JP3196790U - 書類携帯用ケースの吊具取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】補強部材を使用することなく、強固に吊具取付金具を取り付けることができる、書類携帯用ケースの吊具取付構造を提供する。【解決手段】薄い箱型に形成された樹脂シートよりなる書類携帯用ケースにおいて、側面15を、樹脂シート2枚の重ね合わせで溶着形成するとともに、側面の上端から伸び出る金具取付帯21を内側に折返し、第1の開口部22を通してケースの外側に出し、第2の開口部23を通して再び内側に導き、内側に戻った金具取付帯の先端部を側面の内側に溶着ツール99を用いて接合し、外側に出ている金具取付帯にD環24を取り付ける。【選択図】図5
Description
本考案は、書類携帯用ケースの吊具取付構造に関する。
従来より、樹脂シートを箱状に組み立てて形成される書類携帯用ケースが各種提案されている。
このような書類携帯用ケースの中でも、提手を取り付けたものは、鞄に近い使い方をすることができる点で、持ち手を有さないケースファイルなどよりも使い勝手に優れている。
また、書類携帯用ケースに吊紐を取り付けて持ち方を変えることができるように、提手に加えて書類携帯用ケースの側部又は上部にD環等の吊具取付金具を設けたものもある。
樹脂シートを用いる書類携帯用ケースでは、吊具取付金具付近に荷重が集中して、シートに亀裂などが入って破損しやすい。このため、従来の書類携帯用ケースでは、吊具取付金具付近の固定・補強を行うべく、さらにベルトやリベット等の別部材が必要であった。
ところが、補強部材の取付を行うと、製造工程が増加し、製造コストがかかるという問題がある。
そこで、本考案は、別部材を使用せず、書類携帯用ケースを構成する樹脂シートの一部を利用して強固にD環(吊具取付金具)を取り付けるための吊具取付構造を提供することを目的とする。
下記開示の一観点によれば、書類携帯用ケースの吊具取付構造であって、前記書類携帯用ケースの側面の内側を構成する内側シートと、前記書類携帯用ケースの側面の外側を構成し、前記内側シートの上に重ね合わせて接合された外側シートと、前記書類携帯用ケースの内側面又は外側面の何れかから伸び出るとともに書類携帯用ケースの内側に折り返された金具取付帯と、前記書類携帯用ケースの側面に形成され、前記内側に折り返された金具取付帯を前記書類携帯用ケースの外側に導く第1の開口部と、前記書類携帯用ケースの側面に形成され、前記第1の開口部を通り書類携帯用ケースの外側に出た前記金具取付帯を書類携帯用ケースの内側に導く第2の開口部と、前記第2の開口部を通って書類携帯用ケースの内側に戻った前記金具取付帯の先端部を前記書類携帯用ケースの内壁に接合してなる接合部と、前記第1の開口部と第2の開口部との間の金具取付帯に取り付けられた環状の吊具取付金具と、を有する書類携帯用ケースの吊具取付構造が提供される。
上記観点の書類携帯用ケースの吊具取付構造によれば、書類携帯用ケースの製造時に帯状部を折り返し、1か所の接合部を書類携帯用ケースの内壁に接合するだけで、別部材を取り付けることなく吊具取付構造が得られる。
また、折り返された帯状部が通る書類携帯用ケースの側面は、2枚の樹脂シートが重なることで補強されるため、吊具を取り付けても破損しにくい丈夫な吊具取付構造となる。
以下、添付の図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る吊具取付構造20を備えた書類携帯用ケース10の斜視図であり、図2は、書類携帯用ケース10の本体部分の展開図である。
図1の書類携帯用ケース10は、角型の本体12の上部が開口部となっており、その開口部を覆うように蓋12aが取り付けられている。
書類携帯用ケース10の本体12及び蓋部12aは、ポリプロピレンなどの可撓性を有する樹脂シートにより形成されている。図示の例では、本体12と蓋部12aが一体的に形成されているが、これに限定されるものではなく、本体12と蓋部12aとを別の樹脂シートで形成して接合したものであってもよい。
また、書類携帯用ケース10の本体12の正面12c及び背面12b(図2参照)には、持手19がそれぞれ設けられている。これらの持手19は、蓋部12aの横を通り、蓋部12aの上方で結合可能となっている。
通常の使用時は、書類携帯用ケース10の持ち手19に手のひらを通して書類携帯用ケース10を持ち運ぶ。ただし、書類携帯用ケース10に収容した荷物の重量によっては、片手だけ長時間書類携帯用ケース10を持ち運ぶと疲れを感じることがある。
