JP3195036U - 冷却装置、冷却用着用物品、及び加熱装置 - Google Patents

冷却装置、冷却用着用物品、及び加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】肌触りが良くフィット性の高い冷却面を有し、低コストで容易に製造可能な携帯型冷却装置を提供する。【解決手段】冷媒を供給する冷媒供給部10と、表面側と裏面側との間に前記冷媒の流路が設けられた可撓性を有するシート部材31、32であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材31、32、を有する冷却部30と、前記冷媒供給部10から前記冷却部30に前記冷媒を輸送する経路を有する輸送部40と、を備える。冷媒供給部10と冷却部30とは冷媒輸送部40を介して接続されており、冷媒供給部10から冷却部30に冷媒を供給することにより冷却部30を冷却することができる。【選択図】図1

Description

本考案は、冷却装置、冷却用着用物品、及び加熱装置に関する。
空調設備等の無い環境下で活動する人間(作業者)の体温を適当に調整するため、作業者毎に個別に用いられる携帯型の冷暖房装置がある。特に、近年では、高温の室内や炎天下で作業を行なう際に作業者が熱中症になるのを防止するための携帯型冷却装置が注目されている。
例えば特許文献1には、冷却面としてペルチェ素子を用い、当該冷却面を装着者の血管に沿って粘着テープ等で張り付けることにより、人体と冷却面との間で熱交換を行うことが可能な携帯型冷却装置が記載されている。
特開2010−82427号公報
特許文献1に記載の携帯型冷却装置では、冷却面がペルチェ素子によって構成されているため、装着者の身体への良好なフィット性や良好な肌触りを実現することが難しい。また、ペルチェ素子を冷却面として加工する必要が生じるため、製造に手間がかかり、コストも高くなる。さらに、冷却面のサイズや形状を変更することが簡単ではないため、十分な汎用性を得ることが難しい。
本考案は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、肌触りが良くフィット性の高い冷却面を有し、低コストで容易に製造可能な携帯型冷却装置を提供することにある。
上記目的を達成するための主たる考案は、冷媒を供給する冷媒供給部と、表面側と裏面側との間に前記冷媒の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する冷却部と、前記冷媒供給部から前記冷却部に前記冷媒を輸送する経路を有する輸送部と、を備えることを特徴とする冷却装置である。
本考案の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本考案によれば、肌触りが良くフィット性の高い冷却面を有し、低コストで容易に製造可能な携帯型冷却装置を提供することができる。
第1実施形態の冷却装置1の全体構成を表す図である。 冷却装置1の使用例について説明する図である。 第1シート部材31の構成について説明する分解図である。 図4A及び図4Bは、流路チューブ313及び留具315の配置について説明する図である。 第1シート部材31の変形例について示す図である。 図5のシート部材の使用例について説明する図である。 第2実施形態の冷却装置1の全体構成を表す図である。 図8Aは、冷却装置1を取り付けた冷却ベスト5の外観斜視図である。図8Bは、冷却ベスト5における冷却部30の配置について説明する図である。 冷却部30の第1シート部材31が一体的に形成される場合の例について説明する図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
冷媒を供給する冷媒供給部と、表面側と裏面側との間に前記冷媒の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する冷却部と、前記冷媒供給部から前記冷却部に前記冷媒を輸送する経路を有する輸送部と、を備えることを特徴とする冷却装置。
これにより、肌触りが良くフィット性の高い冷却面を有し、低コストで容易に製造可能な携帯型冷却装置を提供することができる。
かかる冷却装置であって、前記冷却部は前記シート部材を複数有し、前記輸送部は、前記冷媒供給部から第1のシート部材に前記冷媒を輸送する経路と、前記冷媒供給部から第2のシート部材に前記冷媒を輸送する経路とを有する、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、複数のシート部材(冷却面)を一度に冷却することが可能であることにより、冷却装置の応用範囲を広くすることができる。例えば、異なる部位を一度に冷却したり、冷却性能を落とすことなく冷却可能な領域(冷却面積)を広げたりすることができる。
かかる冷却装置であって、前記シート部材は、前記冷媒を輸送する流路チューブと、前記流路チューブを前記表面側から覆う表面側シートと、前記流路チューブを前記裏面側から覆う裏面側シートと、を有する、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、表面・裏面側シート(シリコンシート)及び流とチューブ(シリコンチューブ)によって冷却部をシンプルに構成することができるため、冷却部を容易に製造することができる。また、特別な製造設備等が不要であり、部品のコストも低く抑えることができる。
かかる冷却装置であって、前記シート部材は、前記表面側シートと前記裏面側シートとが重ね合わせされた部分を、着脱可能な留具で留めることによって形成されており、前記留具を外すことにより、前記表面側シートと前記裏面側シートとの間で前記流路チューブの配置を自在に変更することが可能である、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、特別な道具や技術を要することなく、簡単に流路チューブのルートを変更することができる。冷媒が輸送されるルートを変更することにより、熱交換可能な領域の大きさを増減させ、冷却性能を自由に調整することができる。
