JP3197824U - 衝撃吸収部材及び車両構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】座屈態様を特定可能な衝撃吸収部材及び該衝撃吸収部材を用いた車両構造を提供する。【解決手段】板部2と、板部2の表面2Aから表面2Aに直交する矢印D3方向に突出し、且つ互いに平行して矢印D1方向に配列する複数の第一のリブ3,3,…,3と、第一のリブ3の側面3Cから突出すると共に、表面2Aに直交する矢印D3方向に延在し且つ互いに間隔s5をあけて矢印D2方向に配列する複数の第二のリブ5,5,…,5と、を備え、隣り合う第一のリブ3,3のそれぞれに設けられた第二のリブ5,5は矢印D1方向に沿う軸線X5上に位置している。【選択図】図2
Description
本考案は、衝撃吸収部材及び車両構造に関する。
一般に、車両や船舶等の移動体には、衝突時のエネルギーを吸収して移動体または乗員への衝撃を緩和する衝撃吸収部材が装備されている。例えば、自動車等の車両の側面には、衝撃吸収部材として発泡樹脂製の成形体が用いられている。
例えば、特許文献1には、平板状の本体部と、該本体部に垂直な第一の方向に突出し、前記本体部に平行に第二の方向に延びる複数の主リブと、を有する衝撃吸収体が開示されている。複数の主リブは、互いに実質的に平行に配置されている。各々の主リブは、第一の側面と、該第一の側面の反対側の第二の側面と、を有する。第二の方向に垂直な断面において、主リブの基端側の第二の側面の少なくとも一部と第一の方向とのなす角度は、第一の側面と第一の方向とのなす角度よりも大とされている。また、互いに隣接する主リブは、それぞれの第一の側面が互いに対向しないように配置されている。
また、特許文献1には、本体部と主リブに加えて複数の補助リブを備えた衝撃吸収体が開示されている。この補助リブは第二の側面が、前記第一の方向と前記第二の方向とに垂直な第三の方向に突出し、主リブの基端から前記第一の方向に延びている。第二の方向に垂直な断面において、主リブの基端側の補助リブと第一の方向とのなす角度は、第一の側面と第一の方向とのなす角度よりも大とされている。
衝撃吸収部材は、衝撃を受けた際に自身全体又はその一部が変形することで衝撃を吸収する。例えば、特許文献1に記載の衝撃吸収体では、主リブが第一の方向から所定の衝撃吸収量よりも大きな衝撃を受けると、変形する(即ち、座屈する)。しかしながら、この衝撃吸収体では、主リブ毎に座屈方向が異なるため、座屈態様が特定されていないという問題があった。補助リブをさらに備えた衝撃吸収体であっても、隣り合う主リブのそれぞれに設けられた補助リブの配列方向の中心が主リブの配列方向に揃っておらず、これらの主リブに設けられた補助リブの数も互いに異なっている。そのため、座屈態様が特定されていないという問題があった。このように座屈態様が特定されていないと、衝撃吸収部材が所定の衝撃吸収量を発揮しないおそれがあった。
本考案は、上記問題に鑑みてなされたものであり、座屈態様を特定可能な衝撃吸収部材及び該衝撃吸収部材を用いた車両構造の提供を課題とする。
請求項1に記載の衝撃吸収部材は、板部と、前記板部の一方の板面からこの板面に直交する方向に突出し、且つ互いに平行して第一配列方向に配列する複数の第一のリブと、前記第一のリブの一方の側面から突出すると共に、前記板面に直交する方向に延在し且つ互いに間隔をあけて第二配列方向に配列する複数の第二のリブと、を備え、隣り合う前記第一のリブのそれぞれに設けられた前記第二のリブは前記第一配列方向に沿う軸線上に位置していることを特徴とする。
本考案では、隣り合う第一のリブのそれぞれの一方の側面に、第二配列方向における中心の位置及び数等の設置条件を揃えて、第二のリブが設けられている。そのため、複数の第一のリブでは、板部の一方の板面に直交する方向に入力される衝撃(以下、所定方向からの衝撃とする)に対して、一方の側面及び他方の側面がそれぞれ同等の耐衝撃性を有し、且つ、一方の側面の耐衝撃性が他方の側面の耐衝撃性よりも同等に高くなっている。従って、所定方向からの衝撃に対して、複数の第一のリブが第一配列方向に沿う一方向に対して凸状をなして同様に曲がり、同様の座屈態様をとる。つまり、複数の第一のリブは、それぞれ第二のリブが設けられていない他方の側面が突曲面を形成して湾曲する。また、第一のリブの座屈箇所が同様に特定される。
