JP3197231U - アイシング洋菓子 - Google Patents

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有香子 桔梗
有香子 桔梗
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Abstract

【課題】洋菓子に装飾部をアイシングで施したアイシング洋菓子の一種として、様相が多様化しても、安価で装飾部を簡単に作ることができ、かつこの装飾部により新規な付加価値を生み出すことができるアイシング洋菓子を提供する。【解決手段】アイシングクッキー1は、大別して、素焼きクッキー11と装飾部12とからなる。素焼きクッキー11は、例えば、薄力粉、溶き卵、バター等の各素材を混練して生成された生地を、オーブンで加熱して焼いた周知のクッキーである。装飾部12は、ベース部13とステンシルとからなり、何れもアイシングからなる。ベース部13は、主成分である粉砂糖のほか、例えば、乾燥卵白、食用色素等の素材を混練して生成されたペースト状の第2アイシング材料を、所望の形状で板状に固化したものであり、下面11b及び側面11cを除き、素焼きクッキー11の上面11aのみ所定の厚みに被覆して形成されている。ベース部の表面13aは平面である。【選択図】図3

Description

この考案は、例えば、クッキー、マカロン、ケーキ等の洋菓子を対象とし、これらの洋菓子の表面に、アイシング(icing)により装飾部を施したアイシング洋菓子に関する。詳しくは、図柄や文字等のステンシルからなる装飾部を含むアイシング洋菓子に関する。
例えば、特許文献1には、アイシングで被覆されたケーキドーナツが開示されている。特許文献1によれば、糖からなる濃厚溶液をケーキドーナツ表面に被覆するアイシングにより、ケーキドーナツに甘みを持たせる味付けのほか、ケーキドーナツに光沢を付与して、外観上、ケーキドーナツ自体の商品価値を高めるという効果があるとされている。アイシングは、このようなケーキドーナツのほか、クッキー、マカロン、チョコレート等の洋菓子に、その装飾としても取り入れられており、とりわけアイシングを被覆したクッキー(以下、単に「アイシングクッキー」と称する。)は、日常の飲食を通じて、多くの人によく知られている。
アイシングクッキーは、例えば、粉砂糖、乾燥卵白等の素材を混練して生成されたペースト状のアイシング材料を、ハトロン紙を円錐形状に巻いた調理用のコルネ内に流し込んでおき、焼き上げられた素焼きクッキーの表面に、このコルネを外側から押圧して、その先端の細い吐出口からアイシング材料を絞り出すことにより、作られる。アイシングクッキーでは、クッキー表面に積層されたアイシングは、立体的な様相に形成できる。また、クッキー表面上には、コルネの使用により、アイシング材料を、所望とする位置に自在に吐出できるため、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字、立体的造形等を表現したアイシングが、自由度を高くして形成できる。なお、上述した方法により作られるアイシングクッキーは、公知である。
アイシングクッキーは一般的に、手作りにより、多品種かつ少ない数量で作られる。そして近年、例えば、結婚祝いの引出物、七五三祝い、開店祝いの贈呈品、来店した客に差し出す店特有の茶菓子等として、アイシングクッキーを人に提供するニーズが、年々高まっており、多様でオリジナリティーに富んだアイシングクッキーが好まれる傾向にある。特に、焼き上げた素焼きクッキーの表面に、アイシングによりベースを被覆し、このベース上に、更にアイシングを施すことにより、図柄や模様、文字、立体的造形等の装飾部を複合的に加えた複合装飾のアイシングクッキーは、高い付加価値を有しており、そのクッキーの人気は、若い女性や子供のほか、クッキーを受け取る人の間で、非常に高い。
特開2005−102581号公報
しかしながら、前述したように、結婚祝いの引出物、開店祝いの贈呈品等として、アイシングクッキーを人に提供する場合、その数量は、例えば、100セット、500セット、1000セット等、比較的少量である。また、アイシングによる装飾に求められるデザインの特徴は、千差万別で多様化している。そのため、オリジナルのアイシングクッキーを、製菓メーカーの専用設備で製造しようとしても、その対応が困難であり、コスト高になる。
