JP3193029B2 - 樹脂用難燃剤及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents
樹脂用難燃剤及び難燃性樹脂組成物Info
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まない難燃剤、さらに詳しくは熱安定性に優れる燐酸エ
ステル難燃剤と、その難燃剤を添加して得られる、難燃
性樹脂組成物に関する。
性、電気絶縁性、機械的諸物性などに優れ、かつ成形加
工が容易であるため、建築材料、電気・電子・家電用材
料、自動車用材料、繊維材料などとして幅広く用いられ
ている。一方で、合成樹脂は一般に可燃性であり、難燃
性を付与するための様々な提案がなされている。これら
難燃化の最も一般的な手段は、有機ハロゲン化合物、燐
化合物、無機水和物などの難燃剤を、樹脂成型品の調製
時に配合する方法である。
特に臭素化合物は、多くの合成樹脂に対して優れた難燃
効果を示すので、最も広く使用されている。しかし、こ
の難燃剤には、遊離するハロゲンのために樹脂組成物の
耐候性と電気特性、特に電気絶縁性が低下する問題や、
樹脂成型時に熱分解してハロゲン化水素を発生して作業
環境を汚染し、金型の腐食や樹脂の着色、ゲル化を引き
起こす問題がある。また、火災などによる燃焼に際し
て、腐食性で、人体に有害なハロゲン化水素ガスと共
に、多量の煙を発生するという問題もある。さらに、有
機ハロゲン化合物の難燃効果を飛躍的に増加させるため
に通常難燃助剤として添加される酸化アンチモンに対し
て発ガン性が指摘されており、ハロゲン化合物を含まな
い難燃剤が強く求められている。ハロゲンを含まない難
燃剤としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウ
ムなどの無機水和物が知られている。しかし、これらは
難燃効果が小さく、充分な難燃性を得るためには多量に
添加する必要があり、この為、樹脂本来の物性が損なわ
れる欠点があった。
ゲンを含まず、良好な難燃効果が得られる難燃剤として
汎用されている。代表的な有機燐酸エステルとしては、
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホ
スフェート(TCP)、トリキシリルホスフェート(T
XP)等のトリアリール燐酸エステルが挙げられる。し
かしこれらの化合物は比較的沸点が低く、樹脂との押し
出し、成型時に揮発して作業環境を汚染したり、金型の
汚染を引き起こしたり、成型品の表面にしみだして外観
を損なうなどの問題があった。特に金型汚染は、そのま
ま放置すると成型不良や汚染物の成型品へ転写してスト
レスクラックを引き起こすなどの深刻な問題が生じるた
め、成型作業を中断して金型をクリーニングするなどの
対策が必要で、生産性を著しく低下させる原因となって
いた。
エステルとしては、米国特許第2520090号明細書
や欧州特許公開出願明細書第129824号、同第12
9825号、同第135726号、特公昭54−328
18号公報、特公昭62−25706号広報、特公平2
−18336号公報などに記載されている燐酸エステル
オリゴマーがすでに知られている。これらの化合物の中
でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(以下、ビスフェノールAと略す)の残基により架橋
された、下記一般式(1)で表される燐酸エステルオリ
ゴマーは、レゾルシノールなどの単環フェノール類残基
で架橋されたものに比べ耐熱性と耐加水分解性が高いこ
とが特開平7−258539号などに記載されており、
特に好ましい。
独立に、フェニル基、トリル基又はキシリル基である。
またnが2以上の場合、複数あるR4は各々同一でも異
なっても良い。)
を支配する重要な因子の一つが、一般式(1)のn=0
の成分に相当する沸点の低いトリアリールホスフェート
の量であることは良く知られており、例えば特公昭62
−25706号公報には、この成分の割合を組成物全体
に対し40重量%以下とすべき事が記載されている。し
かし本発明者らの研究よると、燐酸エステルオリゴマー
の熱安定性は製造条件によるばらつきが大きく、例えば
連続成型で大きな問題となる金型汚染は、式(1)で示
される化合物を用いた場合においてもトリアリールホス
フェート含有量を規定したのみでは防止できず、特にポ
リフェニレンエーテル系樹脂やポリカーボネート系樹脂
などの比較的成型温度の高い、いわゆるエンジニアリン
グプラスチックに対して用いるとしばしば問題を生じる
事がある。また金型汚染の激しい難燃剤は同時に成型機
や金型の腐食を引き起こしやすく、さらに樹脂組成物の
