JP3197204B2 - 磁気カードの製造方法 - Google Patents

磁気カードの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカー
ド、銀行用キャッシュカード、身分証明カード等の磁気
記録層を有する磁気カードの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる基材上に磁気記録
層を設けた磁気カードは、クレジットカード、銀行用キ
ャッシュカード等に代表される基材の一部にストライプ
状に磁気記録層を設けた磁気カードや、テレホンカード
(商品名)、鉄道カード等のプリペイドカードに利用さ
れている基材の全面に磁気記録層を設けた磁気カード等
様々な分野で幅広く用いられている。これらの磁気カー
ドのうち、クレジットカードや銀行カード等の厚手のカ
ードは、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を基材とし、磁気
記録層は磁気ストライプと呼ばれ、離型処理を施したポ
リエチレンテレフタレート(PET)等のテープ上の磁
気層を基材上の所望部分にストライプ状に熱転写または
貼り合わせて転写することにより形成される。
【0003】この構成では、磁気ストライプが表面に露
出した場合、文字、図案等のデザインの自由度が制限さ
れ高意匠性の妨げになるため、最近は磁気層上に磁気層
の色をかくすための隠蔽層を設けたり、または磁気スト
ライプを含む基材の全面に隠蔽層を設け、この隠蔽層上
に文字、図案等を印刷し保護層で印刷を保護する磁気カ
ードが主流となっている。しかしながら、テープ状の磁
気ストライプを転写するには、張り合わせの位置合わせ
やカード断裁時の位置合わせが難しく、また基材と磁気
ストライプの段差があるためあらかじめ熱プレスにより
表面を平坦にしておくか、あるいは転写印刷によりプレ
スを行い保護層や印刷層を形成するため、何度も熱処理
工程が必要であったり、転写印刷では磁気ストライプと
の位置ずれが生じたりするため改善が望まれていた。し
かも、磁気ストライプや転写印刷工程で剥離したあとの
離型フィルムは再利用できず、ゴミ問題も無視できない
状況にある。
【0004】そのため、磁気カードの基材全面に磁気記
録層と隠蔽層を順次形成することにより、上記の問題を
解決する磁気カードの製造方法の提案がなされている
が、クレジットカードや銀行カードには文字、数字等の
必要事項を打刻により設けるため、全面に磁気記録層を
設ける場合には打刻処理部の磁気記録層の割れ、剥離が
生じやすく、その解決が困難であり、また不必要な部分
にも磁気塗料を塗布するために材料のコストが高くなる
などの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気ストライプを転写
する際の張り合わせの位置合わせやカード断裁時の位置
合わせが容易で、基材と磁気ストライプの段差を熱プレ
スにより表面を平坦する必要がなく、プレスによる保護
層や印刷層の形成のための熱処理工程が少なく、転写印
刷による磁気ストライプとの位置すれが生じない、生産
性が高く安価でかつ品質の安定した磁気カードを提供す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、離型フィルム
の面上に、保護層、印刷層、隠蔽層を順次形成し、該隠
蔽層上に塗布により幅5mm以上のストライプ状に磁気
記録層をフィルムの加工方向に連続的に、フィルムの加
工幅方向に一定間隔を開けて複数箇所同時に形成して転
写フィルムとし、オーバーレイ基材に接着剤を塗布して
転写フィルムの磁気記録層を付与した面とラミネートし
て接着剤により磁気記録層を付与した部分と付与してい
ない部分の段差が埋め、接着剤が硬化後離型フィルムを
剥離し、所定の寸法にカットすることによりオーバーレ
イを作製し、該オーバーレイ、コア材、塗布により幅5
mm以上のストライプ状に磁気記録層をフィルムの加工
方向に連続的に、フィルムの加工幅方向に一定間隔を開
けて複数箇所同時に形成したのち、該磁気記録層上に保
護層を形成した熱可塑性樹脂製シートである裏面用のオ
ーバーレイを重ねて熱プレスして融着させ、所定のカー