かかる冷却装置であって、前記シート部材の表面側及び裏面側のうち前記シリコンで形成された面の外側表面には、複数の突起部が設けられている、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、冷却面の表面に形成された複数の突起部が、使用者の肌と冷却面との間に適度な隙間を形成して、冷却面が使用者の肌に密着することを抑制することができる。これにより、シリコン特有の表面がべたついたようなタック感を感じにくくし、使用者に不快感を生じにくくさせることができる。
かかる冷却装置であって、前記冷媒は気体であり、前記冷媒供給部は、圧縮された前記気体を噴出する携帯型スプレーを有し、前記携帯型スプレーから噴出された前記気体は、前記シート部材に形成された前記流路内を通過する際に膨張する、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、冷媒供給部として小型軽量な携帯型コールドスプレー等を使用することにより、安価で携帯性に優れた冷却装置を実現できる。携帯性が良好であるため、例えば、スポーツやレジャー等に好適である。
かかる冷却装置であって、前記冷媒は液体であり、前記輸送管は前記冷却部から前記冷媒供給部に前記液体を輸送する経路を有し、前記冷媒供給部は、前記液体及び前記液体を冷却する冷却材を貯留する貯留部と、前記貯留部と前記冷却部との間で前記液体を循環させるポンプ部とを有する、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、液体を循環させることで、冷却効率の高い冷却装置を実現できる。また、液体を冷却するための冷却材を入れ替えるだけで、冷媒を交換せずとも長時間の使用が可能となる。長時間にわたって効率的な冷却動作を持続させることが可能となるため、炎天下の工事現場や水枕としての使用に好適である。
かかる冷却装置であって、前記冷媒は水であり、前記冷却材は氷である、ことが望ましい。
このような冷却装置によれば、冷媒、冷却材とも安全な物質を使用することにより、人体に害を与える可能性の低い安全な冷却装置を提供できる。また、冷媒、冷却材とも安価で入手が容易であることから、低コストで気軽に使用することができる。
また、冷媒を供給する冷媒供給部と、表面側と裏面側との間に前記冷媒の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する冷却部と、前記冷媒供給部から前記冷却部に前記冷媒を輸送する輸送管を有する輸送部と、を備えた冷却用着用物品であって、前記シート部材のうち前記シリコンで形成された面が着用者の肌側と対向するように、前記冷却部が着脱可能に取り付けられる、ことを特徴とする冷却用着用物品が明らかとなる。
これにより、安価で製造が容易であり、通常の衣服と同様に着用することによって所望の部位を容易に冷却することが可能な冷却用着用物品を提供することができる。また、このような冷却用着用物品であれば、冷却面の大きさや配置を自在に変更可能であることから、1つの着用物品で様々な用途に対応することが可能となる。
また、熱媒体を供給する熱媒体供給部と、表面側と裏面側との間に前記熱媒体の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する熱交換部と、前記熱媒体供給部から熱交換部に前記熱媒体を輸送する経路を有する輸送部と、を備えることを特徴とする加熱装置が明らかとなる。
これにより、肌触りが良くフィット性の高い熱交換面を有し、低コストで容易に製造可能な携帯型加熱装置を提供することができる。
===第1実施形態===
携帯型冷却装置の一例として、第1実施形態では冷媒として液体を用いた冷却装置1について説明する。
<冷却装置1の基本的構成>
はじめに、冷却装置1の基本的な構成について説明する。図1は、第1実施形態の冷却装置1の全体構成を表す図である。図2は、冷却装置1の使用例について説明する図である。
図1に示されるように、冷却装置1は、冷媒供給部10と、冷却部30と、冷媒輸送部40とを備える。冷媒供給部10と冷却部30とは冷媒輸送部40を介して接続されており、冷媒供給部10から冷却部30に冷媒(第1実施形態においては液体)を供給することにより冷却部30を冷却することができる。
冷却装置1は主に人体を局所的に冷却するために用いられる。例えば図2に示されるように、人体の胸部及び背部に配置された冷却部30に対して冷媒を供給することにより冷却部30を冷却し、使用者の身体のうち冷却部30が配置された箇所において熱交換を生じさせて当該箇所の体温を低下させることができる。詳細は後述するが、本実施形態の冷却部30は、熱交換を行う冷却面として可撓性を有するシート部材を用いているため、身体のあらゆる部位にフィットさせることが可能であり、用途に応じて冷却対象となる部位を自由に変更することができる。
なお、図2は冷却装置1の使用例のうちの一例であり、実際には、腕部や脚部、首筋等様々な部位を冷却するのに使用することができる。また、身体を冷却するだけでなく、冷却部30を配置できるのであれば他の用途として冷却装置1を使用することもできる。例えば、生鮮食品・飲料の保冷、医療品の保冷、枕やシーツ、ペット用のシート、医療用のベッド等、様々な分野に応用することが可能である。
(冷媒供給部10)
冷媒供給部10は、冷却部30に冷媒を供給する。冷媒供給部10は、貯留部11と、接続口12と、循環ポンプ13と、バッテリー14と、を備える。
貯留部11は冷媒を貯留する容器である。本実施形態では冷媒として液体が用いられ、図1では貯留部11に貯留された液体が斜線部で示されている。冷媒として用いられる液体は、常温(例えば、摂氏5度〜30度程度)で液相を保ち、後述する冷却部30や冷媒輸送部40の輸送管41の内部を自由に移動可能な程度に流動性を有し、熱交換が可能な液体であれば種類は限定されない。但し、冷却装置1を人体の冷却用として使用する場合には、人体に対して有害ではない液体であることが望ましい。また、安全性の観点から不揮発性で不燃性の液体であることが望ましい。以下の説明では、冷媒として「水(H2O)」を用いるものとする。水は、安定性・安全性に優れ、安価で入手が容易であることから、第1実施形態の冷媒として好適である。貯留部11は、水を貯留することが可能なタンクであり、例えば、飲料用のペットボトルや水筒を使用することができる。
