JP3194004B2 - TiAl基合金 - Google Patents
TiAl基合金Info
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Description
【産業上の利用分野】この発明は、TiAl基合金に関
するものである。さらに詳しくは、この発明は、常温延
性が大きく、成形加工が容易な、高強度・高延性のTi
Al基合金に関するものである。
するものである。さらに詳しくは、この発明は、常温延
性が大きく、成形加工が容易な、高強度・高延性のTi
Al基合金に関するものである。
【従来の技術とその課題】従来より、軽量耐熱合金とし
てTi−Al系金属間化合物が知られており、航空・宇
宙材料、タービン用材料等の諸分野においてその実用化
への努力が精力的に進められている。しかしながら、こ
のTiAl系合金については、延性が乏しいことから、
その成形加工が難しいという問題がある。このため、T
iAl系合金の組織や組成を制御してこの延性を改善し
ようとの試みが種々なされてきている。このような試み
として、多結晶TiAl基合金が知られており、モル%
として、Ti48〜52、Al47〜48、M(Mn、
Cr、V、Mo等)1〜4の組成を有し、いずれもγ相
に15vol%以下のα2相もしくは若干量のβ相を含
むものが知られている。しかしながら、これらの合金
は、常温延性を改善するための組織制御においては、極
めて厳しい加工熱処理条件が要求されるばかりか、こう
して得られる常温延性はいずれも5%に満たないのが実
情である。また、モル%としてTi45〜51.5、A
l48〜50、V0.5〜5、特にTi49.5〜5
1.5、Al48、V1〜2.5の組成からなる合金が
知られており、加工熱処理材は、530Kで5.1%の
延性を示す。しかしこの合金の場合にも、常温延性は
2.3%以下にとどまっている。この発明は、以上の通
りの事情に鑑みてなされたものであって、従来技術の欠
点を克服し、常温延性を増大し、成形加工を容易とする
ことができ、しかも高強度材が実現される、新しいTi
Al基合金を提供することを目的としている。
てTi−Al系金属間化合物が知られており、航空・宇
宙材料、タービン用材料等の諸分野においてその実用化
への努力が精力的に進められている。しかしながら、こ
のTiAl系合金については、延性が乏しいことから、
その成形加工が難しいという問題がある。このため、T
iAl系合金の組織や組成を制御してこの延性を改善し
ようとの試みが種々なされてきている。このような試み
として、多結晶TiAl基合金が知られており、モル%
として、Ti48〜52、Al47〜48、M(Mn、
Cr、V、Mo等)1〜4の組成を有し、いずれもγ相
に15vol%以下のα2相もしくは若干量のβ相を含
むものが知られている。しかしながら、これらの合金
は、常温延性を改善するための組織制御においては、極
めて厳しい加工熱処理条件が要求されるばかりか、こう
して得られる常温延性はいずれも5%に満たないのが実
情である。また、モル%としてTi45〜51.5、A
l48〜50、V0.5〜5、特にTi49.5〜5
1.5、Al48、V1〜2.5の組成からなる合金が
知られており、加工熱処理材は、530Kで5.1%の
延性を示す。しかしこの合金の場合にも、常温延性は
2.3%以下にとどまっている。この発明は、以上の通
りの事情に鑑みてなされたものであって、従来技術の欠
点を克服し、常温延性を増大し、成形加工を容易とする
ことができ、しかも高強度材が実現される、新しいTi
Al基合金を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するものとして、組成においてAl35〜44モル
%未満およびV5〜20モル%を含有し、残部が実質的
にTiであって、γ相、α2相およびβ相の3相が共存
している高強度・高延性のTiAl基合金を提供する。
また、この発明は、上記合金において、平均結晶粒径1
0μm以下の等軸粒を有し、共存する3相が均一分散さ
れている合金も提供する。
解決するものとして、組成においてAl35〜44モル
%未満およびV5〜20モル%を含有し、残部が実質的
にTiであって、γ相、α2相およびβ相の3相が共存
している高強度・高延性のTiAl基合金を提供する。
また、この発明は、上記合金において、平均結晶粒径1
0μm以下の等軸粒を有し、共存する3相が均一分散さ
れている合金も提供する。
【作用】上記の通りのこの発明の合金においては、軽量
耐熱材料として従来知られているTi−Al系化合物の
常温延性と比較して、極めて大きな延性を示し、高温加
