JP3198262B2 - ハンドスキャナおよび一方向クラッチ - Google Patents

ハンドスキャナおよび一方向クラッチ

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JP3198262B2
JP3198262B2 JP34624496A JP34624496A JP3198262B2 JP 3198262 B2 JP3198262 B2 JP 3198262B2 JP 34624496 A JP34624496 A JP 34624496A JP 34624496 A JP34624496 A JP 34624496A JP 3198262 B2 JP3198262 B2 JP 3198262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿上手動で副走
査方向に読取りセンサを移動することによって原稿の表
面の内容を画像データ化するハンドスキャナに関し、特
に制動機構に関し、さらにハンドスキャナ、自動給紙装
置およびその他の用途に用いることができる一方向クラ
ッチに関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、先行技術のハンドスキャナの
一部の構成を示す断面図である。操作者が手で把持する
ハウジング1内には原稿2上の画像を読取る読取りセン
サ3が収納される。原稿2には、検出ローラ4が接触
し、ハウジング1が図13の紙面に垂直な副走査方向に
移動されるとき、検出ローラ4が回転される。このロー
ラ4の回転動力は、平歯車5〜8の列を経て、エンコー
ダ9の円板状コード板10が回転される。コード板10
の回転は検出器11によって検出され、検出ローラ4の
一定角変位量毎にパルスを発生し、速度信号として導出
される。この速度信号は、制御回路12に与えられると
ともに、読取りセンサ3の出力もまた制御回路12に与
えられる。こうして速度信号の1パルス毎に、読取りセ
ンサ3の主走査方向のビット直列の1ライン分の画像デ
ータが読取られる。
【0003】この読取りセンサ3の主走査方向の読取り
速度には上限値がある。したがって操作者がハウジング
1、したがって読取りセンサ3を、前記上限値である或
る一定速度を超えて高速度で副走査移動させると、制御
回路12による読取りセンサ3の読取り動作が間に合わ
なくなる。そのため画像データの欠落が生じ、原稿2上
の画像データを忠実に再現することができなくなってし
まう。
【0004】この問題を解決するために図13の先行技
術では、制御回路12は速度信号に応答し、読取りセン
サ3による原稿2の読取りが間に合わない程度に副走査
速度が高いときには、ブレーキ駆動信号13を発生し、
検出ローラ4に連結されている制動装置14を動作させ
る。これによって副走査速度を抑制する。制動装置14
は、ブレーキ駆動信号13に応答して制動力を発生する
アクチュエータを備えている。
【0005】図13に示される先行技術では、制動装置
14の構成が複雑になり、またその電気的制御のための
構成が複雑になり、さらに構成が大形化し、高コストに
なる。
【0006】図13に示される先行技術のハンドスキャ
ナの他の問題は、原稿2を副走査方向の逆方向の移動に
起因する。ハンドスキャナは、操作者が手動で副走査方
向に移動させることによって、原稿2の画像を読取るも
のであり、したがって操作者の動揺などによって、副走
査方向に移動せず、副走査方向の逆方向に移動されるこ
ともある。
【0007】たとえば図14に示される原稿2の表面の
領域A,B,Cを副走査方向15で読取ることによっ
て、正常な画像データを得ることができる。
【0008】しかしながらたとえば図14の原稿2にお
いて領域A,Bを副走査方向15に操作した後、次に領
域Bだけ副走査方向15の逆方向16に移動し、その
後、再び領域B,Cを副走査方向15に移動したときを
想定すると、読取りセンサ3から制御回路12に得られ
る画像データは、図15のとおりとなる。図15におい
て用いられている参照符A,B,Cは、図14の原稿2
の各領域A,B,Cの画像データを、併せて示す。参照
符B1は、領域Bを副走査方向15の逆方向16にハン
ドスキャナを移動させたときに、読取りセンサ3から得
られる画像データである。
【0009】ハンドスキャナを副走査方向15に沿って
移動し、領域B,Cの境界17で逆方向16に操作する
と、読取られる画像を理解の便宜のために示すと図16
のとおりとなる。読取りセンサ3から得られる画像デー
タは、逆方向16にハンドスキャナを移動したときに
は、副走査方向15の移動時に得られる画像データBを
折り返した画像データB1として得られる。図16で
は、理解の便宜のために、画像データは文字「上」であ
るものとして表してある。
【0010】さらに上述のように領域Bを境界19から
逆方向16に移動した後、再び副走査方向15に領域
B,Cを移動することによって、図15の参照符18で
示される画像データB1,Bが得られしまい、正常な画
像データを得ることができない。したがってハンドスキ
ャナでは、副走査方向の逆方向の移動を防止する工夫が
必要となる。
【0011】他の先行技術では、検出ローラ4の副走査
方向の逆方向への移動による回転を阻止する複雑な構成
を有する一方向クラッチが備えられる。このような従来
からの一方向クラッチは、複雑な構成を有し、大形化
し、したがってハンドスキャナには不適当である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、副走
査方向の移動速度が高くなりすぎて画像データの欠落が
生じることのないようにしたハンドスキャナを提供する
ことである。本発明の他の目的は、副走査方向の逆方向
の移動を、小形化した簡単な構成で阻止することができ
るようにしたハンドスキャナを提供することである。さ
らに本発明の目的は、小形化された簡単な構成を有する
一方向クラッチを提供し、さらにその一方向クラッチを
用いた自動給紙装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、原稿上を副走
査方向に手動で移動中に、原稿上の画像を読取る読取り
センサと、原稿側の面に接触し、副走査方向の移動とと
