JPH07121625B2 - Ｉｄカード製造用の貼り合わせ用製品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 積層プラスチック製のIDカード（身分証明用カード）
は、多くの異なった団体によって広範囲に使われてい
る。即ち、多くの政府機関および企業は、毎年そのよう
なIDカードを何十万枚も定期的に発行している。多くの
場合、IDカードは、身分を証明するためのイメージ（写
真、手書きの説明事項、タイプで印字したデータ、な
ど）が付着されていて、２枚の透明なプラスチックの保
護膜で挾まれ熱と圧力で固着された紙またはプラスチッ
ク製挿入部材から構成されている。保護被覆用の複数の
シートまたは膜は、たいてい複合構造でできており、外
側の表面被膜は、硬い、強靭な、耐磨耗性のポリエステ
ルでできており、また、内側の表面被膜は、ポリエチレ
ン、または、その他の、熱と圧力で固着できる性質の樹
脂でできている。自動車の免許証においては、または、
入来が厳しく制限されている場所へ、個人が入場する際
に使われている、IDカードにおいては、その心材または
挿入部材は、一枚の写真を含んでいる場合がある。一部
のIDカードにおいては、その挿入部材の上の身分証明デ
ーターの全部が、写真術によって再生されている。

積層プラスチックのIDカードの製造に際して、とりわ
け、一枚のカードがある一定時間内に生産される小規模
の製造装置において、しばしば起こっているひとつの問
題は、その心材またはデーター・シートを、どのように
して、両側の２枚の保護用樹脂膜の中に、ぴったり各縁
を一直線上に揃えて収めるか、ということと係わってい
る。この２枚の保護用シートが、両側の保護用シートの
中の事前に成型された複数のうね、一端に沿った両側の
保護用シートの事前に貼り合わせた部分、その他の処置
を含めて、その心材のシートに対して最大限の保護とな
るように、重なり合う各シートの各縁をぴったり揃える
ために、これまで、各種の貼り合わせ法が提案されてき
た。それにもかかわらず、この特殊な困難さは、とりわ
け、IDカードが個人ベースで生産される製造装置におい
て、相変わず存在している。

貼り合わせて作られた樹脂の身分証明用カードに関し
て、引き続き存在しているもうひとつの問題は、安全に
係わっている。この問題についてもシート上のデーター
を変造しようとして、２枚の保護用シートを用心深くそ
れぞれから引き裂いて、心材のシートを露出するとい
う、普段よく使われる変造技術からカードを守るため
に、多くの異なった手段が提案されている。これらの手
段の一部は極めて良く機能しているものもあるが、余り
効果がないのもある。しかし、いずれにしても、これら
の殆ど全ては、余分な費用がかかるものばかりである。

上に指摘した心材の各縁を、保護シートの各縁とぴった
り揃えるという、 アライメントの問題を効果的に処理する、より優れた方
法の一つがドローア（Drower）およびその他の申請者に
よって、アメリカ合衆国のパテント第3,918,188号に提
示されている。このパテントに述べられている、貼り合
わせ用の小袋構造においては、保護膜材料の２枚のシー
トが一端に沿って接合されて、実質的に、Ｖ型の小袋の
形に作られている。この２枚の保護膜用のシートは、そ
れぞれ精密に切断されていて、複数の壊れやすいブリッ
ジによって、ある一端に接続された１枚のセンター・パ
ネルを形成する。この２枚のパネルは、相互に、正確に
見当の合った位置に維持されている。ある正当な身分証
明データーを付着している、一個のIDカードの心材が、
この小袋の中に挿入され、その後に、この２枚の保護シ
ートは熱と圧力で固着される。それから、固着された２
枚のセンター・パネルから構成される。小袋の中央部分
が引き裂かれて、目的のIDカードが得られる寸法になっ
ている。この方法は、心材の効果的なアライメントを小
袋の枠内に効果的に維持できる点で、多くの用途におい
て非常に優れている。しかし、この方法は安全面におい
ては、その他の多くの方法と比べても実質的な改善は行
なわれていない。

当発明の概要 本願発明の主な目的は、どんな挿入部材も心材も必要と
しない、また、効果的なIDカードのための安全特性を与
えることのできるIDカードの製造用のある、新しい改善
型の貼り合わせ用製品を提供することである。

この発明のさらに特定な一つの目的は、表パネルと裏パ
ネルの２枚のエレメントを備えていて、また、改善型の
安全特性を備えているが、それにもかかわらず、プラス
チック膜のひとつの層を、もうひとつのプラスチック膜
に、熱と圧力で固着するための、最小能力の積層機から
最大能力の積層機にいたる、殆どどんな装置を使って
も、完成することのできるIDカードの製造用の、新し
い、また、改善された貼り合わせ用製品を提供すること
である。

