JP3195872B2 - 摩擦圧接品の良否判定方法および装置 - Google Patents

摩擦圧接品の良否判定方法および装置

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JP3195872B2 JP00015494A JP15494A JP3195872B2 JP 3195872 B2 JP3195872 B2 JP 3195872B2 JP 00015494 A JP00015494 A JP 00015494A JP 15494 A JP15494 A JP 15494A JP 3195872 B2 JP3195872 B2 JP 3195872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方のワークを回転さ
せ、他方のワークを前記回転しているワークに押し付け
て接触面に発生する摩擦熱を利用して両者を接合する摩
擦圧接品の接合部分の品質を判定する摩擦圧接品の良否
判定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、摩擦圧接品の良否判定としては、
特開平3−32480号公報に開示されているように主
軸のトルクと回転数を検出し、これらのデータから摩擦
発熱量を算出し、この発熱量を良品の発熱量の基準値と
比較して良否判定を行なう方法が知られている。
【0003】また、特開昭57−22899号公報に
は、摩擦運動の開始から終了までの時間を測定し良否判
定を行なうものが開示されている。さらに、特開昭57
−22891号公報には、摩擦運動時の接合面における
摩擦力を測定することが開示されている。この他に部材
の変形量により良否を判定するものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】不良品は、このように
部材の変形量のように外見上から判断できるものもある
が、外見上から良・不良を判断できないものも多い。す
なわち、接合は溶融等の金属組織の変化を伴うため、組
織の変化が良好に行なわれているかどうかは目視で確認
することはできず、非破壊検査としては、超音波などを
使用した検査しか導入できない。
【0005】また、上記従来技術においては、不良品と
判定されたものについて、検出データから不良の原因を
判別することはできず、不良要因を判別し、もしくは推
定するには、接合条件を変えて多数回接合を行ない、そ
の接合の状態や接合結果から要因を推定するしかなかっ
た。この方法では、判定精度が悪いだけでなく判定に多
くの時間が必要となっていた。
【0006】不良要因としては、材料に関するものと装
置の機械的、制御的条件によるものがある。材料に関す
る要因としては、例えば、接合面の面粗さ、接合面の平
行度、接合面の酸化膜、接合面の油付着、材料の硬さ、
材料の成分などがあげられる。装置の機械的、制御的条
件に関する要因としては、クラッチのすべり、クラッチ
の引き外し時間、ベアリングの摩擦係数、ガイドレール
の摩擦係数、油圧系統の油温、油圧サーボ特性、制御入
力データ等があげられる。
【0007】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その第1の目的は、サンプリング
データから特徴を抽出して良品と不良品を簡単かつ効率
的に判別する方法を提供することにある。また、第2の
目的は不良の詳細要因を簡単かつ効率的に判別する方法
を提供することにある。さらに、第3の目的は良品と不
良品を簡単かつ効率的に判別できる装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、圧接
開始前から圧接終了までのチャックの回転数とワークに
加わる荷重を検出し、時間と共に変化する回転数と荷重
のデータをサンプリングし、このサンプリングしたデー
タとあらかじめ記憶させた良品のデータとを比較し、こ
の比較結果の偏差が許容範囲内にあるものを良品、許容
範囲外にあるものを不良品と判定する第1の手段により
達成される。
【0009】上記第2の目的は、前記第1の手段による
偏差が許容範囲外にあって不良品と判定されたもののサ
ンプリングデータの時間的変化のパターンの特徴から不
良品の要因を判定する第2の手段によって達成される。
【0010】上記第3の目的は、接合される一方のワー
クを把持する第1の把持手段と、接合される他方のワー