そこで、図1に示すように、本実施形態の書類携帯用ケース10の外側面15には、吊具取付構造20が設けられており、その吊具取付構造20に吊紐30を取り付けることができる。
図1の部分拡大図に示すように、本実施形態の吊具取付構造20は、書類携帯用ケース10の側面に設けられており、本体側面に伸び出た金具取付帯21を備えている。
金具取付帯21は、書類携帯用ケース10の側面の上端から伸び出た帯状のシートを書類携帯用ケースの上端で内側に折返して形成されたものである。この帯状のシートを、同じく側面に設けられた第1の開口22及びその下側に設けられた第2の開口23を通すことで、一部分が本体12の外側に露出させている。
そして、この金具取付帯21の露出部に金属又は樹脂よりなるD環等のリング状の吊具取付金具24が装着される。
この吊具取付金具24に、吊紐30のナス環等を取り付けることで、吊紐30を書類携帯用ケース10に取り付けることができる。
以下、吊具取付構造20の構造について、組み立て工程と共に説明する。
図2は、書類携帯用ケース10の展開図である。
図2に示すように、書類携帯用ケース10の本体12は、正面12c、底面12d、背面12b、蓋部12a及び側面14、15が一体的につながった一枚の樹脂シート10aにより形成されている。そして、図中の破線部に沿って折り曲げられて薄い箱型に形成される。
正面12c及び蓋部12aには、それぞれ突起部13b及び孔13aが形成されており、その突起部13b及び孔13aが書類携帯用ケース10の留具を構成している。
正面12cの両側部にはそれぞれ外側面(外側シート)15が形成され、背面12dの両側部にはそれぞれ内側面(内側シート)14が形成されている。これらの、側面14、15を重ね合わせて溶着することで、書類携帯用ケース10の形状が保持される。
また、内側面14の上端からは、金具取付帯21が上方に伸び出ている。金具取付帯21は、側面14、15の幅Aよりも狭い幅の帯状に形成されており、その付け根(側面14、15との境界)部分には切欠き孔27が形成されている。
切欠き孔27は、金具取付帯21の折り曲げ部付近の樹脂シートの断面積を減らすことで、樹脂シートの反発力を減少させて、折り曲げ加工が容易にするために設けられている。
なお、切欠き孔27の大きさは、樹脂シートの厚さ及び硬さに応じて適宜設定すればよい。
また、外側面15の上端付近には、内側に折り込んだ金具取付帯21を外に出すための開口22a、23bが形成されている。同様の開口22b、23bが内側面14にも設けられている。これらの開口22a、22b、23a、23bの幅は、金具取付帯21と略同じであり、その長さ(短径方向の長さ)は金具取付帯21を構成する樹脂シートの厚みと同程度に形成されている。
図3〜図5は、組み立て途中の書類携帯用ケース10の吊具取付構造20付近を工程順に示す斜視図である。
樹脂シート10aは、トムソン加工機等による折り曲げ加工が施された後、図3に示すように、内側面14の外側に外側面15を重ね合わせて側面全面を溶着又は接着剤などで接合する。
このとき、外側面15の開口22a、23aと内側面14の開口22b、23bとが一致しするように位置決めされる。金具取付帯21に近い側の開口22a、22bが連通した孔が第1の開口22となり、開口23a、23bが連通してなる孔が第2の開口23を構成する。
このようにして、側面14、15を重ね合わせて接合することで、書類携帯用ケース10の本体が偏平な箱型に形成される。また、側面は2枚の樹脂シートが重なることで、第1の開口22及び第2の開口23の周りが補強された構造となる。
次に、図4に示すように、金具取付帯21を内側面14との境目で書類携帯用ケース10の内側に折り曲げ、その先端を第1の開口22を通して書類携帯用ケース10の外側に出す。
さらに、金具取付帯21の先端を吊具取付金具24としてのD環に通す。
その後、図5に示すように、金具取付帯21の先端を第2の開口23に通して書類携帯用ケース10の内側に戻す。
そして、溶着ツール99を用いて、金具取付帯21の先端を内側面14に溶着する。
以上により、本実施形態に係る吊具取付構造20が完成する。
図6は、吊具取付構造20に吊具30を取り付けた状態を示す断面図である。
図6に示すように、吊具取付構造20に吊具30を取り付けて書類携帯用ケース10を吊り下げると、D環24に矢印に示すような力F1が作用する。
この力F1は、金具取付帯21を介して、外側面15と金具取付帯21との溶着部21aに作用する。