また、特に人気の高い複合装飾のアイシングクッキーでは、装飾部は、コルネに詰めたペースト状のアイシング材料を絞り出して作られるため、アイシングクッキー1枚を作るのに、手間と時間が膨大に掛かる。そのため、オリジナリティーに富んだ複合装飾のアイシングクッキーを、開店祝いの贈呈品や、来店した客に差し出す店特有の茶菓子等向けに提供したいという要求があったときに、製造の都合上、提供できる数量に限りがあるとの理由で、クッキーの提供ニーズに、十分に応えることができない場合があった。他方、特許文献1は、複合装飾のアイシングクッキーとは異なり、ケーキドーナツ自体に光沢を出すアイシングをケーキドーナツに被覆しただけであり、人の目を引く図柄や模様、文字等をアイシングで表現した、オリジナルの装飾部を包含したものではない。
本考案は、上記問題点を解決するためになされたものであり、洋菓子に装飾部をアイシングで施したアイシング洋菓子の一種として、デザインが多様化しても、安価で装飾部を簡単に作ることができ、かつこの装飾部により新規な付加価値を生み出すことができるアイシング洋菓子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案に係るアイシング洋菓子は、以下の構成を有する。
(1)アイシングにより形成された装飾部を、洋菓子の表面側の一部または全部に被覆したアイシング洋菓子において、前記アイシングは、第1のアイシング材料として、着色を担う食用の色素素材と、食用のアルコールとを含む液体状の有色混合物からなること、前記装飾部は、ノズルを通じて前記第1のアイシング材料を噴霧し、ミスト状態に付着して形成されたステンシルを有すること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するアイシング洋菓子において、前記食用のアルコールは、アルコール度数35以上で無色透明の蒸留酒であること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載するアイシング洋菓子において、前記食用のアルコールに対し、前記色素素材の混合割合が、1〜75質量%の範囲内であること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載するアイシング洋菓子において、前記ステンシルは、ステンシルシートの内部に開口して形成された型に倣い、前記第1のアイシング材料を付着させることにより、所望の形状に描写されたものであること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載するアイシング洋菓子において、前記装飾部は、前記第1のアイシング材料とは別の第2のアイシング材料により、前記洋菓子の表面上の一部または全部を被覆したベース部を有し、前記ステンシルは、前記ベース部の表面上に描写されたものであること、を特徴とする。
上記構成を有する本考案のアイシング洋菓子の作用・効果について説明する。
(1)アイシングにより形成された装飾部を、洋菓子の表面側の一部または全部に被覆したアイシング洋菓子において、アイシングは、第1のアイシング材料として、着色を担う食用の色素素材と、食用のアルコールとを含む液体状の有色混合物からなること、装飾部は、ノズルを通じて第1のアイシング材料を噴霧し、ミスト状態に付着して形成されたステンシルを有すること、を特徴とする。この特徴により、アイシング洋菓子の装飾部に求められるデザイン要求が、千差万別で多様化していても、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を表現した独自のステンシルを、手間を掛けずに短時間で簡単に形成することができる。そのため、オリジナリティーに富む装飾部を含んだアイシング洋菓子が、提供できる。また、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を表現したステンシルの描写について、若い女性や子供のほか、クッキーを受け取る人の間で、高い付加価値を見出すことができると認められることを可能にする表現で、ステンシルが形成できる。