クを把持する第2の把持手段と、第1の把持手段を回転
させる回転駆動手段と、第2の把持手段を第1の把持手
段に対して近接・離反動作させ、前記他方のワークの端
面を前記一方のワークの端面に圧接する圧接駆動手段
と、前記回転駆動手段の回転を検出する回転数検出手段
と、前記圧接駆動手段の加わる荷重を検出する荷重検出
手段と、前記回転数検出手段からの経時的な回転数の変
化を記憶する第1の記憶手段と、前記荷重検出手段から
の経時的な荷重の変化を記憶する第2の記憶手段と、前
記第1及び第2の記憶手段に記憶された情報を表示する
表示手段とを備えた第3の手段によって達成される。
【0011】さらに、上記第3の目的は、前記表示手段
に表示されたパターンから摩擦圧接品の良否を判定する
判定手段をさらに備えた第4の手段によっても達成され
る。
【0012】
【作用】第1の手段では、圧接開始前から圧接終了まで
のチャックの回転数とワークに加わる荷重を検出し、こ
の検出値を時間の関数としてサンプリングし、サンプリ
ングしたデータとあらかじめ記憶させておいた良品のデ
ータとを比較して、良品のデータに対するサンプリング
データの偏差が許容範囲にあれば良品と判定し、許容範
囲にはいっていなければ不良品と判定する。したがっ
て、サンプリングデータがとれれば良品、不良品の別が
判定できる。
【0013】第2の手段では、不良品と判定されたもの
のサンプリングデータの時間的変化の特徴から不良品の
要因を判別する。これは不良の要因によって上記のサン
プリングデータの出現パターンにある程度決まったパタ
ーンがあることがわかったからである。
【0014】第3の手段では、第1の把持手段に一方の
ワークを把持させて回転駆動手段によって回転させ、第
2の把持手段に他方のワークを把持させ、圧接駆動手段
によって他方のワークを回転している一方のワークに押
し付け、互いの端面を摩擦力によっていわば局所的に溶
融状態にして互いの組織を一体化することによ接合す
る。このときの回転数データは回転数検出手段によって
得られ、加わる荷重は荷重検出手段によって得られる。
得られたこれらのデータは、第1及び第2の記憶手段に
記憶され、例えば時間の関数として表示手段に表示され
る。そして、このように表示されたデータのパターンの
特徴から良、不良の別がオペレータ若しくは検査者によ
って判断される。
【0015】第4の手段では、判定手段が上記パターン
の特徴点を抽出して良、不良の別を判定し、判定結果を
出力する。したがって、慣れたオペレータでなくとも
良、不良の別が判定できる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照し、この発明の実施例につ
いて説明する。
【0017】図1は、摩擦圧接装置とその制御装置の概
略を示す構成図である。摩擦圧接装置は、一方のワーク
を回転させる機構と、回転しているワークに対して他方
のワークを押し付ける機構の2つの機構から構成され、
それぞれ制御装置によって後述の制御が実行されるよう
になっている。
【0018】ワークを回転させる側の機構は、ワーク1
8を把持するチャック17と、チャック17の回転軸1
2を回転させる駆動機構と、駆動機構からの回転力を伝
達する伝達機構とからなっている。駆動機構は、モータ
1と、プーリ5と、モータ1の回転軸2とプーリ5の回
転軸4との間に設けられた第1の電磁クラッチ3とから
なり、伝達機構は、チャック17の回転軸12と、プー
リ7と、プーリ7の回転軸10と前記回転軸12との間
に設けられた第2の電磁クラッチ11と、前記プーリ
5,7間に張設されたベルト6とから主に構成され、前
記回転軸10にはフライホイール9が、また、回転軸1
2にはプーリ13,15及びベルト14を介してチャッ
ク17の回転数を検出する回転検出器16がそれぞれ設
けられている。
【0019】ワークを押しつける側の機構は、ガイドレ
ール21上を進出、後退可能に設けられたクランプ20
と、クランプ20をロッド24及び軸22を介して進出
・後退動作させる油圧シリンダ25と、油圧ポンプ31
からの油圧シリンダ25への圧油の供給を制御し、油圧
シリンダ25の移動を制御するサーボ弁26とからな
り、前記ロッド24と軸22との間には荷重検出器23
が設けられている。
【0020】これらの機構は中央制御装置33によって
制御される。すなわち、モータ1は回転制御装置34
を、第1の電磁クラッチ3は第1のクラッチ制御装置3