従って、本願発明は、所定寸法のIDカードを製造するた
めの貼り合わせ用製品に関するものである。この貼り合
わせ用製品は、第一シートと第二シートとからなり、第
一シート及び第二シートのそれぞれは、樹脂の表面を有
しており、また、IDカードの前記所定寸法よりも大きい
寸法を有している。第一シート及び第二シートは、各シ
ートの一端部に沿って、ずれないように、相互に接合さ
れており、それによって、これらの二つのシートは、表
面同士が接触する状態に折り重ねることができるように
構成されている。これら二つのシートの接触表面は、折
り重ねられたときに、熱と圧力により互いに密閉するこ
とができるように構成されている。第一シート及び第二
シートは、正確に切断されて、IDカードの所定寸法を有
する第一及び第二のそろったIDカード・パネルが形成さ
れており、第一及び第二のIDカード・パネルは、二つの
シートが折り重ねられたときに、互いに正確に一致する
ように構成されている。第一及び第二のIDカード・パネ
ルのそれぞれは、複数の壊れやすいブリッジによって第
一及び第二シートのそれぞれの残りの部分に接合されて
いる。第一及び第二のIDカード・パネルは、二つのシー
トが折り重ねられたときに、表面同士が接触するように
構成されている。第一IDカード・パネルの少なくともデ
ータが見える所定の部分は、透明であり、このデータが
見える透明な部分に対応する第二IDカード・パネルのデ
ータ表示部分は不透明である。第二IDカード・パネルの
データ表示部分は、第一IDカード・パネルのデータが見
える部分に対向したイメージ受理表面を有している。第
一シート及び第二シートは、これらの二つのシートがず
れないように、第二IDカード・パネルのデータ表示部分
のイメージ受理表面を露出して、そこにイメージ・デー
タを付与すことができるように、相互に調整することが
できる。

好適な実施例の説明 第１図は本発明の第一の好適な実施例による、一連の帯
状の貼り合わせ用製品20、20A、20B、20C、を示す。こ
れらの貼り合わせ用製品、20、20A、20B、20Cは、すべ
て同じ構造を持っている。この一連の貼り合わせ用製品
は、普通、熱を加えて固着できる貼り合わせシートでで
きた透明な樹脂材料の第一シート21から成り、ひとつの
接着端23に沿って、これもまた、できれば、熱を加えて
固着できる貼り合わせシートであることが望ましい樹脂
材料の第二シート22に、接着されている。貼り合わせ用
製品、20、20A、20B、20Cを、２点鎖線32で示されてい
るように、それぞれから分断するためのアライメント手
段を与えるために、第一シート21と第二シート22内に、
一直線上に一連の切り込み33が刻まれている。切り込み
33、複数のピン・ホール、または、その他の手段は、貼
り合わせ用製品を、これ以降に説明されているように、
身分証明データー・イメージを第二シート22の部分に付
着するための、プレス、カメラ、プリンター、その他の
機器に供給するための誘導手段として、使うことができ
る。

第１図乃至第３図に示されるように、貼り合わせ用製
品、20、20A、20B、20Cから構成されている、これらの
２枚の広げられた樹脂シート21と22は、この２枚のシー
トが表面と表面が接触した状態で折り畳まれるように、
固定されたアラインメント内で、各シートの縁23に沿っ
て、接着される。この関係は第２図において最も明らか
である。さらに、この２枚のシート、21と22のそれぞれ
の接触表面は、折り合わせられたときに、互いに熱と圧
力で固着される性質のものである。

第１図から第３図までのシート、21と22は、それぞれ
が、IDカードの完成品のために必要な、あらかじめ決め
られた寸法を持っている、一対になる２枚のIDカード・
パネルの輪郭・形状を明確に決めるために、両方とも精
密に切断されている。従って、第１図に最も良く示され
ているように、この例においては、透明な樹脂貼り合わ
せシートから形成されている。第一シート21は、一般に
長方形の形をしていて、四隅が丸められている第一カー
ド・パネル25の輪郭を明確に示している、一連の線状を
なしている24に沿って、打ち抜き、または、他の方法
で、精密に切断されている。パネル25はシート21の周囲
の部分から、切断線24で完全には分離されていない。即
ち、シート21の中には、切断されない状態に留まってい
る４個の壊れやすいブリッジがあり、複数の点26に示さ
れているように、第一カード・パネル25の各隅に１個の
ブリッジがある。同様に、第１図の貼り合わせ用製品20
Aに関連して最もよく示されているように、下方にある
不透明なシート22は、打ち抜き、または４つの長方形に
アレンジされた線27に沿って、精密に切断されていて、
その隅で４つの壊れやすいブリッジ29によって、そのシ
ートの周囲の部分に接続された状態に留まっている、シ
ート22の中の、第２カード・パネルの輪郭・形状を明確
に決めている。