工等による成形加工も容易であり、しかも常温〜107
0Kの温度ではTiAl−γ単相合金よりも優れた強度
を有している。この合金は、上記の通り、γ相(L10
構造)をベースとし、α2相(DO19構造)およびβ
相(B2構造)の3相が共存する組成であるために高温
加工および熱処理において原子の拡散が容易でなく、結
晶粒の粗大化が抑制され、微細な組織を得られる。ま
た、超塑性等の利用により恒温における成形加工は極め
て容易である。さらに、組織制御された合金は、常温〜
1070Kにおいて、TiAl−γ単相合金よりも高強
度、高延性を有している。以下に、実施例を示し、さら
に詳しくこの発明の合金について説明する。
耐熱材料として従来知られているTi−Al系化合物の
常温延性と比較して、極めて大きな延性を示し、高温加
工等による成形加工も容易であり、しかも常温〜107
0Kの温度ではTiAl−γ単相合金よりも優れた強度
を有している。この合金は、上記の通り、γ相(L10
構造)をベースとし、α2相(DO19構造)およびβ
相(B2構造)の3相が共存する組成であるために高温
加工および熱処理において原子の拡散が容易でなく、結
晶粒の粗大化が抑制され、微細な組織を得られる。ま
た、超塑性等の利用により恒温における成形加工は極め
て容易である。さらに、組織制御された合金は、常温〜
1070Kにおいて、TiAl−γ単相合金よりも高強
度、高延性を有している。以下に、実施例を示し、さら
に詳しくこの発明の合金について説明する。
【実施例】実施例1 モル%として43.7、Ti43.6Al、12.7V
の組成プラズマ溶解材を均質化熱処理後、恒温鍛造およ
び熱処理を加えてミクロ組織を調整した。この組成合金
の1270Kにおける平衡状態図での位置は図1(a)
である。恒温加工材は加工繊維組織を若干含み、平均結
晶粒径約6μmの等軸粒組織である。熱処理材は加工繊
維組織が消失し均質なミクロ組織となり平均結晶粒径は
約7μmの等軸粒である。これらの材料は常温におい
て、強度および延性が大きく、図2 (a)に1例として引張試験後の試験片に見られる塑性
変形の様子を示したように、塑性変形が均一に生じ、均
一微細なすべり変形および双晶変形を示している。降伏
強さおよび伸びはそれぞれ610〜630MPa,2.
1〜3.6%を示す。その1例を図3に示した。実施例2 モル%で51.5Ti、39.2Al、9.3V、の組
成の材料(図1(b))を実施例1と同様の加工熱処理
を加えて平均結晶粒径約5〜7μmの均質なミクロ組織
にした。これらの材料は、実施例1と同様に高強度、高
延性を示す。図2(b)に1例として引張試験後の試験
片に見られる塑性変形の様子を示したように塑性変形が
均一に生じ、均一微細なすべり変形および双晶変形を示
している。降伏強さおよび伸びは,それぞれ610〜7
10MPa,6.0〜8.23%を示す。その1例を図
3に示した。実施例3 モル%で51.4Ti、43.6Al、5V、の組成の
材料(図1(c))を実施例1と同様の加工熱処理を加
えてミクロ組織の調整をした。この材料には粒径100
μm以上の層状組織および粒径約30μmの粗大粒を若
干含むが残りは結晶粒径は3〜4μmの微細な組織であ
る。これらの材料は、実施例1と同様に、高強度、高延
性を示す。図2(c)に1例として引張試験後の試験片
に見られる塑性変形の様子を示したように塑性変形が均
一に生じ、均一微細なすべり変形および双晶変形を示し
ている。常温強さおよび伸びは,それぞれ490〜68
0MPa,4.4〜5.2%を示す。その1例を図3に
示す。実施例4 実施例1〜3の合金について高温における機械的性質を
評価した。その結果、1070Kにおいて降伏強さは4
50〜500MPa、伸びは70〜130%を示した。
γ単相合金の同温度における同特性は240〜260M
Pa、30〜85%であり、これと比較してこの発明の
合金は優れた高温強度、高延性を示した。
の組成プラズマ溶解材を均質化熱処理後、恒温鍛造およ
び熱処理を加えてミクロ組織を調整した。この組成合金
の1270Kにおける平衡状態図での位置は図1(a)
である。恒温加工材は加工繊維組織を若干含み、平均結
晶粒径約6μmの等軸粒組織である。熱処理材は加工繊
維組織が消失し均質なミクロ組織となり平均結晶粒径は
約7μmの等軸粒である。これらの材料は常温におい
て、強度および延性が大きく、図2 (a)に1例として引張試験後の試験片に見られる塑性
変形の様子を示したように、塑性変形が均一に生じ、均
一微細なすべり変形および双晶変形を示している。降伏
強さおよび伸びはそれぞれ610〜630MPa,2.