加えて、単位時間あたりに製造できるアイシング洋菓子の数量が、前述したような、ベース部上にペースト状のアイシング材料を絞り出して作る装飾部を施した複合装飾のアイシングクッキーに比して、より増加できることから、本考案のアイシング洋菓子は、クッキーの提供ニーズに応え易いものとなる。さらに、本考案のアイシング洋菓子では、スプレー装置のノズルにより、第1のアイシング材料を、均一なミスト状態で、定量的に拡散しながら噴霧してステンシルが形成されているため、本考案のアイシング洋菓子の数量が、例えば、100セット、500セット、1000セット等と比較的少量でも、その対応が容易であり、クッキーの製造コストも安価である。しかも、ステンシルの描写精度は高い。
従って、本考案に係るアイシング洋菓子によれば、アイシング洋菓子の一種として、様相が多様化しても、安価で装飾部を簡単に作ることができ、かつこの装飾部により新規な付加価値を生み出すことができる、という優れた効果を奏する。
(2)食用のアルコールは、アルコール度数35以上で無色透明の蒸留酒であること、を特徴とするので、アルコールの揮発性がより高くなるため、洋菓子側に付着したミスト状の第1のアイシング材料の乾燥時間が短くなる。そのため、乾燥固化したステンシルの乾燥過程で、第1のアイシング材料の流動に起因した滲みが、ステンシルに生じ難くなる。
(3)食用のアルコールに対し、色素素材の混合割合が、1〜75質量%の範囲内であること、を特徴とするので、スプレー装置にほとんど支障をきたすことなく、第1のアイシング材料を噴霧することができ、描写するステンシルの表現に、豊富なバリエーションを備えることができる。
(4)ステンシルは、ステンシルシートの内部に開口して形成された型に倣い、第1のアイシング材料を付着させることにより、所望の形状に描写されたものであること、を特徴とするので、ステンシルには、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等、種々のデザインが、自由度を高くして表現できる。また、ステンシルが、より短い時間で描写できる。
(5)装飾部は、第1のアイシング材料とは別の第2のアイシング材料により、洋菓子の表面上の一部または全部を被覆したベース部を有し、ステンシルは、ベース部の表面上に描写されたものであること、を特徴とするので、ステンシルが、ベース部による装飾に伴って、より際立って引き立ち、装飾部全体、ひいては本考案に係るアイシング洋菓子全体の付加価値が高まる。
実施形態に係るアイシングクッキーを示す平面図であり、第1のデザインによるステンシルを示す図である。 図1と同じ図であり、第2のデザインによるステンシルを示す図である。 図1及び図2に示すアイシングクッキーを、その厚み方向から見た側面図である。 図1及び図2に示すアイシングクッキーで、ステンシルを描写する前の状態のベース部を示す図である。 第1のデザインのステンシルを描写するのに用いるステンシルシートの平面図である。 ステンシルの描写手順を説明する模式図である。 実施形態に係るアイシングクッキーのステンシルについて、実施例1乃至4、及び比較例に係る割合で色素素材の混合を変化させた実験の結果と、その総合評価をまとめて示した表である。
(実施形態)
以下、本考案に係るアイシング洋菓子について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、本考案のアイシング洋菓子が、洋菓子を板状の素焼きクッキーとし、このクッキーの表面側の一部に、アイシングによる装飾部を被覆したアイシングクッキーである場合について、説明する。なお、洋菓子の対象は、クッキーのほか、例えば、マカロン、ケーキ、チョコレート等のほか、洋菓子であれば何でも良い。
図1は、実施形態に係るアイシングクッキーを示す平面図で、第1のデザインによるステンシルを示す図である。図2は、第2のデザインによるステンシルを描写した図を示す。図3は、図1及び図2に示すアイシングクッキーの側面図である。図4は、図1及び図2に示すアイシングクッキーで、ステンシルを描写する前の状態のベース部を示す図である。