電気絶縁性を低下させる傾向が見られた。
良い有機燐酸エステルとして、2位と6位にアルキル基
を持つ1価フェノール残基を置換基とする高純度の芳香
族ジホスフェートとその製造方法が示されている。しか
しこの化合物は高融点の結晶性固体であり、樹脂と相溶
性をもつ液状の燐酸エステルオリゴマー組成物に対して
成型加工性が劣る問題がある。この為、樹脂に対して相
溶性を持ち、熱安定性に優れて金型汚染などの問題を起
こすことのない、安定した品質の難燃剤の開発が熱望さ
れてきた。
性を持つ燐酸エステル難燃剤と、その難燃剤を添加して
得られる、難燃性、耐熱性、電気絶縁性に優れ、成形加
工時の発煙、金型汚染、腐食を引き起こさない難燃性樹
脂組成物を提供することを目的とする。
を解決するため、難燃剤の熱安定性の低下がいかなる原
因によるものかを検討した。その結果、燐酸エステルそ
のものの分解温度及び揮発温度は十分高いものの、合成
時に副生する下記式(2)で表されるジアリール燐酸
と、触媒などに由来する金属分が加熱時に燐酸エステル
のエステル交換反応による低分子量化と加水分解反応を
促進する作用を持ち、この結果発生する揮発成分が金型
の汚染を引き起こすことを突き止めた。そして、難燃剤
の熱安定性を大幅に改善するためには、金属分とジアリ
ール燐酸の含有量を共に各々特定の値以下とすることが
必要であり、これにより成形加工時の金型の汚染や腐
食、樹脂組成物の電気絶縁性低下等の問題も解決できる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
の整数である燐酸エステルの混合物からなり、下記一般
式(2)で表されるジアリール燐酸の含有量が1重量%
以下で、金属分の含有量合計が30重量ppm以下であ
り、かつ、TGAによる、不活性ガス雰囲気中100℃
/分の昇温速度で300℃まで加熱し、そのままその温
度に保持した時の、加熱開始から20分間の重量減少率
が15重量%以下である樹脂用の難燃剤と、(B)非ハ
ロゲン合成樹脂からなる難燃性樹脂組成物。
独立に、フェニル基、トリル基又はキシリル基である。
またnが2以上の場合、複数あるR4は各々同一でも異
なっても良い。)
基またはキシリル基である。)
ェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂から選
ばれる1種またはこれらを含む複数の樹脂の組み合わせ
である、上記1記載の難燃性樹脂組成物。 3.(B)非ハロゲン合成樹脂が、ポリフェニレンエー
テル樹脂及び/又はポリスチレン樹脂である、上記1記
載の難燃性樹脂組成物。 4.(B)非ハロゲン合成樹脂が、ポリカーボネート樹
脂及びABS樹脂である、上記1記載の難燃性樹脂組成
物。
脂用難燃剤について説明する。上記一般式(1)で表さ
れる燐酸エステルは、米国特許第2520090号明細
書や特公昭62−25706号公報、特開昭63−22
7632号公報などに記載されている公知の方法で製造
できる。すなわち、塩化マグネシウムや塩化アルミニウ
ムなどのルイス酸触媒存在下に、オキシ塩化燐とビスフ
ェノールA及び1価フェノール類を反応させて合成す
る。1価フェノール類としてはフェノール、クレゾー
ル、キシレノールを単独または混合して、または段階的
に加えて反応させることができる。合成した粗燐酸エス
テルは、通常洗浄精製によって塩素分と触媒を除いた
後、脱水乾燥して製品とする。上記一般式(2)で表さ
れるジアリール燐酸は、触媒やフェノール類に含有され
る水分と、オキシ塩化燐及び1価フェノール類の反応、
および、洗浄工程などで引き起こされる燐酸エステルの
加水分解によって生成し、製造条件によりその生成量が
異なる。
は、難燃作用とともに、樹脂組成物の物性を低下させる
ことなく帯電防止性を与えることが、特公昭62−25
706号公報に記載されている。しかし本発明者らの研
究によると、ジアリール燐酸は燐酸エステルに比べて揮
発性が高い上、加熱条件下で燐酸エステルの不均化反応
による低分子量成分とゲル状物の生成を促進する作用が
あることが判明した。また、プロトンを放出しやすく、
樹脂の分解を引き起こしたり、成形加工時の腐食の原因
となるほか、水や金属との親和性が強く、洗浄精製工程
に於けるエマルジョン化の原因や電気特性を低下させる
原因となるために好ましくない。難燃剤の熱安定性と電
気絶縁性を確保するためには、ジアリール燐酸の含有量
を1重量%以下とすることが必要であり、0.5重量%
以下とすることがさらに好ましい。
方法としては、合成時の生成量を減らす方法と、精製工
程で粗燐酸エステルから分離する方法がある。前者は、
合成原料の含水率を抑えた上で、オキシ塩化燐に対しフ
