JP3194814B2 - 析出硬化型合金の拡散接合方法 - Google Patents
析出硬化型合金の拡散接合方法Info
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- JP3194814B2 JP3194814B2 JP13152893A JP13152893A JP3194814B2 JP 3194814 B2 JP3194814 B2 JP 3194814B2 JP 13152893 A JP13152893 A JP 13152893A JP 13152893 A JP13152893 A JP 13152893A JP 3194814 B2 JP3194814 B2 JP 3194814B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、析出硬化型合金の拡
散接合方法にかかり、とりわけその拡散接合の処理に改
良を加えた析出硬化型合金の拡散接合方法に関する。
散接合方法にかかり、とりわけその拡散接合の処理に改
良を加えた析出硬化型合金の拡散接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、接合母材を被接合母材に拡散接合
するにあたり、HIP装置(Heat Isostatic Press)が
使用されており、その概略構成は図5に示すものがあ
る。符号13は、この種装置の圧力容器を示し、この圧力
容器13には接合材17を保持する架台16が設けられてお
り、また接合材17に温度を加えるヒ―タ14が両側に配置
されている。また、接合材17を加熱後、不活性ガスによ
り急冷するため、圧力容器13に不活性ガスの給排口13a
が設けられており、不活性ガスは弁13bによって急冷に
必要な適正量にコントロ―ルされ、接合材17を等圧Pの
もとで加圧している。
するにあたり、HIP装置(Heat Isostatic Press)が
使用されており、その概略構成は図5に示すものがあ
る。符号13は、この種装置の圧力容器を示し、この圧力
容器13には接合材17を保持する架台16が設けられてお
り、また接合材17に温度を加えるヒ―タ14が両側に配置
されている。また、接合材17を加熱後、不活性ガスによ
り急冷するため、圧力容器13に不活性ガスの給排口13a
が設けられており、不活性ガスは弁13bによって急冷に
必要な適正量にコントロ―ルされ、接合材17を等圧Pの
もとで加圧している。
【0003】接合材17は、図6に示すように、インサ―
ト材19を介装した接合母材18a、被接合母材18bからな
るものであり、かかる母材18a,18bは図7の拡散接合
処理チャ―ト図に示すように、熱処理がなされている。
すなわち、母材18a,18bは各母材の溶体化処理温度T
2 よりも低い拡散接合温度T1 に加温し、一定時間保持
後、急冷し、さらに時効処理温度T3 まで再び加温して
いる。こうして拡散接合処理された接合母材18a、被接
合母材18bは、複合材料として特殊産業分野への活用が
図られている。
ト材19を介装した接合母材18a、被接合母材18bからな
るものであり、かかる母材18a,18bは図7の拡散接合
処理チャ―ト図に示すように、熱処理がなされている。
すなわち、母材18a,18bは各母材の溶体化処理温度T
2 よりも低い拡散接合温度T1 に加温し、一定時間保持
後、急冷し、さらに時効処理温度T3 まで再び加温して
いる。こうして拡散接合処理された接合母材18a、被接
合母材18bは、複合材料として特殊産業分野への活用が
図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述処理の下、接合母
材18a、被接合母材18bの金属組織を検討してみると、
図2にも見られるように、結晶粒界9内に生成されてい
る粗大析出物10が比較的く散点状にあらわれるのに対し
て、細い析出物11はこの散点状にあらわれた粗大析出物
10の影にかくれてわずかしかあらわれていない。
材18a、被接合母材18bの金属組織を検討してみると、
図2にも見られるように、結晶粒界9内に生成されてい
る粗大析出物10が比較的く散点状にあらわれるのに対し
て、細い析出物11はこの散点状にあらわれた粗大析出物
10の影にかくれてわずかしかあらわれていない。
【0005】元来、析出硬化型合金の強度は、塑性変形
のときに材料分子の運動転位と析出物の大小との相関関
係により保証されるものであり、散点的に析出された粗
い析出物10が金属組織上支配的であると、材料分子は、
運動転位の際、粗い析出物10間を蛇行しながら通過する
ため、何らの拘束がなくなる。このため、接合母材18
a、被接合母材18bは、塑性変化の際、何らの手当をさ
れないまま挙動するから、その強度は思ったようには保
証されない。このような状態で接合母材18a、被接合母