1〜3.6%を示す。その1例を図3に示した。実施例2 モル%で51.5Ti、39.2Al、9.3V、の組
成の材料(図1(b))を実施例1と同様の加工熱処理
を加えて平均結晶粒径約5〜7μmの均質なミクロ組織
にした。これらの材料は、実施例1と同様に高強度、高
延性を示す。図2(b)に1例として引張試験後の試験
片に見られる塑性変形の様子を示したように塑性変形が
均一に生じ、均一微細なすべり変形および双晶変形を示
している。降伏強さおよび伸びは,それぞれ610〜7
10MPa,6.0〜8.23%を示す。その1例を図
3に示した。実施例3 モル%で51.4Ti、43.6Al、5V、の組成の
材料(図1(c))を実施例1と同様の加工熱処理を加
えてミクロ組織の調整をした。この材料には粒径100
μm以上の層状組織および粒径約30μmの粗大粒を若
干含むが残りは結晶粒径は3〜4μmの微細な組織であ
る。これらの材料は、実施例1と同様に、高強度、高延
性を示す。図2(c)に1例として引張試験後の試験片
に見られる塑性変形の様子を示したように塑性変形が均
一に生じ、均一微細なすべり変形および双晶変形を示し
ている。常温強さおよび伸びは,それぞれ490〜68
0MPa,4.4〜5.2%を示す。その1例を図3に
示す。実施例4 実施例1〜3の合金について高温における機械的性質を
評価した。その結果、1070Kにおいて降伏強さは4
50〜500MPa、伸びは70〜130%を示した。
γ単相合金の同温度における同特性は240〜260M
Pa、30〜85%であり、これと比較してこの発明の
合金は優れた高温強度、高延性を示した。
【図1】Ti−Al−V3元系の1270Kにおける平
衡状態図である。
衡状態図である。
【図2】引張試験後の試験片に見られる塑性変形の様子
を示した図面に変わる写真である。
を示した図面に変わる写真である。
【図3】実施例材料の常温引張試験から求めた公称応力
−公称ひずみ関係図である。
−公称ひずみ関係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−255827(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 組成においてAl35〜44モル%未満
およびV5〜20モル%を含有し、残部が実質的にTi
であって、γ相、α2相およびβ相の3相が共存してい
る高強度・高延性のTiAl基合金。 - 【請求項2】 平均結晶粒径10μm以下の等軸粒を有
し、共存する3相が均一分散されている請求項1のTi
Al基合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34690693A JP3194004B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | TiAl基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34690693A JP3194004B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | TiAl基合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188816A JPH07188816A (ja) | 1995-07-25 |
JP3194004B2 true JP3194004B2 (ja) | 2001-07-30 |
Family
ID=18386620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34690693A Expired - Lifetime JP3194004B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | TiAl基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3194004B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05255827A (ja) * | 1992-03-13 | 1993-10-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | TiAl金属間化合物基合金の製造方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP34690693A patent/JP3194004B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07188816A (ja) | 1995-07-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |