JP3197971B2 - 5−カルボアルコキシピリミジン誘導体の合成方法 - Google Patents

5−カルボアルコキシピリミジン誘導体の合成方法

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JP3197971B2
JP3197971B2 JP04024893A JP4024893A JP3197971B2 JP 3197971 B2 JP3197971 B2 JP 3197971B2 JP 04024893 A JP04024893 A JP 04024893A JP 4024893 A JP4024893 A JP 4024893A JP 3197971 B2 JP3197971 B2 JP 3197971B2
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aryl
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aralkyl
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晴夫 小池
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Shionogi and Co Ltd
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Shionogi and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシメチルグル
タリルCoA(HMG−CoA)還元酵素の阻害剤とし
て有用なピリミジン誘導体の原料として利用される5ーカ
ルボアルコキシピリミジン誘導体の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】HMG−CoA(3-ヒドロキシ-3-メチ
ル-グルタリル補酵素A)還元酵素はコレステロール生
合成の律速酵素である。このHMG−CoA還元酵素の
阻害剤として、種々のピリミジン誘導体が知られてい
る。例えば、ジャーナル オブ メディシナル ケミス
トリー 33巻、52頁〜60頁(1990)(Journal
ofMedicinal Chemistry 33,52-60(1990))、特開平1
−261377号公報、EP0,367,895などに
このようなタイプの誘導体が開示されている。このよう
なピリミジン誘導体、もしくは、それを合成するための
中間体は、各種医薬品の中間体としても有用である。
【0003】例えば、上記ジャーナル オブ メディシ
ナル ケミストリーには、上記ピリミジン誘導体の原料
として、下記式(X)で示される5ーカルボアルコキシピ
リミジン誘導体が記載されている。この5ーカルボアルコ
キシピリミジン誘導体(X)は、この文献においては、
下記スキームに示すように下記式(VI)で示されるジケ
トンに下記式(VII)で示されるアルデヒドおよび下記
式(VIII)で示されるアミジンの酸付加塩を反応させて
閉環し、得られた化合物(IX)を脱水素して合成されて
いる。
【0004】
【化9】
【0005】上記スキームにおいて、R9としては、例
えば、メチル、イソプロピルなどのアルキル、R10とし
ては、例えば、4-フルオロフェニル、4ークロロフェニル
などのアリール、R11としては例えば、メチル、イソプ
ロピルなどのアルキル;シクロヘキシルなどのシクロア
ルキル;あるいはフェニル、4-フルオロフェニルなどの
アリール、そしてR12としては、エチルなどのアルキル
が記載されている。
【0006】化合物(IX)の脱水素は、ここでは、脱水
素剤である2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノ
ン(DDQ)を用いて行われている。しかし、この脱水
素反応を工業的に行う良い方法がないために、上記5ーカ
ルボアルコキシピリミジン誘導体(X)を効率よく工業
的に生産することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決しようとするものであり、その目的とする
ところは、上記5ーカルボアルコキシピリミジン誘導体を
効率よく工業的に生産できる合成方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の合成方法は、下
記式(I)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独
立して水素、アルキル、アラルキル、アリールまたはヘ
テロアリール、および置換基を有するこれらの基でなる
群から選択される基を示す)で示される化合物に、式
(R4O)2POX1(式中、R4はアルキル、アラルキ
ル、アリールまたはヘテロアリール、および置換基を有
するこれらの基でなる群から選択される基を示し、X1
はハロゲンを示す)で示されるハロリン酸エステル(I
I)を塩基の存在下で反応させて下記式(III)で示され