ド寸法に打ち抜き加工する磁気カードの製造方法であ
る。さらに、オーバーレイ基材に塗布する接着剤が紫外
線または電子線の照射により硬化する接着剤またはホッ
トメルト型接着剤である磁気カードの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明による磁気カードの
製造方法を説明する。まず、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等熱可塑性樹脂からなる少なくとも
片面に離型効果を有するロール状の離型フィルムの離型
効果を有する面全面にわたり印刷層を保護するための保
護層を形成する。次に、この保護層上に磁気カードに必
要な文字や図柄等の印刷層を形成する。更に、印刷層上
に磁気記録層の着色を隠蔽するための隠蔽層を形成す
る。なお、本発明はこれら各層の形成手段を限定するも
のではなく、グラビア法、ロール法等の従来公知の塗布
及び印刷方法により形成して構わない。
【0008】更に、隠蔽層上にフィルムの流れ方向に連
続的に、フィルムの加工幅方向に所定間隔を空けて複数
箇所に同時に磁気塗料を塗布、乾燥して幅5mm以上の
ストライプ状の磁気記録層を設け、転写フィルムを作製
する。ストライプの間隔は、カード形態に打ち抜く際の
取り位置を考慮して適宜設定すればよい。この塗布方法
も特に限定するものではないが、例えば図1、図2に例
示するように所定間隔を開けてスリットを設けたダイを
用いたコーティング方式により塗布すれば、一定幅で一
定間隔を開けてストライブ状の磁気記録層を形成するこ
とができる。また、磁気塗料を塗布する際にはエア式、
光電管式等のフィルム端の検出器を備えた従来公知のフ
ィルム位置矯正装置を使用して、印刷層の柄の所定位置
に磁気記録層が形成されるように留意する必要がある。
【0009】次に、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポ
リカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる厚さ0.1m
m以上のオーバーレイ基材の全面に接着剤層を厚さ5μ
m〜15μmになるように塗布により形成し、転写フィ
ルムとラミネートする。転写フィルムには磁気記録層と
磁気記録層を付与していない部分の段差があるので、こ
のラミネートは接着剤により段差を埋めるように行う。
つまり、ラミネートロールにより圧力をかけ、オーバー
レイ基材上の接着剤層に磁気記録層が埋没させることに
より段差を解消する(図3)。したがって、接着剤層の
厚さが5μm未満では磁気記録層が完全に接着剤層に埋
没せず、ラミネーとした時に張り合わされていない浮き
部分が生じ、15μmを越えるとラミネートロールで圧
力をかけた時にフィルム端から接着剤がはみ出して巻き
取った後でブロッキングが生じる。
【0010】本発明では、使用する塗料や接着剤の成分
を制約するものではないが、例えば、溶剤型や水系の接
着剤でラミネートを行う場合には、用いる接着剤の固形
分は30〜60%が好ましく、塗工方法はナイフエッジ
法等の塗工基材上で塗布量を規定する方法が好ましい。
接着剤の固形分が少ない場合は段差の軽減が少なく、オ
ーバーレイ基材とラミネートする際に磁気記録層の両端
に沿って、貼り合わされていない浮き部分が生じる。さ
らに、接着剤の固形分が上記の範囲であっても、ラミネ
ートロールのニップの圧力が不足すると浮きが生じるの
でニップの圧力にも留意する必要がある。また、紫外線
や電子線で硬化する無溶剤型の接着剤やホットメルト型
接着剤を用いると、磁気記録層の段差は完全に解消す
る。紫外線硬化型の接着剤の場合は、貼り合わせた後に
紫外線を照射するためオーバーレイ基材は紫外線に対し
て透明でなくてはならない。
【0011】この段階では、磁気記録層付きオーバーレ
イは離型フィルムが残ったロール状の状態であるが、コ
ア材、裏面用オーバーレイと熱プレスにより積層する際
には所定寸法の毎葉状態で加工するため、必要な寸法に
カットする(図4)。この工程では離型フィルムを剥離
しながら同一のライン内でカットすることが好ましい
が、機械の構造上同時に行えないときは予め離型フィル
