JP3194222B2 - 閉塞圧力自動計測装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼器が下流側
に設けられているガス容器の圧力調整器における調整圧
力の計測を行うとともに、閉塞圧力の計測を行う閉塞圧
力自動計測装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ガス容器においては、圧力調整器の定期
的な点検が法的に義務づけられており、その点検では圧
力調整器の後段側に、指針式圧力計、マノメータ、自記
圧力計といった圧力計を取り付け、その圧力計で計測し
た調整圧力および閉塞圧力が適正であるかどうかの確認
を行っている。なお、調整圧力はガス容器の下流側で燃
焼器を使用しているときの圧力計の指示圧力であり、閉
塞圧力は、調整圧力の確認を終えた後、燃焼器の使用を
停止した状態で、１分以上静置した後の圧力計の指示圧
力である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の点検の
うち、閉塞圧力の計測では、オペレータは圧力計の指示
圧力を目視で確認するとともに、１分以上の経過時間を
計測するという作業も加わって、その点検業務に伴う作
業は煩雑なものとなっていた。また１分以上の経過時間
の計測時には、その現場を離れることもできず、点検業
務の効率を悪化させる一因となっていた。この発明は上
記に鑑み提案されたもので、簡単に手を掛けずに閉塞圧
力の確認を行うことができ、点検業務の効率も向上させ
ることができる閉塞圧力自動計測装置を提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の閉塞圧力自動計測装置は、燃焼器が下流
側に設けられているガス容器の圧力調整器における調整
圧力の計測を行うとともに、閉塞圧力の計測を行う閉塞
圧力自動計測装置において、上記燃焼器が使用中である
か否かを、計測した調整圧力に基づいて判定する燃焼器
使用判定手段と、上記燃焼器が使用中であるとの判定時
に、計測した調整圧力に基づいて、燃焼器が使用停止状
態に入ったか否かの判定を行う燃焼器停止判定手段と、
上記燃焼器が使用停止状態に入ったとの判定時に、その
使用停止状態が所定時間継続したか否かを判定する燃焼
器停止継続判定手段と、を有し、燃焼器の使用停止状態
が所定時間継続したとの判定時に計測した指示圧力を閉
塞圧力として表示する、ことを特徴としている。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図１はこの発明に係る閉
塞圧力自動計測に使用する携帯用デジタルマノメータの
正面図、図２は背面図、図３は側面図、図４は使用時の
ガス取り入れ部の状態を示す一部欠截背面図、図５は収
納時のガス取り入れ部の状態を示す一部欠截背面図であ
る。

【０００６】これらの図において、携帯用デジタルマノ
メータ１は、ガス漏洩試験やこの発明に係る閉塞圧力自
動計測に用いられ、表ケース１０ａと裏ケース１０ｂと
の組み合わせで成るポケットサイズのケース１０に構成
されている。

【０００７】表ケース１０ａの上半分には表示画面２
を、また下半分には操作部３をそれぞれ形成してある。

【０００８】表示画面２には、図１に示すように、その
上段左に漏洩試験時のガス設備側配管の内容積と、漏洩
試験時や閉塞圧力測定時の経過時間とを切り換え表示す
る第１表示部２１が、上段右に漏洩試験開始時のガス圧
力値や、閉塞圧力自動計測時の閉塞圧力値を表示する第
２表示部２２が、また画面中央には、漏洩試験の結果得
られた漏洩量と、リアルタイムでのガス圧力値とを切り
換え表示する第３表示部２３が、それぞれ設けてある。
また、第３表示部２３の左上段には、表示ガス圧力をホ
ールドしていることを示すホールドランプ２４が、さら
に第３表示部２３の左下段には、電源電圧低下を警告す
る電圧警告ランプ２５がそれぞれ設けてある。さらに、
第３表示部２３の右下段には、第３表示部２３での表示
が漏洩量に切り換わったときのその単位を示すＬ／ｈラ
ンプ２６が設けてある。

【０００９】操作部３には、その左側から順に、表示画
面２での圧力表示を一時的にホールドするホールドスイ
ッチ３１、漏洩試験スイッチ３２、および圧力スイッチ
（メインキー）３３の３つのキースイッチが配列してあ
る。