貯留部11は上方に開口部が設けられており、当該開口部から冷媒である水を注入したり排出したりすることができる。また、冷却装置1の使用時には、開口部にキャップ11Cが嵌められて貯留部11の外部に冷媒が漏れ出さないようになっている(図1参照)。さらに、冷媒を冷却するための冷却材が、冷媒とともに貯留部11に入れられる。この冷却材の量を調整することによって冷媒の温度をある程度調整することが可能である。冷却材としては、例えば水(H2O)を凍らせた「氷」が使用される。氷は溶解すると水になるため、上述したように、安全性やコストの面で優れ、また入手も容易である。
接続口12は、貯留部11と冷媒輸送部40とを接続するための接続部であり、接続口12out及び接続口12inがキャップ11Cに設けられている。接続口12outは、貯留部11に貯留された冷媒(液体)を冷媒輸送部40へ送り出すための出口側の接続部である。接続口12inは、冷媒輸送部40から貯留部11に冷媒(液体)を戻すための入口側の接続部である。これにより、冷媒供給部10と冷却部30との間で液体を循環させることができる。
循環ポンプ13は、液体を循環させるための動力部である。図1の例では循環ポンプ13として小型の水中ポンプを貯留部11の内部に設置している。ポンプの種類や流量は冷却装置1の用途や冷媒の種類に応じて適宜決定されるが、なるべくコンパクトで軽量なポンプであることが望ましい。バッテリー14は、循環ポンプ13を駆動するための電力を供給する動力源であり、例えば電池が用いられる。図1の例ではバッテリー14が貯留部11の外部に設けられているため、電池交換やメンテナンス等が容易である。但し、バッテリー14が循環ポンプ13の内部に収容されるような形態であっても良く、この場合は冷媒供給部10をよりコンパクトに構成することができる。
(冷却部30)
冷却部30は、冷却対象(例えば人体)との間で熱交換を行うことで、冷却対象を冷却する。冷却部30は、第1シート部材31及び第2シート部材32を備える。
図3は、第1シート部材31の構成について説明する分解図である。第1シート部材31は、表面側シート311と、裏面側シート312と、流路チューブ313と、留具315とを有する。また、説明のため、図3において「厚さ方向」を定義する。厚さ方向は、冷却対象が人体である場合に冷却部30が人体と接する側の面である肌側(表面側)と、肌側の反対側の面である非肌側(裏面側)とを有する。
表面側シート311は、厚さ方向の肌側に配置された可撓性を有するシート部材であり、冷却対象箇所(例えば、人間の肌)と接触することにより該冷却対象箇所を冷却する冷却面として機能する。本実施形態において表面側シート311はシリコンによって形成される。なお、本明細書中で言う「シリコン」とはゴム状のシリコン樹脂、所謂「シリコーンゴム」のことである。シリコンは熱伝導性が高く、また耐熱・耐寒性に優れているため、冷却面として使用することで効率的に熱交換を行うことが可能であり、使用する冷媒の温度の高低によらず安定して性能を発揮することができる。また、シリコンのシート部材は非常に柔軟性が高いため、冷却対象物に対して冷却面をフィットさせやすく、人体のような複雑な曲面へのフィット性も良好である。図3では、表面側シート311は略矩形状として表されているが、表面側シート311の形状や大きさは適宜調整可能である。また、表面側シート311の肌側表面、すなわち冷却対象(人体)と直接接触する側の表面には複数の突起部311aが形成されている。一方、表面側シート311の非肌側表面は平滑な面であり、突起部311aは設けられていない。
裏面側シート312は、流路チューブ313を挟んで表面側シート311と厚さ方向の反対側(非肌側)に配置された可撓性を有するシート部材である。裏面側シート312は表面側シート311と同等の大きさ、形状を有する。裏面側シート312の材質は必ずしもシリコンでなくても良いが、以下では表面側シート311と裏面側シート312とが同じ部材であるものとして説明する。つまり、裏面側シート312もシリコンによって形成されるものとする。したがって、裏面側シート312として表面側シート311と同一の部材が使用されるのであっても良い。
流路チューブ313は、表面側シート311と裏面側シート312との間に挟まれて配置される柔軟な管部材であり、管の内部に冷媒(水)を通すことができる。そして、流路チューブ313の内部を輸送される冷媒によって冷却対象(人体)との間で表面側シート311を介して熱交換を行う。その際、表面側シート311(裏面側シート312)に対して流路チューブ313を蛇行するように配置することで(図3参照)、表面側シート311(裏面側シート312)のなるべく広い範囲に冷媒を通過させ、冷却可能な範囲の面積を大きくしている。本実施形態では、流路チューブ313がシリコンによって形成されている。冷媒の流路がシリコンで形成されることにより、表面側シート311と同様、熱伝導性、耐熱・耐寒性、柔軟性等の点で良好な性能を発揮することができる。
留具315は、厚さ方向に重ね合わせた表面側シート311と裏面側シート312とが互いに剥がれないように固定するための部材であり、図3のように、表面側シート311(裏面側シート312)の周縁部やその内側に複数設けられる。留具315としては、平面部材を接合可能な部材、例えばリベットやホック等の市販品を用いることができる。また、着脱自在なスナップボタンを用いても良い。留具315は表面側シート311(裏面側シート312)の表面に露出して人体と接触する可能性があるため、アレルギー等を生じさせるおそれが無く、耐塩性に優れ、ソフトな肌触りを実現できる樹脂製であることが望ましい。但し、表面側シート311と裏面側シート312とが非常に強固に接着されている場合や流路チューブ313の配置がずれる可能性が低い場合には、必ずしも留具315が設けられなくても良い。留具315の具体的な配置や数量については後述する。