本考案では、隣り合う第一のリブのそれぞれの一方の側面に、第二配列方向における中心の位置及び数等の設置条件を揃えて、第二のリブが設けられている。そのため、複数の第一のリブでは、板部の一方の板面に直交する方向に入力される衝撃(以下、所定方向からの衝撃とする)に対して、一方の側面及び他方の側面がそれぞれ同等の耐衝撃性を有し、且つ、一方の側面の耐衝撃性が他方の側面の耐衝撃性よりも同等に高くなっている。従って、所定方向からの衝撃に対して、複数の第一のリブが第一配列方向に沿う一方向に対して凸状をなして同様に曲がり、同様の座屈態様をとる。つまり、複数の第一のリブは、それぞれ第二のリブが設けられていない他方の側面が突曲面を形成して湾曲する。また、第一のリブの座屈箇所が同様に特定される。
請求項2に記載の衝撃吸収部材は、請求項1に記載の衝撃吸収部材において、前記第二のリブが前記第一のリブの一方の側面全体にわたって延在することを特徴とする。
本考案では、所定方向からの衝撃に対する第一のリブの耐衝撃性がより高められ、第一のリブの座屈箇所が板部の一方の板面に直交する方向における第一のリブの略中央に特定される。
本考案では、所定方向からの衝撃に対する第一のリブの耐衝撃性がより高められ、第一のリブの座屈箇所が板部の一方の板面に直交する方向における第一のリブの略中央に特定される。
請求項3に記載の衝撃吸収部材は、請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収部材において、前記第二のリブの前記第一配列方向への突出寸法が前記第二のリブの基端部の前記第二配列方向における幅寸法の20%以上とされていることを特徴とする。
本考案では、第二のリブの第一配列方向への突出寸法が大きく確保され、第一のリブの一方の側面の耐衝撃性がより一層高められる。また、第一のリブの一方の側面の耐衝撃性が他方の側面の耐衝撃性よりも大幅に高められる。従って、所定方向からの衝撃に対して、隣り合う第一のリブがより安定して同様に曲がり、これらの第一のリブの座屈態様及び座屈箇所が揃えられる。
本考案では、第二のリブの第一配列方向への突出寸法が大きく確保され、第一のリブの一方の側面の耐衝撃性がより一層高められる。また、第一のリブの一方の側面の耐衝撃性が他方の側面の耐衝撃性よりも大幅に高められる。従って、所定方向からの衝撃に対して、隣り合う第一のリブがより安定して同様に曲がり、これらの第一のリブの座屈態様及び座屈箇所が揃えられる。
請求項4に記載の車両構造は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の衝撃吸収部材を用いた車両構造であって、前記第二のリブの延在方向を、前記衝撃吸収部材に作用する圧縮方向に向けて配置されていることを特徴とする。
本考案では、衝撃吸収部材に作用する圧縮方向からの衝撃に対して、衝撃吸収部材の隣り合う第一のリブが第一配列方向に対して凸状をなして同様に曲がり、同様の座屈態様をとる。従って、車両構造が、特定された第一のリブの座屈態様から想定される衝撃吸収量を再現性良く安定して発揮する。
本考案では、衝撃吸収部材に作用する圧縮方向からの衝撃に対して、衝撃吸収部材の隣り合う第一のリブが第一配列方向に対して凸状をなして同様に曲がり、同様の座屈態様をとる。従って、車両構造が、特定された第一のリブの座屈態様から想定される衝撃吸収量を再現性良く安定して発揮する。
本考案の衝撃吸収部材によれば、座屈態様を特定することができる。また、本考案の車両構造によれば、衝撃吸収部材に作用する圧縮方向の衝撃に対する座屈態様及び衝撃吸収量を安定させることができる。
以下、本考案を適用した実施形態である衝撃吸収部材及び車両構造について、図面を適宜参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
(衝撃吸収部材)
図1は本実施形態の衝撃吸収部材1の斜視図である。図2は、図1に示す衝撃Pの入力方向から見た衝撃吸収部材1の平面図であって、図3は、図1に示す矢印D2方向から見た衝撃吸収部材1の側面図である。