【００１０】裏ケース１０ｂには、図３に示すように、
その上半部に膨出部１０ｃを形成し、その膨出部１０ｃ
のさらに上半部には、外側に開く開閉蓋１０ｄを枢設
し、膨出部１０ｃ内にはガス取り入れ部４を取着してあ
る（図４、図５）。

【００１１】このガス取り入れ部４には、その基部４１
に突設した軸受４１ａにＯリングを介して基軸４２を嵌
合し、その基軸４２にシリンダ４３をＯリングやＣリン
グを介して摺動自在に嵌合し、そのシリンダ４３の先端
に、シリンダ４３に対しては直角に曲折し基軸４２を中
心にベアリング機構（図示省略）により３６０°回動自
在となるガス取り入れ口４４を設け、さらにそのガス取
り入れ口４４に接続アタッチメント４５を接続してあ
り、これらの接続アタッチメント４５、ガス取り入れ口
４４、シリンダ４３、基軸４２、軸受４１ａおよび基部
４２には、その内部にガス流路４ａを連通し、このガス
流路４ａの終端となる基部４１にはその内部に圧力セン
サ素子１５を配設してある。

【００１２】上記のガス取り入れ部４は、膨出部１０ｃ
に対して出入自在となっており、通常の使用しない状態
のときには、図５に示すように、シリンダ４３を基部４
２側に押し込めて、ガス取り入れ口４４と接続アタッチ
メント４５とを膨出部１０ｃの上部空間に収納し、開閉
蓋１０ｄも閉じた状態となっている（図３の二点鎖
線）。使用するときには、開閉蓋１０ｄを開放し（図３
の一点鎖線）、ガス取り入れ口４４を手で持ち上げ、シ
リンダ４３を基軸４２に沿って摺動させ、外側に引き出
してセットし、その後再度開閉蓋１０ｄを閉じる。開閉
蓋１０ｄには、その上端面の一部を切り欠いてガス取り
入れ口４４と干渉しないようになっており、開閉蓋１０
ｄを閉じたとき、ガス取り入れ口４４と接続アタッチメ
ント４５とは、開閉蓋１０ｄから上に突き出した状態と
なる（図１、図２、図３、図４）。

【００１３】裏ケース１０ｂの下半部には、図２および
図４に示すように、下方にスライドして開ける蓋１９を
備えた電池収納室１０ｅを凹設して３本の単４形乾電池
１２…を収納し、また電池収納室１０ｅの上部には、左
にスライドさせると通常モードとなり、右にスライドさ
せるとゼロ点調整モードとなるゼロ点スイッチ３４を配
設してある。

【００１４】図６は携帯用デジタルマノメータの内部構
成を示すブロック図である。表ケース１０ａの内部に
は、図に示すような一枚の基板１００が配設してあり、
この一枚の基板１００上には、ＣＰＵ，ＲＯＭ，ＲＡＭ
等から成るマイコン１１と、そのマイコンに接続した各
種部品とが配列構成されている。そして、この発明の請
求項１における各手段、すなわち燃焼器使用判定手段
や、燃焼器停止判定手段、燃焼器停止継続判定手段、ま
た閉塞圧力表示の機能等は、ＣＰＵがＲＯＭのプログラ
ムに従って実行することによるソフトウェアの機能とし
て構成されている。

【００１５】マイコン１１には、電源として連続１５０
０時間以上使用可能な乾電池１２…を接続してあり、そ
の電池電圧の低下を検出するための電池電圧低下検出回
路１３を接続してある。また、Ａ／Ｄ変換器１４を介し
て上記した圧力センサ素子１５を接続してある。この圧
力センサ素子１５は、例えば０．０１ｋＰａまで検出可
能な高分解能、高性能の半導体素子であり、検出したガ
ス圧力を電気信号に変換しＡ／Ｄ変換器１４を経由して
マイコン１１に送出している。

【００１６】さらに、このマイコン１１には、デジタル
表示部１６を接続してあり、このデジタル表示部１６
は、圧力センサ素子１５が検出したガス圧力や、内蔵ク
ロック（図示せず）により測定した測定経過時間、漏洩
量、閉塞圧力等を、上記の表示画面２にデジタル表示す
るものである。また、上記の各種キー、すなわちホール
ドスイッチ３１、漏洩試験スイッチ３２、圧力スイッチ
３３、およびゼロ点スイッチ３４を接続してある。