るリン酸エステルを得る工程と、
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞ
れ式(I)または(II)における定義と同様である)該
リン酸エステル(III)に、下記式(IV)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、Aはアルキル、アラルキル、アリ
ール、SR5、OR6またはNR78を示し、R5、R6
7およびR8はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリ
ール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルスルホニ
ルまたはアリールスルホニル、および置換基を有するこ
れらの基でなる群から選択される基を示す)で示される
アミジンの酸付加塩を塩基の存在下で反応させてピリミ
ジン環を形成することにより、下記式(V)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、R1、R2、R3およびAはそれぞ
れ式(I)または(IV)における定義と同様である)で
示される5ーカルボアルコキシピリミジン誘導体を得る工
程と、を包含し、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0017】なお、式(I)の化合物は、下記式
【0018】
【化14】
【0019】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ式
(I)における定義と同様である)で示される様に、互
変異性体(I')が存在し、通常は式(I)の化合物およ
びその互変異性体(I')の混合物の状態で存在している
と解される。本明細書において、単に式(I)の化合物
という場合には、式(I)の化合物またはその互変異性
体(I')あるいはそれらの混合物を意味する。
【0020】上記各式におけるアルキルとしては、直鎖
状、分枝状または環状のアルキルが挙げられ、好ましく
は、C1〜C6のアルキルが挙げられる。例えば、メチ
ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イ
ソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、s-ペンチル、t-ペンチル、n-ヘキ
シル、イソヘキシル、ネオヘキシル、s-ヘキシル、t-ヘ
キシルが例示される。上記アルキルは、ハロゲン、アミ
ノおよびシアノからなる群から選択される1〜3個の置
換基を有していてもよい。
【0021】上記各式におけるアリールとしては、好ま
しくはC6〜C12のアリールが挙げられ、例えば、フェ
ニル、αナフチルまたはβナフチルが例示される。上記
アリールは、アルキル、ハロゲン、アミノおよびシアノ
からなる群から選択される1〜3個の置換基を有してい
てもよい。
【0022】上記各式におけるヘテロアリールとして
は、環内にN、SおよびまたはOなどが含有されるヘテ
ロアリールが挙げられ、例えば、ピリジニル、ピリミジ
ニル、フリル、チエニル、ピロリル、キノリル、イソキ
ノリルなどが例示される。上記ヘテロアリールは、アル
キル、ハロゲン、アミノおよびシアノからなる群から選
択される1〜3個の置換基を有していてもよい。
【0023】上記各式におけるアラルキルは、上記アル
キルが上記アリール基で置換された基であり、好ましく
は、C1〜C6のアルキルがC6〜C12のアリールで置換
された基が挙げられる。例えば、ベンジル、フェネチ
ル、フェニルプロピルが例示される。上記アリールは、
アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノからなる群から選
択される1〜3個の置換基を有していてもよい。
【0024】本発明の方法によれば、上記のように、ま
ず、式(I)で示される化合物に、塩基の存在下で式
(R4O)2POX1(式中、R4はアルキル、アラルキ
ル、アリール、ヘテロアリールおよび置換基を有するこ
れらの基でなる群から選択される基を示し、X1はハロ
ゲンを示す)で示されるハロリン酸エステル(II)を反
応させ、リン酸エステル(III)を得る。
【0025】
【化15】
【0026】(式(I)および(III)において、R1
2およびR3はそれぞれ独立して水素、アルキル、アラ
ルキル、アリールまたはヘテロアリール、および置換基
を有するこれらの基でなる群から選択される基を示し、
そしてR4はアルキル、アラルキル、アリールまたはヘ
テロアリール、および置換基を有するこれらの基でなる
群から選択される基を示す)。
【0027】上記ハロリン酸エステル(II)に含有され
るハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げら
れ、好ましくはクロロリン酸エステルが用いられる。
【0028】上記ハロリン酸エステル(II)と共にエス
テル化反応に用いられる上記塩基として、有機塩基また
は無機塩基を用いることができる。本発明においては、
トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、N,N−
ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン
や、DBUなどが好ましく使用でき、最も好ましくはト
リエチルアミンが用いられる。
【0029】上記リン酸エステル化反応に使用される溶
媒としては、アセトニトリル、ジクロルメタン、ジクロ
ルエタン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチルなどが挙げ
られ、好ましくはアセトニトリルが用いられる。
【0030】上記リン酸エステル化反応の反応温度は、
通常−30℃〜室温であり、反応時間は、通常1〜6時
間である。
【0031】次に、上記リン酸エステル(III)と、式
【0032】
【化16】
【0033】(式中、Aはアルキル、アラルキル、アリ
ール、SR5、OR6またはNR78を示し、R5、R6
7およびR8はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリ
ール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルスルホニ
ルまたはアリールスルホニル、および置換基を有するこ
れらの基でなる群から選択される基を示す)で示される
上記アミジン(IV)の酸付加塩とを反応させ、式
【0034】
【化17】
【0035】(式中、R1、R2、R3およびAはそれぞ
れ式(I)または(IV)における定義と同様である)で
示される5ーカルボアルコキシピリジミン誘導体(V)を
得る上記反応は、塩基の存在下、溶媒中で行われる。上
記アミジン(IV)は、酸の付加した塩の形で用いるのが
好ましく、酸としては、有機酸および無機酸のいずれで
あっても良い。本発明においては、無機酸を用いるのが
より好ましく、例えば、塩酸、硝酸、炭酸、硫酸などが
特に好ましい。アミジン(IV)の置換基Aの種類によっ
て反応条件、すなわち使用する塩基および溶媒の種類、
および反応温度と反応時間が適宜選択される。
【0036】上記アミジン(IV)における置換基Aがア
ルキル、アラルキル、アリール、SR5またはOR6(R
5およびR6はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリー
ル、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルスルホニル
またはアリールスルホニル、および置換基を有するこれ
らの基でなる群から選択される基を示す)である場合に
は、上記塩基としては無機弱塩基が用いられ、好ましく
はK2CO3、NaHCO3などが用いられる。上記溶媒
としては極性非プロトン溶媒が使用され、例えば、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、N,Nージメチルホルムア
ミド(DMF)などが用いられる。反応温度は通常50
〜120℃であり、反応時間は、通常3〜10時間であ
る。
【0037】置換基AがNR78(R7およびR8はそれ
ぞれ独立して水素、アルキル、アリール、ヘテロアリー
ル、アラルキルおよび置換基を有するこれらの基でなる
群から選択される基を示す)である場合には、上記塩基
としてはMOR9(Mはアルカリ金属またはアルカリ土
類金属を示し、R9はアルキルを示す)が用いられる。
上記溶媒としてはアルコールが好ましく使用され、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが
挙げられる。反応温度は、通常室温〜溶媒の還流温度
(沸点)であり、反応時間は、通常1〜3時間である。
【0038】このように、本発明の方法によれば、効率
的に5ーカルボアルコキシピリミジン誘導体(V)を得る
ことができ、これは、HMG−CoA還元酵素の阻害剤
として有用なピリミジン誘導体の原料として用いること
ができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するがこれ
らは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0040】(実施例1) (a)化合物(I)の合成
【0041】
【化18】
【0042】メチルイソブチリルアセテート(XI)4.
32g(30mmol)をトルエン8.64mlに溶解
した溶液に、10%水酸化ナトリウム水溶液7.72g
(18mmol)を氷冷下にて10分かけて滴下した。
その溶液に、さらに33%水酸化ナトリウム水溶液7.
27g(60mmol)とp-フルオロベンゾイルクロラ
イド5.13g(32.4mmol)とを同時に43分
かけて滴下し、混合液の温度を徐々に室温まで上げ、該
混合液を1時間攪拌した。その後、トルエン層と水層と
を分離した。水層に20%塩酸8.1gを加えて酸性と
し、この水層にさらにトルエンを加えて抽出を行った。