図1は本実施形態の衝撃吸収部材1の斜視図である。図2は、図1に示す衝撃Pの入力方向から見た衝撃吸収部材1の平面図であって、図3は、図1に示す矢印D2方向から見た衝撃吸収部材1の側面図である。
図1に示すように、本実施形態の衝撃吸収部材1は、板部2と、第一のリブ3と、第二のリブ5と、を備えている。
板部2は、衝撃吸収部材1の本体をなす板状の部材である。ここで、板部2の板面のうち、衝撃吸収部材1に入力される衝撃Pの方を向く板面を表面(一方の板面)2Aとし、その反対側の板面を裏面2Bとする。板部2の長さd2、幅w2及び高さh2は、衝撃吸収部材1に入力される衝撃Pの発生面積等を勘案して適切に設定されている。
第一のリブ3は、板部2の表面2Aから表面2Aに直交する矢印D3方向に突出して複数設けられている。図2に示すように、複数(図2では3つ)の第一のリブ3,3,…,3は、所定の間隔s3をあけて、互いに平行して矢印D1方向(第一配列方向に沿う一方向)に配列している。第一のリブ3の長さd3は板部2の長さd2と共通である。第一のリブ3の幅w3、高さh3及び表面2Aに設けられる数は、衝撃吸収部材1に入力される衝撃Pの強さや衝撃Pの発生面積等を勘案して適切に設定されている。なお、矢印D1方向(第一配列方向に沿う一方向)に隣り合う第一のリブ3,3の間隔s3は、衝撃吸収部材1に衝撃Pが作用して、隣り合う第一のリブ3,3自体が座屈又は変形した際に互いに重ならない程度に設定されていることが好ましい。ここで、本実施形態の矢印D1方向は、第一のリブ3において、第二のリブ5が無い側面3Dから第二のリブ5が設けられる側面3Cに向かう方向を示している。
第二のリブ5は、第一のリブ3の側面3C,3Dのうち側面(一方の側面)3Cから矢印D1方向に突出すると共に、矢印D3方向に延在して設けられている。また、複数(図2では3つ)の第二のリブ5,5,…,5は、互いに間隔s5をあけて矢印D2方向(第二配列方向)に配列している。
図2に示すように、隣り合う第一のリブ3,3のそれぞれに設けられた第二のリブ5,5は、矢印D1方向に沿う軸線X5上に位置している。即ち、矢印D3方向とは反対方向から衝撃吸収部材1を平面視した際に、前記の第二のリブ5,5はそれぞれ、矢印D2方向において、軸線X5に対して第二のリブ5の基端部の幅寸法w5の約半分の寸法までずれていてもよい。このような構成では、隣り合う第一のリブ3,3の側面3C同士に、第二のリブ5が互いに同一の数及び略同一の位置で配置されている。
特に、隣り合う第一のリブ3,3のそれぞれに設けられた第二のリブ5,5の矢印D2方向の中心5c,5cが軸線X5上に位置していることが好ましい。このような構成では、隣り合う第一のリブ3,3の側面3C,3Cに設けられた第二のリブ5の数及び矢印D2方向での位置が互いに一致する。
第二のリブ5の幅w5、高さh5及び側面3Cに設けられる数は、衝撃吸収部材1に入力される衝撃Pの強さや衝撃Pの発生面積等を勘案して適切に設定されている。
第二のリブ5の矢印D1方向への突出寸法e5は、特に限定されないが、第二のリブ5の基端部の矢印D2方向における幅寸法w5の50%以下とされていることが好ましい。このような構成では、第二のリブ5を備えた第一のリブ3の側面3Cの耐衝撃性がより高められる。また、衝撃Pに対する側面3Cの耐衝撃性と第二のリブ5を備えていない側面3Dの耐衝撃性との差が適度に確保される。
第二のリブ5の矢印D1方向への突出寸法e5は、特に限定されないが、第二のリブ5の基端部の矢印D2方向における幅寸法w5の50%以下とされていることが好ましい。このような構成では、第二のリブ5を備えた第一のリブ3の側面3Cの耐衝撃性がより高められる。また、衝撃Pに対する側面3Cの耐衝撃性と第二のリブ5を備えていない側面3Dの耐衝撃性との差が適度に確保される。
また、第二のリブ5は第一のリブ3の側面3Cの全体にわたって延在することが好ましい。即ち、第二のリブ5の高さh5は、第一のリブ3の高さh3と同等であることが好ましい。このような構成では、第一のリブ3が矢印D3方向において第二のリブ5によって支持され、側面3Cの耐衝撃性が高められる。
第二のリブ5の平面視形状は、図2に示す半円形に限定されず、半円形以外の例えば矩形や三角形とされてもよく、これら以外の形状とされていてもよい。
