属複合体。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有する機能性分子が、
    該機能性分子のカルボキシル基と前記多価金属とのイオ
    ン結合により前記多価金属に固定化されていることを特
    徴とする請求項1記載の高分子−金属複合体。
  3. 【請求項3】 前記機能性分子は、UV−A及び/また
    はUV−Bの紫外光を吸収する機能性分子であることを
    特徴とする請求項2記載の高分子−金属複合体。
  4. 【請求項4】 前記カルボキシル基を有する変性シロキ
    サンは、少なくとも第1の単量体とカルボキシル基を有
    する第2の単量体とからなる共重合体であり,該共重合
    体中の前記第2の単量体のモル比は30%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    高分子−金属複合体。
  5. 【請求項5】 カルボキシル基を有する変性シロキサン
    と多価金属のアルコキシドを非水溶媒中において、80
    ℃以下で混合攪拌して高分子−金属複合体を形成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の高分子−金属複合体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記多価金属のイオン価数をnとしたと
    き、(カルボキシル基を有する機能性分子)/(前記多
    価金属のアルコキシド)のモル比が(n−1)以下の範
    囲で、前記カルボキシル基を有する機能性分子を加える
    ことを特徴とする請求項5記載の高分子−金属複合体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 カルボキシル基を有する高分子と多価金
    属のアルコキシドとを未反応のアルコキシ基が残る割合
    で混合した混合物であって、該混合物を表面に水酸基を
    有する固体と接触させ、該固体表面の水酸基と前記未反
    応のアルコキシ基とを反応させることにより、固体の表
    面に高分子−金属複合体を形成することを特徴とする固
    体表面処理剤。
  8. 【請求項8】 前記混合物に、未反応のアルコキシ基が
    残る割合で、カルボキシル基を有する機能性高分子で加
    えたことを特徴とする高分子−金属複合体による請求項
    7記載の固体表面処理剤。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    高分子−金属複合体を用いたことを特徴とする紫外線遮
    蔽剤。
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