図3に示されるように、第1シート部材31は、冷媒を輸送するシリコン製の流路チューブ313を肌(表面)側から表面側シート311で覆い、非肌(裏面)側から裏面側シート312で覆って表面側シート311と裏面側シート312とを重ね合わせ、留具315で固定した構造となっている。流路チューブ313を挟み込んだ状態で重ね合わせされた表面側シート311及び裏面側シート312は、シリコンを接着することが可能な接着剤を用いて互いに接合される。溶着や縫製などによらず接着剤を用いることで、第1シート部材31を簡便かつ安価に短時間で製造することができるようになる。接着剤を用いる場合には、留具315を設けなくても両シートは剥がれにくいが、留具315を用いることにより、表面側シート311及び裏面側シート312をより強固に接合することができる。
なお、本実施形態では表面側シート311及び裏面側シート312が共にシリコンであり、表面がベタついたような「タック感」を生じさせる。そして、表面側シート311及び裏面側シート312の内側表面同士(すなわち、互いに対向する面同士)が平滑であることから、表面側シート311と裏面側シート312とを重ね合わせただけでも互いに密着して剥がれにくくなる。したがって、必ずしもシート同士を接着剤で接合しなくても良く、両シートを重ね合わせて留具315で固定するだけでも第1シート部材31として機能を確保することが可能である。
上述したように本実施形態では、表面側シート311(裏面側シート312)に対して流路チューブ313を蛇行するように配置することで冷却可能な範囲の面積を広くしている。一方、流路チューブ313は弾性を有する部材(シリコン)で形成されているため、流路チューブ313の蛇行状態を真っ直ぐに戻そうとする復元力によって表面側シート311(裏面側シート312)に対して余計な負荷を生じさせるおそれがある。また、表面側シート311と裏面側シート312との接合に接着剤を用いない場合などには、冷却装置1の使用中に流路チューブ313の位置がずれて冷媒の輸送ルートが変わってしまい、十分な冷却性能が得られなくなるおそれがある。そこで、第1シート部材31では、流路チューブ313の曲げ部をガイドするように留具315を配置することで、留具315が流路チューブ313のずれ止めとしても機能するようにしている。
図4は、流路チューブ313及び留具315の配置について説明する図である。図4Aは、流路チューブ313が図3と同様のルートで配置されている場合について示している。同図4Aにおいて、表面側シート311(裏面側シート312)の4隅に留具315が設けられている。矩形状シート部材の4隅に留具315を配置することにより、重ね合わせされた表面側シート311と裏面側シート312とを剥がれにくくしている。なお、シート部材の外縁部に沿ってさらに多くの留具315が設けられていても良い。本実施形態では、表面側シート311(裏面側シート312)の外縁部よりもさらに内側の領域に複数の留具315が設けられる。図4Aの例では、留具315A〜留具315Eの5つの留具が配置されている。そして、留具315A〜留具315Eのそれぞれは、流路チューブ313が大きく曲がっている部分(曲げ部)の内側に配置されている。すなわち、流路チューブ313は留具315A〜留具315Eを基準として曲げられているような状態となる。これにより、冷却装置1の使用中に流路チューブ313の位置がずれてしまうことが抑制され、冷媒の流路形状が維持されやすくなる。
図4Bは、流路チューブ313のルートを変更した場合の例について示している。同図4Bでは、留具315A〜留具315Eの配置は図4Aの場合と同様であるが、流路チューブ313の配置が異なっている。具体的に、流路チューブ313は留具315A、315B、315D、及び315Eの部分で曲がるように配置され、留具315Cの周辺には配置されていない。この場合、図4Aと比較して表面側シート311中で流路チューブ313が配置されている領域の割合を小さくすることができる。言い換えると、冷媒の流路面積を小さくすることができる。このように、流路チューブ313のルートを変更することによって、第1シート部材31における熱交換可能な領域の大きさを調整し、冷却部30の冷却性能を調整することができる。
また、留具315の配置や数を変更することにより、流路チューブ313のルートの自由度をさらに高くすることも可能である。特に、表面側シート311と裏面側シート312との接合に接着剤を用いない場合には、表面側シート311と裏面側シート312とを剥がして流路チューブ313の配置を自在に変更することができる。例えば、留具315を外して、表面側シート311と裏面側シート312とを剥がせる状態にした後、裏面側シート312から表面側シート311を一時的に剥がして、留具315が設けられている位置を基準として流路チューブ313の配置を変更する。その後、再び表面側シート311と裏面側シート312とを重ね合わせる。最後に留具315により表面側シート311と裏面側シート312とを固定する。このようにすれば、特別な道具や技術を要することなく、簡単に流路チューブ313のルートを変更することができる。
図5は、第1シート部材31(冷却部30)の変形例について示す図である。図6は、図5のシート部材の使用例について説明する図である。同図5の例では、表面側シート311及び裏面側シート312の形状が変更され、矩形状の中央部上側の領域が切り欠かれた略凹型形状となっている。そして、シート部材の形状変更に伴って、留具315の数が増えて流路チューブ313の配置も変更されている。本実施形態では、表面側シート311や裏面側シート312の材料としてシリコンシートを使用しているため、容易にカッティングすることが可能であり、第1シート部材31の形状を自在に変更することができる。さらに、留具315の数を増やすことによって、流路チューブ313を図5のような複雑なルートとなるように配置することが可能である。すなわち、冷却面の形状変更に応じて流路チューブ313のルートも自在に変更することが可能である。このように冷却面の形状を変更すれば、冷却装置1の用途や冷却対象部位に応じて冷却面を最適化することができる。例えば、図6のように、シート部材の切欠き部を使用者の首に当てて固定することにより、冷却面をネックピローのように装着すれば、首回りの部位を局所的にかつ効率的に冷却することができるようになる。また、上述したように、シリコンシートはカッティング等の加工が容易であるため、使用者の身体に応じて切欠き部の大きさを変更したり、切欠き部の形状を変更したりすることも簡単である。なお、冷却部30の使用例は図2や図6において示された例には限られず、複数のシート部材によって異なる部位を同時に冷却できるような構成にしても良い。例えば、使用者の首回りと頭部とを同時に冷却可能な装置とすることもできる。