ェノール類を過剰に仕込んで反応を完結させる方法で、
原料の総量に対して原料に含有される水分量を600p
pm以下とすることが必要であり、300ppm以下と
することがさらに好ましい。一方後者は、洗浄精製行程
においてジアリール燐酸を水相に抽出する方法であり、
例えばアルカリ性の洗浄液を用いることで達成できる。
特に前者の方法は、製品の品質管理が行いやすく、排水
への有機燐の混入が少ないので好ましい。
るもう一つの原因である金属分としては、主に触媒に由
来するマグネシウム、アルミニウムなどと、洗浄精製に
アルカリ、アルカリ土類などのイオンを含む水溶液を用
いる場合はこれに含有されるナトリウム、カリウム、カ
ルシウムなどが挙げられる。これらの金属分は、難燃剤
及びそれを含む樹脂組成物の電気抵抗を下げる上、高温
下で燐酸エステルの分解または不均化反応の触媒として
作用し、難燃剤の熱安定性を著しく低下させることが本
発明者らの研究により判明した。
ついては、特開平7−011121号公報にポリフェニ
レンエーテル組成物の成型品表面の変色を防止するため
に、不純物であるマグネシウムの量が50重量ppm以
下である燐酸エステルオリゴマーを難燃剤として使用す
る方法が記載されている。しかしこの発明は、6〜14
の炭素数を有する2価のアリール残基、アルキル置換ア
リール残基、及びアラルキル残基で架橋された燐酸エス
テルオリゴマーを対象としており、炭素数15のビスフ
ェノールA残基で架橋された化合物(1)は含まれてい
ない。またマグネシウム以外の金属に関する記載はな
く、金属分が難燃剤の熱安定性や電気特性に影響するこ
とも記載されておらず、金属分の総量を規制することに
より熱安定性と電気絶縁性に優れた難燃剤を提供できる
ことは類推できない。
するためには、上記の特許文献に示された、組成物に対
しマグネシウム50重量ppm以下の条件では不十分
で、金属分総量として30重量ppm以下である必要が
あり、10重量ppm以下であることがさらに好まし
い。上記の難燃剤中の金属分量は、通常温水による洗浄
のみでは達成する事が困難であるが、酸またはアルカリ
による抽出、または金属分を沈殿として除去する方法な
どにより達成できる。
熱天秤により一定の昇温速度で加熱を行い、特定温度に
達したときの重量減少量で評価する方法が知られてお
り、例えば特公昭62−25706号公報や特開昭63
−236353号公報、特開平5−186681号公報
などに開示されている。しかし、この方法は前述のトリ
アリールホスフェートなどの低沸点成分の揮発に由来す
る現象の指標としては有効であるが、不均化反応や熱分
解の促進などによる燐酸エステルの化学変化と、それに
伴う、成形加工時の発煙や金型汚染などの問題の指標と
はできない。
燃剤を不活性雰囲気中で特定温度まで急速に昇温した
後、その温度で一定時間保持して得られる初期重量減少
率と平衡時の重量減少速度が上記問題の指標となること
を見いだした。すなわち、20±10mgの難燃剤を、
窒素またはヘリウムの気流中100℃/分の昇温速度で
300℃まで加熱した後そのまま1時間保持した時の、
仕込量に対する加熱開始から20分間の重量減少を初期
重量減少率、加熱開始後40〜60分の20分間の重量
減少率を3倍したものを平衡時の重量減少速度と定義す
ると、前者が15重量%以下、かつ後者が4重量%/時
間以下、さらに好ましくは、前者が10重量%以下、か
つ後者が3重量%/時間以下であれば、成形加工時の発
煙や金型汚染などの問題は顕在化しない。
ェートやジアリール燐酸などの低沸点成分の量を反映し
ており、この値を15重量%以下とするためには、難燃
剤に含まれる低沸点成分の量を概ね15重量%以下とす
ればよい。一方、平衡時の重量減少速度は主にジアリー
ル燐酸や金属によるエステルの不均化反応や熱分解促進
の作用を反映しており、難燃剤中のジアリール燐酸と金
属分の含有量が、各々本発明の範囲内であれば通常4重
量%/時間以下を達成できる。本発明の難燃性樹脂組成
物は、(A)前述の難燃剤と、(B)ハロゲン元素を含
まない非ハロゲン合成樹脂を必須成分とする組成物であ
り、難燃剤による熱安定性の低下が生じないので、成形
加工時の発煙、ゲル化、樹脂の低分子量化、金型汚染、
金型腐食などの問題を起こすことが無く、電気絶縁性の
低下もない。
レゾール型などのフェノール樹脂、グリシジルエーテル
型・グリシジルエステル型・グリシジルアミン型などの
エポキシ樹脂、オルトフタル酸系・イソフタル酸系・テ
レフタル酸系・ビスフェノール系・ビニルエステル系な
どの不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート・ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル
樹脂、ポリスチレン・ゴム変性ポリスチレン・AS樹脂
・ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、高密度ポリエ
チレン・低密度ポリエチレン・ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン樹脂、6−ナイロン・6,6−ナイロン・
6,10−ナイロン・12−ナイロンなどのポリアミド
樹脂、ポリエステル系・ポリエーテル系・アジペイト系
・ラクトン系などの熱可塑性ポリウレタン、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体・エチレン−プロピレンエ
ラストマー・エチレン系アイオノマーなどの熱可塑性エ
ラストマー及びこれらの組み合わせなどを挙げる事が出
来る。これらのうち、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂から選ばれる1種またはこれら
を含む複数の樹脂の組み合わせが好ましく、ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂単独またはこ
れらの樹脂を含む組み合わせが、樹脂組成物とした場合
の難燃性、耐熱性、電気特性向上の効果が顕著で、特に
好ましい。
や用途により異なり、特に制限はないが、通常1〜40
重量%、好ましくは5〜25重量%である。一般に難燃
剤の添加量が1重量%未満では十分な難燃性能が得られ
ず、40重量%を越えると樹脂組成物の機械的な物性が
低下する傾向がある。本発明の難燃性樹脂組成物の製造
方法は特に規定しないが、熱可塑性樹脂に対しては、例
えば一般的に知られている押し出し機、加熱ロール、ニ
ーダー、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて製造
することができる。また、熱硬化性樹脂に対しては、重
合前の樹脂原料に混合した後に重合反応を行う方法など
により製造することができる。
を損なわない範囲で他の難燃剤、例えばデカブロモジフ
ェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキ
サブロモベンゼン、パークロロシクロドデカンなどの公
知の有機ハロゲン化物、赤燐、ポリ燐酸、燐酸アンモニ
ウムなどの無機燐化合物、トリス(ハロプロピル)ホス
フェート、トリス(ハロエチル)ホスフェートなどの含
ハロゲン燐化合物、メラミン、尿素、メチロールメラミ
ン、ジシアンジアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂などの
含窒素化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムなどの無機水酸化物、酸化アンチモン、酸化モリブデ
ン、モリブデン酸アンモニウム、酸化亜鉛、ほう酸亜
鉛、酸化錫などの無機化合物、ポリテトラフルオロエチ
レン、シロキサン化合物などの滴下防止剤などを併用し
ても良い。
を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、離型
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定剤などの安
定剤、あるいは染顔料を含有させることができる。さら
に、ガラス繊維、ガラスチップ、ガラスビーズ、炭素繊
維、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、タルク、雲
母、木粉、スレート粉、繊維質アスベストなどの充填剤
を添加することもできる。
的に説明する。まず、難燃剤の分析法を以下に示す。
1.生成物の定量縮合度nによる組成 : 東ソー
GPC カラム 東ソー TSKgel G2000HXL 2本 東ソー TSKgel G3000HXL 1本 直列 溶媒 THF flow=1ml/分 検出器 UV λ=254nm 試料 THF1000倍希釈 5μl 絶対検量線法 ジアリール燐酸の定量 : 島津 LC−10A カラム 日本分光 Finepak SIL C18S 1本 東ソー TSKgel ODS−80T 1本 直列 溶媒 メタノール/水=90/10 flow=1.0ml/分 検出器 UV λ=254nm 試料 メタノール 50倍希釈 10μl 絶対検量線法
ロホルム中30℃で測定した極限粘度が0.53であ
る、ポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ルを用いた。 [ポリスチレン樹脂(GPPSと略す)]旭化成工業