5を、第2の電磁クラッチ11は第2のクラッチ制御装
置36を介してそれぞれ中央制御装置33によって制御
され、油圧ポンプ31は中央制御装置33によって直
接、サーボ弁26は加圧力制御装置32を介してそれぞ
れ制御される。また、回転検出器16からは検出された
チャック17の回転数が回転数信号として入力され、荷
重検出器23からは油圧シリンダ25によってクランプ
20側に与えられる加圧力が荷重信号として入力され
る。さらに、これらの回転数信号及び荷重信号は回転数
データ及び荷重データとして第1及び第2の記憶手段を
含むデータ記憶装置38に出力され、データ記憶装置3
8から記憶されたデータが図示しない表示装置を有する
比較判定装置39に出力される。なお、符号37は、デ
ータ入力装置であって、判定の比較基準となる比較デー
タ等を中央制御装置33に入力できるようになってい
る。また、符号40a,40bはサーボ弁26と油圧シ
リンダ25とを接続する配管、符号40c,40dは油
圧ポンプ31とサーボ弁26とを接続する配管である。
【0021】上記のように構成された摩擦圧接装置を使
用して摩擦圧接を行なうときには、中央制御装置33か
らの指令によってモータ1を回転させ、第1の電磁クラ
ッチ3を繋いでプーリ5からベルト6を介してプーリ7
に回転を伝達してフライホイール9を回転させる。回転
開始時には第2の電磁クラッチ11は繋いでおき、回転
が所定の回転数で安定した時点で第1の電磁クラッチ3
を切り、フライホイール9の慣性力でチャック17及び
チャック17に把持されたワーク18を回転させる。
【0022】一方、クランプ20によってクランプされ
たワーク19は、前記ワーク18の端面と対向し、かつ
離間した待機位置から中央制御装置33の指令によって
サーボ弁26が駆動され、油圧シリンダ25によってロ
ッド24が進出し、クランプ20がチャック17方向に
ガイドレール21上をスライドし、把持したワーク19
の端面を回転するワーク18の端面に押し付ける。あら
かじめ設定された時間、例えば1秒経過すると中央制御
装置33は、第2のクラッチ制御装置36に指令を送
り、第2の電磁クラッチ11を切る。これによってチャ
ック17はフリーの状態になり、両ワーク18,19が
接合された時点でチャック17及びワーク18の回転は
停止する。
【0023】この間のチャック17の回転の状態は回転
数信号として中央制御装置33に取り込まれ、荷重検出
器23によるワーク19のワーク18に対する荷重もま
た荷重信号として中央制御装置33に取り込まれる。取
り込まれたデータは時間の関数としてデータ記憶装置3
8に記憶され、必要に応じて比較判定装置39に出力さ
れる。比較判定装置39では、良品の基準データとサン
プリングしたデータを表示し、オペレータはこの表示さ
れたデータパターンを見て良、不良の判定と不良要因の
判別を行なう。
【0024】中央制御装置33は加圧力制御装置32に
指令を与えてサーボ弁26を動作させ油の圧力と流量を
調整するが、油圧ポンプ31には温度センサ30が取り
付けられ、温度センサ30の信号は中央制御装置33に
フィードバックされ、油温が一定になるようにコントロ
ールされる。
【0025】図2及び図3に圧接品の良否判定と不良要
因の分析を行なうときの処理手順を、また、図4に回転
数と荷重を経時的に検出してプロットした特性図をそれ
ぞれ示す。図2及び図3に示した良否判定の手順では、
まず、ステップS100で、摩擦圧接開始直前から圧接
終了するまでの全ての時間または、任意の部分的な時間
における回転数nと荷重pをサンプリングし、サンプリ
ングした回転数nから、その時刻における良品の回転数
データの基準値n′を減算した値の絶対値 |n−n′
|と許容値εを比較し、同時にサンプリングした荷重p
からその時刻における良品の荷重データの基準値p′を
減算した値の絶対値|p−p′|と許容値δとを比較す
る。図4においては、実線で良品の回転数データの基準
値n′と良品の荷重データの基準値p′が示されてい
る。また、点線は、サンプリングした回転数データnと
荷重データpを示している。したがって、上記|n−
n′|及び|p−p′|は、同一時刻におけるサンプリ
ングデータの基準値からのずれ量を示している。なお、
図4において、荷重データが0のt0 の時刻から摩擦圧
接が開始され、回転数データが0のt4 の時刻で摩擦圧
接は終了する。