また、流路チューブ313のルートを変更して冷媒が流れる領域の面積(流路面積)を調整することで、第1シート部材31における冷却効率を変更することができる。例えば、図5のように流路チューブ313の流路を長くして全体の流路面積を大きくすることで、熱交換可能な領域の大きさを増加させれば、第1シート部材31の広い範囲で効率的な熱交換(冷却)を行うことができるようになる。
第2シート部材32は、第1シート部材31とほぼ同等の構成を有する。すなわち、冷媒を輸送する流路チューブと、流路チューブを表面側(肌側)から覆う表面側シートと、流路チューブを裏面側(非肌側)から覆う裏面側シートと、表面側シートと裏面側シートとが重ね合わせされた状態で 固定する留具によって構成されている。第2シート部材32は第1シート部材31と同じ大きさであっても良いし、異なる大きさであっても良い。
なお、冷却装置1の冷却部30は第1シート部材31のみを有し、第2シート部材32を有さない構成であっても良い(例えば図6参照)。逆に、3以上のシート部材を有する構成であっても良い。つまり、冷却部30は少なくとも1以上のシート部材を有していれば良い。
(冷媒輸送部40)
冷媒輸送部40は、冷媒供給部10と冷却部30とを接続して、冷媒供給部10から供給された冷媒を冷却部30へ輸送し、また、熱交換後の冷媒を冷却部30から冷媒供給部10へと輸送する。冷媒輸送部40は輸送管41とジョイント42とを有する。
輸送管41は、冷媒の輸送路となる細長い管である。冷却装置1は、図2に示されるように人体に装着して使用することが想定されているため、輸送管41は柔軟性を有しつつ耐久性の高い素材で構成されることが望ましい。本実施形態では、輸送管41はシリコンによって形成されている。ジョイント42は、輸送管41の流路を変更したり分岐したりする際に用いられる接続継手である。図1の例では、冷媒の輸送ルートを第1シート部材31側及び第2シート部材32側へと分岐させる(若しくは合流させる)ためにジョイント42が用いられているが、これ以外のジョイントが用いられていても良い。ジョイント42は、軽量で丈夫な樹脂製であることが望ましく、例えば、市販のチューブ用継手(所謂ミニフィッティング等)を用いることができる。
本実施形態では、冷却部30の冷却面として第1シート部材31及び第2シート部材32の2つのシート部材を有し、冷媒輸送部40は、当該第1シート部材31及び第2シート部材32のそれぞれについて冷媒を輸送する経路を有している。これにより、2つのシート部材に対して同時に冷媒を供給することが可能となる。つまり、複数の冷却面を一度に冷却することが可能となるため、冷却装置の応用範囲を広くすることができる。例えば、異なる部位を一度に冷却したり、冷却性能を落とすことなく冷却面積を広げたりすることが可能となる。なお、冷却装置1が冷却面を3以上備える場合には、輸送管41の分岐箇所を増やすことにより、複数の冷却面に同時に冷媒を供給することができるようになる。
但し、複数の冷却面に対して同時に冷媒を供給するのではなく、順番に冷媒を供給するようにすることも可能である。例えば、輸送管41によって第1シート部材31と第2シート部材32とを順番に接続して、はじめに第1シート部材31に冷媒が供給され、続いて第1シート部材31から排出された冷媒が第2シート部材32に供給されるような構成としても良い。
<冷却動作について>
冷却装置1を用いて冷却を行う際には、まず、貯留部11に冷媒と冷却材を封入する。上述したように、第1実施形態では、冷媒として「水」、冷却材として「氷」を用いる。そして、冷却対象部位に冷却部30の第1シート部材31及び第2シート部材32を配置した後、循環ポンプ13のスイッチをONにして循環ポンプ13を作動させる。
循環ポンプ13が作動すると、貯留部11に貯留されていた冷媒(水)が接続口12outを通過して輸送管41の内部を輸送され、ジョイント42において分岐された後、第1シート部材31側及び第2シート部材32へと供給される(図1参照)。第1シート部材31に供給された水は、第1シート部材31の内部に配置されている流路チューブ313の流路に沿って流れる。そして、流路チューブ313内を冷媒が流れる間に、当該流路チューブ313が配置されている領域を中心として冷却対象(例えば人体)との間で熱交換が行われ、冷却対象が冷却される。第2シート部材32についても同様である。
熱交換が行われることによって温度が高くなった冷媒(水)は、第1シート部材31及び第2シート部材32の出口側流路から輸送管41へと排出され、ジョイント42において合流して輸送管41を輸送され、接続口12inから貯留部11の内部に戻される。そして、貯留部11の内部の冷却材(氷)によって冷却されることで温度が低くなり、循環ポンプ13によって冷却部30側へと再度送り出される。
このように第1実施形態の冷却装置1では、冷却材(氷)によって冷却させた冷媒(水)を循環させて、冷却部30に低温の冷媒を供給し続けることで、冷却対象物(人体)を効率的に冷却することができる。特に、貯留部11の冷却材を適宜入れ替えることにより、長時間にわたって冷却動作を持続させることが可能となるため、例えば、炎天下での屋外行動の際の熱中症予防や、発熱時の水枕としての使用等に適している。
