JP3196428B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の空燃比制御
装置に係り、特に内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを
連絡する通路途中にキャニスタを設け、このキャニスタ
の大気開閉バルブを閉鎖し燃料タンク内のタンク内圧力
を所定負圧値まで低下させた後にパージバルブを閉鎖し
てエバポ系のリーク状態を判定する際に、空燃比のズレ
によるドライバビリティの悪化を防止する内燃機関の空
燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク、気化器のフロート室などか
ら大気中に漏洩する蒸発燃料は、炭化水素(HC)を多
量に含み大気汚染の原因の一つとなっており、また燃料
の損失にもつながることから、これを防止するための各
種の技術が知られている。その代表的なものとして、活
性炭などの吸着剤を収容したキャニスタに燃料タンクの
蒸発燃料を一旦吸着保持させ、このキャニスタに吸着保
持された蒸発燃料を内燃機関の運転時に離脱(パージ)
させて内燃機関に供給するエバポシステムがある。
【0003】また、内燃機関の空燃比制御装置として
は、特開平4−153554号公報に開示されるものが
ある。この公報に開示されるエバポパージシステムの故
障診断装置は、キャニスタの大気開放通路に設けられた
診断用の制御弁と、キャニスタと診断用の制御弁との間
の大気開放通路の圧力を検出する圧力検出手段と、診断
時にパージ用の制御弁及び診断用の制御弁の夫々の開閉
制御を行う弁制御手段と、診断時に圧力検出手段で検出
した圧力値を基準値と比較してシステムの故障を検出す
る故障検出手段とを有し、診断用の制御弁を閉弁し、パ
ージ用の制御弁の開弁時及び閉弁時夫々で故障の検出を
行っている。
【0004】更に、特開平4−279755号公報に開
示されるものがある。この公報に開示される内燃エンジ
ンの空燃比制御装置は、燃料蒸気排出抑止装置を有する
ものにおいて、パージガス供給状態から遮断状態への移
行時における混合気の空燃比を適切に制御し、エンジン
の運転性及び排気ガス特性の改善を図っている。
【0005】更にまた、特開平4−362264号公報
に開示されるものがある。この公報に開示されるエバポ
パージシステムの故障診断装置は、機関始動直後で、且
つ機関温度が所定値以下のとき、診断用の制御弁を閉弁
し、且つパージ用の制御弁を開弁して吸気管の負圧をベ
ーパ通路に導入した後パージ用の制御弁を開弁して一定
時間保持し、一定時間内での圧力値の変化により故障の
検出を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の内燃
機関の空燃比制御を行うエバポシステムにおいては、リ
ーク判定を行うものがある。
【0007】すなわち、リーク判定条件となると、図4
(c)に示す如く、大気開閉バルブを閉鎖状態とし、燃
料タンクのタンク内圧力を規定値まで負圧状態とする
(図4(a)参照)。
【0008】そして、図4(b)に示す如く、パージデ
ューティを0%とし、一定時間内の圧力変化を検出す
る。
【0009】このとき、図4(a)の破線で示す如く、
圧力変化が大(ΔPあり)の場合には、エバポ系にリー
クが発生していると判定し、逆に圧力変化がない(ΔP
なし)の場合には、エバポ系にリークが発生していない
と判定する。
【0010】また、エバポ系にリークが発生している場
合には、図4(d)及び(e)に示す如く、空燃比フィ
ードバック及び空燃比が大きく且つ急激に変化する。
【0011】このため、外気温(あるいは燃料タンク
温)が高い場合には、大量のエバポが発生し、図4
(d)に示す如く、空燃比フィードバックは大きく一側
に補正している。
【0012】このような状態において、リーク判定を行
うと、大気開閉バルブの閉鎖動作によってエバポが遮断
されることとなり、図4(e)に示す如く、空燃比が大
きくリーン側にズレるものである。
【0013】このとき、通常のフィードバック制御にお
いては追従性が悪く、空燃比のリーン化によってドライ
バビリティが不良となるとともに、排気ガス浄化機能も
悪化し、実用上不利であるという不都合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、内燃機関の吸気通路と燃料
タンクとを連絡する通路途中に蒸発燃料を吸着保持する