第１図乃至第３図の実施例においては、貼り合わせ用製
品20（および、その他の貼り合わせ用製品20A、20B、20
Cなどのそれぞれ）は、材料は、できれば、樹脂貼り合
わせシートが望ましい、不透明で、かつ、第一樹脂シー
ト21の中のカード・パネル25と面し合っている、イメー
ジ受理表面31を持っている第二シートを含んでいる。第
２図を参照。たとえば、シート22は、不透明でかつイメ
ージを受理する、上向きになっている表面31を得るため
に、適当な微細な粒子の白色の充填剤（たとえば滑石）
を使って、熱と圧力で固着できるポリエチレンで成形さ
れてもよい。それとは反対側の面、即ち、シート22の外
側の表面は、着色したポリエチレンに貼り合わされた、
硬い、靭性のある、耐磨耗性のポリエステル樹脂の膜に
よって覆うことができる。

一方、シート21は透明でなければならないし、また、ポ
リエチレン、または、その他の熱と圧力で固着できる樹
脂の内側表面に接着された、硬い、靭性のある、耐磨耗
性のポリエステル樹脂の外側の表面を持った、従来の貼
り合わせ膜で構成されていてもよい。21と22の２枚のシ
ートの間の縁接着23は単純な接着剤でよい。その替わり
の方法として、第一と第二シートの21と22を接着縁の23
に沿って、接合するために、ある熱シールを使用しても
よい。

IDカードの製造において、貼り合わせ用製品20を使用す
るためには、第一シート21は、第二シート22のイメージ
受理表面31を露出させるために、後方に折り畳まれる。
もちろん、この作業は、縁23における接着が、トップ、
すなわち、第一シート21を邪魔にならない後方に折り畳
むことができるようにすることが前提条件である。シー
ト21は、邪魔にならない後方に折り畳む作業を容易にす
るために、シート22とのアラインメントを別の方法で変
えることなしに、刻み目（図には示されていない）を入
れてもよい。それから、身分証明用イメージは、貼り合
わせ用製品20の中のシート22の中心スペースの大部分を
占めているカード・パネル28の上を向いている表面31に
付着される。身分証明データー・イメージは、身分証明
データーを、表面31の上にタイプ印刷または、他の方法
によって押印することによって付着される。一方、表面
31は、身分証明データー・イメージが、写真術によって
付着されやすいように、ある適切な写真乳剤で塗布して
もよい。

希望する身分証明データー・イメージが、不透明な樹脂
シート22の中の第二のIDカード・パネル28の表面31に、
写真術、または他の方法によって、付着された後に、第
一のすなわちトップの樹脂シート21は、21と22の２枚の
シートが、表面と表面が接触する状態になるまで、後方
に折り畳まれて、シート22の上に覆い被せられる。この
ようにしたとき、２枚のカード・パネルの25と28は、そ
れぞれの縁を正確に揃えて、重なり合っている。それか
ら、貼り合わせ用製品20は、ロータリー・プレスまたは
フラット・ベッド・プレスのような従来の積層プレスに
通されて、熱と圧力で、21と22の２枚のシートが固着さ
れる。もちろん、この２枚のシートの主要な構成要素で
ある、それぞれのカード・パネルの25と28も、この積層
作業中に同時に固着される。その後に、固着されたカー
ド・パネルの25と28は、壊れやすい複数のブリッジの26
と29において、貼り合わせ用製品20から容易に除去する
ことができ、第４図に見られるようなIDカード30が後に
残る。

第４図のカード30は、身分証明イメージ・データー用の
ペーパー、樹脂膜、または、その他の材料の挿入部材を
使用している殆どのカードを含む。これまでに知られて
いる多くのカードに比べて、安全性能が優れている。従
って、樹脂シートを熱と圧力で固着することによって成
形された殆ど全てのIDカードのように、カード30を、お
おざっぱに、２枚のカード・パネルの25と28（第２図）
が固着されている表面に沿って、分割することは可能で
ある。しかし、正確に分割することは困難で、また実
に、殆ど不可能である。即ち、それはある保護膜をある
インサート・シートから引き剥がすこととは本質的に違
っている。さらに、固着作業を行なう過程において、カ
ード・パネル28の表面31の上の身分証明データー・イメ
ージの一部が、透明な膜のカード・パネル25の重なり合
っている表面の方へ転移するという現象が起きる。その
ため、何らかの変更を試みると、身分証明イメージ・デ
ーターの転移する部分を、そのカードの透明なカバーか
らおおい隠すことは、事実上不可能であり、また、カー
ドの分割を試みると、当初に作られたイメージを、その
外観が違うことが、一見してわかるほどに変えてしま
う。貼り合わせ用製品20から作られたカード30は、安全
なカードで、その点では、これまで知られている殆どの
カードより、優れている。