第二のリブ5の平面視形状は、図2に示す半円形に限定されず、半円形以外の例えば矩形や三角形とされてもよく、これら以外の形状とされていてもよい。
板部2と第一のリブ3及び第二のリブ5を構成する材料としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂材料等を例示することができる。このような発泡樹脂材料としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等、及び、これらの樹脂のうち二以上を混合又は複合した樹脂等が挙げられる。
板部2と第一のリブ3及び第二のリブ5は、上記の材料を用いて、一体成形されている。一体成形を行う方法としては、例えば発泡性の熱可塑性樹脂粒子を成形型のキャビティ内に充填し、加熱発泡させて、隣接する樹脂粒子同士を一体化することで所望の形状に成形する方法が挙げられるが、特に限定されない。
次いで、上記説明した衝撃吸収部材1に対して、図3に示すように矢印D3方向とは反対方向から第一のリブ3に向けて衝撃Pが入力された場合を想定する。図4は衝撃吸収部材1が上述した方向からの衝撃Pに対して変形(座屈)した状態を示す側面図である。
図4に示すように、衝撃Pの強さが衝撃吸収部材1の形状に基づいて予め設計された衝撃吸収量を超えると、第一のリブ3は圧縮方向に過度の力を受け、所定の座屈位置3tから座屈する。第一のリブ3が座屈することで、衝撃Pは衝撃吸収部材1に吸収される。
図4に示すように、衝撃Pの強さが衝撃吸収部材1の形状に基づいて予め設計された衝撃吸収量を超えると、第一のリブ3は圧縮方向に過度の力を受け、所定の座屈位置3tから座屈する。第一のリブ3が座屈することで、衝撃Pは衝撃吸収部材1に吸収される。
以上説明したように、本実施形態の衝撃吸収部材1では、隣り合う第一のリブ3,3のそれぞれの側面3C,3Cに、矢印D1方向における中心5cの位置及び数等の設置条件を揃えて、第二のリブ5,5が設けられている。そのため、複数の第一のリブ3,3,…,3では、矢印D3方向とは反対方向に入力される所定方向からの衝撃Pに対して、側面3C,3Dがそれぞれ同等の耐衝撃性を有し、且つ、側面3Cの耐衝撃性が側面3Dの耐衝撃性よりも同等に高くなっている。従って、衝撃吸収部材1によれば、所定方向からの衝撃Pに対して、複数の第一のリブ3,3,…,3を矢印D1方向に対して凸状をなして同様に曲げることができ、隣り合う第一のリブ3,3、…において同様の座屈態様を発現させることができる。具体的に複数の第一のリブ3,3,…,3は、それぞれ第二のリブ5が設けられていない他方の側面3Dが突曲面を形成して湾曲する。また、第一のリブ3の座屈箇所を座屈位置3tに特定することができる。
上記の作用効果により、衝撃Pに対する複数の第一のリブ3,3,…,3の圧縮による変形(座屈)方向を制御することができる。そして、衝撃吸収部材1において予め設計した通りの衝撃吸収量を発揮させることができる。
上記の作用効果により、衝撃Pに対する複数の第一のリブ3,3,…,3の圧縮による変形(座屈)方向を制御することができる。そして、衝撃吸収部材1において予め設計した通りの衝撃吸収量を発揮させることができる。
また、本実施形態の衝撃吸収部材1では、第二のリブ5を第一のリブ3の側面3C全体にわたって延在させることで、第二のリブ5の延在方向からの衝撃Pに対する第一のリブ3の耐衝撃性をより高め、第一のリブ3の座屈箇所を矢印D3方向における第一のリブ3の略中央(即ち、図3に示す座屈位置3t)に特定することができる。
さらに、本実施形態の衝撃吸収部材1では、第二のリブ5の矢印D1方向への突出寸法e5を第二のリブ5の基端部の矢印D2方向における幅寸法w5の20%以上とする。これにより、第二のリブ5の突出寸法e5を充分に確保し、第一のリブ3の側面3Cの耐衝撃性をより一層高めることができる。また、第一のリブ3の側面3Cの耐衝撃性が側面3Dの耐衝撃性よりも大幅に高めることもできる。従って、所定方向からの衝撃Pに対して、隣り合う第一のリブ3,3をより安定して同様に曲げ、これらの第一のリブ3,3の座屈態様及び座屈箇所をより安定させ、揃えることができる。
(車両構造)