キャニスタを設け、このキャニスタを大気に開放すべく
動作する大気開閉バルブを設け、前記吸気通路とキャニ
スタ間の通路途中にパージバルブを設け、キャニスタと
燃料タンク間の通路途中に連絡する圧力センサを設け、
リーク判定の際に前記大気開閉バルブを閉鎖し燃料タン
ク内のタンク内圧力を所定負圧値まで低下させた後に前
記パージバルブを閉鎖してエバポ系のリーク状態を判定
する内燃機関の制御装置において、前記内燃機関に燃料
を供給する燃料供給部を設け、リーク判定条件が成立し
た際に前記大気開閉バルブの閉鎖動作に同期して前記燃
料供給部からの燃料供給量に予め雰囲気温度によって設
定される見込み補正量を加算するとともに燃料供給量に
見込み補正量を加算して制御した後には総燃料供給量が
所定供給量未満となるまで見込み補正量を加算した値か
ら漸次減衰させリーク判定動作による空燃比の変動を小
とすべく制御する制御部を設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】上述の如く発明したことにより、制御部によっ
てリーク判定条件が成立した際に大気開閉バルブの閉鎖
動作に同期して燃料供給部からの燃料供給量に予め雰囲
気温度によって設定される見込み補正量を加算するとと
もに、燃料供給量に見込み補正量を加算して制御した後
には、総燃料供給量が所定供給量未満となるまで見込み
補正量を加算した値から漸次減衰させ、リーク判定動作
による空燃比の変動を小とすべく制御し、ドライバビリ
ティ及び排気ガス浄化機能の悪化を防止している。
【0016】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】図1〜図3はこの発明の実施例を示すもの
である。図2において、2は内燃機関、4は吸気通路、
6は排気通路、8は燃料タンクである。
【0018】この内燃機関2は、吸気通路4に燃料供給
部、例えば図示しない燃焼室方向に指向させて燃料噴射
弁(図示せず)を設けている。燃料噴射弁は、図示しな
い燃料通路により燃料タンク8に連通されている。
【0019】燃料タンク8の燃料は、燃料ポンプ(図示
せず)により燃料通路を介して燃料噴射弁に送給され、
空気とともに燃焼室に供給されて燃焼される。燃焼によ
り生成された排気は、排気通路6により排出される。
【0020】前記内燃機関2の吸気通路4、例えば図示
しないスロットルバルブよりも下流側部位と燃料タンク
8とを連絡する通路10を設け、この通路10途中に蒸
発燃料を吸着保持するキャニスタ12を設けるととも
に、キャニスタ12にはこのキャニスタ12を大気に開
放させる大気開閉バルブ14を設ける。
【0021】そして、前記通路10を、吸気通路4とキ
ャニスタ12とを連絡する第1通路16と、キャニスタ
12と前記燃料タンク8とを連絡する第2通路18とに
より形成する。
【0022】また、第1通路16途中にパージバルブ2
0を設け、第2通路18途中にキャニスタ12側から圧
力コントロールバルブ22と気液分離用セパレータ24
とを順次設け、この気液分離用セパレータ24と前記燃
料タンク8間の第2通路18に連絡する圧力センサ26
を設ける。
【0023】前記圧力コントロールバルブ22は、燃料
タンク8内の圧力及びキャニスタ12内の圧力を所定の
圧力に設定し、燃料タンク8内における炭化水素(H
C)の発生量を抑制している。
【0024】更に、前記圧力センサ26は、圧力コント
ロールバルブ22と燃料タンク8間において第2通路1
8に圧力検出通路28を介して連絡されている。
【0025】そして、リーク判定の際には、前記大気開
閉バルブ14を閉鎖し燃料タンク8内のタンク内圧力を
所定負圧値まで低下させた後に前記パージバルブ20を
閉鎖してエバポ系のリーク状態を判定するものである。
【0026】次に、リーク判定条件が成立した際には、
前記大気開閉バルブ14の閉鎖動作に同期して図示しな
い燃料噴射弁からの燃料供給量に予め設定される見込み
補正量を加算しリーク判定時の空燃比の変動を小とすべ
く制御する制御部30を設ける構成とする。
【0027】詳述すれば、制御部30には、図2に示す
如く、燃料噴射弁(図示せず)と、燃料ポンプ(図示せ
ず)と、大気開閉バルブ14と、パージバルブ20と、
圧力センサ26とが夫々接続されている。
【0028】また、前記制御部30は、所定のリーク判
定条件が成立した際に制御動作を開始するものである
が、このリーク判定条件は、排気ガス浄化やドライバビ