冷却部30の冷却面は、人体と接触する側の面(肌側面)が柔軟なシリコンのシート部材で形成されていることから、肌触りが良くフィット性が高い。さらに、シリコンは耐久性が高く、重金属等の有害な物質を含まず、生理的に不活性であるため、肌に直接接触した場合であってもアレルギー等を引き起こす等の問題を生じにくい安全な素材である。したがって、人体と直接接触する可能性のある冷却面としての使用に適している。一方で、シリコンは材質の特性上、表面がベタついたような「タック感」を生じさせる場合があり、そのようなベタつき感のあるシリコンシートが肌に密着すると、使用者に不快感を生じさせるおそれがある。これに対して、本実施形態では、冷却面を構成する表面側シート311の肌側表面に複数の突起部311aが形成されているため、当該突起部311aがシリコンシートと肌との間に適度な隙間を形成し、冷却面が肌に密着することを抑制する。これにより、冷却装置1を長時間使用する場合であっても、使用者に不快感を生じにくくさせることができる。
また、冷却装置1の冷却部30や冷媒輸送部40を構成する材料は、主にシリコン製のシートやチューブであり、材料が安価かつ容易に入手可能である。そして、製造の際には特別な設備等を必要とせず、低コストで容易に冷却装置1を製造することができる。
===第2実施形態===
<冷却装置1の基本的構成>
第2実施形態では冷却装置1の冷媒として気体を用いる場合について説明する。図7は、第2実施形態の冷却装置1の全体構成を表す図である。
第2実施形態の冷却装置1の全体構成は、第1実施形態と略同様である。すなわち、冷却装置1は、冷媒供給部10と冷却部30と冷媒輸送部40とを有する。一方、冷媒供給部10、及び、冷媒輸送部40の構成の一部が第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
(冷媒供給部10)
第2実施形態の冷媒供給部10は冷媒スプレー15を有する。冷媒スプレー15は、高圧ガスを用いて冷媒となる気体(冷却ガス)を噴霧することが可能な携帯型の缶スプレーである。冷媒スプレー15の圧力容器内には圧縮された冷媒が気体若しくは液体の状態で充填されており、当該冷媒が冷媒スプレー15の噴射口から噴射される際に膨張して気体となる。冷媒スプレー15としては、医療用やスポーツ用として市販されている所謂「冷却スプレー(コールドスプレー)」を使用することが可能である。冷媒はエタノールやLPG等、圧縮・膨張が可能なガスであれば良いが、不燃性で安全な気体であればより望ましい。「冷却スプレー」自体の構造は公知であるため、説明は省略する。
(冷媒輸送部40)
第2実施形態の冷媒輸送部40は、冷媒供給部10と冷却部30とを接続して、冷媒供給部10から供給された冷媒を冷却部30へ輸送し、また、冷却部30から冷媒を大気へと排出する。つまり、第2実施形態では、冷却部30から冷媒供給部10へと冷媒を戻す必要が無く、冷媒を循環するルートは形成されない。第2実施形態の冷媒輸送部40は輸送管41とジョイント42とコネクタ43とを有する。
輸送管41及び接続ジョイント42の構成は第1実施形態とほぼ同様であるが、上述したように、第2実施形態では冷却部30から冷媒供給部10へと冷媒を輸送するルートが不要であり、冷却部30の冷媒流路の出口側に接続された輸送管41は大気に解放されている。コネクタ43は、冷媒スプレー15の噴射口と輸送管41とを接続する接続部材であり、冷媒スプレー15の噴射口の口径に応じて様々なサイズが用意される。
<冷却動作について>
第2実施形態の冷却装置1を用いて冷却を行う際には、冷媒供給部10と冷却部30とを冷媒輸送部40によって接続し、冷媒スプレー15から冷媒(気体)を噴射させる。噴射された冷媒は、輸送管41の内部を輸送され、ジョイント42において分岐された後、第1シート部材31側及び第2シート部材32へと供給され、当該第1シート部材31側及び第2シート部材32の流路チューブ内に沿って流れる。
冷媒スプレー15の圧力容器内に圧縮されていた冷媒は、冷媒スプレー15から噴射された後、輸送管41及び冷却部30の流路チューブ内を通過する際に膨張して温度が低下する。これにより、冷却部30において冷却対象との間で熱交換が行われ、冷却対象が冷却される。熱交換後の膨張した冷媒は大気へ排出される。
第2実施形態では、冷媒として気体が用いられ、また、冷媒供給部10として所謂「冷却スプレー」を使用することが可能であることから、第1実施形態と比較してより簡易かつ軽量な冷却装置を構成することができる。したがって、第1実施形態と同様に肌触りが良くフィット性の高い冷却面を有しつつ低コストで容易に製造可能であることに加えて、
より携帯性に優れた冷却装置を提供することが可能になる。このような冷却装置は、スポーツやレジャー等での断続的な使用に適しており、冷却装置と共に予備の冷却スプレーを携行すれば、比較的長時間の使用にも耐えることができる。
また、第2実施形態の冷却部30は第1実施形態の冷却部30とほぼ同様の構成であるため、第1実施形態の冷媒輸送部40のルートを一部変更するとともに、冷媒供給部10を取り換えることにより、冷媒として液体若しくは気体を選択的に使用できるようになる。例えば、普段は水を冷媒とする冷却装置として家庭や事務所内などで継続的に使用し、外出時には気体を冷媒とする冷却装置として携帯して短時間だけ使用する等、異なる特性を有する冷却装置を用途に応じて使い分けることも可能である。
===第3実施形態===
第3実施形態では、衣服等の着用物品に冷却装置1を取り付けて使用する冷却用着用物品について説明する。図8は、冷却装置1を取り付けた着用物品の一例として冷却ベスト5について説明する図である。なお、第1実施形態、第2実施形態のいずれの冷却装置1でも着用物品に取り付けることが可能であるが、図8では、より軽量な第2実施形態の冷却装置1を取り付けた場合について説明する。