アイシングクッキー1は、図1〜図4に示すように、大別して、素焼きクッキー11と装飾部12とからなる。素焼きクッキー11は、例えば、薄力粉、溶き卵、バター等の各素材を混練して生成された生地を、オーブンで加熱して焼いた周知のクッキーである。装飾部12は、本実施形態では、ベース部13とステンシル14とからなり、何れもアイシングからなる。ベース部13は、主成分である粉砂糖のほか、例えば、乾燥卵白、食用色素等の素材を混練して生成されたペースト状の第2アイシング材料22を、所望の形状で板状に固化したものであり、下面11b及び側面11cを除き、素焼きクッキー11の上面11aのみ所定の厚みに被覆して形成されている。ベース部の表面13aは平面である。
ステンシル14は、第2アイシング材料22とは別の第1アイシング材料21を、後述するスプレー装置50のノズル51を通じて噴霧し、第1アイシング材料21をベース部13の表面13aにミスト状態に付着させて形成されている。このステンシル14は、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を種々のデザインで描写されている。
そのステンシル14のデザインの一例として、本実施形態では、図1に示すように、ステンシル14Aを描写したアイシングクッキー1A(1)と、図2に示すように、ステンシル14Bを描写したアイシングクッキー1B(1)を挙げる。ステンシル14Aは、同じデザインの図柄を複数幾何学的に並べ、第1アイシング材料21によりモノトーン調で描写した第1のデザインのステンシルである。ステンシル14Bは、連続する傾斜状の略格子模様を、第1アイシング材料21により、グラデーション調で描写した第2のデザインのステンシルである。グラデーションは、例えば、赤色、オレンジ色、黄色等のように、色の異なる複数色の第1アイシング材料21を用いて表現されている。
ステンシル14A、14Bに描写されたデザインは、あくまでも一例に過ぎない。ステンシルのデザインは、例えば、山や海等の風景画、星空、雪等の結晶、装飾した文字、アニメや動物等のキャラクター、幾何学的模様や図柄、植物や食べ物等のイラストのほか、後述するステンシルシート30の開口部である型31に倣い、ミスト状の第2アイシング材料22をベース部13の表面13aに付着して表現できるものであれば、何でも良い。
第1アイシング材料21は、着色を担う食用の色素素材26と、食用のアルコール25とを含む液体状の有色混合物からなる。アルコール25は、例えば、ジン、ウォッカ、ホワイトラム等、無色透明でアルコール度数35以上の食用のアルコールである。色素素材26は、日本国内において、食品衛生法で許認可された食用色素であり、例えば、果糖、砂糖、コーンシロップ、寒天、水等を主成分に含むジェル状または液体状で、アルコール25と可溶な有色色素である。色素素材26の色は、赤色、青色、黄色、緑等をはじめ、十数色にわたる複数のカラーバリエーションとなっている。
次に、アイシングクッキー1のステンシル14の装飾手順について、アイシングクッキー1Aのステンシル14Aを描写する場合を例示して、図5及び図6を用いて説明する。図5は、第1のデザインのステンシルを描写するのに用いるステンシルシートの平面図であり、図6は、ステンシルの描写手順を説明する模式図である。
はじめに、第1アイシング材料21を調合するのにあたり、色素素材26が完全に溶解するまで、色素素材26とアルコール25をよく混ぜ合わせる。このとき、色素素材26の混合割合を、アルコール25に対し、1〜75質量%の範囲内とする。より好ましくは、色素素材26の混合割合を、アルコール25に対し、15〜50質量%の範囲内で、色素素材26とアルコール25を調合する。
ステンシルシート30は、1枚のシート部材であり、図5に示すように、ステンシル14Aのデザインの原形となる所望形状の型として、シート内の一部を開口して形成された型31を、同一のデザインで複数箇所に有する。ステンシル14Aを描写するのには、このようなステンシルシート30が用いられる。具体的には、図6に示すように、このステンシルシート30を、製造途中下にあるアイシングクッキー1Aのベース部13の表面13a(図4参照)に載置する。そして、ステンシルシート30を、ステンシル14Aを表面13a上に描きたい位置に、ずれないよう、位置合わせをして配置し固定する。