ムを剥離しておいてから毎葉状態にカットしても構わな
い。このとき剥離した離型フィルムはロール状で回収で
きるため再利用が可能である。毎葉状態にカットする寸
法、即ちコア材、裏面用オーバーレイを積層する際の各
シートは、取扱の利便性や生産性から所定の磁気カード
の寸法に打ち抜く際の取り数を適宜決定し、寸法を選定
すればよい。次に毎葉状態の磁気記録層付きオーバーレ
イ、熱可塑性樹脂製のコア材、裏面用オーバーレイを順
次積み重ねて熱プレスにより融着させる。コア材はポリ
塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート等の熱可
塑性樹脂でオーバーレイと同質の樹脂からなることが好
ましく、片面には予めカードの裏面に必要な事項の印刷
を施しておく。従って、この印刷が読みとれるために通
常は裏面用のオーバーレイは透明なシートを使用する。
【0012】磁気カードの種類によってはクレジットカ
ードのインターナショナルカードに代表されるように磁
気カードの表裏の両面に磁気記録層が必要な場合がある
ので、裏面用のオーバーレイの所定部分に磁気記録層を
付与しておいても構わない。
【0013】裏面用オーバーレイの磁気記録層は、従来
と同様に保護層のついた磁気ストライプの転写により付
与しても構わないし、磁気層付きオーバーレイの付与方
法と同様にロール状の裏面用オーバーレイ素材上に磁気
塗料を一定幅で一定間隔を開けて塗布して形成しても構
わない。塗布により磁気記録層を付与する場合はさらに
保護層を積層する必要があるが、例えばキスロール方式
によって塗布すればストライプ状の磁気記録層の段差が
あることにより、磁気記録層上のみに保護層を形成する
ことができる(図5)。裏面用の磁気記録層上には隠蔽
層、印刷層を積層しないので、プレスの前に段差を解消
する必要はなく、段差はプレスにより平坦になり解消す
る。最終的にプレスにより作製した磁気シートを所定の
カードの寸法に打ち抜いて磁気カードが完成する。
【0014】
【実施例】
<実施例1>片面に離型層を設けた幅450mm、厚さ
20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムを離型フィルムとして用いて、その離型層上の全面
にわたり厚さ1μmの透明の保護層を形成し、この保護
層上に磁気カードの表柄となる絵柄、文字等の印刷層を
形成した。印刷層上にアルミニウム片をウレタン樹脂に
分散させた銀色のインクを用いて、磁気記録層の着色を
隠蔽するための隠蔽層を厚さ2μmになるように形成し
た。先端に55mm間隔をおいて7mm幅の塗料を押し
出しすための間隙を設けたダイ方式の塗工装置を用い
て、該隠蔽層上に保磁力650Oeの磁気記録層をフィ
ルムの加工方向に対して連続的に、幅方向に対して55
mmの間隔を開けて7mm幅のストライプ状に乾燥後の
厚さが8μmになるように形成し、転写フィルムの原反
を得た。厚さ0.2の硬質塩化ビニル製のオーバーレイ
基材の全面に、溶剤希釈タイプのポリエステル型ウレタ
ン樹脂系の接着剤をグラビア法により乾燥後の厚さが1
0μmになるよう塗布し、転写フィルムの磁気記録層を
設けた面とラミネートした。ラミネートロールのニップ
部の線圧は10kg/cm、ロール温度は50℃で行
い、磁気記録層は接着層の中に埋没し、オーバーレイ基
材と転写フィルムの間に浮きが生じることなく張り合わ
せることができた。
【0015】ラミネート後の原反を40℃で48時間放
置して接着剤が硬化したのち、離型フィルムを剥離しな
がらロールカット機により長さ700mmの毎葉状態に
カットして、磁気記録層付きオーバーレイを作製した。
磁気記録層付きオーバーレイと同寸法の厚さ0.35m
mの白色硬質塩化ビニルシートに予め磁気カードの裏面
に必要な文字等の印刷を施しておき、磁気記録層付きオ
ーバーレイ、印刷済みの白色コア材、厚さ0.2mmの
透明硬質塩化ビニル製の裏面用オーバーレイを順次積み
重ねて、熱プレスにより融着して厚さ0.75mmのシ
ートを得た。裏面用のオーバーレイは磁気記録層付きオ
ーバーレイと同材質の塩化ビニルシートである。かかる
後に、所定の磁気カードの寸法に打ち抜き加工して、磁
気カードを作製した(図6−a)。作製したカードの所
