JP3199209U - 携帯可能な人体加圧具 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体、おもに腹部などを反復して加圧し内臓や筋肉等の血管、リンパ管及び神経等に適度な刺激を付加しストレスの早期の軽減や疲労回復をもたらす、携帯可能な人体加圧具を提供する。【解決手段】人差指、中指及び薬指の合計指圧接触面積に相当する押圧面11を含む押圧体10と、押圧体10を人の体面に略垂直に当接可能とする押圧体10を回動自在に掛止可能とする継手体30と、継手体30を掛止する把持体20と、を含む。【選択図】図1

Description

本考案は、人体、おもに腹部などを反復して加圧し内臓や筋肉等の血管、リンパ管及び神経等に適度な刺激を付加しストレスの早期の軽減や疲労回復をもたらす、携帯可能な人体加圧具に関する。
今日、企業等での労働及び生活環境は、業務期限の短縮、組織人員削減に伴う一人当たり業務遂行量の増大、情報端末と対面した一定姿勢での長時間の座り労働の常態化及び過度の冷房による冷え症などにより過酷化しているといわれる。そのため、これら過酷化に起因する人の身体及び精神のストレスが高まっているといわれる。
前記労働及び生活環境に起因するストレスは、人の胃腸など内臓の活動の自律性低下、血流およびリンパ液流の阻害等をもたらすといわれている。そのため、現代人は、慢性的に胃腸の鈍痛、重み感、不快感、食欲低下、便秘、頻発する下痢症状及びそれに伴う抑鬱感に悩まされているといわれている。
古来より、慢性的な不快感、抑鬱感及び内臓不調等の解消のため、人体へのハリ、灸及び指圧などの療法が用いられてきた。特に、指圧による人体の体面への圧迫は、筋肉をほぐし、神経を刺激し、かつ内臓圧迫に伴い血液やリンパ液の循環を改善するといわれる。また、その結果、体内老廃物を排出させて新陳代謝を促進し、疲労を回復させる効果があるとされている。
このような、指圧の人体への好適な刺激と効果は多くの現代人が認識するところとなり、指圧とマッサージを提供する整体院が多数開業するに至っている。
指圧療法においては、1)人体面へ略垂直に加圧すること、2)加圧を維持持久したのち、徐々に除圧すること及び3)押圧〜除圧まで精神を集中することの3つの原則が、無駄なく効率的な施術であるとされている。
かかる観点から、種々の指圧具が開発されている。
特許文献1では、指先がすべらないようにカバーに手を挿入する突起を設けた手挿入カバー式指圧具を提供している。
特許文献2では、携帯を可能とした、押圧と叩打のための球体指圧具を提供している。
特許公開公報 特開2009−045283号 特許公開公報 特開2004−033339号
特許文献1の指圧具では、いちいち手を指圧具に挿入するので、短時間での該具装着使用が困難である。また、多数突起があるため、圧迫したい部位以外も加圧することになり指圧時の加圧力が不足することもある。
そして、指圧の3原則のうち、1)についてみると、たとえば、特許文献2の指圧具では、球体が固定されていて可動でないため、人が電車等交通機関での移動時に、自分の体を片手で簡単に略垂直加圧して指圧することが担保されない。また、片手で指圧具をもち、もう一方の手にかばんを携行している場合、指圧したい体の部分に指圧具が届かないことがある。
かかる従来の指圧具の問題点を鑑み、本考案は、1)片手で人体面を略垂直に加圧できること、2)片手、しかも前腕部のみの力で簡単に、かつ十分な加圧力を付加して指圧すること、3)携帯が可能であり、かつ片手で把持しながら、延伸等して人体各部を加圧できる構造である加圧具を提供することを目的とする。なお、以下のいかなる記載も本考案を限定する趣旨ではない。
考案者は、上記目的1)乃至3)を実現可能な人体加圧具について鋭意研究及び試作を反復した。