【００１７】上記構成の携帯用デジタルマノメータ１を
使用して圧力調整器における閉塞圧力の点検を行う場合
について、以下に説明する。閉塞圧力の点検方法は、液
石法・省令補完基準において、「ガス消費量が最少の燃
焼器１個に点火し、調整圧力を確認した後、燃焼器の使
用を中止した状態で、そのまま１分間以上静置した後、
マノメータ等を用いて指示圧力を測定し、これが規定圧
力以下であること」となっており、この基準に従って閉
塞圧力の確認を行う。

【００１８】図７は点検対象である圧力調整器に携帯用
デジタルマノメータを接続した状態を示す図である。図
において、点検対象である圧力調整器６は、ガス容器５
の容器バルブ６ａの後段側に取り付けてあり、この圧力
調整器６のガス出口側（後段側）の供給管７には、その
途中にガス栓９と膜式ガスメータ８を介在させ、さらに
その先にはガス供給先としての燃焼器（図示省略）を単
数若しくは複数設けてある。また、ガス栓９から枝分か
れしている検査孔９ａにはガス取り入れ部４を嵌着させ
ることで携帯用デジタルマノメータ１を取り付けてあ
る。

【００１９】通常は、検査孔９ａは閉止状態に保持され
ていて、ガス容器５から圧力調整器６、供給管７に入っ
たガスは、ガス栓９、膜式ガスメータ８を経由して燃焼
器に供給される。閉塞圧力測定のために検査孔９ａに携
帯用デジタルマノメータ１を取り付けると、ガス容器５
のガスは、燃焼器側に供給されるとともに、携帯用デジ
タルマノメータ１に導入され、携帯用デジタルマノメー
タ１は、そのときのガス圧力を、圧力センサ素子１５で
検出し、表示画面２の第３表示部２３にデジタル値とし
てリアルタイムに表示する。

【００２０】そして、膜式ガスメータ８の上流側の携帯
用デジタルマノメータ１が検出する圧力には、膜式ガス
メータ８の構造に起因して、ガスメータ作動中（燃焼器
使用中）は、図８に示すように、流量に応じた一定周期
の圧力変化（上下動、あおり）が見られる。すなわち、
膜式ガスメータ８は、計量する２枚の膜の往復運動をク
ランク機構により回転運動に変換しているために、その
クランク機構の１回転中に力の変動を生じ、それが圧力
変化（あおり）となって現れる。

【００２１】燃焼器使用中の圧力調整器６においては、
その圧力調整機能により、入口圧力にかかわらず、出口
圧力を一定に保つために、常にノズルの開度を調整して
いる。一方、燃焼器の使用を停止すると、弁のノズルを
閉じる作用が働くが、そこに若干の時間遅れが生じるた
めに、燃焼器使用停止直後に携帯用デジタルマノメータ
１が検出する圧力は、図８に示すように、燃焼器使用中
よりも少し高い圧力になる。

【００２２】その後のガスメータ停止中（燃焼器使用停
止中）には、あおりが生じないために、その圧力は、変
化しないか（図８（Ａ））、ゆっくりした一方向の上昇
（図８（Ｂ））となるか、あるいはゆっくりした一方向
の下降（図８（Ｃ））のいずれかの変化パターンをと
る。圧力が変化しない図８（Ａ）の場合が一般的であ
り、図８（Ｂ）のゆっくりした上昇は、燃焼器の閉止弁
の締切りが悪い場合に発生し、図８（Ｃ）のゆっくりし
た下降は、ガス流量が多い使用状態からの停止の場合に
発生する。

【００２３】この実施形態での閉塞圧力の自動計測は、
上記の膜式ガスメータ８を備えた燃焼器の使用・停止時
に現れるガス圧力変動の検出に基づいて行うものであ
り、ガスメータ作動中に起きるあおりが検出されている
間は、燃焼器使用中と判定し、ガスメータ停止中に起き
る上記の圧力変化パターンが検出されたときは、燃焼器
の使用停止と判定し、その使用停止判定状態が１分間継
続したときの指示圧力を閉塞圧力として表示させる。