これらのトルエン層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、乾燥
した。減圧濃縮してトルエンを留去し、メチル(E)-3-
(p-フルオロフェニル)ー3ーヒドロキシー2ーイソブチリル
プロペノエート(Ia)(二重結合の位置異性体の混合
物)(以下、化合物(Ia)とする)6.83g(収率8
5.6%)を液体として得た。 得られた化合物(Ia)の
核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定結果を以下に示
す。
【0043】NMR(CDCl3):δ1.13(6
H,d,J=7Hz)、1.22(6H,d,J=7H
z)、2.45〜2.60(1H,m)、3.08〜
3.30(1H,m)、3.53(3H,s)、3.6
4(3H,s)、7.01〜8.0(8H,m)、1
3.02(1H,s)、17.41(1H,s)。
【0044】(b)リン酸エステル(III)の合成
【0045】
【化19】
【0046】(a)で得られた化合物(Ia)7.99g
(30mmol)をアセトニトリル80mlに溶かした
溶液に、トリエチルアミン2.34g(33mmmo
l)を氷冷下で加えて10分攪拌した。この溶液に、ク
ロロリン酸ジフェニル(IIa)8.87g(33mmo
l)加えて4時間攪拌した。この混合液に5%塩酸10
0mlと酢酸エチル100mlを加えて攪拌した後、酢
酸エチル層を分離した。得られた酢酸エチル溶液を飽和
塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、乾燥した。この酢酸エ
チル溶液を減圧濃縮して酢酸エチルを留去し、得られた
残渣を酢酸エチル−エタノールを用いて洗浄し、メチル
(E)-2-(p-フルオロベンゾイル)-3-ジフェノキシホ
スフィノイルオキシー3ーイソプロピルプロペノエート(I
IIa)(以下、リン酸エステル(IIIa)とする)9.6
0g(収率64.2%)を結晶として得た。
【0047】得られたリン酸エステル(IIIa)の核磁気
共鳴スペクトル(NMR)の測定結果を以下に示す。
【0048】NMR(CDCl3):δ1.30(6
H,d,J=7Hz)、3.65(3H,s)、3.8
5(1H,m)、6.90〜7.30(12H,m)、
7.80〜7.92(2H,m)。
【0049】(c)5ーカルボアルコキシピリミジン誘導
体(Va)の合成
【0050】
【化20】
【0051】(b)で得られたリン酸エステル(IIIa)
1.99g(4.00mmol)に、s-メチルイソチオ
ウレア硫酸塩(IVa)0.72g(2.6mmol)、
無水炭酸カリウム0.64g(4.6mmol)および
ジメチルスルホキシド10mlの混合物を加え、90℃
で7時間攪拌し、反応させた。この反応液に水を加え、
さらに酢酸エチルを加えて抽出した。酢酸エチル層を分
離し、該酢酸エチル層を水洗した後、減圧濃縮して粗生
成物1.46gを得た。この粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、展開溶媒:
n-ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)で精製し、メチ
ル 4ー(p-フルオロフェニル)ー6ーイソプロピルー2ーメチ
ルチオピリミジンー5ーカルボキシレート(Va)(以下、5
ーカルボアルコキシピリミジン誘導体(Va)という)
0.28g(収率21%)を結晶として得た。
【0052】得られた5ーカルボアルコキシピリミジン誘
導体(Va)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定結
果を以下に示す。
【0053】NMR(CDCl3):δ1.31(6
H,d,J=7Hz)、2.61(3H,s)、3.1
4(1H,hept,J=7Hz)、3.70(3H,
s),7.13(2H,m)、7.66(2H,m)。
【0054】(実施例2)
【0055】
【化21】
【0056】実施例1の(b)で得られたリン酸エステ
ル(IIIa)5.00g(10.0mmol)および1-メ
チルグアニジン塩酸塩(IVb)1.42g(13.0m
mol)を、窒素雰囲気下で無水メタノール25mlに
懸濁させた。この懸濁液にナトリウムメトキシド2.8
0g(52.0mmol)を投入した。その溶液を1時
間30分加熱還流した。メタノール溶液を酢酸エチル−
1%塩化ナトリウム水溶液に分配し、有機溶媒層を分離
した。この有機溶媒層を5%水酸化ナトリウム水溶液お
よび5%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、その後無水硫
酸マグネシウムを用いて乾燥させた。この有機溶媒層を
減圧濃縮した。得られた残留物にメタノール−水を加え
て押し出し晶析し、メチル 4ー(p-フルオロフェニル)
ー6ーイソプロピルー2ー(N-メチルアミノ)ピリミジンー5ー
カルボキシレート(Vb)(以下、5ーカルボアルコキシピ
リミジン誘導体(Vb)という)1.27g(収率41.