【0026】そこで、良品であることは、任意の時刻に
おいて、基準値からのずれが実験により決められた許容
値、回転数ではε、荷重ではδの範囲に入っていること
が条件となる。すなわち、 |n−n′|≦ε ・・・(1) かつ、 |p−p′|≦δ ・・・(2) が成立することである。そこで、ステップS100で
(1)及び(2)式を満足していれば、ステップS10
1で良品と判定する。
【0027】ステップS100で上記判定基準を満足し
ていなければ、不良品と判定し、ステップS102での
判定に移る。図5における実線は図4と同様に時間と共
に変化する良品(最適条件)の回転数データと荷重デー
タのパターンである。ステップS102では、 N0 −β≦n′≦N0 +β ・・・(3) が成り立つかどうか判定する。すなわち、摩擦圧接開始
時の時刻t0 における回転数nが(良品の回転数データ
の基準値N0 −許容値β)と(良品の回転数データの基
準値N0 +許容値β)の間にない時は、ステップS10
3において回転系の異常であると判定する。この場合に
おける許容値βは、実験により決めた値である。
【0028】このように回転数が許容値βを越えて変動
するのは、例えば駆動源のモータ1の回転数制御指令の
異常であったり、第2の電磁クラッチ11のすべり発生
による回転数の低下や、ベアリングのグリス切れによる
機械的異常などがあげられる。
【0029】ステップS102で(3)式が成り立つと
判定されると、ステップS104に進み、摩擦圧接開始
時刻t0 から前のサンプリングした(少なくとも時刻t
0 においてサンプリングした)荷重データpが判定基準
値pa 以上の場合は、すなわち、 p≧pa ・・・(4) であれば、ステップS105においてスライド軸22の
機械的異常であると判定する。図6は、スライド軸22
の機械的特性が悪い場合のサンプリングデータである。
圧接前の荷重pは、理想的にはゼロが良いが、ガイドレ
ール21の摩擦により荷重が検出され、この荷重が許容
値pa 以上になると、圧接条件に影響を与え、不良品を
作る要因となる。
【0030】ステップS104の判定基準を満足してい
ない場合は、ステップS106に進み、摩擦圧接開始直
後にサンプリングした荷重pと良品の基準データp′の
偏差の絶対値|p−p′|と実験によって決められた許
容値αとを比較する。この許容値αは、図7の回転数デ
ータと荷重データとを経時的にプロットした特性図に示
すように、接合面が粗いと摩擦圧接を開始した後に荷重
変動が生じることから導入された。すなわち、図8の荷
重変動部分の拡大図(図7におけるA部拡大図)に示す
ように、最適条件の良品の荷重データp′とサンプリン
グした荷重データpの分布を見れば、接合面の良否が判
断つくからである。
【0031】そこで、 |p−p′|≧α ・・・(5) が成立し、偏差がプラスとマイナス交互に繰り返し発生
する場合は、ステップS107において接合面の面粗さ
が粗く、加工不良であると判定する。
【0032】ステップS106の判定基準を満足してい
ない場合は、図3のステップS108に進み、図9の特
性図に示すように摩擦圧接開始直後の荷重の立ち上がり
がゆるやかであり、最初に荷重がピークになる荷重p1
の時刻t1 と良品の最初に荷重がピークになる荷重
1 ′の時刻t1 ′の偏差t1 −t1 ′が許容値rを越
え、かつ荷重の偏差p1 −p1 ′が許容値△p1 以下で
ある場合、すなわち、 t1 −t1 ′≧r ・・・(6) かつ、 p1 −p1 ′≦△p1 ・・・(7) が成り立てば、図10に示すように端面の径方向にΔl
12の差があってワーク18,19の接合面同士の面の平
行度が悪い場合、または、接合するワーク18,19の
軸方向の芯が、例えばΔl11ずれている場合のように接
合面の寸法精度が悪い場合であり、この場合には、ステ
ップS109において不良品であると判別する。なお、
2 は上記両荷重p1 ,p1 ′が一致する時刻である。
【0033】ステップS108の判定基準を満足してい
ない場合は、ステップS110に進み、図11の特性図
に示すように荷重データpが最適条件の良品の荷重デー
タパターンに比べて急に立ち上がっているかどうか判定
する。もし、立ち上がっていると判定されると、ステッ
プS111において油圧シリンダ25内の油温が極端に
低いかまたは、圧油制御系の異常と判別する。一方、ス
テップS110の判定基準を満足していない場合は、ス