リティ等への影響を少なくするために、例えば以下の如
く設定される。 エンジン冷却水温Twが、Tw>Tw1、 Tw1:所定水温 車速Vが、V1≦V≦V2、 V1:第1設定車速 V2:第2設定車速 一定時間、例えばt秒間の車速変動△νが、△ν<
ν、 ν:設定車速変動 燃料タンクのタンク内圧力Pが、P>Pt、 Pt:設定タンク内圧力
【0029】そして、上述の各条件を全て満足した際
に、リーク判定条件が成立したものと判断している。
【0030】リーク判定条件が成立すると、前記制御部
30が、図3(a)に示す如く、前記大気開閉バルブ1
4を閉鎖動作させるとともに、図3(b)に示す如く、
この大気開閉バルブ14の閉鎖動作に同期して図示しな
い燃料噴射弁からの燃料供給量たる噴射補正量に予め設
定される見込み補正量(FPRG)を加算し、図3
(d)に示す如く、リーク判定時の空燃比の変動を小と
すべく制御するものである。
【0031】このとき、見込み補正量(FPRG)は、
雰囲気温度、つまり燃料温度(あるいは吸気温、外気
温)及びエンジン冷却水温をパラメータとして予め設定
されている。
【0032】また、前記制御部30は、噴射補正量に見
込み補正量を加算して制御した後に、総燃料供給量であ
る燃料噴射弁(図示せず)の噴射補正量に見込み補正量
を加算した値が所定供給量未満、つまり見込み補正量が
所定値未満となるまで総燃料供給量の減衰処理を行う機
能をも有している(図3(b)参照)。
【0033】この減衰処理機能は、見込み補正量(FP
RG)に所定の減衰率(KDPRG)を乗じた値を新た
な見込み補正量(FPRG)として算出し、この新たな
見込み補正量(FPRG)を図示しない燃料噴射弁から
の噴射補正量に加え、図3(b)に示す如く、見込み補
正量(FPRG)分だけ増加させた値から噴射毎に総燃
料供給量を漸次減衰させ、リーク判定動作による空燃比
の変動を小とするものである。
【0034】次に、図1の空燃比制御用フローチャート
に沿って作用を説明する。
【0035】前記内燃機関2の始動運転時に、制御用フ
ローチャートのプログラムが始め(スタート)(10
0)となる。
【0036】そして、リーク判定条件が成立したか否か
を判断(102)する。つまり、 エンジン冷却水温Twが、Tw>Tw1、 Tw1:所定水温 車速Vが、V1≦V≦V2、 V1:第1設定車速 V2:第2設定車速 一定時間、例えばt秒間の車速変動△νが、△ν<
ν、 ν:設定車速変動 燃料タンクのタンク内圧力Pが、P>Pt、 Pt:設定タンク内圧力 の全ての条件を満足したか否かの判断を行う。
【0037】この判断(102)がNOの場合には、判
断(102)がYESとなるまで繰り返し行い、判断
(102)がYESの場合には、大気開閉バルブ14を
閉鎖させる(104)。
【0038】そして、大気開閉バルブ14の閉鎖動作に
同期させて図示しない燃料噴射弁(図示せず)からの噴
射補正量に見込み補正量(FPRG)を加算し、総燃料
供給量を算出して空燃比の制御を行い(106)、リー
ク判定時の空燃比の変動を小とする。
【0039】また、噴射補正量に見込み補正量(FPR
G)を加算した総燃料供給量によって制御した後の次回
噴射時には、減衰処理を行う。つまり、見込み補正量
(FPRG)に所定の減衰率(KDPRG)(KDPR
G<1.0)を乗じた値を新たな見込み補正量(FPR
G)として算出し、この新たな見込み補正量(FPR
G)を図示しない燃料噴射弁からの噴射補正量に加え、
図3(b)に示す如く、見込み補正量(FPRG)分だ
け増加させた値から噴射毎に総燃料供給量を漸次減衰さ
せる(108)。
【0040】更に、見込み補正量(FPRG)が所定値
未満であるか否かを判断(110)し、この判断(11
0)がNOの場合には、燃料噴射弁(図示せず)からの
噴射補正量に見込み補正量(FPRG)を加算して総燃
料供給量を算出して空燃比制御を行う処理(106)に
移行させ、判断(110)がYESの場合には、空燃比
の増量制御を終了(112)させる。
【0041】これにより、リーク判定条件が成立した際
に、制御部30によって大気開閉バルブ14の閉鎖動作
に同期して図示しない燃料供給部からの燃料供給量に予
め雰囲気温度によって設定される見込み補正量を加算
し、リーク判定時の空燃比の変動を小とすべく制御で
き、空燃比のズレによるリーク判定時のドライバビリテ
ィの悪化を防止し得るとともに、空燃比のズレによる排
気ガス浄化機能の悪化をも防止し得るものである。
【0042】また、燃料供給量に見込み補正量を加算し
て制御した後には、制御部30によって総燃料供給量が
所定供給量未満となるまで見込み補正量を加算した値か
ら漸次減衰させることにより、リーク判定動作による空
燃比の変動を小とすべく制御し得て、空燃比のズレによ
るリーク判定動作によるドライバビリティ及び排気ガス
浄化機能の悪化を防止できる。
【0043】更に、前記制御部30内の制御プログラム
の変更のみで対処し得ることにより、部品点数が増加す
る必要がなく、構成が複雑化せず、コストを低廉に維持
し得て、経済的に有利である。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、内燃機関に燃料を供給する燃料供給部を設け、リー
ク判定条件が成立した際に大気開閉バルブの閉鎖動作に
同期して燃料供給部からの燃料供給量に予め雰囲気温度
によって設定される見込み補正量を加算するとともに燃
料供給量に見込み補正量を加算して制御した後に総燃料
供給量が所定供給量未満となるまで見込み補正量を加算
した値から漸次減衰させリーク判定動作による空燃比の
変動を小とすべく制御する制御部を設けたので、制御部
によって総燃料供給量が所定供給量未満となるまで見込
み補正量を加算した値から漸次減衰させることができ、
リーク判定動作による空燃比の変動を小とすべく制御し
得て、空燃比のズレによるリーク判定動作によるドライ
バビリティ及び排気ガス浄化機能の悪化を防止できるも
のである。しかも、前記制御部内の制御プログラムの変
更のみで対処し得ることにより、部品点数が増加する必
要がなく、構成が複雑化せず、コストを低廉に維持し得
て、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す内燃機関の空燃比制御
装置の空燃比制御用フローチャートである。
【図2】内燃機関の空燃比制御装置の概略構成図であ
る。
【図3】空燃比制御用タイムチャートを示し、(a)は
大気開閉バルブの開閉状態を示す図、(b)は総燃料供
給量を示す図、(c)は空燃比フィードバック状態を示
す図、(d)は空燃比のリッチ・リーン状態を示す図で
ある。
【図4】この発明の従来の技術を示し、(a)はタンク
内圧力の変動を示す図、(b)はパージデューティを示
す図、(c)は大気開閉バルブの開閉状態を示す図、
(d)は空燃比フィードバック状態を示す図、(e)は
空燃比のリッチ・リーン状態を示す図である。
【符号の説明】
2 内燃機関 4 吸気通路 6 排気通路 8 燃料タンク 10 通路 12 キャニスタ 14 大気開閉バルブ 16 第1通路 18 第2通路 20 パージバルブ 22 圧力コントロールバルブ 26 圧力センサ 30 制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 25/08 301 F02M 25/08 301J (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/14 F02M 25/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連
    絡する通路途中に蒸発燃料を吸着保持するキャニスタを
    設け、このキャニスタを大気に開放すべく動作する大気
    開閉バルブを設け、前記吸気通路とキャニスタ間の通路
    途中にパージバルブを設け、キャニスタと燃料タンク間
    の通路途中に連絡する圧力センサを設け、リーク判定の
    際に前記大気開閉バルブを閉鎖し燃料タンク内のタンク
    内圧力を所定負圧値まで低下させた後に前記パージバル
    ブを閉鎖してエバポ系のリーク状態を判定する内燃機関
    の制御装置において、前記内燃機関に燃料を供給する燃
    料供給部を設け、リーク判定条件が成立した際に前記大
    気開閉バルブの閉鎖動作に同期して前記燃料供給部から
    の燃料供給量に予め雰囲気温度によって設定される見込
    み補正量を加算するとともに燃料供給量に見込み補正量
    を加算して制御した後には総燃料供給量が所定供給量未
    満となるまで見込み補正量を加算した値から漸次減衰さ
    せリーク判定動作による空燃比の変動を小とすべく制御
    する制御部を設けたことを特徴とする内燃機関の空燃比
    制御装置。
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