図8Aは、冷却装置1を取り付けた冷却ベスト5の外観斜視図である。図8Bは、冷却ベスト5における冷却部30の配置について説明する図である。第3実施形態では着用物品の裏側(肌と対向する側)に、冷却部30のシリコンで形成された面(すなわち、上述した表面側シート311)が着用者の肌側と対向するように取り付けられ、当該着用物品を着用することにより、着用者の肌と冷却部30とが接触して熱交換を行うことができるようになっている。図8の例では、第1シート部材31、第2シート部材32、及び第3シート部材33の3つのシート部材が冷却面として設けられている。具体的には、冷却ベスト5の背側部分の中央部の領域5Bに第3シート部材33が取り付けられ、冷却ベスト5の胴側部分の右下方部の領域5FRに第1シート部材31が取り付けられ、冷却ベスト5の胴側部分の左下方部の領域5FLに第2シート部材32が取り付けられている。なお、各シート部材は着用物品に対して面ファスナー等の係合部材(例えば、マジックテープ(登録商標))を用いて着脱可能に取り付けられており、取り付け位置を自在に変更することが可能となっている。図8Bでは、斜線部で示されている領域において、各シート部材が冷却ベスト5の裏側に係合されている。
冷却ベスト5では、冷媒輸送部40の輸送管41によって、第1シート部材31と第3シート部材33とが接続され、第3シート部材33と第2シート部材32とが接続されている。また、冷却ベスト5には冷媒供給部10を収容する収容部51が設けられる。図8Aでは、冷却ベストの表側に設けられたポケットが収容部51の機能を有し、冷媒供給部10として小型の冷媒スプレー15が当該ポケットに収容されている。このように、軽量で小型の冷却スプレーを用いれば、冷却ベスト5の着用時に邪魔にならず、着用者に違和感を与えにくくなる。
冷却を行う際には、冷媒供給部10(図8の場合は冷媒スプレー15)から冷媒(気体)を噴射させる。噴射された冷媒は、まず輸送管41によって冷却ベスト5の裏側に取り付けられた第1シート部材31へと輸送され、第1シート部材31の内部に配置されている流路チューブ313を通過する際に膨張して熱交換を行い、冷却ベスト5の5FRの領域において着用者の身体を冷却する。続いて、冷媒は輸送管41によって第3シート部材33へと輸送され、同様に膨張して冷却ベスト5の5Bの領域において着用者の身体を冷却する。続いて、冷媒は輸送管41によって第2シート部材32へと輸送され、同様に膨張して冷却ベスト5の5FLの領域において着用者の身体を冷却する。その後、冷媒は輸送管41から外部へと排出される。図8に示される冷媒の輸送ルートは一例であり、冷媒が輸送されるルートは変更されても良い。
また、冷却部30の各シート部材は冷却ベスト5に対して着脱可能に取り付けられているため、当該シート部材の取り付け位置を変更することで、より効果的に冷却を行うことができるようになる。例えば、心臓の近くを冷却したくない場合に領域5FRのシート部材を下側にずらして取り付けたり、背中側のみを集中して冷却したい場合に領域5Bに複数のシート部材を取り付けたりすることが可能である。
このように冷却装置1を取り付けた着用物品によれば、通常の衣服と同様に着用することによって所望の部位を容易に冷却することができるため、日常生活や屋内外での作業等、多くの場面に適用可能である。また、冷却面の大きさや配置を自在に変更可能であることから、1つの着用物品で様々な用途に対応することが可能となる。例えば、冷却面の総面積を増やせば、熱中症患者の緊急冷却や消防士の消防服等にも適用することができる。なお、上述の実施例では着用物品の一例として「ベスト」について説明したが、ベスト以外の着用物品にも冷却装置1を取り付けて使用することができる。
また、本実施形態の着用物品は、裏地に冷却面の係合部材(例えば、上述した面ファスナー)を係合させることが可能であれば、他の部分は通常の衣服と同様である。すなわち、冷媒輸送管を縫い込む等の特別な縫製が必要となったり、製造コストが高くなったりする等の問題は生じにくい。また、着用物品から冷却装置1を取り外せば通常の衣服として日常的に使用することもできる。
===その他の実施形態===
上述の実施形態は、本考案の理解を容易にするためのものであり、本考案を限定して解釈するためのものではない。本考案は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本考案には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
<冷媒の流量について>
上述の各実施形態において、冷却動作を行う際の冷媒の流量について詳細にコントロールできるようにしても良い。例えば、冷媒として液体を使用する場合には、冷媒供給部10や、冷媒供給部10と冷媒輸送部40との接続部に温度計や流量計を設け、使用者が現在の冷媒の流量を視覚的に確認できるようにしても良い。その際、冷媒の流量を調整することが可能なバルブを設け、当該バルブを操作することにより、冷媒の輸送量を調整できるようにしておくと良い。
また、冷媒として気体を使用する場合にも、上述のようなバルブを設けて冷媒の流量を調整することにより、冷媒(ガス)の無駄な浪費を削減するとともに、冷却時に冷媒スプレー15を操作しなくても所定流量の冷媒を常時流すことができるようになる。これにより、冷媒スプレー15を長持ちさせ、長時間冷却装置を使用することができるようになる。
<冷却部30構成について>
上述の各実施形態において、冷却部30の第1シート部材31は、図3で説明したように表面側シート311と裏面側シート312と流路チューブ313、及び必要に応じて留具315によって構成されていたが、冷却部30のシート部材が一体的に形成されるのであっても良い。
図9は、冷却部30の第1シート部材31が一体的に形成される場合の例について説明する図である。上述したように、冷却部30はシート部材の表面側と裏面側との間に冷媒の流路が設けられた構造である。そこで、板状の金型にシリコン樹脂を充填して表面側シートと裏面側シートとをそれぞれ射出成型し、両シートを互いに重ね合わせて接合することによって冷却部30のシート部材を製造する。図9の例では射出成型によって形成された第1シート部材31の表面側(若しくは裏面側)のシートの状態について表している。つまり、第1シート部材31を厚さ方向の中央部で半分に切断した状態について表している。シリコン樹脂の射出成型によって同図9で表されるように、板状の平面シートに冷媒の流路となる溝部31dが形成された表面側シート部材が製造される。この表面側シートと同等の裏面側シート部材を製造し、溝部31dが形成された面同士を重ね合わせて接合することにより、シリコン樹脂によって第1シート部材31を一体的に形成することができる。なお、第1シート部材31の外側表面に上述した突起部311aが形成されるような金型を使用すると良い。