一方、費用については、カード30はまた殆どの知られて
いるIDカードより実質的に優れている。挿入材を全く使
用しないため、相対的な費用が最小に押さえられてい
る。一方、貼り合わせ用製品20は（この貼り合わせ用製
品からカード30が作られる）、本質的には、どんな従来
形式の積層機でも、ロータリー式プレスでもフラッドベ
ッド式プレスでも、その加工法で完成することができ
る。従って、貼り合わせ用製品20は、長い帯状の製品2
0、20A、20B、20C、などを処理する大量システムで使用
するのに適している（第１図）。一方、製品20のよう
な、個々の貼り合わせ用製品は、その帯状から切断され
たとき、一回の積層作業で一枚のIDカードを、なお最低
費用で、作るために利用することができる。

第５図乃至第８図はこの発明のもう一つの実施例を示
す。この例において、最初の材料は、透明な、熱と圧力
で固着できる樹脂を長く、薄く、延ばした一枚のシート
を、肉厚を薄くした長さ方向のヒンジ部分の43によって
分けられて、第一シート41と第二シート42ができる。薄
いヒンジ部分の43は、この２枚のシート41と42のそれぞ
れの一端に沿って、この２枚のシートを、固定されたア
ラインメント内に維持する。即ち、この２枚のシート
は、第７図に示されているように、表面と表面とを接触
させて折り畳むことができる。この２枚のシートの接触
表面は、折り畳まれたときに、熱と圧力で固着される。
第５図に示されているこの複合構造物は、線50に沿っ
て、切断されて、個々の貼り合わせ用製品、40、40A、4
0B、40C、が得られる。

第一シート41は、線44で示されているように、精密に切
断されていて、第一の長方形のIDカード・パネル45の、
できれば、四隅が丸められたものが望ましい輪郭と形状
を明確にしている。同様に、第二シート42は、精密に切
断されて（切線は47に示されている）、第二IDカード・
パネル48の輪郭と形状を明確に示している。第５図乃至
第７図から明らかなように、シート41および42が一緒に
折り畳まれるとき、第一と第二のIDカード・パネルの45
と48の各縁は、正確に一線上に揃えられていて、また、
表面と表面が接触している状態にある。第一カード・パ
ネル45のそれぞれは、そのシート41の残りの部分に、複
数の壊れやすいブリッジ46（できれば各隅に１個のブリ
ッジが望ましい）によって接合されている。同じ方法
で、第二カード・パネル48は、第二シート42の残りの部
分に、四隅にある壊れやすいブリッジ49によって接合さ
れている。

第５図乃至第８図の実施例において、第一と第二シート
41と42は、ある単一の、連続した、透明な樹脂貼り合わ
せシートで形成されている。この樹脂貼り合わせシート
は、できれば、ポリエチレンまたは、それと同じような
樹脂の、熱と圧力で固着できる被膜に結合された、硬
い、靭性のある、耐磨耗性のポリエステルの外側被膜を
含んでいたほうが望ましい。この貼り合わせシートは透
明なため、第二カード・パネル48のそれぞれは、貼り合
わせ用製品（２枚のカード・パネルは、その一部分であ
る）が第７図に示されているように折り畳まれるとき
に、その関連した第一カード・パネル45と面し合ってい
る不透明な性質のイメージ受理表面を持つように、表面
塗料51を第二シート42に塗布する必要がある。

第５図乃至第８図の貼り合わせ用製品40のような、この
発明の第二の実施例による貼り合わせ用製品の使用法
は、第一の実施例の場合の使用法と全く同じである。従
って、身分証明イメージ・データーは、第一カード・パ
ネルと面し合っている表面、即ち、塗料51を含んでいる
表面上に、押印されるか、写真にとられるか、または、
他の方法で、この貼り合わせ用製品の第二カード・パネ
ル48に、付着される。この点に関して、注目してもよい
ことは、塗料51は写真乳剤であってもよい、ということ
である。身分証明イメージ・データーを適所に置いてか
ら、この貼り合わせ用製品は、第７図および第８図に示
されているように、折り重ねられる。それから、この貼
り合わせ用製品は、普通、ロータリー式か、または、フ
ラット・ベッド式の、従来の積層プレスで、熱と圧力が
加えられ、その結果、シート41と42が固着され、それに
伴って、カード・パネル45が、カード・パネル48の上
に、ぴったり、各縁を揃えて固着されることになる。こ
の後、これらのカード・パネルの四隅にある壊れやすい
ブリッジは、IDカードを取り出すために引き千切られ
る。このIDカードは本質的には、第４図のカード30と同
じ構造である。