もに回転する検出ローラと、検出ローラに連動して回転
される第1はすば歯車と、第1はすば歯車に噛合う第2
はすば歯車とを含み、第1または第2はすば歯車の一方
は、回転軸線に沿う変位が阻止され、他方は、回転軸線
に沿って変位可能に設けられ、さらに、読取りセンサを
副走査方向に移動したとき、前記他方のはすば歯車の前
記回転軸線方向に沿って移動する側の端部に摩擦制動力
を発生する摩擦部材を含むことを特徴とするハンドスキ
ャナである。本発明に従えば、読取りセンサを手動で操
作者が副走査方向に、すなわち順方向に移動して原稿上
の画像を読取り、この原稿の表面またはその近傍の原稿
側の面に検出ローラが接触し、読取りセンサが副走査方
向に移動するとともに回転し、この検出ローラの回転動
力は第1はすば歯車に伝達され、さらにその第1はすば
歯車に噛み合う第2はすば歯車に伝達される。読取りセ
ンサを副走査方向に移動することによって、第1または
第2はすば歯車の前記他方のはすば歯車がこれらの第1
および第2はすば歯車の歯に作用する軸線方向の推力に
よって軸線方向に沿って移動し、摩擦部材は、この副走
査方向の移動時に前記他方のはすば歯車の軸線方向移動
側の端部に接触して摩擦制動力を発生する。したがって
読取りセンサの読取り動作が間に合わない程度に高速度
で副走査方向に移動されたときには、前記他方のはすば
歯車に作用する推力は大きく、これに応じて摩擦部材に
よって前記他方のはすば歯車に作用する摩擦制動力が大
きくなる。したがって検出ローラに作用する順方向に回
転するときの制動力が増大する。したがって読取りセン
サが副走査方向に、読取り動作が間に合わない程度に高
速度で移動されることを抑制することができる。したが
って読取りセンサによる原稿の画像データを正確に得る
ことができるようになる。
【0014】また本発明は、原稿上を副走査方向に手動
で移動中に、原稿上の画像を読取る読取りセンサと、原
稿側の面に接触し、副走査方向の移動とともに回転する
検出ローラと、検出ローラに連動して回転される第1は
すば歯車と、第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車と
を含み、第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線
に沿う変位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位
可能に設けられ、さらに、読取りセンサを副走査方向の
逆方向に移動したとき、前記他方のはすば歯車の前記回
転軸線方向に沿って移動する側の端部に摩擦制動力を発
生する摩擦部材を含むことを特徴とするハンドスキャナ
である。本発明に従えば、読取りセンサが副走査方向の
逆方向に移動すると、摩擦部材によって前記他方のはす
ば歯車に摩擦制動力が発生する。これによって検出ロー
ラの逆方向の回転が防止される。そのため操作者による
読取りセンサの副走査方向とは逆方向の移動が阻止され
る。これによって原稿を読取りセンサが副走査方向の逆
方向に移動して誤った画像データが得られることを防
ぐ。
【0015】また本発明は、原稿上を副走査方向に手動
で移動中に、原稿上の画像を読取る読取りセンサと、原
稿側の面に接触し、副走査方向の移動とともに回転する
検出ローラと、検出ローラに連動して回転される第1は
すば歯車と、第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車と
を含み、第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線
に沿う変位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位
可能に設けられ、さらに、読取りセンサを副走査方向に
移動したとき、前記他方のはすば歯車の前記回転軸線方
向に沿って一方向に移動する側の端部に摩擦制動力を発
生する第1の摩擦部材と、読取りセンサを副走査方向の
逆方向に移動したとき、前記他方のはすば歯車の前記回
転軸線方向に沿って他方向に移動する側の端部に摩擦制
動力を発生する第2の摩擦部材とを含むことを特徴とす
るハンドスキャナである。本発明に従えば、第1摩擦部
材の働きによって前述の請求項1の本発明と同様に、読
取りセンサの読取り動作が間に合わない程度に高速度で
副走査方向に手動で移動することが抑制される。しかも
第2摩擦部材によって、前述の請求項2の本発明と同様
に、読取りセンサが副走査方向の逆方向に移動されるこ
とを防止することができる。このようにして原稿の画像
データを正確に得ることができる。
【0016】また本発明は、第2摩擦部材は、その第2
摩擦部材による前記他方のはすば歯車に作用する制動ト
ルクが、第1摩擦部材による前記他方のはすば歯車に作
用する制動トルクよりも大きくなるように構成されるこ
とを特徴とする。本発明に従えば、第2摩擦部材による
制動トルクは、第1摩擦部材による制動トルクよりも大
きくなるように構成される。したがって読取りセンサが
副走査方向の逆方向に移動されることを確実に防ぐこと
が、第2摩擦部材の働きによって、可能になる。しかも
読取りセンサを副走査方向に移動する速度が高くなるに
つれて第1摩擦部材による制動トルクを増大することが
できる。これによって操作者が副走査方向に移動する速
度を向上するにつれて、検出ローラに大きな制動力が作
用し、その副走査方向の速度の上昇を抑制する。こうし
て操作性が優れたハンドスキャナが実現される。
【0017】また本発明は、第2摩擦部材は、第1摩擦
部材よりも摩擦係数が大きく、しかも摩擦接触面積を大
きく構成されることを特徴とする。本発明に従えば、第
2摩擦部材は第1摩擦部材よりも摩擦係数μが大きい材
料から成る。たとえば第1摩擦部材は発泡ウレタンゴム
およびフェルトなどから成り、第2摩擦部材はシリコン
ゴムから成る。さらに第2摩擦部材は第1摩擦部材より
も摩擦接触面積を大きく選ぶ。こうして第2摩擦部材に
よる前記他方のはすば歯車に作用する制動トルクをでき
るだけ大きくし、読取りセンサが副走査方向の逆方向に
移動されることを確実に防ぐ。
【0018】また本発明は、第1および第2はすば歯車
の歯すじのねじれ角β0は、第1および第2はすば歯車
の歯の少なくとも表面の材料が有する摩擦角θにほぼ等