その結果、目的1)に関しては、把持体が、人体圧迫用の押圧体を回動可能に掛止し、又は前記把持体が弾性変形可能とし、略垂直な人体面加圧を可能とすることを見出した。
目的2)については、片手で指圧具を把持しながら腕の前腕部のみの力で加圧して指圧効果が発揮できる押圧部面積として、必要な押圧力が得られるようにした。具体的には、指圧するとき人の体面に当接し人差指、中指及び薬指の3指の合計指圧接触面積に相当する面積の押圧面を有する前記押圧体を採用することができる。このとき、前記合計指圧接触面積に相当する面積Aは、人が前腕のみの力Pで加圧するとき、略最適な単位面積当たり圧力pが得られるように、A=P/pで定義する。具体的数値は人体前腕の力の実測結果、人の指の加圧時の接触面積の実測結果及び指圧において好適とされる指圧圧力の経験値から適宜計算するとよい。
目的3)については、前記把持体を折り畳み、又は伸縮可能とし、必要に応じて広げ、又は延伸し、携帯時はコンパクトに収納可能な構造としてもよい。
人の体面に当接し人差指、中指及び薬指の合計指圧接触面積に相当する面積を有する押圧面を含む押圧体と、前記押圧体を前記人の体面に略垂直に当接可能とする手段を有する把持体と、を含む人体加圧具の考案を提供する。
前記押圧体を前記人の体面に略垂直に当接可能とする手段が、前記把持体に前記押圧体を回動自在に掛止可能とする継手体であることを特徴とする前記人体加圧具の考案を提供する。
前記把持体を折り畳み若しくは伸縮可能とする折り畳み若しくは伸縮手段を含むことを特徴とする、前記いずれかの人体加圧具の考案を提供する。
携帯可能な前記人体加圧具により、片手で人体面を略垂直に指圧できる。
押圧体10が把持体20に球状ジョイント31を含む継手体30に掛止された、本考案の好適な第1の実施形態に係る人体加圧具1の斜視図である。 押圧体10が把持体20に球状ジョイント31を含む継手体30に掛止された状態を示す前記人体加圧具1の継手体30部分の縦断面図である。 押圧体10が弾性体を含む把持体20に一体に形成された本考案の好適な第2の実施形態に係る人体加圧具の斜視図である。 把持体20が、内棒22とその外周面で摺動可能に配置された外筒23とからなる本考案の好適な第3の実施形態に係る人体加圧具1の縦断面図である。 把持体20が、ピン25によって折り曲げ可能な構造である本考案の好適な第4の実施形態に係る人体加圧具1の斜視図である。
以下に本考案の好適な実施形態について、技術的思想、構成、使用態様及び携帯態様を図で説明する。なお、以下の如何なる記載も本考案を限定する趣旨ではない。
図1は、押圧面11を有する押圧体10と、押圧体10と一体に形成された球状ジョイント31を有する継手体30と、継手体30がその球状ジョイント31によって把持体20の内部に掛止された本考案の好適な第1の実施携帯に係る人体加圧具1の斜視図である。
本考案に係る人体加圧具1の技術的思想と構成を以下に説明する。
人がその片手の前腕の筋力のみによって通常発生させるうる力を検討する。手根の屈曲による前腕回外力の発生についての実験によると(文献「手根の屈曲と進展が前腕回外力に及ぼす効果」、内藤輝ほか、形態・機能8巻第1号13頁(2009年)、第15頁の記載を参照)、回外単独、すなわち前腕の筋力が主動するとき発生した力の計測値は4.9±2.0kgであった。この計測値を前記力Pの一例とすることができる。
押圧体10の押圧面11は、人の人差指、中指及び薬指の3指合計指圧接触面積に相当する面積Aを有する。老若男女についての3指指圧時接触面積を測定した実験によると(文献「指先の力発揮に伴う皮膚接触面積の変化」、川合悟ほか、帝塚山短期大学研究紀要、人文・社会科学編・自然科学編31巻204頁(1994.3)、第209頁の記載)、たとえば37歳男性被験者において人差指3.43cm、中指3.06cm及び薬指3.13cmとの計測例があり、その合計面積は9.63cmとなった。前記合計面積を前記面積Aの一例とすることができる。前記面積Aで前記加圧力Pを以て加圧すると、前記圧力pの一例は0.30〜0.72kg/cmとなっている。前記圧力pの一例は成人が無理なく自分の体を片手3指で簡便に指圧するときの圧力数値の一例と考えられる。