定位置に打刻印字して打刻文字を観察したが、文字に割
れなく外観は良好であった。
【0016】<実施例2>実施例1と同様にして、保護
層、印刷層、隠蔽層、ストライプ状の磁気記録層を順次
形成した転写フィルムを作製し、透明の硬質塩化ビニル
製のオーバーレイ基材の全面にアクリル系オリゴマーの
無溶剤型の接着剤をナイフエッジ方式により厚さが9μ
mになるように塗布し、転写フィルムの磁気記録層を設
けた面とラミネートロールにより張り合わせ、直後に紫
外線を照射させて接着剤を硬化させた。その後、実施例
1と同様にして、離型フィルムを剥離しながら毎葉状態
にカットして、裏面用の印刷を施したコア材、裏面用オ
ーバーレイとを順次重ねて熱プレスし、所定の寸法に打
ち抜いて磁気カードを作製した。作製したカードの所定
位置に打刻印字して打刻文字を観察したが、文字に割れ
なく外観は良好であった。
【0017】<実施例3>実施例1と同様にして、毎葉
状態の磁気層付きオーバーレイを作製した。また、ロー
ル状の裏面用オーバーレイに磁気層付きオーバーレイと
同様のダイ方式により厚さ10μmのストライプ状の磁
気記録層を設け、さらに磁気記録層上にキスロール方式
により保護層を厚さ1μで形成し、毎葉状態にカットし
て裏面用オーバーレイシートを作製した。実施例1と同
様に磁気記録層付きオーバーレイ、コア材、裏面用オー
バーレイを順次積み重ねて熱プレスし、所定の磁気カー
ドの寸法に打ち抜いて磁気カードを作製した(図6−
b)。作製したカードの所定位置に打刻印字して打刻文
字を観察したが、文字に割れなく外観は良好であった。
【0018】<比較例1>従来の方法により磁気カード
を作製した。まず、片側の面に離型層を設けた厚さ38
μmのポリエチレンテレフタレート製の離型フィルムの
全面に、保磁力650Oeの磁気塗料を乾燥後の厚さが
10μmになるように塗布、乾燥した。さらに磁気記録
層上にヒートシールラッカーを塗布して厚さ2μのヒー
トシール層を設けた。このフィルムを幅7mmにスリッ
トして磁気ストライプテープを作製した。厚さ0.2m
m、幅450mmのロール状の透明硬質塩化ビニル製の
オーバーレイ基材に、磁気記録層上に幅6.5mmのヒ
ートシール層を形成した磁気ストライプテープを55m
m間隔をあけて、ヒートロールで加熱圧着した。さらに
磁気ストライプの離型フィルムを剥離しながら、長さ7
00mmの毎葉状態にカットして磁気ストライプ付きオ
ーバーレイを作製した。同様にして裏面用のオーバーレ
イも作製した。また、片側の面に離型層を設けた厚さ2
0μm、幅450mmのポリエチレンテレフタレート製
の離型フィルムの全面に厚さ1μの保護層を形成し、保
護層上に絵柄、文字等を印刷した印刷層、厚さ2μmの
隠蔽層を順次形成して、さらに隠蔽層上に厚さ2μmの
ヒートシール層を設け、長さ700mmの毎葉状態にカ
ットして転写印刷箔を作製した。
【0019】オーバーレイと同寸法の厚さ0.36mm
の白色硬質塩化ビニル製のコア材に、裏面に必要な印刷
を施し、転写印刷箔、磁気ストライプ付きオーバーレ
イ、コア材裏面用オーバーレイを重ね、印刷の所定位置
に磁気ストライプが合わさるように位置を合わせ、ずれ
ないように四隅をスポット融着して仮止めした後全体を
プレスした。その後、転写印刷箔の離型フィルムを剥離
し、所定の寸法に打ち抜いて磁気カードを作製した。作
製した磁気カードの所定部分に打刻印字して、打刻文字
を観察したが割れは認められなかった。しかしながらこ
の工程では、実施例と比較すると、磁気ストライプテー
プのヒートシール層形成、及びスリット工程が余分に必
要であった。また、プレスの前に転写印刷箔、オーバー
レイ、コア材を重ねる際も転写印刷箔をオーバーレイの
所定位置に合わせし、オーバーレイとずれないようにス
ポット融着する作業が繁雑で、さらにプレス後に転写印
刷箔の離型フィルムを剥離する際は一枚ずつ人手で行う
ため、実施例に比べ時間も工数も余分に必要であった。
【0020】<比較例2>実施例1と同様にして、離型
フィルムの離型効果を有する面に、保護層、印刷層、隠
蔽層を順次形成した後、隠蔽層上の全面にわたり実施例
1で用いた磁気塗料を厚さ10μmで形成して転写フィ
ルムを作製した。厚さ0.2mmの透明硬質塩化ビニル