本実施形態の車両構造は、衝撃吸収部材1を用いたものであり、図示しないが第一のリブ3の延在方向が衝撃吸収部材1に作用する圧縮方向に向けて配置されている。このような車両構造としては、例えば自動車等の車両のティビア、ドアパッド、バンパーアブソーバー等が挙げられる。これらの車両構造では、第二のリブ5が車体側に接するように配置されている。
本実施形態の車両構造は、衝撃吸収部材1を用いたものであり、図示しないが第一のリブ3の延在方向が衝撃吸収部材1に作用する圧縮方向に向けて配置されている。このような車両構造としては、例えば自動車等の車両のティビア、ドアパッド、バンパーアブソーバー等が挙げられる。これらの車両構造では、第二のリブ5が車体側に接するように配置されている。
本実施形態の車両構造では、衝撃吸収部材1に作用する圧縮方向からの衝撃(即ち、第二のリブ5の延在方向であって、板部2に直交する方向からの衝撃)に対して、衝撃吸収部材1の隣り合う第一のリブ3,3を同じ方向に対して凸状をなして同様に曲げ、同様の座屈態様をとらせることができる。従って、車両構造において、上記のように特定された第一のリブ3の座屈態様から想定される衝撃吸収量を再現性良く安定して発揮させることができる。
特に、車両構造に関しては一般に、衝撃によるリブの歪量が大きくなるに従い、発生荷重が上がるため、この発生荷重を高変位側で障害限界値未満に制御する必要がある。そこで、リブの変位や座屈態様に合わせてリブの圧縮モードと曲げ変形モードを制御する必要がある。本実施形態の車両構造では上記の作用効果により、第一のリブ3の変位や座屈態様に合わせて圧縮モードと曲げ変形モードを正確に制御することができる。
特に、車両構造に関しては一般に、衝撃によるリブの歪量が大きくなるに従い、発生荷重が上がるため、この発生荷重を高変位側で障害限界値未満に制御する必要がある。そこで、リブの変位や座屈態様に合わせてリブの圧縮モードと曲げ変形モードを制御する必要がある。本実施形態の車両構造では上記の作用効果により、第一のリブ3の変位や座屈態様に合わせて圧縮モードと曲げ変形モードを正確に制御することができる。
以上、本考案の好ましい実施形態について説明したが、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
次に、本考案を以下の実施例により詳細に説明するが、本考案はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例)
材質をポリスチレン(PS)とポリエチレン(PE)とを含む複合樹脂とし、蒸気による発泡ビーズ型物成形によって、図1〜図3に示す衝撃吸収部材1を製造した。この衝撃吸収部材1の各種寸法については、d2=w2=d3=100mm、h2=20mm、w3=10mm、h3=70mm、s3=30mm、e5=4mm、s5=30mmとした。また、第二のリブ5の矢印D3方向からの平面視形状は半円形とし、その半径を4mm(即ち、e5=4mm)とした。また、第一のリブ3及び第二のリブ5の設置数は3とした。
材質をポリスチレン(PS)とポリエチレン(PE)とを含む複合樹脂とし、蒸気による発泡ビーズ型物成形によって、図1〜図3に示す衝撃吸収部材1を製造した。この衝撃吸収部材1の各種寸法については、d2=w2=d3=100mm、h2=20mm、w3=10mm、h3=70mm、s3=30mm、e5=4mm、s5=30mmとした。また、第二のリブ5の矢印D3方向からの平面視形状は半円形とし、その半径を4mm(即ち、e5=4mm)とした。また、第一のリブ3及び第二のリブ5の設置数は3とした。
(比較例)
図5は本比較例の衝撃吸収部材51の平面図であり、図6は本比較例の衝撃吸収部材51の側面図である。第一のリブ3に第二のリブ5を設けないこと以外は、実施例と同様の条件、方法及び寸法で、図5及び図6に示す衝撃吸収部材51を製造した。
図5は本比較例の衝撃吸収部材51の平面図であり、図6は本比較例の衝撃吸収部材51の側面図である。第一のリブ3に第二のリブ5を設けないこと以外は、実施例と同様の条件、方法及び寸法で、図5及び図6に示す衝撃吸収部材51を製造した。
(実施例及び比較例の衝撃吸収部材の評価)