一方、上記人の指の前腕回外力及び合計指圧面積の計測値は人の性別、体格、年齢及び筋量によって大きく変動すると思われる。よって、前記面積Aは前記圧力pで加圧するときの目安と考えるべき数値と思料できる。本実施形態にかかる人体加圧具1においては、略円形の押圧体10の押圧面積11を外径2〜5cmのもとA=3.14〜19.6cmとした。この範囲の押圧面11(前記面積Aを有する)を有する押圧体10によって、前腕のみで圧力p=0.30〜0.72kg/cmで加圧すると指圧効果が得られると思料する。ただし、前記のように、人の性別、体格、年齢及び筋量によって指圧力は異なるので、押圧面積Aは3.14〜19.6cmの範囲を下回り、または超過しても効果が得られることがあると思われる。かかる押圧体10によって本考案の目的の2)(片手、しかも前腕部のみの力で簡単に、かつ十分な加圧力を施して指圧すること)が達成できると考えられる。
押圧体10には、球状ジョイント31を含む継手体30が一体に形成されている。図2に、押圧体10が、継手体30によって把持体20に掛止されている人体加圧具1の縦断面図を示す。継手体30は、押圧体10が把持体20から脱落することなく掛止させ、かつ、球状ジョイント31が把持体20の内面でその球状面26に当接して摺動することによって、矢印32のように回動させる機能を有している。前記機能が、押圧体10を前記人の体面に略垂直に当接可能とする手段の好適な一例である。これによって、本考案の目的の1)(片手で人体面を略垂直に加圧できること)が達成できると考えられる。
把持体20は、片手で把持できる棒体としている。なお、把持体20が中空の筒体であってもよい。把持体20を片手で持ち、自分の体に押圧体10の押圧面11を当接させ、加圧可能とする。把持体20によって本考案の目的の2)(片手、しかも前腕部のみの力で簡単に、かつ十分な加圧力を施して指圧すること)及び3)(携帯が可能なであり、かつ片手で把持しながら、延伸等して人体各部を加圧できる構造であること)が達成できると考えられる。
図1及び図2に示した人体加圧具1の把持体20を片手に持ち、自分の体の所望部位に押圧体10の押圧面11を当接させ、前腕の力のみで適宜加圧を反復すれば指圧と同等な効果が得られると思われる。押圧体10の材質は木質、軽量なアルミニウム合金、マグネシウム合金及びチタン合金等金属材料、ポリウレタン樹脂又はゴム材料であってもよい。ゴム材料など弾性材料を使用すると、加圧を断続する際の除圧が弾性変形によってゆっくりしたものになり、前記指圧療法の原則の2)(加圧を維持持久したのち、徐々に除圧すること)が担保される。
加圧しないときは、人体加圧具1を鞄やバックパック又はハンドバッグなどに入れれば持ち運び容易であり、多忙な通勤者が移動中に加圧し又は携帯することに適している。
図3に、本考案の好適な第2の実施携帯に係る人体加圧具1の斜視図を示す。前記人体加圧具1は、押圧体10と把持体20とが一体に形成されている。前記加圧具1の把持体20はゴム材料など弾性材料を含む構造を有している。そのため、前記把持体20のネック部21において把持体20と押圧体10とは曲げ弾性変形可能な構造となっている。そのため、本考案の好適な第1の実施形態に係る人体加圧具1と同様に、矢印32の方向に押圧体10が曲げ弾性変形可能であって、継手体30がなくても本考案の目的の1)(人体面へ略垂直に加圧すること)が達成されている。
なお、その使用方法及び携帯方法は本考案の第1の実施形態に係る人体加圧具1(図1)の場合と同様である。