詳細な断面図、第7A図は、貼り合わせ用製品、および、
最終製品のIDカードの中に見られる全被膜を示す。従っ
て、カード・パネル45と48の２つの外側被膜、52と54
は、それぞれに、硬くて、靭性のある、耐磨耗性のポリ
エステルの薄い膜を形成している。これらの外側の膜52
と54のそれぞれは、押し出し、または、他の方法によっ
て、ある固着することの出できる被膜に結合されてい
る。その結果、保護膜52に対しては、ポリエチレン、ま
たは、その他の適切な樹脂の、固着することのできる被
膜53が付着されていて、一方、ポリエステル膜54に対し
ては、ポリエチレン、または、その他の熱を加えて固着
できる樹脂系の、同じような被膜55が付着されている。
パネル45の上の不透明な塗料51は、第7A図に見られるよ
うに、この２つの間にサンドイッチにされた状態に置か
れる。もしも、望まれれば、塗料51は、被膜55がイメー
ジに感応のよい樹脂でできていれば、被膜54と55の間に
置くことができる。

第９図および第10図は、単一の貼り合わせ用製品60とし
て示されている、この発明のもうひとつの実施例を示
す。貼り合わせ用製品60は、63で示されている２枚のシ
ートのそれぞれの一端に沿って、第二樹脂シート62に、
結合されている第一樹脂シート61を含んでいる。この２
枚のシート61と62からできている互いに接触している材
料の適合性によっては、ヒート・シール・ボンド（溶融
固着型接着法）を使うこともできるが、これは普通、接
着剤による接着である。これらのシート61と62のそれぞ
れは、貼り合わせ用製品60を使って作られるIDカードよ
りも、面積がかなり大きくなっている。この２枚のシー
トを正確なアラインメントで一緒に折り畳み易いように
するため、溝、または刻み目70をシート62に刻んでもよ
い。

貼り合わせ用製品60の中の第一シート61は、一般に、長
方形の形をしていて、しかも、四隅が丸められた形をし
ている。第一カード・パネル65を作るために、複数の切
断線64に沿って打ち抜かれる。パネル65は、できれば、
カードの四隅に位置していたほうが望ましい、壊れやす
い一連のブリッジ66によって、シート61の残りの部分に
接続された状態に留まっている。同じように、貼り合わ
せ用製品60の第二シート62は、もうひとつの一般的に、
長方形の形をしているカード・パネル68を作るために、
一連の線67に沿って、打ち抜かれる。この第二カード・
パネル68は、このパネルの丸まった四隅の中の壊れやす
い複数のブリッジ69によって、シート62の残りの部分に
接続された状態に留まっている。

第９図および第10図の、貼り合わせ用製品60の製造にお
いては、若干違った性質を持った２枚の樹脂シートが使
われる。従って、第一シート61は、透明な貼り合わせの
膜で、できれば、外側被膜がポリエステルでできている
もの、また、内側ヒート・シール被膜がポリエチレン、
または、同じようなものでできているものが望ましい。
第10図に見られるように、ポリエステル膜は、シート61
の右側に位置している。第９図に見られるように、ポリ
エチレン、または、その他の熱で固着できる樹脂は、こ
の図の外側に向いている表面上にあるはずである。

貼り合わせ用製品60の第二シート62は、できれば不透明
なものが望ましい。それはまた、ポリエステルの外側被
膜、および、ポリエチレン、または、その他の熱固着型
の内側被膜の複合品で形成されてもよい。この２つの被
膜の位置づけは、膜61に対する場合と同じで、第10図に
おいて、ポリエステル膜が右側で、ポリエチレン被膜
が、第９図の外側を向いている。しかしながら、この例
においては、２つの被膜のうちの一つは、身分証明デー
ター・イメージのためのある適切な背景を作りだすため
に、不透明になるように、顔料で着色しなければならな
い。普通、不透明さは、顔料を熱で固着できる膜の中に
散布することによって得られる。この代わりの方法とし
ては、第５図乃至第８図の実施例に関連して説明されて
いるように、ある塗料によって達成することができる。