しいことを特徴とする。本発明に従えば、第1および第
2はすば歯車の歯の少なくとも表面は、鉄などの金属ま
たは合成樹脂製であり、第1および第2はすば歯車の全
体がそのような材料から成ってもよい。その材料が有す
る摩擦角をθとするとき、摩擦係数μは、μ=tanθ
で表される。第1および第2はすば歯車の歯すじのねじ
れ角β0を摩擦角θにほぼ等しく選ぶ。したがって第1
および第2はすば歯車の相互に接触する歯面に生じる摩
擦抵抗による前記推力の損失をほぼ零にすることができ
る。これによって第1または第2はすば歯車のうち、前
記他方のはすば歯車が軸線方向に沿って移動して摩擦部
材に接触して生じる摩擦制動力を、その摩擦接触面積を
できるだけ小さくして、大きく得ることができるように
なる。これによって構成の小形化を図ることができる。
【0019】また本発明は、検出ローラに連動し、検出
ローラの予め定める回転角度毎に検出パルスを出力する
エンコーダと、エンコーダからの検出パルスに応答し、
各検出パルスの発生時に読取りセンサからの主走査方向
にビット直列の画像データをストアするメモリとを含む
ことを特徴とする。本発明に従えば、エンコーダは、検
出ローラが予め定める回転角度だけ回転する毎に、検出
パルスを出力し、メモリには、各検出パルスの発生時
に、読取りセンサから導出される主走査方向のビット直
列の画像データがストアされて読取り動作が行われる。
読取りセンサは、たとえば副走査方向に垂直な主走査方
向に沿って間隔をあけて多数の光検出素子が配列されて
構成される、いわゆる密着式ラインイメージセンサなど
であってもよく、光検出素子はたとえばCCD(電荷結
合素子)によって実現されてもよい。
【0020】また本発明は、読取りセンサを副走査方向
に移動したとき摩擦制動力を発生する前記摩擦部材は、
前記検出パルスの相互の時間間隔が、読取りセンサから
の画像データをメモリにストアするに要する時間以下に
なったとき、摩擦制動力を発生することを特徴とする。
読取りセンサを副走査方向に、すなわち順方向に移動し
たときの副走査速度が、検出パルス毎の読取り動作が間
に合わない程度に、高くなると、画像データの欠落を生
じる。本発明に従えば、このことを解決するために読取
りセンサからの画像データをメモリにストアする読取り
動作の時間以下に、前記検出パルスの相互の時間間隔
が、短くなったときには、摩擦制動力を発生して、その
ような高速度の副走査方向の移動を抑制する。この摩擦
部材は、前述の請求項3では、第1の摩擦部材に対応す
る。
【0021】また本発明は、回転される第1はすば歯車
と、第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを含み、
第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿う変
位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能に設
けられ、さらに、前記他方のはすば歯車の回転軸線方向
に沿って移動する側の端部に摩擦制動力を発生する摩擦
部材を含むことを特徴とする一方向クラッチである。本
発明に従えば、構成が簡単であり、小形化が可能な、し
たがって安価な一方向クラッチが実現される。
【0022】また本発明は、(a)積層された用紙を1
枚ずつ分離して用紙搬送路へ給紙する給紙ローラと、
(b)上記用紙搬送路の途上に設けられ、給紙ローラか
ら給紙された用紙をさらに下流へ搬送する搬送ローラ
と、(c)搬送ローラを用紙搬送方向に回転駆動する回
転駆動手段と、(d)給紙ローラの周速度が搬送ローラ
の周速度未満になるように、回転駆動手段の回転を伝達
する回転伝達手段と、(e)回転駆動手段と、給紙ロー
ラとの間に介在される一方向クラッチであって、回転駆
動手段からの回転動力によって回転される第1はすば歯
車と、第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを有
し、第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿
う変位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能
に設けられ、さらに、用紙の搬送速度が給紙ローラの周
速度以下であるとき、前記他方のはすば歯車の前記回転
軸線方向に沿って移動する側の端部に、前記他方のはす
ば歯車が予め定める距離だけ前記回転軸線方向に移動し
て摩擦接触して前記他方のはすば歯車から給紙ローラに
回転動力を伝達する摩擦部材を有する一方向クラッチと
を含むことを特徴とする自動給紙装置である。本発明に
従えば、用紙を用紙搬送路へ給紙するにあたり、回転駆
動手段からの回転動力は回転伝達手段を経て給紙ローラ
に伝達され、積層された最上部または最下部の1枚の用
紙が給紙される。この用紙の先端部が、給紙ローラより
も高い周速度を有する搬送ローラに到達すると、一方向
クラッチの働きによって、その高い周速度を有する搬送
ローラによって搬送されることが可能になる。自動給紙
装置における一方向クラッチでは、用紙の先端部が搬送
ローラに到達するまで、第1または第2はすば歯車の軸
線に沿って変位可能な前記他方のはすば歯車が、その軸
線方向に沿う推力によって変位し、摩擦部材によって前
記他方のはすば歯車、したがって給紙ローラに回転駆動
手段から回転伝達手段を介する回転動力が伝達される。
用紙の搬送速度は給紙ローラの低い周速度に等しく、す
なわち用紙の搬送速度は給紙ローラの周速度以下であ
る。こうして給紙ローラが回転駆動され、用紙が用紙搬
送路へ給紙される。用紙の先端部が搬送ローラに到達す
ると、前述のように給紙ローラの周速度よりも高い周速
度を有する搬送ローラは、用紙を搬送方向に引張って搬
送する。したがって前記他方のはすば歯車の摩擦部材に
よる前記軸線方向の押し付け力が減少し、または零とな
り、給紙ローラへの回転動力の伝達が遮断される。給紙
ローラは、搬送ローラによって搬送される用紙と同一の
高い周速度で空転する。用紙の後端部が給紙ローラを通
過すると、給紙ローラが用紙の搬送に従って空転しなく
なり、再び前記他方のはすば歯車からの回転動力が摩擦
部材を介して給紙ローラに伝達され、給紙ローラは低い