材18bを時効処理しても強度は向上するものではない。
この発明は、かかる問題点に鑑み、従来の拡散接合処理
に改良を加えて強度保証を一段と高める析出硬化型合金
の拡散接合方法を公表することを目的とする。
のときに材料分子の運動転位と析出物の大小との相関関
係により保証されるものであり、散点的に析出された粗
い析出物10が金属組織上支配的であると、材料分子は、
運動転位の際、粗い析出物10間を蛇行しながら通過する
ため、何らの拘束がなくなる。このため、接合母材18
a、被接合母材18bは、塑性変化の際、何らの手当をさ
れないまま挙動するから、その強度は思ったようには保
証されない。このような状態で接合母材18a、被接合母
材18bを時効処理しても強度は向上するものではない。
この発明は、かかる問題点に鑑み、従来の拡散接合処理
に改良を加えて強度保証を一段と高める析出硬化型合金
の拡散接合方法を公表することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的達
成のため、インサ―ト材を介装して接合母材を被接合母
材に拡散接合するにあたり、接合母材および被接合母材
の拡散接合温度を、各母材の溶体化処理温度まで高めた
後、不活性ガスにより急速冷却し、しかる後、各母材を
時効処理温度で熱処理することを特徴とする。
成のため、インサ―ト材を介装して接合母材を被接合母
材に拡散接合するにあたり、接合母材および被接合母材
の拡散接合温度を、各母材の溶体化処理温度まで高めた
後、不活性ガスにより急速冷却し、しかる後、各母材を
時効処理温度で熱処理することを特徴とする。
【0007】
【作用】この発明にかかる析出硬化型合金の拡散接合方
法では、接合母材および被接合母材の拡散接合温度を、
図1に示す各母材の溶体化処理温度まで高めているの
で、時効処理後の金属組織は図3に示すように細い析出
物が増す。したがって、接合材に塑性変形が発生し、材
料分子の運動転位があっても、その転位は細い析出物に
拘束されるので強度保証が一段と高くなる。
法では、接合母材および被接合母材の拡散接合温度を、
図1に示す各母材の溶体化処理温度まで高めているの
で、時効処理後の金属組織は図3に示すように細い析出
物が増す。したがって、接合材に塑性変形が発生し、材
料分子の運動転位があっても、その転位は細い析出物に
拘束されるので強度保証が一段と高くなる。
【0008】
【実施例】この発明にかかる析出硬化型合金の拡散接合
方法について、その実施例を説明する。なお、拡散接合
にあたり、HIP装置、接合母材、被接合母材、インサ
―ト材は従来のものと同一のものが使用されている。
方法について、その実施例を説明する。なお、拡散接合
にあたり、HIP装置、接合母材、被接合母材、インサ
―ト材は従来のものと同一のものが使用されている。
【0009】図1は、拡散接合処理チャ―ト図を示し、
インサ―ト材を介装した接合母材、被接合母材は、各母
材の溶体化処理温度T2 まで加温される。加温された各
母材は一定時間保持された後、不活性ガスにより急速冷
却され、今度は時効処理温度T2 まで高められ、一定時
間保持状態から再び不活性ガスにより急速冷却されてい
る。
インサ―ト材を介装した接合母材、被接合母材は、各母
材の溶体化処理温度T2 まで加温される。加温された各
母材は一定時間保持された後、不活性ガスにより急速冷
却され、今度は時効処理温度T2 まで高められ、一定時
間保持状態から再び不活性ガスにより急速冷却されてい
る。
【0010】こうして処理された接合材の金属組織を見
ると、図3に見られるように、細い析出物11が結晶粒界
9に無数に生成されており、これにより材料分子の運動
転位は拘束され、強度保証の要因になっている。ちなみ
に、図4の 0.2%耐力−時効時間グラフに接合母材、被
接合母材の 0.2%耐力値σy をプロットしてみると、従
来法による 0.2%耐力は特性aを画するが、この発明に
よる 0.2%耐力は特性bとなっており、これらの特性
a,bから接合母材、被接合母材の拡散接合温度を、各
母材の溶体化処理温度まで高めると、 0.2%耐力σy が
格段と向上していることが容易に理解される。
ると、図3に見られるように、細い析出物11が結晶粒界
9に無数に生成されており、これにより材料分子の運動
転位は拘束され、強度保証の要因になっている。ちなみ
に、図4の 0.2%耐力−時効時間グラフに接合母材、被
接合母材の 0.2%耐力値σy をプロットしてみると、従
来法による 0.2%耐力は特性aを画するが、この発明に
よる 0.2%耐力は特性bとなっており、これらの特性
a,bから接合母材、被接合母材の拡散接合温度を、各
母材の溶体化処理温度まで高めると、 0.2%耐力σy が
格段と向上していることが容易に理解される。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