テップS112において、その他の異常が生じていると
判別する。その他の異常としては、材料の硬度が異なる
場合、または油圧機構の異常、制御データの設定ミス、
油圧シリンダ内の油温が低い場合等がある。これらのサ
ンプリングデータの例を図12に示す。ここでは、荷重
データp 2 は材料の硬度が高い場合であり、荷重データ
3 は材料の硬度が低い場合である。
【0034】このように、この実施例によれば、ワーク
18,19の接合の良否は、図4に示すような特性に基
づいて(1)式及び(2)式から判別される。そして、
(1)式及び(2)式が成り立たなければ、さらに、図
5の特性から(3)式によって回転系の異常が判別さ
れ、図6の特性から(4)式によってスライド軸22の
機械的特性の良否が判別され、図7の特性から(5)式
によって接合面の面粗度の良否が判別される。さらに、
図9の特性から(6)式及び(7)式によって接合面同
士の面の平行度もしくは軸方向のずれの良否が判別さ
れ、図11の特性から油圧シリンダ25の油温が極端に
低いか、圧油制御系の異常が判別され、図12の特性か
らそれ以外の異常が判別される。
【0035】この判別は、比較判定装置39にデータを
表示させてオペレータもしくは検査者自らが行なっても
よいし、比較判定装置39の表示装置にデータパターン
とともに、またはデータパターンに代えて判別の如何を
表示させて接合品の良否や上述の不良もしくは異常の原
因を表示させるようにしてもよい。後者のように構成す
れば、熟練者や判別の教育を受けていない者でも簡単に
良否の判別を行なうことができ、また、異常や不良へ迅
速に対応することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような効果がある。すなわち、圧接開始前から圧
接終了までのチャックの回転数とワークに加わる荷重を
検出し、時間と共に変化する回転数と荷重のデータをサ
ンプリングし、このサンプリングしたデータとあらかじ
め記憶させた良品のデータとを比較し、この比較結果の
偏差が許容範囲内にあるものを良品、許容範囲外にある
ものを不良品と判定する請求項1記載の発明によれば、
あらかじめ記憶させておいた良品のデータに対して回転
数と荷重のサンプリングデータを取って比較するだけで
良品か不良品かを簡単かつ効率的に判別することができ
る。
【0037】不良品と判定された場合、サンプリングデ
ータの時間的変化の特徴から不良品の原因を判別する請
求項2記載の発明によれば、サンプリングデータの特徴
点が明確に抽出できるので、簡単かつ効率的に不良の原
因を判別することができる。
【0038】接合されるワークを把持する第1及び第2
の把持手段と、第1の把持手段を回転させる回転駆動手
段と、第2の把持手段を第1の把持手段に対して近接・
離反動作させ、前記他方のワークの端面を前記一方のワ
ークの端面に圧接する圧接駆動手段と、前記回転駆動手
段の回転を検出する回転数検出手段と、前記圧接駆動手
段の加わる荷重を検出する荷重検出手段と、前記回転数
検出手段からの経時的な回転数の変化を記憶する第1の
記憶手段と、前記荷重検出手段からの経時的な荷重の変
化を記憶する第2の記憶手段と、前記第1及び第2の記
憶手段に記憶された情報を表示する表示手段とを備えた
請求項3記載の発明によれば、ワークを回転させてワー
クの端面を圧接し、その間の回転数変動及び荷重変動を
検出し、これらを記憶手段に記憶させてサンプリングデ
ータとして表示手段に表示するので、表示されたサンプ
リングデータのパターンから良品のデータとの偏差やパ
ターンの特徴から良、不良の別、さらには不良の原因を
簡単かつ効率的に判別することができる。
【0039】表示手段に表示されたパターンから摩擦圧
接品の良否を判定する判定手段をさらに備えた請求項4
記載の発明によれば、判定手段がサンプリングパターン
と良品のパターンの特徴の相違点を抽出して不良の原因
と対照することにより原因を明確にし、さらにこの原因
を出力するので、熟練者でなくとも良、不良の別、さら
には不良の原因も判定するので、熟練者でなくとも不良
の原因の解消に的確に対応することが可能となり、品質
の管理が容易に、かつ効率的に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦圧接装置及びその制御装置の概略構成を示
す概略図である。
【図2】圧接品の良否判定と不良要因を判別する処理手
順の一部を示すフローチャートである。