【００２４】この閉塞圧力点検を具体的に順を追って説
明する。 先ずオペレータが、圧力スイッチ３３をオンしてパワ
ーオンすると、電池電圧低下のチェックとともに、第３
表示部２３に圧力値の表示がなされる。なお、ゼロ点ス
イッチ３４のオン状態であって、第３表示部２３の表示
が０．００ｋＰａ以外であるときは、ホールドスイッチ
３１をオンしてゼロ点調整を行う。このゼロ点調整は、
ホールドスイッチ３１のオンされた時点でのガス圧力値
Ｐにマイナス記号を付して補正値「−Ｐ」とし、現時点
でのガス圧力値Ｐに、補正値「−Ｐ」を足して、圧力表
示を０．００ｋＰａとするものである。

【００２５】次に、ゼロ点スイッチ３４が通常モード
に設定されている場合の第３表示部２３の表示圧力値
が、２．０ｋＰａ以上で５．５ｋＰａ以下、すなわち圧
力が正常の場合は、常に過去１０秒間の測定圧力値を更
新しながら記憶する。 その１０秒間の測定圧力値の最大値と最小値の差が
０．０２ｋＰａ以上であり、かつ測定圧力値に上下動が
ある場合は、燃焼器の使用中であると判定する。

【００２６】その「燃焼器使用中」に急激な圧力変
化、例えば前回測定圧力値と今回測定圧力値との差が
０．０３ｋＰａ以上あったときは、使用燃焼器の変更ま
たは追加、あるいは使用燃焼器の停止と判定し、過去１
０秒間の測定圧力値の記憶をクリヤすると共に、測定圧
力値を記憶することを５秒間中止し、５秒経過後再度測
定圧力値の記憶を開始する。この５秒間は、使用燃焼器
の変更または追加、あるいは使用燃焼器の停止に伴って
発生する急激な圧力変化を安定させるための時間であ
る。

【００２７】このときの第３表示部２３が、例えば
２．０ｋＰａ以上で５．５ｋＰａ以下である場合に、そ
の後１０秒間の測定圧力値を記憶する。 その最大値と最小値の差が０．０１ｋＰａ以下の場
合、または０．０５ｋＰａ以下でかつその圧力変化が１
方向への上昇又は下降の場合は、燃焼器の使用を停止し
た状態（燃焼器停止状態）と判定する。 燃焼器停止状態と判定すると、第１表示部２１の経過
時間表示がスタートし、その後も燃焼器停止状態を維持
していると判定した場合は、経過時間表示のスタートか
ら１分後の測定圧力値を第２表示部２２に閉塞圧力値と
して表示する。 第１表示部２１の経過時間表示のスタート後でも、
の燃焼器停止状態の条件が満たされなくなったとき、
経過時間表示を中止し、に戻る。

【００２８】次に、上記の携帯用デジタルマノメータ１
において、マイコン１１が実行する閉塞圧力自動計測に
関する処理手順を、図９および図１０を用いて説明す
る。

【００２９】図９および図１０はこの発明に係る閉塞圧
力自動計測に関する処理手順のフローチャートを示す図
である。

【００３０】携帯用デジタルマノメータ１において、圧
力スイッチ３３がオンされパワーオンとなると、電池電
圧のチェック、ゼロ点調整等を経た後、ステップＳ１に
おいて、圧力調整器６のガス圧力を圧力センサ素子１５
で検出した結果を第２表示部２２にデジタル値として表
示し、次のステップＳ２に進む。なお、圧力センサ素子
１５は大気圧でゼロ点調整されており、その大気圧との
差分圧を検出して「ｋＰａ」で表示する。

【００３１】ステップＳ２では、表示された圧力が、
２．０ｋＰａ以上で５．５ｋＰａ以下の間にあるか否か
を判別し、その間になければ、圧力が低すぎるか高すぎ
るため、閉塞圧力計測に入ることができないとして、こ
のステップＳ２に留まって繰り返しステップＳ２の判別
を行い、圧力が２．０ｋＰａ以上で５．５ｋＰａ以下の
間にあれば、正常であるとして次のステップＳ３に進
む。

【００３２】ステップＳ３では、最新の１０秒間の測定
圧力値Ｐ0 〜Ｐ10を更新記憶し、次のステップＳ４に進
む。

【００３３】ステップＳ４では、測定圧力値Ｐ0 〜Ｐ10
の最大値ＰMAX と最小値ＰMIN との差分が０．０２ｋＰ
ａ以上であるか否かの判別を行い、０．０２ｋＰａ以上
であれば次のステップＳ５に進み、０．０２ｋＰａ以下
であればステップＳ２に戻る。

【００３４】ステップＳ５では、測定圧力値Ｐ0 〜Ｐ10
に上下動が有るか否かの判定を行い、上下動が有れば、
あおりが発生しているため「燃焼器使用中」であるとし
て、次のステップＳ６に進み、上下動が無ければ燃焼器
は使用中でないとして、ステップＳ２に戻る。

【００３５】ステップＳ６では、前回測定圧力値Ｐn-1
と今回測定圧力値Ｐn との差の絶対値が０．０３ｋＰａ
以上あるか否かの判別を行い、０．０３ｋＰａ以上のと
きは、「燃焼器使用中」に急激な圧力変化があり、使用
燃焼器の変更または追加、あるいは使用燃焼器の停止の
いずれかがあったとして、次のステップＳ７に進み、
０．０３ｋＰａ以下のときは、ステップＳ２に戻る。

【００３６】ステップＳ７では、過去１０秒間の測定圧
力値Ｐ0 〜Ｐ10の記憶をクリヤすると共に、測定圧力値
を記憶することを５秒間停止し、次のステップＳ８に進
む。

【００３７】ステップＳ８では、再度測定圧力値の記憶
を開始し、次のステップＳ９に進む。ステップＳ９で
は、第３表示部２３に表示された圧力が、２．０ｋＰａ
以上で５．５ｋＰａ以下の間であるか否かを判別し、そ
の間になければ、ステップＳ２に戻り、圧力が２．０ｋ
Ｐａ以上で５．５ｋＰａ以下の間にあれば、次のステッ
プＳ１０に進む。

【００３８】ステップＳ１０では、１０秒間の測定圧力
値Ｐ0 〜Ｐ10を記憶し、次のステップＳ１１（図１０）
に進む。

【００３９】ステップＳ１１では、測定圧力値Ｐ0 〜Ｐ
10の最大値ＰMAX と最小値ＰMIN との差分が０．０１ｋ
Ｐａ以下であるか否かの判別を行い、０．０１ｋＰａ以
下であれば、圧力変化がほとんどなく燃焼器は使用を停
止した状態（燃焼器停止状態）にあるとしてステップＳ
１３にスキップし、０．０１ｋＰａ以上であれば次のス
テップＳ１２に進む。

【００４０】ステップＳ１２では、１０秒間の測定圧力
値Ｐ0 〜Ｐ10が、１方向の上昇または下降で、その圧力
変化も０．０５ｋＰａ以下であるか否かの判別を行い、
この判別が「ＹＥＳ」であれば、燃焼器停止状態にある
として次のステップＳ１３に進み、判別が「ＮＯ」であ
れば、ステップＳ２に戻る。

【００４１】ステップＳ１３では、燃焼器が使用停止状
態に入ったと判定し、経過時間計測をスタートさせると
ともに、第１表示部２１での経過時間表示を開始し、次
のステップＳ１４に進む。

【００４２】ステップＳ１４では、経過時間１分以内に
「燃焼器使用中」の判定が有ったか否かの判別を行い、
「燃焼器使用中」の判定が有ればステップＳ１９に分岐
し、「燃焼器使用中」の判定が無ければ、「燃焼器停止
状態」に入ってそのまま１分が経過したとして、次のス
テップＳ１５に進む。

【００４３】ステップＳ１９では、経過時間の表示を中
止し、ステップＳ２に戻る。

【００４４】ステップＳ１５では、燃焼器の使用停止状
態が１分間継続したと判定し、そのときの指示圧力値を
閉塞圧力値として第２表示部２２に表示し、次のステッ
プＳ１６に進む。なお、携帯用デジタルマノメータ１に
外部出力端子を別に設け、この外部出力端子にプリンタ
や電話回線を接続し、上記の閉塞圧力値データを印字記
録したり、データ伝送するようにしてもよい。

【００４５】ステップＳ１６では、漏洩試験スイッチ３
２がオンであるか否かの判別を行い、オンであればステ
ップＳ２０に分岐し、オンでなければ次のステップＳ１
７に進む。

【００４６】ステップＳ１７では、圧力スイッチ３３が
オンとなったか否かの判別を行い、オンであればそのま
まパワーオフとし、オンでなければ次のステップＳ１８
に進む。

【００４７】ステップＳ１８では、タイムオーバである
か否かの判別を行い、タイムオーバであればそのままパ
ワーオフとし、タイムオーバでなければステップＳ１６
に戻る。

【００４８】ステップＳ２０では、燃焼器側（ガス設備
側）の漏洩試験を開始する。この漏洩試験は次のように
行う。先ず漏洩試験スイッチ３２オン時のガス圧力が、
漏洩試験開始時圧力として記憶されて第２表示部２２に
表示され、その後、漏洩試験スイッチ３２の二度目のオ
ンを受けて、漏洩試験を終了し、その終了時点でのガス
圧力が、漏洩試験終了時圧力として記憶されて第３表示
部２３に表示され、またその間の経過時間が漏洩試験時
間として記憶されて第１表示部２１に表示される。

【００４９】漏洩試験終了後、オペレータがさらに漏洩
試験スイッチ３２をオンすると、次式（１）に基づい
て、ガス設備からの漏洩量を演算し、その演算結果が第
３表示部２３に表示され、その単位Ｌ／ｈもＬ／ｈラン
プ２６で表示される。

【数１】 なお、このときの漏洩量は、ガス設備の配管内容積を一
定値、例えば１リットルであると仮定し、その１リット
ル当たりでの漏洩量を求めている。また、この漏洩量演
算結果の表示と共に、このときの配管内容積（ここでは
１リットル）が第１表示部２１に、漏洩試験開始時の初
期ガス圧力の値が第２表示部２２に、それぞれ同時に表
示される。

【００５０】その後、配管内容積が既知であって、オペ
レータがその既知の配管内容積での実際の漏洩量を知り
たい場合は、オペレータは、漏洩試験スイッチ３２また
はホールドスイッチ３１を押すことで、その既知の配管
内容積を入力可能となっており、マイコン１１は、その
入力された既知の配管内容積に基づいて、上記式（１）
を用いて再度漏洩量を演算し、その演算結果を第３表示
部２３に表示する。

【００５１】上記の配管内容積の入力は、漏洩試験スイ
ッチ３２およびホールドスイッチ３１を用いて次のよう
に行われる。すなわち、漏洩試験スイッチ３２を押す毎
に配管内容積は、上記の一定値（１リットル）から所定
容積（例えば０．１リットル）づつ加算増加し、押し続
けることでスクロール的に加算増加し、一方、ホールド
スイッチ３１を押す毎に配管内容積は上記の一定値（１
リットル）から所定容積（例えば０．１リットル）づつ
減算減少し、押し続けることでスクロール的に減算減少
する。このときの配管内容積は、第１表示部２１にリア
ルタイムで表示されており、オペレータはその表示を見
て配管内容積を既知の値に設定する。

【００５２】以上述べたように、この実施形態では、ス
イッチをオンするだけで閉塞圧力を自動的に計測できる
ようにしたので、簡単に手を掛けずに閉塞圧力の確認点
検を行うことができ、また他の作業も並行して行うこと
ができ、点検業務を効率良く進めることができる。さら
に、オペレータが圧力計の指針を目視しなくても点検で
きるので、目視による誤差も回避でき、精度良く点検を
行うことができる。また、ポケットサイズの携帯用デジ
タルマノメータ１を用いて、調整圧力の確認、閉塞圧力
の確認、漏洩試験といった各種の点検業務を自動的に行
うことができ、オペレータの便宜を十分に図ったものと
なっている。

【００５３】上記の説明では、膜式ガスメータ８の作動
中に発生する圧力変動を利用して燃焼器の使用・停止を
判定し閉塞圧力の自動計測を行うようにしたが、膜式ガ
スメータ８のない設備では、圧力センサ素子１５の検出
感度を一桁上げてやれば、圧力調整器６の圧力変動を検
出できるようになり、その圧力変動を用いて、同様に燃
焼器の使用・停止を判定し、閉塞圧力の自動計測を行う
ことができる。