第９図および第10図の貼り合わせ用製品60の使用法は、
この発明の他の実施例のために以上に説明されている使
用法と同じである。即ち、身分証明イメージ・データー
を押印し、写真に撮り、または、その他の方法で、カー
ド・パネル68に付着させる。それから、貼り合わせ用製
品60を、第一カード・パネル65が効果的に第二カード・
パネル68の上の身分証明データーを覆うように折り畳
む。この折り畳む作業は、切り傷線、または、ひっかき
傷線70によって、容易に行なうことができるが、この切
り傷線はあらゆる場合に不可欠というものではないかも
知れない。それから、この折り畳んだ貼り合わせ用製品
60を、積層プレスに掛けて、熱と圧力を加えてシート61
と62を固着し、また、もちろん、２枚のカード・パネル
65と68も、固着する。この後、固着したカード・パネル
65と68によって成形されたIDカードを、壊れやすいブリ
ッジ66と69を引き千切って、シート61と62から分断す
る。こうしてできた最終製品は、第４図のカード30に相
当する、安全なしかも費用の安いIDカードである。

第11図乃至第14図は、IDカード90の製造において利用さ
れる、単一の貼り合わせ用製品80から構成される、この
発明のさらなる実施例を示す。貼り合わせ用製品80は第
一シート81と第二シート82から構成されているが、それ
ぞれのシートは、身分証明カードの寸法よりも、かなり
大きい。この例において、シート81と82は、一体構造
で、シート81の下端、およびシート82の上端に沿って、
肉厚の薄いヒンジ部分83によって接合されている。その
ため、この２枚のシート81と82は表面と表面を接触させ
た形で、折り重ねることができ、そのように折り重ねた
とき、それぞれの接触表面を、熱と圧力を加えて、固着
することができる。シート81と82を成形するためのシー
ト材は、できれば、外側表面が、硬く、しかも、靭性に
富む、耐磨耗性を持つための、薄いポリエステル膜で成
形されていて、また、内側表面被膜が、熱で固着できる
ポリエチレン、または、その他の熱で固着できる適当な
樹脂から成形されている、複合構造のものが望ましい。
第12図において、ポリエステルの外側表面は図の右側
に、ポリエチレンの熱で固着できる内側表面は図の左側
に位置している。

シート81と82の材料は透明で、身分証明データー・イメ
ージを見やすくするためには、ある適当な背景を作るた
めに、イメージ感応がよく不透明な塗料を少なくともこ
れらのシートの一つに塗布する。第11図乃至第14図の実
施例においては、塗料91を第一シート81の部分に塗布
し、また、同じような塗料92を、もう一つのシート82の
補完部分92に塗布する。その結果、第11図に示されるよ
うに、塗料91の一端93は、正確に、塗料92の端94と、ぴ
ったり揃うことになる。この方法で、以後、貼り合わせ
用製品80を折り畳んだ時に、シート81の上の塗料91はシ
ート82の、残りの透明な部分に露出されることになり、
一方、シート82の塗料92は、シート81の透明な部分に露
出されることになる。

この他の実施例の場合のように、第一シート81は、一連
の壊れやすいブリッジ86によって、このシートの残りの
部分に接合されている、第一カード・パネル85を成形す
るために、一連の線84に沿って、打ち抜かれるか、また
は、その他の方法で精密に切断される。第二シート82
は、一連の線87に沿って、精密に切断されて、一連の壊
れやすいブリッジ89によって、このシートの残りの部分
に接合されている、第二カード・パネル88の輪郭・形状
を明確に示している。

塗料91と92は、それぞれそのカード・パネルの上の、デ
ーターを表示する部分の輪郭・形状を明確に示してい
る。さらに、各カード・パネルのそのような各データー
表示部分は、それぞれの相手のカード・パネルの透明な
データーを検分するための部分と、ぴったり符合してい
る。その結果、第11図および第12図の実施例において、
身分証明データー・イメージの一部は、第一カード・パ
ネル85の一部分を覆っている、不透明な塗料91に当てら
れる。身分証明データー・イメージのもうひとつの部分
は、第二カード・パネル88の一部分を覆っている不透明
な塗料92に当てられる。ここで理解しなければならない
ことは、もしも、これらの露出された表面がイメージに
感応するものであれば、そのイメージ・データーの一部
は、また、この２枚のカードの透明な部分にも、当てら
れるかもしれないことである。このことは、これまで説
明してきた全ての実施例に当て嵌まることである。

第11図および第12図の貼り合わせ用製品80の処理法は、
以上に説明したように実施することができるから、繰り
返す必要はない。この最終製品は、IDカード90である
が、これは第13図のカードの一つの面の上の、ひとつの
身分証明データー・イメージと、それから、第14図のカ
ードのもう一つの面の上の、もう一つの身分証明データ
ー・イメージを示している。この他の全ての点におい
て、このカードは第４図のカードと同じである。