このように射出成型によって一体的にシート部材を製造するためには、金型や射出成型用の設備等を準備する必要があるため、第1実施形態で説明した製造方法と比較して、初期コストが大きくなりやすい。しかし、はじめに製造設備を整えてしまえば、冷却部30を短時間で大量生産することが可能となるため、製品単価を低く抑えることができる。
<加熱装置としての使用について>
上述の各実施形態では、水や冷却ガスを「冷媒」として用いた冷却装置について説明されていたが、対象を冷却する「冷媒」だけではなく対象を加熱することも可能な「熱媒体」を用いることで、冷却装置1を加熱装置として使用することも可能である。例えば、第1実施形態において冷媒としての「水」の代わりに、熱媒体として「温水」を使用することにより、冷却装置1の構成をそのままに加熱装置として使用することが可能となる。この場合、冷媒供給部10は熱媒体供給部として機能し、冷却部30は熱交換部として機能する。また、冷却部30や冷媒輸送部40の材料として使用されているシリコンは良好な耐熱特性を有するため、「温水」を使用しても特に問題は生じない。したがって、夏場には冷却装置として使用可能であり、冬場には加熱装置として使用可能な加熱・冷却装置を提供することができる。
1 冷却装置、
5 冷却ベスト、
10 冷媒供給部、
11 貯留部、11C キャップ、12 接続口、12in・12out 接続口、
13 循環ポンプ、14 バッテリー、
15 冷媒スプレー、
30 冷却部、
31 第1シート部材、
311 表面側シート、311a 突起部、312 裏面側シート、
313 流路チューブ、
315 留具、315A・315B・315C・315D・315E 留具、
32 第2シート部材、33 第3シート部材、
40 冷媒輸送部、
41 輸送管、42 ジョイント、43 コネクタ、
51 収容部

Claims (10)

  1. 冷媒を供給する冷媒供給部と、
    表面側と裏面側との間に前記冷媒の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する冷却部と、
    前記冷媒供給部から前記冷却部に前記冷媒を輸送する経路を有する輸送部と、
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置であって、
    前記冷却部は前記シート部材を複数有し、
    前記輸送部は、前記冷媒供給部から第1のシート部材に前記冷媒を輸送する経路と、前記冷媒供給部から第2のシート部材に前記冷媒を輸送する経路とを有する、ことを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1または2に記載の冷却装置であって、
    前記シート部材は、
    前記冷媒を輸送する流路チューブと、
    前記流路チューブを前記表面側から覆う表面側シートと、
    前記流路チューブを前記裏面側から覆う裏面側シートと、
    を有する、ことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項3に記載の冷却装置であって、
    前記シート部材は、前記表面側シートと前記裏面側シートとが重ね合わせされた部分を、着脱可能な留具で留めることによって形成されており、
    前記留具を外すことにより、前記表面側シートと前記裏面側シートとの間で前記流路チューブの配置を自在に変更することが可能である、ことを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の冷却装置であって、
    前記シート部材の表面側及び裏面側のうち前記シリコンで形成された面の外側表面には、複数の突起部が設けられている、ことを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の冷却装置であって、
    前記冷媒は気体であり、
    前記冷媒供給部は、圧縮された前記気体を噴出する携帯型スプレーを有し、
    前記携帯型スプレーから噴出された前記気体は、前記シート部材に形成された前記流路内を通過する際に膨張する、ことを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の冷却装置であって、
    前記冷媒は液体であり、
    前記輸送管は前記冷却部から前記冷媒供給部に前記液体を輸送する経路を有し、
    前記冷媒供給部は、前記液体及び前記液体を冷却する冷却材を貯留する貯留部と、前記貯留部と前記冷却部との間で前記液体を循環させるポンプ部とを有する、ことを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項7に記載の冷却装置であって、
    前記冷媒は水であり、
    前記冷却材は氷である、ことを特徴とする冷却装置。
  9. 冷媒を供給する冷媒供給部と、
    表面側と裏面側との間に前記冷媒の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する冷却部と、
    前記冷媒供給部から前記冷却部に前記冷媒を輸送する輸送管を有する輸送部と、
    を備えた冷却用着用物品であって、
    前記シート部材のうち前記シリコンで形成された面が着用者の肌側と対向するように、前記冷却部が着脱可能に取り付けられる、ことを特徴とする冷却用着用物品。
  10. 熱媒体を供給する熱媒体供給部と、
    表面側と裏面側との間に前記熱媒体の流路が設けられた可撓性を有するシート部材であって、前記表面側と前記裏面側とのうち少なくとも一方の面がシリコンで形成されたシート部材、を有する熱交換部と、
    前記熱媒体供給部から熱交換部に前記熱媒体を輸送する経路を有する輸送部と、
    を備えることを特徴とする加熱装置。
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