次に、スプレー装置50に供給された第1アイシング材料21を、ノズル51から吐出する。スプレー装置50は、エアを途切れることなく圧送することより、ノズル径数百μmのノズル51から第1アイシング材料21を、均一なミスト状態(一粒の大きさ数〜数十μm)にして、定量的に拡散しながら噴霧を行う電気式の装置である。噴霧にあたり、吐出直後では、物理上、第1アイシング材料21の吐出量にバラツキが生じる場合もあるため、吐出量が安定した段階で、第1アイシング材料21をベース部13に向けて噴霧する。ノズル51から吐出した第1アイシング材料21は、ステンシルシート30に、拡散しながら細かいミスト状で降り注がれ、ステンシルシート30の型31内を通じて、型31の形状に倣ってベース部13の表面13aに付着する。
噴霧中、図6に示すように、例えば、矢印Pに示す方向のノズル51の動き、矢印Qに示す方向のノズル51の動き、矢印Pと矢印Qで合成される方向のノズル51の動き、ノズル51の傾斜角度等、ステンシルシート30に対し、上下方向と、この上下方向と直交する前後方向、及び左右方向とによる三次元方向に、ノズル51を動かしてその位置を変える。これにより、ステンシル14Aを描写しようとする所望範囲に、ミスト状の第1アイシング材料21が、ステンシルシート30の型31内を通じて、ベース部13の表面13aに付着する。付着した第1アイシング材料21は、数分程度の短い乾燥時間で固化する。かくして、ステンシル14Aがベース部13の表面13aに描写される。
なお、アイシングクッキー1Bのステンシル14Bを描写する場合でも、ステンシル14Aのスプレー手順と実質的に同じであるが、ステンシル14Bは、複数色からなるグラデーションで表現されている。そのため、先に例示したように、赤色、オレンジ色、黄色等、色の異なる複数色に分けた第1アイシング材料21をそれぞれ調合する必要がある。グラデーションでは、色毎に区別された第1アイシング材料21が、ステンシル14Bを描写するベース部13の表面13aの中でも、その色に応じて、不要とする部位にある型31をマスキングした状態で、必要とする部位にある型31内のみに噴霧してベース部13の表面13aに付着される。
次に、本実施形態のアイシングクッキー1Aを用いて、アルコール25に対する色素素材26の混合割合と、ステンシル14の仕上がりとの関係について、実施例1乃至4と、比較例とに係る実験を行い、有意性の高い色素素材26の混合割合を確認した。図7は、実施形態に係るアイシングクッキーのステンシルについて、実施例1乃至4、及び比較例に係る割合で色素素材の混合量を変化させた実験を行い、その結果と総合評価をまとめて示した表である。
はじめに、実施例1乃至4、及び比較例に係る確認調査の共通条件について説明する。共通条件は、以下の通りである。
〔共通条件〕
・アルコール25;アルコール度数35のジン
・ベース部13;ステンシル14の描写前に予め調製 ベース部13の表面13aの状態は全て同一(図4参照)
・ベース部13の表面13aの色;薄いピンク色(ソメヨシノの花びらに近い色) 単色
・色素素材26の色;濃い赤色 ベース部13の色との差異を明確するため、この色を採用
・ステンシル14;ステンシル14A (図1に示す第1のデザイン参照) ステンシルシート30を使用
・描写方法;前述したステンシルの描写手順に準ずる ステンシルシート30からの高さを同一 ノズル51の角度90度 矢印Qに示す方向にノズル51を移動する範囲を同一
〔異なる条件〕
・アルコール25に対する色素素材26の混合比率(質量%);1、25、50、75、100の5水準
次に、確認実験の評価方法について説明する。確認実験の評価は、室温20℃の雰囲気下で、第1アイシング材料21の噴霧を完了した後、5分経過した時点で行われた。評価は、描写されたステンシルの外観と、スプレー装置50の噴霧性について、10人の専門パネラーによる目視判断により、実施例1乃至4、及び比較例の実験毎に行った。総合判断は、外観上の評価項目と、スプレー装置50の噴霧性能上の評価項目とを総合的に考慮して、◎印・○印・△印・×印の4段階に分けて評価した。×印を除く3つの評価印(△印・○印・◎印)は、色素素材26の混合割合について、実用上、「好ましい条件」に入る許容範囲内の評価結果で、×印は、「好ましくない条件」を意味する評価結果である。