この発明の全ての実施例において、IDカードの２つの半
分体の間の正確な整合が、この製造過程の始めから終わ
りまで、維持されているため、どの縁も平滑に仕上げら
れた最終製品が得られることになる。同時に、この発明
の貼り合わせ用製品から作られた、完全なIDカードに
は、わずか２つの部材しか使用されていないので、コス
トは最低限に押さえることができるし、また、最終加工
（固着作業）も、既に知られている、ロータリー式、ま
たは、フラット・ベッド式の、どのような熱圧を利用す
る積層機を使っても、効果的に実施することができる。

不注意なオペレーターが操作する場合でも、それぞれの
カード・パネルの縁がぴったり揃わないということは全
く起こらない。起こらないどころか、この発明の貼り合
わせ用製品で作られたIDカードは、高い安全性を持って
いる。身分証明データー・イメージをゆがめないで、カ
ードを裂くのは、不可能ではないにしても、困難であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願発明の一つの実施例に従う複数の貼り合わ
せ用製品の帯状集合体の平面図である。 第２図は第１図の中の線２−２によって示されている概
略的に切り取られた断面図である。 第３図は印刷および折り畳みが行なわれた後、第１図及
び第２図の帯状集合体から切り取られた一個の貼り合わ
せ用製品の平面図である。 第４図は第１図から第３図までの実施例から、また、第
５図から第10図までの実施例から作られた、IDカードの
完成品の平面図である。 第５図は本発明の第二の実施例に従った、複数の貼り合
わせ用製品の帯状集合体の平面図である。 第６図は第５図の線６−６によって示されている、概略
的に切り取られた断面図である。 第７図は第６図のような断面図ではあるが、貼り合わせ
用製品が折り畳まれた状態の断面図である。 第7A図は7Aと記されている第７図の部分の拡大詳細断面
図である。 第８図は、印刷、折り畳みが行なわれた後、第５図から
第７図までの帯状体から切り取られた、単一の貼り合わ
せ用製品の平面図である。 第９図は、本発明のもう一つの実施例による、単一の貼
り合わせ用製品の平面図である。 第10図は、第９図における線10−10に沿って、概略的に
切り取られた貼り合わせ用製品の断面図である。 第11図は本発明のさらなる一つの実施例による貼り合わ
せ用製品の平面図である。 第12図は第11図の貼り合わせ用製品の端面図であり、ま
た、 第13図と第14図は、第11図と第12図の貼り合わせ用製品
から作られたIDカードの完成品の反対側からの平面図で
ある。 第２、６、７、7A、10および12図のそれぞれにおいて、
図示されている貼り合わせ用製品の各部材の肉厚は、説
明と説明の理解を助けるために大きく誇張されている。 ［主要部分の符号の説明］ 20、20A、20B、20C……貼り合わせ用製品 21……第一シート 22……第二シート 31……イメージ受理表面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４２Ｄ 15/10 Ａ