実施例及び比較例で製造した衝撃吸収部材1,51のそれぞれに対して、JIS K6767:1999に準拠した静的圧縮試験を行った。衝撃吸収部材1,51の静的圧縮特性の測定結果を図7に示す。
図7からわかるように、衝撃吸収部材1の静的圧縮特性(図7に実線で示す「実施例」)は衝撃吸収部材51の静的圧縮特性(図7に一点鎖線で示す「比較例」)よりも安定し、優れている。
以上の試験結果から、本考案のように隣り合う第一のリブ3,3のそれぞれの側面3C,3Cに、矢印D1方向における中心5cの位置及び数等の設置条件を揃えて、第二のリブ5,5を設けることで、所定方向からの衝撃Pに対して、隣り合う第一のリブ3,3において同様の座屈態様を安定して発現させることが可能であることを確認した。
実施例及び比較例で製造した衝撃吸収部材1,51のそれぞれに対して、JIS K6767:1999に準拠した静的圧縮試験を行った。衝撃吸収部材1,51の静的圧縮特性の測定結果を図7に示す。
図7からわかるように、衝撃吸収部材1の静的圧縮特性(図7に実線で示す「実施例」)は衝撃吸収部材51の静的圧縮特性(図7に一点鎖線で示す「比較例」)よりも安定し、優れている。
以上の試験結果から、本考案のように隣り合う第一のリブ3,3のそれぞれの側面3C,3Cに、矢印D1方向における中心5cの位置及び数等の設置条件を揃えて、第二のリブ5,5を設けることで、所定方向からの衝撃Pに対して、隣り合う第一のリブ3,3において同様の座屈態様を安定して発現させることが可能であることを確認した。
1 衝撃吸収部材
2 板部
2A 表面(一方の板面)
3 第一のリブ
3C 側面(一方の側面)
5 第二のリブ
e5 突出寸法
w5 幅寸法
D1 方向(第一配列方向)
D2 方向(第二配列方向)
D3 方向(板面に直交する方向)
X5 軸線
2 板部
2A 表面(一方の板面)
3 第一のリブ
3C 側面(一方の側面)
5 第二のリブ
e5 突出寸法
w5 幅寸法
D1 方向(第一配列方向)
D2 方向(第二配列方向)
D3 方向(板面に直交する方向)
X5 軸線
Claims (4)
- 板部と、
前記板部の一方の板面からこの板面に直交する方向に突出し、且つ互いに平行して第一配列方向に配列する複数の第一のリブと、
前記第一のリブの一方の側面から突出すると共に、前記板面に直交する方向に延在し且つ互いに間隔をあけて第二配列方向に配列する複数の第二のリブと、を備え、
隣り合う前記第一のリブのそれぞれに設けられた前記第二のリブは前記第一配列方向に沿う軸線上に位置していることを特徴とする衝撃吸収部材。 - 前記第二のリブは前記第一のリブの一方の側面全体にわたって延在することを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収部材。
- 前記第二のリブの前記第一配列方向への突出寸法は前記第二のリブの基端部の前記第二配列方向における幅寸法の20%以上とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収部材。
- 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の衝撃吸収部材を用いた車両構造であって、
前記第二のリブの延在方向を、前記衝撃吸収部材に作用する圧縮方向に向けて配置されていることを特徴とする車両構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015001322U JP3197824U (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | 衝撃吸収部材及び車両構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015001322U JP3197824U (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | 衝撃吸収部材及び車両構造 |
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Family Applications (1)
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