(株)製 旭化成ポリスチレン685を用いた。 [耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPSと略す)]旭化
成工業(株)製 旭化成ポリスチレン9405を用い
た。 [ABS樹脂(ABSと略す)]旭化成工業(株)製
スタイラック6920(ゴム成分30重量%)を用い
た。
帝人化成(株)製 パンライトL1250を用いた。 [ポリテトラフルオロエチレン(PTFEと略す)]ダ
イキン工業(株)製 ダイフロンF201Lを用いた。 [難燃剤]トリフェニルホスフェート(TPPと略す)
及びレゾルシノールビスジフェニルホスフェート(CR
733sと略す)は、大八化学工業(株)製を用いた。
又、難燃剤1〜7は、実施例1〜4及び比較例1〜3の
方法により製造した。各々の構造式を表1、組成分析値
を表2に示す。
察し判定した。 2.成形加工時の金型汚染 図1に示す金型を用いて30000ショットまで連続成
型を実施し、金型のベント部が閉塞するまでのショット
数をカウントした。閉塞が生じない物については、試験
終了後のベント部への揮発物の付着状況を観察した。ま
た、試験終了時の金型の腐食状態を目視により判定し
た。 3.電気特性 JIS−C2110に準拠して、対極、短時間法で絶縁
破壊強さを測定した。 4.難燃性能 UL94規格垂直燃焼試験(厚み1/16インチ)に準
拠して測定した。
たビスフェノールA100重量部(モル比1.0、水分
120重量ppm)、オキシ塩化燐168重量部(モル
比2.5)、及び無水塩化マグネシウム0.62重量部
(モル比0.015、水分0.83重量%)を、攪拌機
・還流管及び減圧蒸留設備の付属する反応器に仕込み、
窒素気流下70〜120℃にて5時間反応させた。反応
終了後、反応温度を維持しつつ、反応器を50mmHgまで
減圧し、未反応のオキシ塩化燐を回収した。ついで反応
器を70℃まで冷却し、脱水乾燥したフェノール165
重量部(モル比4.0、水分30重量ppm)を加え、
100〜150℃に加熱して7時間反応させた。そのま
まの温度で10mmHgまで減圧し、未反応のフェノー
ル類を溜去して粗燐酸エステル284重量部を得た。
サイトグラス付きの攪拌槽に移し、0.1規定塩酸10
0重量部を加えて80℃で1時間攪拌した後30分静置
して水相を分離、除去した。次に純水100重量部を加
えて80℃で1時間攪拌した後30分静置して水相を分
離、除去した。同様の方法で純水による濯ぎをさらに3
回行った後、薄膜蒸発機により水分と残留フェノールを
留去して、“難燃剤1”96.4重量部を得た。組成分
析結果と、TGAによる評価結果を表2に示す。又、T
GAの重量減少曲線を図2に示す。
した粗燐酸エステル100重量部を用い、0.1規定塩
酸の代わりに1規定の水酸化ナトリウム水溶液100重
量部を用いる以外は実施例1と同じ方法により洗浄精製
を行って、“難燃剤2”89.2重量部を得た。組成分
析結果と、TGAによる評価結果を表2に示す。又、T
GAの重量減少曲線を図2に示す。
0重量部(モル比1.0、水分123重量ppm)、オ
キシ塩化燐269重量部(モル比4.0)、及び無水塩
化マグネシウム0.64重量部(モル比0.015、水
分1.7重量%)を、攪拌機・還流管及び減圧蒸留設備
の付属するGL反応器に仕込み、窒素気流下70〜12
0℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応温度を維
持しつつ、反応器を50mmHgまで減圧し、未反応のオキ
シ塩化燐を回収した。ついで反応器を70℃まで冷却
し、2,6−キシレノール57重量部(モル比1.1、
水分82重量ppm)及び塩化アルミニウム1.1重量
部(モル比0.02、水分2.3重量%)を加え、11
0〜150℃で6時間反応させた。
ル125重量部(モル比3.1、水分35重量ppm)
を加え、100〜150℃に加熱して7時間反応させ
た。そのままの温度で10mmHgまで減圧し、未反応
のフェノール類を溜去して粗燐酸エステル310重量部
を得た。この粗燐酸エステル100重量部を用いて、実
施例1と同様の方法で洗浄、濯ぎ、蒸留を行い、“難燃
剤3”95.8重量部を得た。組成分析結果と、TGA
による評価結果を表2に示す。
部の代わりにクレゾール190重量部(モル比4.0、
水分320重量ppm)を用いる以外は実施例1と同様
の方法により、粗燐酸エステル310重量部を得た。こ
の粗燐酸エステル100重量部を用いて、実施例1と同
様の方法で洗浄、濯ぎ、蒸留を行い、“難燃剤4”9
6.2重量部を得た。組成分析結果と、TGAによる評