図示のように本実施形態の吊具取付構造20では、金具取付帯21は第1の開口22及び第2の開口23によってその向きが大きく変えられているため、第1の開口22及び第2の開口23に荷重が分散される。その結果、溶着部21aに採用する力F2を弱めることができる。
また、第2の開口部23によって、金具取付帯21の移動方向が規制されるため、溶着部21aを引きはがす方向の力が作用しないようになっている。
その結果、金具取付帯21の溶着部21aは、接合面に平行な向きに引っ張る力のみが作用することになる。これにより、溶着部21aの面全体の接合力を生かして大きな荷重に耐えることができ、大きな荷重F1が作用しても溶着部21aが剥離するといったトラブルを防ぐことができる。
また、第1の開口部22及び第2の開口部23は、側面14、15を構成する2枚の樹脂シートを重ねて補強された部分に形成されるため、大きな荷重が加わった場合であっても、開口部22、23の周囲に亀裂が生じにくい。
このように、本実施形態によれば丈夫な吊具取付構造20が得られる。
さらに、本実施形態の吊具取付構造20は、特別な補強部材を用いることなく、樹脂シートで書類携帯用ケース10を形成する際に用いる折り曲げ加工及び溶着加工で作製することができるため生産性にも優れる。
(変形例)
図7及び図8は、実施形態の変形例に係る金具取付帯を示す図である。
図7及び図8は、実施形態の変形例に係る金具取付帯を示す図である。
図7に示す変形例1では、内側面14の上端付近から横方向に伸び出た腕部41aが形成されている。その腕部41aからは、さらに90度上向きに屈曲して金具取付帯41が伸びている。
腕部41aと内側面14との境界には折目41bが設けられており、この折目41bで腕部41aが内側面14と重なるように折り返されるようになっている。
さらに、腕部41aと金具取付帯41との境界には、折目41cが設けられており、この折目41cで金具取付帯41を内側に折り返すことで、金具取付帯41は、図2の金具取付帯21と同様に使用できる。
図8に示す変形例2では、内側面14の上端付近から横方向に伸び出た腕部51aが形成されている。その腕部51aからは、さらに90度下向きに屈曲して金具取付帯51が伸びている。
腕部51aと内側面14との境界には折目51bが設けられており、この折目51bで腕部51bが内側面14と重なるように折り返すと、金具取付帯51は、図2の金具取付帯21と同様に使用できる。
以上の説明では、金具取付帯を内側の内側面14に形成する例を示したが、本考案はこれに限定されるものではなく、外側面15に金具取付帯を設けるようにしてもよい。
10…書類携帯用ケース、12a…蓋部、12b…背面、12c…正面、12d…底面、13a…孔、13b…突起部、14…内側面(内側シート)、15…外側面(外側シート)、19…持手、20…吊具取付構造、21、41、51…金具取付帯、22…第1の開口、23…第2の開口、22a、22b、23a、23b…開口、24…D環、27…切欠き孔、30…吊具。
Claims (2)
- 書類携帯用ケースの吊具取付構造であって、
前記書類携帯用ケースの側面の内側を構成する内側シートと、
前記書類携帯用ケースの側面の外側を構成し、前記内側シートの上に重ね合わせて接合された外側シートと、
前記書類携帯用ケースの内側面又は外側面の何れかから伸び出るとともに書類携帯用ケースの内側に折り返された金具取付帯と、
前記書類携帯用ケースの側面に形成され、前記内側に折り返された金具取付帯を前記書類携帯用ケースの外側に導く第1の開口部と、
前記書類携帯用ケースの側面に形成され、前記第1の開口部を通り書類携帯用ケースの外側に出た前記金具取付帯を書類携帯用ケースの内側に導く第2の開口部と、
前記第2の開口部を通って書類携帯用ケースの内側に戻った前記金具取付帯の先端部を前記書類携帯用ケースの内壁に接合してなる接合部と、
前記第1の開口部と第2の開口部との間の金具取付帯に取り付けられた環状の吊具取付金具と、
を備えたことを特徴とする書類携帯用ケースの吊具取付構造。 - 前記書類携帯用ケースは、樹脂シートにより形成されるとともに、前記内側シート、外側シート及び金具取付帯は前記樹脂シートにおいて一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の書類携帯用ケースの吊具取付構造。
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