【図3】圧接品の良否判定と不良要因を判別する処理手
順の他部を示すフローチャートである。
【図4】良品のサンプリングデータパターンを示す特性
図である。
【図5】回転系の異常がある場合のサンプリングデータ
パターンを示す特性図である。
【図6】スライド機構の機械的特性が悪い場合のサンプ
リングデータパターンを示す特性図である。
【図7】接合面の面粗度が粗い場合のサンプリングデー
タパターンを示す特性図である。
【図8】図7のA部の詳細を示す拡大図である。
【図9】接合面の寸法精度が悪い場合のサンプリングデ
ータパターンを示す特性図である。
【図10】接合面の寸法精度が悪い場合のワークの断面
図である。
【図11】油圧シリンダの油温が低い場合のサンプリン
グデータパターンを示す特性図である。
【図12】材料の硬度が良品と異なる場合のサンプリン
グデータパターンを示す特性図である。
【符号の説明】
1 モータ 2,4,10,12 回転軸 3 第1の電磁クラッチ 4 回転軸 5,7,13,15 プーリ 6,14 ベルト 9 フライホイール 16 回転検出器 17 チャック 18,19 ワーク 20 クランプ 21 ガイドレール 22 軸 23 荷重検出器 24 ロッド 25 油圧シリンダ 26 サーボ弁 32 加圧力制御装置 33 中央制御装置 34 回転制御装置 35,36 クラッチ制御装置 37 データ入力装置 38 データ記憶装置 39 比較判定装置
フロントページの続き (72)発明者 松島 修 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 白田 悟 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (56)参考文献 特開 平3−32480(JP,A) 特開 昭57−22890(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャックに把持されたワークを回転させ
    て、回転しているワークの端面に他のワークを圧接して
    両ワークを接合する摩擦圧接品の品質及び/又は不良の
    原因を判定する摩擦圧接品の良否判定方法において、 圧接開始前から圧接終了までのチャックの回転数とワー
    クに加わる荷重を検出し、 時間と共に変化する回転数と荷重のデータをサンプリン
    グし、 このサンプリングしたデータとあらかじめ記憶させた良
    品のデータとを比較し、 この比較結果の偏差が許容範囲内にあるものを良品、許
    容範囲外にあるものを不良品と判定することを特徴とす
    る摩擦圧接品の良否判定方法。
  2. 【請求項2】 前記偏差が許容範囲から出て、不良品と
    判定されたもののサンプリングデータの時間的変化のパ
    ターンの特徴から不良品の原因を判定することを特徴と
    する請求項1記載の摩擦圧接品の良否判定方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方のワークが回転する2つ
    のワークの端面を摩擦圧接力によって接合する摩擦圧接
    品の圧接部分の良否を判定する摩擦圧接品の良否判定装
    置において、 接合される一方のワークを把持する第1の把持手段と、 接合される他方のワークを把持する第2の把持手段と、 第1の把持手段を回転させる回転駆動手段と、 第2の把持手段を第1の把持手段に対して近接・離反動
    作させ、前記他方のワークの端面を前記一方のワークの
    端面に圧接する圧接駆動手段と、 前記回転駆動手段の回転を検出する回転数検出手段と、 前記圧接駆動手段の加わる荷重を検出する荷重検出手段
    と、 前記回転数検出手段からの経時的な回転数の変化を記憶
    する第1の記憶手段と、 前記荷重検出手段からの経時的な荷重の変化を記憶する
    第2の記憶手段と、 前記第1及び第2の記憶手段に記憶された情報を表示す
    る表示手段と、を備えていることを特徴とする摩擦圧接
    品の良否判定装置。
  4. 【請求項4】 前記表示手段に表示されたパターンから
    摩擦圧接品の良否を判定する判定手段をさらに備えてい
    ることを特徴とする請求項3記載の摩擦圧接品の良否判
    定装置。
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