価結果を表2に示す。
した粗燐酸エステル100重量部を攪拌槽に移し、洗浄
水として0.1規定塩酸の代わりに純水100重量部を
用いる以外は実施例1と同様の操作条件により、洗浄水
のpHが5以上となるまで洗浄を行った後、蒸留乾燥し
て、“難燃剤5”93.6重量部を得た。組成分析結果
と、TGAによる評価結果を表2に示す。又、TGAの
重量変化曲線を図2に示す。
0重量部(モル比1.0、水分1100重量ppm)、
オキシ塩化燐176重量部(モル比2.6)、無水塩化
マグネシウム1.0重量部(モル比0.025、水分
7.2重量%)、及びクレゾール191重量部(モル比
4.0、水分930重量ppm)を用い、実施例1と同
様の装置、操作条件にて粗燐酸エステル307重量部を
得た。この粗燐酸エステル100重量部を用いて、比較
例1と同じ方法で洗浄精製を行って、“難燃剤6”9
5.1重量部を得た。組成分析結果と、TGAによる評
価結果を表2に示す。
部(モル比3.6、水分30重量ppm)を用いる以外
は実施例1と同様の装置、操作条件にて粗燐酸エステル
282重量部を得た。この粗燐酸エステル100重量部
を攪拌槽に移し、実施例1と同じ方法で洗浄精製を行っ
て、“難燃剤7”94.8重量部を得た。組成分析結果
と、TGAによる熱安定性の測定結果を表2に示す。
又、TGAの重量変化曲線を図2に示す。
HIPS21重量部、GPPS9重量部、及び難燃剤1
0重量部を、シリンダー温度300℃に設定した2軸押
出機にて溶融混練してペレットとした後、射出成型機に
て物性測定用試験片の作成と、連続ショット試験を実施
した。前述の方法により行った評価結果を表3に示す。
部、ABS25重量部、難燃剤15重量部、及びPTF
E0.3重量部を、シリンダー温度240℃に設定した
2軸押出機にて溶融混練してペレットとした後、射出成
型機にて難燃性測定用の試験片の作成と、連続ショット
試験を実施した。前述の方法により行った評価結果を表
4に示す。
気絶縁性を持ち、これを用いる本発明の難燃性樹脂組成
物は、優れた難燃性能と耐熱性、電気絶縁性を併せ持
ち、押出し、成形加工時の発煙、金型汚染、腐食などの
諸問題を起こすこともないことから、産業上大いに有用
である。
剤、及びTPPのTGA加熱減量曲線である。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で表され、nが
0から10の整数である燐酸エステルの混合物からな
り、下記一般式(2)で表されるジアリール燐酸の含有
量が1重量%以下で、金属分の含有量合計が30重量p
pm以下であり、かつ、TGAによる、不活性ガス雰囲
気中100℃/分の昇温速度で300℃まで加熱し、そ
のままその温度に保持した時の、加熱開始から20分間
の重量減少率が15重量%以下である樹脂用の難燃剤
と、(B)非ハロゲン合成樹脂からなる難燃性樹脂組成
物。 【化1】 (式中、nは0〜10の整数であり、R1〜R4は各々
独立に、フェニル基、トリル基又はキシリル基である。
またnが2以上の場合、複数あるR4は各々同一でも異
なっても良い。) 【化2】 (式中、R1、R2は各々独立に、フェニル基、トリル
基またはキシリル基である。) - 【請求項2】 (B)非ハロゲン合成樹脂が、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂から選
ばれる1種またはこれらを含む複数の樹脂の組み合わせ
である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】 (B)非ハロゲン合成樹脂が、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂及び/又はポリスチレン系樹脂であ
る請求項1記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項4】 (B)非ハロゲン合成樹脂が、ポリカー
ボネート樹脂及びABS樹脂である請求項1記載の難燃
性樹脂組成物。
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JP403796 | 1996-01-12 | ||
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-
2000
- 2000-12-04 JP JP2000368515A patent/JP3193029B2/ja not_active Expired - Lifetime
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