周速度で回転駆動される。用紙の後端部が給紙ローラを
通過した後の時刻から、前記他方のはすば歯車から摩擦
部材を介して給紙ローラに回転動力が伝達する時刻まで
の時間中、前記他方のはすば歯車はその軸線方向に前記
予め定める距離だけ移動し、この時間中、給紙ローラは
回転を停止したままになる。したがって先に給紙された
用紙の後端部と、次に給紙されるべき用紙の先端部との
間に、適切な搬送間隔が設定されることになる。これに
よって用紙を1枚ずつ分離して確実に搬送されることが
可能になる。自動給紙装置は、たとえばファクシミリ装
置、複写機、プリンタ、および光学的原稿読取り装置な
どの情報処理装置に関連して実施される。用紙は、たと
えば読取られるべき原稿であってもよく、または印字さ
れる記録紙などであってもよく、その他のシート状体で
あってもよい。本発明の一方向クラッチは、ハンドスキ
ャナ、自動給紙装置およびその他の用途に関連して広範
囲に実施することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の一
部の断面図であり、図2はその図1に示された構成の側
面図であり、図3は図1および図2に示される構成の正
面図である。このハンドスキャナ21は、原稿22上の
画像を読取る読取りセンサ23と、この原稿22の上表
面に接触し、またはその原稿22が載置されたテーブル
などの表面に接触して回転する検出ローラ24とを含
む。検出ローラ24の回転軸25は、支持板26に回転
自在に設けられる。この回転軸25には、平歯車86が
固定される。平歯車86は、平歯車27に噛み合う。こ
の平歯車27には第1はすば歯車28が一体的に形成さ
れる。平歯車27および第1はすば歯車28は、支持板
26に立設して固定された軸29に回転自在に設けられ
る。軸29の遊端部にはEリング30が取付けられ、こ
れによって平歯車27およびはすば歯車28は、それら
の回転軸線に沿う変位が阻止される。
【0024】第1はすば歯車28には、第2はすば歯車
31が噛み合う。この第2はすば歯車31は、支持板2
6に立設された軸32に回転自在に設けられる。第2は
すば歯車31は、その回転軸線に沿って図1および図2
の左右方向、図3の軸線に垂直な方向に変位可能に設け
られる。軸32の遊端部には、その軸線に垂直に制動支
持板33が固定される。こうして制動支持板33は軸3
2を介して支持板26に固定されることになる。
【0025】検出ローラ24の予め定める回転角度毎に
検出パルスを出力するために、エンコーダ34が設けら
れる。このエンコーダ34は、第2はすば歯車31の端
部に固定された円板状コード板35と、このコード板3
5の回転角度を検出する検出器36とを含む。検出器3
6は、支持板26に固定される。コード板35は周方向
に等間隔に透光部を有し、検出器36の発光素子37か
らの光が、この透光部を透過し、受光素子38で受光さ
れて検出される。透光部は、図3において参照符39で
示される。
【0026】この透光部39は、透光性合成樹脂材料か
ら成るコード板本体の表面に、遮光性材料から成る遮光
層が形成され、この遮光層は、透光部39に対応した領
域には形成されない。本発明の実施の他の形態では、コ
ード板35は、遮光性材料、たとえば合成樹脂または金
属などの材料から成るコード板本体に、透孔が形成され
て透光部39が形成されてもよい。透光部を遮断部と
し、残余の領域を遮光性としてもよい。
【0027】第2はすば歯車31の図1および図2にお
ける左方の端部41に臨んで、支持板26には、第1摩
擦部材42が固定される。この端部41の図1および図
2の左方の端面は、軸32の軸線、したがって第2はす
ば歯車31の回転軸線に垂直である。摩擦部材42は、
フェルトまたは発泡ウレタンゴムなどの材料から成り、
円板状に形成され、支持板26に固定される。第1摩擦
部材42の外径は、第2はすば歯車31の歯底円の直径
未満である。
【0028】第2はすば歯車41の軸線方向の他端部4
3には、コード板35が固定される。このコード板35
の外径は、第2はすば歯車31の歯先円の半径よりも大
きい。コード板35の第2はすば歯車31と反対側の表
面(図1および図2の右方の端面)には、円板状の摩擦
板44が固定される。摩擦板44に対向する第2摩擦部
材45は、制動支持板33に固定される。第2摩擦部材
45は、たとえばシリコンゴムなどから成り、円板状で
ある。
【0029】第2摩擦部材45は、第1摩擦部材42よ
りも摩擦係数が大きく、しかも第1摩擦部材42が第2
はすば歯車41の端部41の端面に接触する摩擦接触面
積に比べて、摩擦板44が第2摩擦部材45に接触する
摩擦接触面積の方が大きく構成される。したがって第2
摩擦部材45による摩擦板44との第2はすば歯車31
に作用する制動トルクは、第1摩擦部材41による第2
はすば歯車31に作用する制動トルクよりも大きい。
【0030】図4は、ハンドスキャナ21の一部を切欠
いて示す斜視図である。ハウジング47は、読取りセン
サ23および検出ローラ24、さらにはエンコーダ34
などを囲む。操作者は、このハウジング47を手でつか
んで手動で副走査方向Aに移動し、原稿22上の画像を
読取りセンサ23によって読取らせる。読取りセンサ2
3は、この副走査方向Aに垂直(すなわち図1および図
2の左右方向、図3の紙面に垂直方向)に間隔をあけて
配列された多数の光検出素子を有し、いわゆる密着式ラ
インイメージセンサを構成する。読取りセンサ23は、
主走査方向に画像を読取るためのその他の構成を有して
いてもよい。
【0031】図5は、図1〜図4に示されるハンドスキ
ャナ47を備えるファクシミリ装置の構成を示すブロッ
ク図である。エンコーダ34の検出器36における受光
素子38からの出力と、読取りセンサ23からの画像デ
ータとは、図5に示されるマイクロコンピュータなどに
よって実現される処理回路48に与えられる。この読取
りセンサ23によって読取られた原稿22上の画像デー
タは、メモリ49にストアされる。メモリ49にストア
された画像データは、ファクシミリ通信手段50を経て
電話回線51から送信される。読取りセンサ23および
エンコーダ36は、可撓性ライン52を介して、固定位
置に設置されたファクシミリ装置本体53に接続され
る。
【0032】図6は、読取りセンサ23とエンコーダ3
4の動作を説明するための波形図である。エンコーダ3
4の検出器36に備えられている受光素子38からは、
コード板35の透光部39の検出によって、検出ローラ
24が副走査方向Aに沿って予め定める距離、たとえば
1/7.7mm移動するたび毎に、図6(1)に示され
る検出パルス54が導出される。この検出パルスの相互
の時間間隔W1は、操作者が操作するハンドセット21
の副走査方向Aの移動速度に対応し、その移動速度が高
いほど、時間間隔W1は短くなる。
【0033】処理回路48は検出パルス54の発生時
に、読取りセンサ23からの主走査方向にビット直列の
1ライン分の画像データを、予め定める一定の時間W0
においてメモリ49に、ストアする。読取りセンサ23
から導出される1ライン分の画像データは、図6(2)
に示されているとおりであり、白に対応したレベルは参
照符55で示され、黒に対応したレベルは参照符56で
示される。この読取り動作に必要な時間W0は、上述の
ように常に一定である。
【0034】したがって検出パルス54の相互の時間間
隔W1が、読取りセンサ23からの画像データをメモリ
49にストアするに要する読取り動作の時間W0以下
(W1≦W0)になったとき、その副走査方向Aの移動
速度が高すぎて、読取り動作が間に合わず、メモリ49
にストアされる画像データが欠落する。この問題を解決
するために本発明では、第1摩擦部材42が設けられ
る。時間間隔W1が読取り動作時間W0に近づくにつれ
て、第2はすば歯車31、したがってそれに連動する検
出ローラ24に大きな摩擦制動力が与えられる。これに
よって操作者の副走査方向Aの移動速度を低下させ、常
に、W1>W0に保つことを可能にする。
【0035】図7は、ハンドスキャナ21を操作者が手
でつかんで副走査方向Aに速度V1以上の高い速度で移
動したときにおける状態を示す断面図である。このとき
検出ローラ24は、図3の矢符Bの方向に回転する。第
1はすば歯車28に噛み合う第2はすば歯車31に作用
する回転軸線に沿う図7の左方への推力によって、第2
はすば歯車31の端部41の端面は、第1摩擦部材42
に当接して摩擦接触する。この第2はすば歯車31の第
1摩擦部材42への押し付け力、すなわち推力の大きさ
は、副走査方向Aの移動速度に対応し、その移動速度が
大きいほど、推力が大きい。
【0036】したがって副走査方向Aの移動速度が、前
記予め定める移動速度V1以上になると、第2はすば歯
車31の端部41の端面が第1摩擦部材42に接触し、
その移動速度の増大に応じて、摩擦制動力が増大し、し
たがって第2はすば歯車31およびこの第2はすば歯車
31に連動する検出ローラ24に作用する制動トルクが
増大する。
【0037】図6(1)に示される検出パルス54の相
互の時間間隔W1が、副走査方向Aの移動速度の増大に
従って短くなり、W1>W0であってかつその時間間隔
W1が読取り動作時間W0に近似した値となって副走査
方向Aの移動速度が予め定める値V0となったときに
は、第2はすば歯車31が第1摩擦部材42に作用する
推力は充分に大きく、前記予め定める速度V0以上で
は、第2はすば歯車31、およびそれに連動する検出ロ
ーラ24は停止する。こうして時間間隔W1が読取り動
作時間W0以下になることが防がれる。そのため原稿2
2の画像データを正確にメモリ49にストアすることが
できる。
【0038】図8は、ハンドスキャナ21を副走査方向
Aの逆方向Eに移動したときの状態を示す断面図であ
る。このとき検出ローラ24は、図3の矢符Fの方向に
回転する。ハンドスキャナ21を前記逆方向Eに移動す
ることによって、検出ローラ24は図3の時計方向Fに
回転するトルクが作用する。このトルクは第2はすば歯
車31に伝達される。したがって第2はすば歯車31は
図8の右方Hの推力が働く。これによって摩擦板44は
第2摩擦部材45に当接して摩擦接触し、大きな制動ト
ルクが第2はすば歯車31、したがって検出ローラ24
に作用する。したがって検出ローラ24の回転が阻止さ
れる。こうしてハンドスキャナ21が副走査方向Aの逆
方向Eに移動することが防がれる。したがってメモリ4
9には、前記逆方向Eに移動したときの画像データがス
トアされることはなく、原稿22の正確な画像データを
確実にメモリ49にストアさせることができるようにな
る。
【0039】図1〜図8に示される本発明の前述の実施
の形態において、ハンドスキャナ21の移動方向Aまた
はEと検出ローラ24に作用する制動力との関係は、図
9に示されるとおりである。ハンドスキャナ21が副走
査方向Aに移動され、その移動速度が前記予め定める前
記速度V1未満であるときには、第2はすば歯車31は
第1摩擦部材42に当接せず、摩擦制動力が与えられ
ず、これに応じてその移動速度に対応して検出ローラ2
4の回転速度、したがって周速度が変化する。
【0040】ハンドスキャナ21の副搬送方向Aの移動
速度が前記予め定める速度V1以上では、第2はすば歯
車31の第1摩擦部材42への推力が、その移動速度の
増大に応じて、増大する。制動トルクが増大することに
よって、操作者がハンドスキャナ21を移動する速度の
増大に応じて、第2はすば歯車31、したがって検出ロ
ーラ24に作用する摩擦制動力が徐々に増大する。
【0041】その移動速度が前記予め定める速度V0以
上になると、摩擦制動力は充分に大きくなり、検出ロー
ラ24の回転が阻止される。
【0042】操作者がハンドスキャナ21を副走査方向
Aの逆方向Eに移動しようとしたときには、第2摩擦部
材45による摩擦制動力が充分に大きくなる。したがっ
て検出ローラ24が回転しない。これによってハンドス
キャナ21が前記逆方向Eに移動することが阻止され
る。
【0043】第1および第2はすば歯車28,31は、
鉄または合成樹脂などの材料から成る。これらのはすば
歯車28,31の歯すじのねじれ角β0は、そのはすば
歯車28,31の少なくとも歯面が有する摩擦角δにほ
ぼ等しく選ばれる。これによって第1および第2はすば
歯車28,31の歯面に生じる摩擦抵抗による推力の損
失をほぼなくすことができる。したがって第1および第
2摩擦部材42,45を軸線方向に移動して摩擦接触す
るのに必要な推力を、できるだけ小さい摩擦接触面積で
効率的に得ることができる。したがって構成の小形化を
図ることができる。
【0044】上述の実施の形態では、第2はすば歯車3
1がその回転軸方向に変位し、第1はすば歯車28は軸
線方向に変位しないように構成されたけれども、本発明
の実施の他の形態では、第1はすば歯車28が回転軸線
方向に変位して第1および第2摩擦部材42,45に摩
擦接触するように構成し、第2はすば歯車31は回転軸
線方向に変位しないように構成されてもよい。
【0045】図10は本発明の実施の他の形態における
自動給紙装置の簡略化した側面図であり、図11は図1
0に示される移動給紙装置の一部の構成を示す斜視図で
ある。ファクシミリ装置、複写機、プリンタ、光学的情
報読取り装置などの情報処理装置において、画像などの
情報が記載された原稿58を、読取り装置59に自動的
に給紙して搬送する。原稿58は、矢符60に沿って給
紙ローラ61に給紙される。給紙ローラ61とその給紙
ローラ61に当接された分離ゴム板62とは、積層され
た原稿58を1枚ずつ分離して送出する。原稿搬送路6
3には、原稿58の上流側から、第1搬送ローラ64、
密着イメージセンサである読取りセンサ59および第2
搬送ローラ65がこの順序で配置される。第1搬送ロー
ラ64には第1ピンチローラ66が、読取りセンサ59
には密着ローラ67が、および第2搬送ローラ65には
第2ピンチローラ68が、それぞれ圧接される。読取り
センサ59は、搬送される原稿58の画像を光学的に読
取る。
【0046】給紙ローラ61が固定される軸69には、
本発明に従う一方向クラッチ70が設けられる。回転軸
69は、自動給紙装置の側板71を挿通し、軸受72に
よって回転自在に支持される。この回転軸69は、軸受
72によって、その軸線方向の変位が阻止される。モー
タなどを含む回転駆動手段からの回転動力は、第1はす
ば歯車74に伝達される。この第1はすば歯車74に
は、第2はすば歯車75が噛み合う。第2はすば歯車7
5は、側板71よりも外方(図12の左方)で回転軸6
9によって挿通され、これによって第2はすば歯車75
の回転軸69との軸線方向の相互の変位が許容される。
回転軸69には、円板状の支持板78が固定され、この
支持板78の第2はすば歯車75側の端面には、摩擦部
材76が固定される。この摩擦部材76は、前述の第2
摩擦部材45と同様な材料から成ってもよい。回転伝達
手段は、回転駆動手段の回転動力を第1はすば歯車74
に伝達するとともに、第1および第2ピンチローラ6
6,68および密着ローラ67に伝達する。この回転伝
達手段によって給紙ローラ61の周速度は、第1および
第2ピンチローラ66,68および密着ローラ67の周
速度未満に選ばれる。
【0047】用紙である原稿58が矢符60の方向に給
紙され、給紙ローラ61によって第1搬送ローラ64お
よび第1ピンチローラ66に向けて搬送される。第1は
すば歯車74が回転駆動されることによって第2はすば
歯車75が回転駆動される。この第2はすば歯車75に
作用する推力によって第2はすば歯車75は、回転軸6
9の軸線方向に図12の左方に変位し、摩擦部材76に
押し付けられる。こうして第2はすば歯車77の回転動
力は、摩擦部材76を介して、回転軸69に固定された
支持板78に伝達され、こうして回転軸69および給紙
ローラ61が回転駆動されて上述のように給紙される。
【0048】原稿58の先端部が第1搬送ローラ64お
よび第1ピンチローラ65に到達して挟持されて、さら
に高速度で搬送されると、これらのローラ64,66に
よって搬送される原稿58が引張られる。そのため給紙
ローラ61は、ローラ64,66の周速度とほぼ同一の
周速度で回転され、給紙ローラ61および回転軸69、
したがって支持板78の回転速度が上昇する。したがっ
て摩擦部材76から第2はすば歯車75が図12の右方
に変位して離間し、第2はすば歯車75から、回転軸6
9および給紙ローラ61への回転動力の伝達が遮断され
る。
【0049】ローラ64,66で挟持されて搬送される
原稿58の後端部が給紙ローラ61を通過した後には、
その給紙ローラ61、回転軸69および支持板78が停
止したままとなる。その後、第2はすば歯車75がその
回転中の推力によって図12の左方に変位し、摩擦部材
76を介して支持板78、回転軸69および給紙ローラ
61に、回転動力が伝達される。これによって後続の次
の原稿58の先端部が給紙される。
【0050】支持板78が停止している状態で、第2は
すば歯車75が図12の左方に推力によって変位して摩
擦部材76を介して支持板78が再び回転駆動されるま
での時間中、先に搬送された原稿58は搬送され続けた
ままであるので、その先の原稿の後端部と、後の原稿5
8の先端部との間に適切な搬送間隔が存在することにな
る。これによって先の原稿と後の原稿とが1枚ずつ分離
して送出されることになり、原稿の読取りが確実にな
る。
【0051】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、操作者が本
件ハンドスキャナを副走査方向に、すなわち順方向に移
動するとき、その移動速度が高くなると、前記他方のは
すば歯車には摩擦部材によって摩擦制動力が発生し、こ
れによって検出ローラの回転に必要な駆動トルクが大き
くなる。したがって操作者に移動方向に適度な負荷が与
えられることになる。したがって読取りセンサによる読
取り動作が間に合わなくなる程度に操作者が副走査方向
に高速度で移動することが抑制される。これによって原
稿上の画像が、画像データの欠落なしに、正確に確実に
読取られることが可能になる。
【0052】また本発明によれば、複雑な構成を有する
部品を用いることなく、きわめて簡単な構成でハンドス
キャナを実現することができ、しかもこの構成は小形で
安価である。
【0053】請求項2の本発明によれば、操作者が副搬
送方向の逆方向に移動しようとしたときには、前記他方
のはすば歯車には摩擦部材によって摩擦制動力が発生さ
れて検出ローラの回転が阻止される。これによってハン
ドスキャナが副走査方向の逆方向に移動することが阻止
される。したがって読取りセンサによって読取られる原
稿上の画像を、正確に読取ることが可能になり、誤って
読取られることがなくなる。またきわめて簡単な構成
で、小形で安価なハンドスキャナが実現される。
【0054】請求項3の本発明によれば、操作者による
副走査方向の走査速度が高くなりすぎることを防ぎ、読
取りセンサによる読取り動作を確実に行わせることがで
き、また副走査方向の逆方向への移動が阻止される。し
たがって原稿上の画像を正確にかつ確実に読取ることが
可能になり、操作性が良好なハンドスキャナが実現され
る。
【0055】請求項4の本発明によれば、第2摩擦部材
による制動トルクが第1摩擦部材による制動トルクより
も大きく、したがって操作者による副走査方向の逆方向
への移動を確実に阻止することができるとともに、副走
査方向の移動時には、操作者による移動速度が高くなる
につれてたとえばその制動トルクが大きくなるようにし
て、操作者に読取り動作に適した速度で副走査方向に移
動することが容易となる。したがって原稿の読取りのた
めに操作者が原稿上をハンドスキャナによって移動中
に、急激に検出ローラが停止してしまい、原稿に過大な
引張り力を作用したり、原稿が損傷したりするおそれを
なくし、操作者は常に副走査方向に適切な速度で移動さ
せることが可能になる。
【0056】請求項5の本発明によれば、第2摩擦部材
の摩擦係数を大きくし、しかもその摩擦接触面積を大き
くすることによって、操作者がハンドスキャナを副走査
方向の逆方向に移動しようとしたときに大きな制動力を
検出ローラに発生し、前記逆方向への移動を確実に阻止
することができる。
【0057】請求項6の本発明によれば、相互に噛み合
うはすば歯車の歯面に生じる摩擦抵抗をほぼなくすこと
ができる。したがって必要な摩擦制動力を、できるだけ
小さい径および摩擦接触面積で実現することができ、構
成を小形化することができる。このことは手動で操作さ
れるハンドスキャナにおいて特に有利である。
【0058】請求項7の本発明によれば、エンコーダに
よって検出ローラが予め定める回転角度毎に検出パルス
が発生され、この検出パルスに同期し、その各検出パル
スの発生時に、読取りセンサからの主走査方向にビット
直列の画像データがメモリにストアされ、このような構
成において、読取り動作が間に合わない程度に操作者が
ハンドスキャナ、したがって読取りセンサを副走査方向
に高速度で移動することが抑制され、また逆方向に移動
することが阻止され、正確で確実な画像データを得るこ
とができるようになる。
【0059】請求項8の本発明によれば、原稿の読取り
のために操作者が副走査方向に移動する際に、検出パル
スの相互の時間間隔が、読取りセンサからの画像データ
をメモリにストアするに要する読取り動作の時間以下に
なったとき、摩擦制動力を発生し、これによって上述の
ように正確で確実な読取り動作を行わせることが可能に
なる。副走査方向の移動速度が上昇するにつれて摩擦制
動力が徐々に増大する構成もまた、本発明の概念に含ま
れる。
【0060】請求項9の本発明によれば、きわめて簡単
な構成で小形で安価な一方向クラッチが実現される。こ
の一方向クラッチは、ハンドスキャナ、自動給紙装置お
よびその他の広範囲の用途に実施される。
【0061】請求項10の本発明によれば、自動給紙装
置の構成を簡単に実現し小形化が可能であり、安価であ
り、さらに1枚ずつ給紙される原稿の相互間に適切な間
隔をあけて1枚ずつ確実に給紙することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のハンドスキャナ21の
一部を示す断面図である。
【図2】図1に示される構成の側面図である。
【図3】図1および図2に示される構成の正面図であ
る。
【図4】ハンドスキャナ21の一部を切欠いて示す斜視
図である。
【図5】図1〜図4に示されるハンドスキャナ21を備
えるファクシミリ装置の全体の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】図1〜図5に示されるハンドスキャナ21の動
作を説明するための波形図である。
【図7】操作者がハンドスキャナ21を副走査方向Aに
読取り動作が間に合わない程度に高速度で移動したとき
の状態を示す断面図である。
【図8】操作者が副走査方向Aの逆方向Eに移動しよう
としたときの動作を説明するための断面図である。
【図9】第1摩擦部材42および第2摩擦部材45によ
る摩擦制動力を説明するためのグラフである。
【図10】本発明の実施の他の形態の自動給紙装置の全
体の構成を簡略化して示す側面図である。
【図11】図10に示される自動給紙装置の一部の構成
を示す斜視図である。
【図12】図10および図11に示される一方向クラッ
チ70の構成を示す断面図である。
【図13】先行技術のハンドスキャナの一部の構成を示
す断面図である。
【図14】図13に示される先行技術によって原稿2の
領域A,B,Cを読取るときの動作を説明するための原
稿2の平面図である。
【図15】図13に示される先行技術のハンドスキャナ
を用いて原稿2を副走査方向15およびその逆方向16
に移動したときに読取られる画像データを説明するため
の図である。
【図16】図14における原稿2の領域Bに文字「上」
が記載されているとき、副走査方向15の逆方向16に
移動したときに得られる画像データB1が上下逆になっ
た文字として得られることを説明するための図である。
【符号の説明】
21 ハンドスキャナ 22,58 原稿 23,59 読取りセンサ 24 検出ローラ 28,74 第1はすば歯車 31,75 第2はすば歯車 34 エンコーダ 42 第1摩擦部材 44 摩擦板 45 第2摩擦部材 61 給紙ローラ 63 原稿搬送路 64 第1搬送ローラ 65 第2搬送ローラ 70 一方向クラッチ 76 摩擦部材 78 支持板 A 副走査方向 E 逆方向

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿上を副走査方向に手動で移動中に、
    原稿上の画像を読取る読取りセンサと、 原稿側の面に接触し、副走査方向の移動とともに回転す
    る検出ローラと、 検出ローラに連動して回転される第1はすば歯車と、 第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを含み、 第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿う変