【００５４】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明の閉塞圧力
自動計測装置によれば、スイッチをオンするだけで閉塞
圧力を自動的に計測できるようにしたので、簡単に手を
掛けずに閉塞圧力の確認点検を行うことができ、また他
の作業も並行して行うことができ、点検業務を効率良く
進めることができる。さらに、オペレータが圧力計の指
針を目視しなくても点検できるので、目視による誤差も
回避でき、精度良く点検を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る閉塞圧力自動計測に使用する携
帯用デジタルマノメータの正面図である。

【図２】携帯用デジタルマノメータの背面図である。

【図３】携帯用デジタルマノメータの側面図である。

【図４】携帯用デジタルマノメータの使用時のガス取り
入れ部の状態を示す一部欠截背面図である。

【図５】携帯用デジタルマノメータの収納時のガス取り
入れ部の状態を示す一部欠截背面図である。

【図６】携帯用デジタルマノメータの内部構成を示すブ
ロック図である。

【図７】点検対象である圧力調整器に携帯用デジタルマ
ノメータを接続した状態を示す図である。

【図８】携帯用デジタルマノメータによって検出した調
整圧力の変化を示す図である。

【図９】この発明に係る閉塞圧力自動計測に関する処理
手順のフローチャートを示す図である。

【図１０】この発明に係る閉塞圧力自動計測に関する処
理手順のフローチャートを示す図である。

【符号の説明】

１ 携帯用デジタルマノメータ ２ 表示画面 ３ 操作部 ４ ガス取り入れ部 ４ａ ガス流路 ５ ガス容器 ６ 圧力調整器 ６ａ 容器バルブ ７ 供給管 ８ 膜式ガスメータ ９ ガス栓 ９ａ 検査孔 １０ ケース １０ａ 表ケース １０ｂ 裏ケース １０ｃ 膨出部 １０ｄ 開閉蓋 １０ｅ 電池収納室 １１ マイコン １２ 乾電池 １３ 電池電圧低下回路 １４ Ａ／Ｄ変換器 １５ 圧力センサ素子 １６ デジタル表示部 １９ 蓋 ２１ 第１表示部 ２２ 第２表示部 ２３ 第３表示部 ２４ ホールドランプ ２５ 電圧警告ランプ ３１ ホールドスイッチ ３２ 漏洩試験スイッチ ３３ 圧力スイッチ ３４ ゼロ点スイッチ ４１ 基部 ４２ 基軸 ４３ シリンダ ４４ ガス取り入れ口 ４５ 接続アタッチメント １００ 基板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−186110（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01L 7/00 - 11/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼器が下流側に設けられているガス容
   器の圧力調整器における調整圧力の計測を行うととも
   に、閉塞圧力の計測を行う閉塞圧力自動計測装置におい
   て、 上記燃焼器が使用中であるか否かを、計測した調整圧力
   に基づいて判定する燃焼器使用判定手段と、 上記燃焼器が使用中であるとの判定時に、計測した調整
   圧力に基づいて、燃焼器が使用停止状態に入ったか否か
   の判定を行う燃焼器停止判定手段と、 上記燃焼器が使用停止状態に入ったとの判定時に、その
   使用停止状態が所定時間継続したか否かを判定する燃焼
   器停止継続判定手段と、 を有し、 燃焼器の使用停止状態が所定時間継続したとの判定時に
   計測した指示圧力を閉塞圧力として表示する、 ことを特徴とする閉塞圧力自動計測装置。
2. 【請求項２】 上記燃焼器はその上流側に膜式ガスメー
   タを備えていることを特徴とする請求項１に記載の閉塞
   圧力自動計測装置。
3. 【請求項３】 上記燃焼器使用判定手段は、膜式ガスメ
   ータの作動中に発生するあおりを検出した時に燃焼器が
   使用中であると判定する、 ことを特徴とする請求項２に記載の閉塞圧力自動計測装
   置。
4. 【請求項４】 上記燃焼器停止判定手段は、上記あおり
   の検出時に、前回測定の調整圧力と今回測定の調整圧力
   の差が所定差圧以上となり、かつその後所定時間経過後
   の調整圧力の変化が略一定、緩やかな増加、あるいは緩
   やかな減少となるとき、燃焼器が使用停止状態に入った
   と判定する、 ことを特徴とする請求項３に記載の閉塞圧力自動計測装
   置。