図4に、本考案の好適な第3の実施形態に係る人体加圧具1の縦断面図を示す。前記人体加圧具1が押圧体10及び継手体30を有することは、本考案に係る好適な第1の実施形態に係る人体加圧具1(図1)と同様である。本考案の好適な第3の実施形態に係る人体加圧具1においては、把持体20が内棒22と外筒23とからなる。体の背面や首筋などを加圧しようとするときは、外筒23を内棒22の外周を摺動させ矢印24方向へ延伸することができる。そして、所望の加圧が終了し、携帯するときは外筒23を矢印24方向へ押し込み内棒22をコンパクトに収納することができる。
なお、その他の使用方法及び携帯方法は本考案の第1及び第2の好適な実施形態に係る人体加圧具1(図1乃至3)の場合と同様である。
図5に、本考案の第4の好適な実施形態に係る人体加圧具1の斜視図を示す。前記人体加圧具1が押圧体10及び継手体30を有することは、本考案に係る好適な第1の実施形態に係る人体加圧具1(図1)と同様である。前記人体加圧具1においては、把持体20が継手体30を掛止している。把持体20の横断面形状は、平板形状に形成され中間位置にピン25が設けられている。把持体20は前記ピン25を軸に折り畳み可能となっている。体の背面や首筋などを加圧しようとするときは、把持体20をピン25で回動させて開き、携帯時にはコンパクトに折り畳むことができる。
なお、その他の使用方法及び携帯方法は本考案の第1乃至第3の好適な実施形態に係る人体加圧具1(図1乃至4)の場合と同様である。
表1に本考案の好適な第1の実施形態に係る人体加圧具1を用いて、45歳の男女各1名によって胃に相当する腹部への片手加圧試験を行った結果を示す。押圧体10の外径を1.6、2.0、2.4、2.8、3.2、3.6、4.0、4.4、4.8、5.0及び5.2cmとした。被験者は、各押圧体の片手加圧10回を、5分の間隔を置いて反復して行い、その後の加圧部の感覚を評価した。評価は、軽快感あり(E)、やや軽快感あり(G)、変わらない(C)及び強すぎる(D)とし、E及びGが効果ありと判定した。
そうすると、男女とも外径1.6cmの場合、加圧力が過度になると推測され評価はDであった。また、男女とも外径5.2cmの場合加圧力が過小で指圧効果が発揮できないためか、評価はCであった。
この結果、前記試験においては外径2.0〜5.0cmとした押圧体10を含む前記人体加圧具1による加圧によって、被験者2名はE又はGと評価し、本考案に係る人体加圧具の効果が確認できた。
Figure 0003199209
1:人体加圧具
10:押圧体
11:押圧面
12:押圧体の揺動方向
20:把持体
21:ネック部(把持体)
22:内棒(把持体)
23:外筒(把持体)
24:把持体の延伸又は宿小方向
25:ピン(把持体)
26:把持体又は把持棒の球状面
30:継手体
31:球状ジョイント(継手体)
32:押圧体の回動方向
A:人差指、中指及び薬指3指の合計指圧接触面積に相当する押圧体の押圧面面積
p:略最適な単位面積当たり押圧面の加圧圧力
P:人の前腕のみの力

Claims (3)

  1. 人の体面に当接し人差指、中指及び薬指の合計指圧接触面積に相当する面積を有する押圧面を含む押圧体と、
    前記押圧体を前記人の体面に略垂直に当接可能とする手段を有する把持体と、
    を含む人体加圧具。
  2. 前記押圧体を前記人の体面に略垂直に当接可能とする手段が、前記把持体に前記押圧体を回動自在に掛止可能とする継手体であることを特徴とする、
    請求項1に係る人体加圧具。
  3. 前記把持体を折り畳み若しくは伸縮可能とする折り畳み若しくは伸縮手段を含むことを特徴とする、
    請求項1又は2に係る人体加圧具。
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