実施例1乃至4に係る実験で、外観上の評価内容に差異があるものの、「好ましい条件」とする背景には、ステンシル14のデザインや様相が多種多様化しており、外観上の評価項目について、変化を付けて特徴付けを行うことで、描写するステンシル14の表現にバリエーションを備えることができるからである。具体的には、例えば、印象派絵画のような風景画、冬の夜空やオーローラを、装飾部12で表現しようとする場合等に、ステンシル14を「色素素材の付着密度を粗、色合いを薄く、コントラストを低く」すると、第1アイシング材料21が小さな粒子状に付着されて描写の特徴付けが強くでき、装飾部12全体が、幻想的に表現できる。
一方、例えば、誕生日祝いや、七五三祝いの文字を、装飾部12でくっきりと表現しようとする場合等に、ステンシル14を「色素素材の付着密度を密、色合いを濃く、コントラストを中」とすると、ステンシル14の文字がディフォルメされて描写の特徴付けが強くでき、装飾部12全体が、はっきりとした描写で表現できる。換言すれば、「好ましい条件」となる条件で実験すると、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を表現したステンシルに、高い付加価値を第三者から見出すことができる(有意性)と認められる蓋然性が生じ得る。
次に、確認実験の結果について考察する。図7に示す表から容易に理解できるように、アルコール25に対し、色素素材26の混合割合を1〜75質量%の範囲内にすると、ステンシル14の仕上がりに有意性があることが判る。特に、実施例1に係る確認実験の場合、第1アイシング材料21のスプレー量が多いと、揮発性が高いアルコール25でも、アルコール25が完全に気化するまでに掛かる時間が、長くなってしまう。その間に、アルコール25と混じる色素素材26は、流動した後に乾燥するため、仕上がったステンシル14が滲むこともある。滲みを巧みに利用したデザインで、ステンシル14を描写する場合には、1質量%とする色素素材26の混合割合は、好適である。また、実施例4に係る確認実験の場合、スプレーする第1アイシング材料21の噴霧性が、実施例1〜3の場合に比して、やや悪くなるものの、ステンシル14の外観は、良好である。
一方、比較例に係る確認実験では、スプレーする第1アイシング材料21の噴霧性が、実施例4の場合によりも、さらに悪くなり、スプレー装置50の故障の原因にもなるため、色素素材26の混合割合を100質量%とする条件は、現実的ではない。
従って、色素素材26の混合割合が、アルコール25に対し、特に15〜50質量%の範囲内で、色素素材26とアルコール25が調合されていると、前述したように、スプレー装置50に悪影響がなく、幅広いバリエーションで、かつ精度の高い仕上がり具合でステンシル14が描写できる。
本実施形態に係るアイシングクッキー1の作用・効果について説明する。アイシングにより形成された装飾部12を、素焼きクッキー11の上面11aに被覆したアイシングクッキー1において、アイシングは、第1アイシング材料21として、着色を担う食用の色素素材26と、食用のアルコール25とを含む液体状の有色混合物からなる。装飾部12は、ノズル51を通じて第1アイシング材料21を噴霧し、ミスト状態に付着して形成されたステンシル14を有することを特徴とする。この特徴により、アイシングクッキー1の装飾部12に求められるデザイン要求が、千差万別で多様化していても、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を表現したステンシル14を、手間を掛けずに短時間で簡単に形成することができる。そのため、オリジナリティーに富む装飾部12を含んだアイシングクッキー1が、提供できる。
特に、このステンシル14をベース部13の表面13aに描写した装飾部12は、提供した人の間で、付加価値が高いと認定される蓋然性を多く含んでおり、アイシングクッキー1は、近年、急速に高まっているアイシングクッキーの提供ニーズに、対応できるクッキーとなり得る。
すなわち、例えば、結婚祝いの引出物、七五三祝い、開店祝いの贈呈品、来店した客に差し出す店特有の茶菓子等を、提供するニーズとして、オリジナリティーに富んだアイシングクッキーを人に提供したいという要求が、近年になって急速に増え続けている。本実施形態では、このような要求がある場合でも、ステンシル14は、複雑なデザインであっても手間を掛けずに簡単に形成できる。しかも、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を表現したステンシル14の描写について、若い女性や子供のほか、クッキーを受け取る人の間で、高い付加価値を見出すことができると認められることを可能にする表現で、ステンシル14が形成できる。加えて、単位時間あたりに製造できるアイシングクッキー1の数量が、前述したような、ベース部上にペースト状のアイシング材料を絞り出して作る装飾部を施した複合装飾のアイシングクッキーに比して、より増加できることから、アイシングクッキー1は、クッキーの提供ニーズに応え易くなる。
特に、上述した提供ニーズの中でも、例えば、結婚祝いの引出物、開店祝いの贈呈品等向けに、オーダーメイドのアイシングクッキーを提供する数量が、例えば、100セット、500セット、1000セット等、比較的少量の場合には、オリジナルのアイシングクッキーを、製菓メーカーの専用設備で製造すると、その対応が困難であり、コスト高になる。しかしながら、本実施形態のアイシングクッキー1では、スプレー装置50のノズル51により、第1アイシング材料21を、均一なミスト状態で、定量的に拡散しながらベース部13の表面13aに噴霧してステンシル14が形成されている。そのため、数量100セット、500セット、1000セット等のアイシングクッキー1を提供する場合でも、その対応が容易であり、クッキーの製造コストも安価である。しかも、ステンシル14の描写精度は高い。
従って、アイシングクッキーの一種として、本実施形態のアイシングクッキー1では、デザインや様相が多様化しても、装飾部12のうちのステンシル14を安価で簡単に作ることができ、かつこのステンシル14により新規な付加価値を生み出すことができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態のアイシングクッキー1では、食用のアルコール25は、アルコール度数35以上で無色透明の蒸留酒であること、を特徴とするので、アルコール25の揮発性がより高くなるため、ベース部13の表面13aに付着したミスト状の第1アイシング材料21の乾燥時間が短くなる。そのため、乾燥固化したステンシル14の乾燥過程で、第1アイシング材料21の流動に起因した滲みが、ステンシル14に生じ難くなる。
また、本実施形態のアイシングクッキー1では、食用のアルコール25に対し、色素素材26の混合割合が、1〜75質量%の範囲内であること、を特徴とするので、スプレー装置50にほとんど支障をきたすことなく、第1アイシング材料21を噴霧することができ、描写するステンシル14の表現に、豊富なバリエーションを備えることができる。
また、本実施形態のアイシングクッキー1では、ステンシル14は、ステンシルシート30の内部に開口して形成された型31に倣い、第1アイシング材料21を付着させることにより、所望の形状に描写されたものであること、を特徴とする。この特徴により、ステンシル14には、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等、種々のデザインが、自由度を高くして表現できる。また、ステンシル14が、より短い時間で描写できる。
また、本実施形態のアイシングクッキー1では、装飾部12は、第1アイシング材料21とは別の第2アイシング材料22により、素焼きクッキー11の上面11aを被覆したベース部13を有し、ステンシル14は、ベース部13の表面13a上に描写されたものであること、を特徴とする。この特徴により、ステンシル14が、ベース部13による装飾に伴って、より際立って引き立ち、装飾部12全体、ひいてはアイシングクッキー1全体の付加価値が高まる。特に、若い女性や子供のほか、クッキーを受け取る人の間で、アイシングクッキーの人気が元々、非常に高かったところに、本実施形態のアイシングクッキー1でも、意匠上、特徴のある図柄や模様、文字等を表現したステンシル14に、高い付加価値を見出すことができるクッキーであると認められ易い。よって、アイシングクッキー1は、クッキーを提供しようとするニーズに、十分に対応できるクッキーとなり得る。
以上において、本考案を実施形態に即して説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、前述したように、実施形態では、洋菓子である素焼きクッキー11に、アイシングによる装飾部12を被覆したアイシングクッキー1を挙げたが、洋菓子を、例えば、クッキーのほか、例えば、マカロン、ケーキ、チョコレート等とするアイシング洋菓子であっても良い。
(2)実施形態では、第2アイシング材料22を固化したベース部13と、第1アイシング材料21を固化したステンシル14とからなる装飾部12を備えたアイシングクッキー1を挙げて説明したが、ステンシル14を描写したベース部13の表面13aに、第3のアイシング材料により、更なる飾り付け、立体的な造形等を加えたアイシング洋菓子であっても良い。
(3)実施形態では、第2アイシング材料22を固化したベース部13と、第1アイシング材料21を固化したステンシル14とからなる装飾部12を備えたアイシングクッキー1を挙げて説明したが、ベース部がなく、ステンシルのみの装飾部とし、ステンシルを洋菓子の表面に直接描写したアイシング洋菓子であっても良い。
(4)実施形態では、ステンシル14を、平面状とするベース部13の表面13aに描写したが、ステンシルの描写先の面形状は、平面に限らず、種々変更可能である。
(5)実施形態では、乾燥卵白、食用色素等の素材を混練して生成されたペースト状の第2アイシング材料22を固化してベース部13を構成したが、ベース部は、第2のアイシングとして、主成分である粉砂糖に水飴等を添加し混練した粘土状のシュガーペーストを用いたものでも良い。
1,1A,1B アイシングクッキー(アイシング洋菓子)
11 素焼きクッキー(洋菓子)
11a (素焼きクッキーの)表面
12 装飾部
13 ベース部
13a (ベース部の)表面
14 ステンシル
20 アイシング
21 第1アイシング材料(第1のアイシング材料)
22 第2アイシング材料(第2のアイシング材料)
25 アルコール(食用のアルコール)
26 色素素材
30 ステンシルシート
31 型

Claims (5)

  1. アイシングにより形成された装飾部を、洋菓子の表面側の一部または全部に被覆したアイシング洋菓子において、
    前記アイシングは、第1のアイシング材料として、着色を担う食用の色素素材と、食用のアルコールとを含む液体状の有色混合物からなること、
    前記装飾部は、ノズルを通じて前記第1のアイシング材料を噴霧し、ミスト状態に付着して形成されたステンシルを有すること、
    を特徴とするアイシング洋菓子。
  2. 請求項1に記載するアイシング洋菓子において、
    前記食用のアルコールは、アルコール度数35以上で無色透明の蒸留酒であること、
    を特徴とするアイシング洋菓子。
  3. 請求項1または請求項2に記載するアイシング洋菓子において、
    前記食用のアルコールに対し、前記色素素材の混合割合が、1〜75質量%の範囲内であること、
    を特徴とするアイシング洋菓子。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載するアイシング洋菓子において、
    前記ステンシルは、ステンシルシートの内部に開口して形成された型に倣い、前記第1のアイシング材料を付着させることにより、所望の形状に描写されたものであること、
    を特徴とするアイシング洋菓子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載するアイシング洋菓子において、
    前記装飾部は、前記第1のアイシング材料とは別の第2のアイシング材料により、前記洋菓子の表面上の一部または全部を被覆したベース部を有し、
    前記ステンシルは、前記ベース部の表面上に描写されたものであること、
    を特徴とするアイシング洋菓子。
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