    位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能に設
    けられ、さらに、 読取りセンサを副走査方向に移動したとき、前記他方の
    はすば歯車の前記回転軸線方向に沿って移動する側の端
    部に摩擦制動力を発生する摩擦部材を含むことを特徴と
    するハンドスキャナ。
  2. 【請求項2】 原稿上を副走査方向に手動で移動中に、
    原稿上の画像を読取る読取りセンサと、 原稿側の面に接触し、副走査方向の移動とともに回転す
    る検出ローラと、 検出ローラに連動して回転される第1はすば歯車と、 第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを含み、 第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿う変
    位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能に設
    けられ、さらに、 読取りセンサを副走査方向の逆方向に移動したとき、前
    記他方のはすば歯車の前記回転軸線方向に沿って移動す
    る側の端部に摩擦制動力を発生する摩擦部材を含むこと
    を特徴とするハンドスキャナ。
  3. 【請求項3】 原稿上を副走査方向に手動で移動中に、
    原稿上の画像を読取る読取りセンサと、 原稿側の面に接触し、副走査方向の移動とともに回転す
    る検出ローラと、 検出ローラに連動して回転される第1はすば歯車と、 第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを含み、 第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿う変
    位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能に設
    けられ、さらに、 読取りセンサを副走査方向に移動したとき、前記他方の
    はすば歯車の前記回転軸線方向に沿って一方向に移動す
    る側の端部に摩擦制動力を発生する第1の摩擦部材と、 読取りセンサを副走査方向の逆方向に移動したとき、前
    記他方のはすば歯車の前記回転軸線方向に沿って他方向
    に移動する側の端部に摩擦制動力を発生する第2の摩擦
    部材とを含むことを特徴とするハンドスキャナ。
  4. 【請求項4】 第2摩擦部材は、その第2摩擦部材によ
    る前記他方のはすば歯車に作用する制動トルクが、第1
    摩擦部材による前記他方のはすば歯車に作用する制動ト
    ルクよりも大きくなるように構成されることを特徴とす
    る請求項3記載のハンドスキャナ。
  5. 【請求項5】 第2摩擦部材は、第1摩擦部材よりも摩
    擦係数が大きく、しかも摩擦接触面積を大きく構成され
    ることを特徴とする請求項4記載のハンドスキャナ。
  6. 【請求項6】 第1および第2はすば歯車の歯すじのね
    じれ角β0は、第1および第2はすば歯車の歯の少なく
    とも表面の材料が有する摩擦角θにほぼ等しいことを特
    徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載のハンドスキ
    ャナ。
  7. 【請求項7】 検出ローラに連動し、検出ローラの予め
    定める回転角度毎に検出パルスを出力するエンコーダ
    と、 エンコーダからの検出パルスに応答し、各検出パルスの
    発生時に読取りセンサからの主走査方向にビット直列の
    画像データをストアするメモリとを含むことを特徴とす
    る請求項1〜6のうちの1つに記載のハンドスキャナ。
  8. 【請求項8】 読取りセンサを副走査方向に移動したと
    き摩擦制動力を発生する前記摩擦部材は、 前記検出パルスの相互の時間間隔が、読取りセンサから
    の画像データをメモリにストアするに要する時間以下に
    なったとき、 摩擦制動力を発生することを特徴とする請求項1〜7の
    うちの1つに記載のハンドスキャナ。
  9. 【請求項9】 回転される第1はすば歯車と、 第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを含み、 第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿う変
    位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能に設
    けられ、さらに、 前記他方のはすば歯車の回転軸線方向に沿って移動する
    側の端部に摩擦制動力を発生する摩擦部材を含むことを
    特徴とする一方向クラッチ。
  10. 【請求項10】 (a)積層された用紙を1枚ずつ分離
    して用紙搬送路へ給紙する給紙ローラと、 (b)上記用紙搬送路の途上に設けられ、給紙ローラか
    ら給紙された用紙をさらに下流へ搬送する搬送ローラ
    と、 (c)搬送ローラを用紙搬送方向に回転駆動する回転駆
    動手段と、 (d)給紙ローラの周速度が搬送ローラの周速度未満に
    なるように、回転駆動手段の回転を伝達する回転伝達手
    段と、 (e)回転駆動手段と、給紙ローラとの間に介在される
    一方向クラッチであって、 回転駆動手段からの回転動力によって回転される第1は
    すば歯車と、 第1はすば歯車に噛合う第2はすば歯車とを有し、 第1または第2はすば歯車の一方は、回転軸線に沿う変
    位が阻止され、他方は、回転軸線に沿って変位可能に設
    けられ、さらに、 用紙の搬送速度が給紙ローラの周速度以下であるとき、
    前記他方のはすば歯車の前記回転軸線方向に沿って移動
    する側の端部に、前記他方のはすば歯車が予め定める距
    離だけ前記回転軸線方向に移動して摩擦接触して前記他
    方のはすば歯車から給紙ローラに回転動力を伝達する摩
    擦部材を有する一方向クラッチとを含むことを特徴とす
    る自動給紙装置。
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