7%)を白色結晶として得た。
【0057】得られた5ーカルボアルコキシピリミジン誘
導体(Vb)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定結
果を以下に示す。
【0058】H−NMR(CDCl3):δ1.26
(6H,hept,J=6.8Hz)、3.05(3
H,d,J=4.7Hz)、3.16(1H,hep
t,J=6.8Hz)、3.61(3H,s)、5.3
0(1H,b)、7.06〜7.61(4H,m)。
【0059】(実施例3)
【0060】
【化22】
【0061】実施例1の(b)で得られたリン酸エステ
ル(IIIa)100mg(0.2mmol)を無水メタノ
ール1.5mlに溶解し、この溶液にグアニジン塩酸塩
(IVc)40mg(0.4mmol)およびナトリウム
メトキシド43mg(0.8mmol)を加えた。この
溶液を室温で3時間攪拌し、さらに2時間加熱還流して
反応させた。この反応液から溶媒を留去し、得られた残
留物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出を行った。こ
のジエチルエーテル溶液を、飽和塩化ナトリウム水溶液
を用いて洗浄し、乾燥を行った。減圧濃縮し、得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:塩化メチレン/ジエチルエーテル=95/5)で
精製し、メチル 4ー(p-フルオロフェニル)ー6ーイソプ
ロピルー2ーアミノピリミジンー5ーカルボキシレート(Vc)
(以下、5ーカルボアルコキシピリミジン誘導体(Vc)と
いう)32mg(収率55.2%)を結晶として得た。
【0062】得られた5ーカルボアルコキシピリミジン誘
導体(Vc)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定結
果を以下に示す。
【0063】NMR(CDCl3):δ1.25(6
H,d,J=7Hz)、3.13(1H,m)、3.6
3(3H,s)、5.24(2H,bs)、7.10
(2H,m)、7.55(2H,m)。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、化合物(I)を活性エ
ステルとし、アミジンの酸付加塩を作用させることによ
り、一工程でピリミジン環を形成し、5ーカルボアルコキ
シピリミジン誘導体を効率よく合成することができる。
本発明によれば、5ーカルボアルコキシピリミジン誘導体
を工業的な規模で効率的に得ることが可能である。得ら
れた5ーカルボアルコキシピリミジン誘導体は、HMG−
CoA還元酵素の阻害剤として有用なピリミジン化合物
の原料として好適に用いられる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 239/28 C07D 239/42 C07F 9/113 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) 【化1】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素、
    アルキル、アラルキル、アリールまたはヘテロアリー
    ル、および置換基を有するこれらの基でなる群から選択
    される基を示す)で示される化合物に、式(R4O)2
    OX1(式中、R4はアルキル、アラルキル、アリールま
    たはヘテロアリール、および置換基を有するこれらの基
    でなる群から選択される基を示し、X1はハロゲンを示
    す)で示されるハロリン酸エステル(II)を塩基の存在
    下で反応させて下記式(III)で示されるリン酸エステ
    ルを得る工程と、 【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ式(I)ま
    たは(II)における定義と同様である)該リン酸エステ
    ル(III)に、下記式(IV) 【化3】 (式中、Aはアルキル、アラルキル、アリール、S
    5、OR6またはNR78を示し、R5、R6、R7およ
    びR8はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、
    ヘテロアリール、アラルキル、アルキルスルホニルまた
    はアリールスルホニル、および置換基を有するこれらの
    基でなる群から選択される基を示す)で示されるアミジ
    ンの酸付加塩を塩基の存在下で反応させてピリミジン環
    を形成する工程とを包含することを特徴とする、下記式
    (V) 【化4】 (式中、R1、R2、R3およびAはそれぞれ式(I)また
    は(IV)における定義と同様である)で示される5ーカル
    ボアルコキシピリミジン誘導体の合成方法。
  2. 【請求項2】下記式(III)で示されるリン酸エステ
    ル: 【化5】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、水
    素、アルキル、アラルキル、アリールまたはヘテロアリ
    ール、および置換基を有するこれらの基でなる群から選
    択される基を示し、そして、R4はアルキル、アラルキ
    ル、アリールまたはヘテロアリール、および置換基を有
    するこれらの基でなる群から選択される基を示す)。
  3. 【請求項3】下記式(III)で示されるリン酸エステル 【化6】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、水
    素、アルキル、アラルキル、アリールまたはヘテロアリ
    ール、および置換基を有するこれらの基でなる群から選
    択される基を示し、そして、R4はアルキル、アラルキ
    ル、アリールまたはヘテロアリール、および置換基を有
    するこれらの基でなる群から選択される基を示す)。
    に、下記式(IV) 【化7】 (式中、Aはアルキル、アラルキル、アリール、S
    5、OR6またはNR78を示し、R5、R6、R7およ
    びR8はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、
    ヘテロアリール、アラルキル、アルキルスルホニルまた
    はアリールスルホニルおよび置換基を有するこれらの基
    でなる群から選択される基を示す)で示されるアミジン
    の酸付加塩を塩基の存在下で反応させてピリミジン環を
    形成する工程を包含する、下記式(V) 【化8】 (式中、R1、R2、R3およびAはそれぞれ式(III)ま
    たは(IV)における定義と同様である)で示される5ーカ
    ルボアルコキシピリミジン誘導体の合成方法。
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