析出硬化型合金の拡散接合方法は、接合母材、被接合母
材の拡散接合温度を、各母材の溶体化処理温度まで高め
ることにより、各母材に生成される細い析出物が無数に
あらわれるから、かかる要因によって材料分子の運動転
位が拘束される。したがって、材力の保証は従来よりも
格段と向上し、この種分野の適用の拡大が大幅に期待さ
れる。
析出硬化型合金の拡散接合方法は、接合母材、被接合母
材の拡散接合温度を、各母材の溶体化処理温度まで高め
ることにより、各母材に生成される細い析出物が無数に
あらわれるから、かかる要因によって材料分子の運動転
位が拘束される。したがって、材力の保証は従来よりも
格段と向上し、この種分野の適用の拡大が大幅に期待さ
れる。
【図1】この発明にかかる析出硬化型合金の拡散接合方
法の拡散処理チャ―ト図。
法の拡散処理チャ―ト図。
【図2】従来の接合母材、被接合母材の金属組織図。
【図3】この発明にかかる析出硬化型合金の拡散接合方
法による接合母材、被接合母材の金属組織図。
法による接合母材、被接合母材の金属組織図。
【図4】この発明にかかる析出硬化型合金の拡散接合方
法から得た 0.2%耐力を示すグラフ。
法から得た 0.2%耐力を示すグラフ。
【図5】HIP装置を示す概略図。
【図6】接合母材、被接合母材の組合せを示す図。
【図7】従来の析出硬化型合金の拡散接合方法の拡散処
理チャ―ト図。
理チャ―ト図。
17 接合材 18a 接合母材 18b 被接合母材 19 インサ―ト材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−92185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/00 - 20/233
Claims (1)
- 【請求項1】 インサ―ト材を介装して接合母材を被接
合母材に拡散接合するにあたり、接合母材および被接合
母材の拡散接合温度を、各母材の溶体化処理温度まで高
めた後、不活性ガスにより急速冷却し、しかる後、各母
材を時効処理温度で熱処理することを特徴とする析出硬
化型合金の拡散接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13152893A JP3194814B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 析出硬化型合金の拡散接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13152893A JP3194814B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 析出硬化型合金の拡散接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06339780A JPH06339780A (ja) | 1994-12-13 |
JP3194814B2 true JP3194814B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=15060182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13152893A Expired - Fee Related JP3194814B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 析出硬化型合金の拡散接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3194814B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3103157B2 (ja) * | 1991-10-14 | 2000-10-23 | 株式会社東芝 | 携帯型電子機器 |
AT3175U1 (de) * | 1999-02-05 | 1999-11-25 | Plansee Ag | Verfahren zur herstellung eines thermisch hoch belastbaren verbundbauteiles |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP13152893A patent/JP3194814B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06339780A (ja) | 1994-12-13 |
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Legal Events
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