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定寸法のIDカードを製造するための貼り
   合わせ用製品であって、 第一シート（21）と第二シート（22）とからなり、 第一シート（21）及び第二シート（22）のそれぞれは、
   樹脂の表面を有しており、また、IDカードの所定寸法よ
   りも大きい寸法を有しており、 第一シート（21）及び第二シート（22）は、各シートの
   一端部に沿って、ずれないように、相互に接合されてお
   り、それによって、これらの二つのシート（21、22）
   は、表面同士が接触する状態に折り重ねることができる
   ように構成されており、 これら二つのシート（21、22）の該接触表面は、折り重
   ねられたときに、熱と圧力により互いに密閉することが
   できるように構成されており、 第一シート（21）及び第二シート（22）は、正確に切断
   されて、IDカードの所定寸法を有する第一及び第二のそ
   ろったIDカード・パネル（25、28）が形成されており、
   第一及び第二のIDカード・パネル（25、28）は、二つの
   シート（21、22）が折り重ねられたときに、互いに正確
   に一致するように構成されており、 第一及び第二のIDカード・パネル（25、28）のそれぞれ
   は、複数の壊れやすいブリッジ（26、29）によって第一
   及び第二シート（21、22）のそれぞれの残りの部分に接
   合されており、 第一IDカード・パネル（25）の少なくともデータが見え
   る所定の部分は、透明であるIDカード製造用の貼り合わ
   せ用製品において、 第一及び第二のIDカード・パネル（25、28）は、二つの
   シート（21、22）が折り重ねられたときに、表面同士が
   接触するように構成されており、 データが見える透明な部分に対応する第二IDカード・パ
   ネル（28）のデータ表示部分は不透明であり、第二IDカ
   ード・パネル（28）のデータ表示部分は、第一IDカード
   ・パネル（25）のデータが見える部分に対向したイメー
   ジ受理表面（31）を有しており、 第一シート（21）及び第二シート（22）は、これらの二
   つのシート（21、22）がずれないように、第二IDカード
   ・パネル（28）のデータ表示部分のイメージ受理表面
   （31）を露出して、そこにイメージ・データを付与すこ
   とができるように、相互に調整することができることを
   特徴とするIDカード製造用の貼り合わせ用製品。
2. 【請求項２】第一シート（21）及び第二シート（22）
   は、樹脂シートであることを特徴とする請求項１に記載
   の製品。
3. 【請求項３】第一及び第二のシート（21、22;61、62）
   は、一端部（23;63）に沿って互いに接着されているこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載の製品。
4. 【請求項４】第一及び第二のシート（61、62）は、同じ
   方向に向いている二つのシート（61、62）の接触表面が
   平らな、ほぼ同一平面の状態で一端部（63）に沿って互
   いに接着されており、それによって、二つのシート（6
   1、62）が、後で、折り重ねられて、二つのIDカード・
   パネル（65、68）の接触表面が合わせられることを特徴
   とする請求項３に記載の製品。
5. 【請求項５】第一及び第二のシート（21、22）は、二つ
   のシート（21、22）の接触表面が互いに向かい合う関係
   で全部重なり合った状態で互いに接触されており、それ
   によって、二つのシートが開けられて第二IDカード・パ
   ネル（28）にイメージ・データが付与されることを特徴
   とする請求項１、２又は３に記載の製品。
6. 【請求項６】第二IDカード・パネル（28）は、それの領
   域全体にわたって不透明であり、第一IDカード・パネル
   （25）に対向するそれの全表面は、イメージ受理性があ
   り、 第一IDカード・パネル（25）は、それの領域全体にわた
   って透明であることを特徴とする請求項１から５のいず
   れかに記載の製品。
7. 【請求項７】第二シート（22）は、第二シート（22）を
   不透明にする内部着色を有することを特徴とする請求項
   １から６のいずれかに記載の製品。
8. 【請求項８】第二IDカード・パネル（88）は、データが
   見える所定の部分を有しており、該データが見える所定
   の部分は、透明であり、第一IDカード・パネル（85）
   は、第二IDカード・パネル（88）のデータが見える透明
   な所定の部分に対応するデータ表示部分を有しており、
   該データ表示部分は、不透明であり、第一IDカード・パ
   ネル（85）のデータ表示部分は、第二IDカード・パネル
   （88）のデータが見える部分に対向するイメージ受理表
   面を有しており、 第一及び第二シート（81、82）は、これらの二つのシー
   ト（81、82）がずれないように、両IDカード・パネル
   （85、88）のデータ表示部分のイメージ受理表面を露出
   して、そこにイメージ・データを付与すことができるよ
   うに、相互に調整することができることを特徴とする請
   求項１に記載の製品。
9. 【請求項９】第一及び第二シート（41、42;81、82）
   は、共に透明な樹脂でできており、イメージ受理被覆
   （51;91、92）が、それぞれ他方のガード・パネル（45;
   85、88）のデータが見える部分に対向する第二IDカード
   ・パネル（48）又は両カード・パネル（85、88）のデー
   タ表示部分の表面に付与されていることを特徴とする請
   求項１から８のいずれかに記載の製品。
10. 【請求項１０】イメージ受理被覆（51:91、92）が不透
    明であることを特徴とする請求項９に記載の製品。
11. 【請求項１１】不透明被覆（51）は、第一IDカード・パ
    ネル（45）に熱と圧力で密閉される第二IDカード・パネ
    ル（48）の接触表面を残していることを特徴とする請求
    項10に記載の製品。
12. 【請求項１２】IDカード・パネル（25、28）の各々の形
    状は、四隅が丸められている長方形であり、IDカード・
    パネル（25、28）の各々の隅のそれぞれは、それのシー
    ト（21、22）の隣接する部分に壊れやすいブリッジ（2
    6、29）によって接合されていることを特徴とする請求
    項１から11に記載の製品。
13. 【請求項１３】第一及び第二のシート（41、42;81、8
    2）は、互いに一体であり、両シートに共通の帯状ヒン
    ジ（43;83）によって一端部に沿って接合されているこ
    とを特徴とする請求項３に記載の製品。
14. 【請求項１４】帯状ヒンジ（43;83）は、第一及び第二
    のシート（41、42;81、82）のいずれよりも薄いことを
    特徴とする請求項13に記載の製品。