製のオーバレイ基材に溶剤希釈タイプのポリエステル型
ウレタン系の接着剤を乾燥後の厚さが2μmになるよう
に塗布し、転写フィルムの磁気記録層面とラミネートし
た。後は実施例1と同様にプレス、打ち抜きにより磁気
カードを作製した。作製した磁気カードの所定位置に打
刻印字した。その結果、打刻文字の表面の一部に割れが
生じて下地が露出しており、外観を損ねていた。また、
実施例に比べ約9倍の磁気塗料が必要であった。
【0021】
【発明の効果】本発明に従い磁気カードを作製すること
により、従来ストライプ状の転写フィルムにより磁気ス
トライプを付与する製造方法に比べて、磁気ストライプ
テープの作製工程が省略され、また転写印刷箔の位置合
わせや仮止め融着の必要がなく、しかも磁気記録層付き
オーバーレイの作製が一貫してロール状の加工で行える
ため生産性が向上しコストも低減した。加えて、転写フ
ィルムに用いた離型フィルムは、剥離した後巻き取れば
再利用が可能であり、さらにコストを低減することが可
能である。さらに、作製した磁気カードの打刻処理部に
は従来と同様に割れは生じず外観が良好であり、必要な
磁気塗料が少なくて済むため、原材料のコストの上昇を
伴わなずに生産性の向上が達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】一定間隔を開けてスリットを設けたダイ方式コ
ーティングヘッドの模式図。
【図2】ダイ方式による磁気記録層塗工を説明するため
の断面図。
【図3】本発明による磁気カードの製造方法(ラミネー
ト工程)を説明するための断面図。
【図4】(a)は本発明による磁気層付きオーバーレイ
の斜視図であり、(b)は(a)の断面図。
【図5】本発明による磁気記録層を付与した裏面用オー
バーレイの断面図。
【図6】(b)は本発明による磁気カードの断面図であ
り、(a)は本発明による裏面にも磁気記録層を設けた
磁気カードの断面図。
【符号の説明】
1 …ダイ方式のコーティングヘッド 2 …磁気塗料を押し出すためのスリット 3 …磁気塗料 4 …塗工基材 11 …離型フィルム 12 …保護層 13,20 …印刷層 14 …隠蔽層 15 …磁気記録層 16 …接着剤層 17 …オーバーレイ基材 18 …コア材 19 …裏面用オーバーレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/855 B42D 15/10 G11B 5/80

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型フィルムの面上に、保護層、印刷
    層、隠蔽層を順次形成し、該隠蔽層上に塗布により幅5
    mm以上のストライプ状に磁気記録層をフィルムの加工
    方向に連続的に、フィルムの加工幅方向に一定間隔を開
    けて複数箇所同時に形成して転写フィルムとし、オーバ
    ーレイ基材に接着剤を塗布して転写フィルムの磁気記録
    層を付与した部分と付与しない部分の段差を埋めるよう
    にラミネートし、接着剤が硬化後離型フィルムを剥離し
    て、所定の寸法にカットすることによりオーバーレイを
    作製し、該オーバーレイ、コア材、塗布により幅5mm
    以上のストライプ状に磁気記録層をフィルムの加工方向
    に連続的に、フィルムの加工幅方向に一定間隔を開けて
    複数箇所同時に形成したのち、該磁気記録層上に保護層
    を形成した熱可塑性樹脂製シートである裏面用のオーバ
    ーレイを重ねて熱プレスして融着させ、所定のカード寸
    法に打ち抜き加工することを特徴とする磁気カードの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 転写フィルムとオーバーレイ基材をラミ
    ネートする際の接着剤が、紫外線または電子線の照射に
    より硬化する接着剤またはホットメルト型接着剤である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気カードの製造方
    法。
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