JP3192143U - 肢体不自由者又は被介護者用の上着 - Google Patents
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Abstract
【課題】衣服の着脱に援助が必要な被介護者のための上着であって、介護者の負担を減らすことができ、かつ、被介護者が快適に着用できる上着を提供する。
【解決手段】長袖で、首元1が胸部分まで開閉可能であり、着脱時に被介護者の頭を通しやすくなっている。また、見ごろの側腹部から袖口にかけて開閉部3を有し、着脱時に開閉部3を大きく開くことによって手が袖を通過することを容易にする。着衣時には前もって首元1と見ごろの側腹部から袖口にかけての開閉部3を開いておき、頭を通した後に肘を曲げて袖口に手を通し、首元1と袖下の開閉部3を閉める。また、脱衣時には首元1と袖下の開閉部3を開き、同じように肘を曲げて手を袖から外し、頭を抜く。首元1の内側には片側のみ脱着可能な襠11の設置により、被介護者が寒さを感じることなく快適に着用することができる。
【選択図】図2
【解決手段】長袖で、首元1が胸部分まで開閉可能であり、着脱時に被介護者の頭を通しやすくなっている。また、見ごろの側腹部から袖口にかけて開閉部3を有し、着脱時に開閉部3を大きく開くことによって手が袖を通過することを容易にする。着衣時には前もって首元1と見ごろの側腹部から袖口にかけての開閉部3を開いておき、頭を通した後に肘を曲げて袖口に手を通し、首元1と袖下の開閉部3を閉める。また、脱衣時には首元1と袖下の開閉部3を開き、同じように肘を曲げて手を袖から外し、頭を抜く。首元1の内側には片側のみ脱着可能な襠11の設置により、被介護者が寒さを感じることなく快適に着用することができる。
【選択図】図2
Description
本考案は、肢体不自由者又は被介護者が簡単に着脱できる上着に関する。
自発的に被服を着脱できない、又は着脱するのが困難である肢体不自由者又は被介護者(以後、まとめて「被介護者」という。)の被服脱着には介護者の援助が必要である。
手順としては、(1)頭からトレーナー等の被服を被らせる、(2)手を袖元に挿入させる、(3)袖口から手を突っ込んで被介護者の腕をつかみ引っ張りだす、という作業を行う。基本的には、乳児の着替えと同じ要領の作業であり、これを乳児よりはるかに大きい体型の者に対して行うことになるため、介護者の負担は大きい。
この負担を少しでも軽減させるために、肩口が開いたり首元を開けたりする仕様のものが市販されているが、肩口の開きが袖口までつながっていることはないので、このような被服によっても介護者の負担はそれほど軽減されない。
前述のように、首元や肩口を広くとる等の工夫を凝らした被介護者を対象とした上着についても、袖口から被介護者の手を引っ張り出したり抜いたりする作業は必要となり、介護者の負担は大きい。
この問題を解決すべく、特許文献1には、袖が袖口から肩まで完全に開く着脱簡単衣服の発明が開示されている。同発明に係る衣服は、開閉部の留め具として、面ファスナーを一定間隔毎に配置している。しかしながら、一定間隔に配置された多くの面ファスナーの脱着には時間と正確さを要するうえ、面ファスナー間に多数の隙間ができるため、低温の場所や風がある所では着用者が不快感を持つ。また、被介護者の動きによっては、正確に着接していない部分の面ファスナーが外れることもある。とくに袖口の部分は開きやすいうえ、面ファスナーと肌との接触による不快感も生じやすい。
このような衣服は、もともと、心電図やカテーテル等が留置された病人が病院内で着用することを想定しているため、肌着程度の材質のものに、面ファスナーを使用して袖先までを全開としても着用者が不快感を持つことは少ないと考えられるが、車椅子等を使用して外出できる程度の介護者が、病院の外で普段着として着用するには不適当である。
上述の問題に鑑み、本考案においては、寝たきりの老人から車椅子等により外出が可能な肢体不自由者まで、衣服の着脱に援助が必要な被介護者のための上着であって、着脱における介護者の負担を最大限減らすことができ、かつ、被介護者が快適に着用することができる上着を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本考案に係る被介護者のための上着は、長袖であって、首元が胸部分まで開閉可能になっているため、着脱時に被介護者の頭を通しやすくなっている。
また、両袖ともに、見ごろの側腹部から袖口にかけて開閉部を有し、着脱時に該開閉部を大きく開くことによって、手が袖を通過することを容易にしている。
着衣時には前もって首元と見ごろの側腹部から袖口にかけての開閉部を開いておき、頭を通した後に肘を曲げて手を袖口に通した後、腕を包み、首元と開閉部を閉める。また、脱衣時には首元と側腹部から袖口にかけての開閉部を開き、同じように肘を曲げて手を袖から外した後、頭を抜く。
大きく開いた首元及び側腹部から袖口にかけての開閉部の設置により、上着の着脱が容易になり、介護者の負担が大きく減少する。また、介護者の方も、開いた袖に腕を置き、やさしく包まれながら着衣できるため、従来のように手を引っ張り出されることによる着衣時の負担がなくなる。
開閉部の留め具として線ファスナーを使用するため、面ファスナー使用時に見られるように、着用時に留め部分が開いたり、隙間ができてしまう心配がない。
開閉部の一部を開けることにより、チューブ等の医療器具を際し込むことができるため、補助機材が取り付けられている患者の病床での着用も可能である。
以下、本考案の実施形態について図を用いて説明する。
図1及び2に示すように、本考案に係る上着の特徴は、開いた首元1と、見ごろ側腹部から袖口2にかけて開閉部3を有することを特徴とする。図1は着脱前の上着の全体図を、図2は着脱時の上着の全体図を示す。
本実施形態では、胸部分まで開く首元1の前内側部分に、片側が開閉可能である襠(まち)11を配置し、首元1の暖感覚を保持している。また、襠11の片側部分の開閉にはプラスチック製のソフトなスナップボタン12を使用し、被介護者の装着感を良好にしている(図3)。
開閉部3は線ファスナー4を使用する。ファスナー4は、見ごろの側腹部に起点31を有し、脇の下を通り、袖口2に終点32を有する形で設置されている。また、開閉部3は袖下及び見ごろの側面よりもやや前部分に設置されており、被介護者が本上着を着用して車椅子等に乗ってもファスナー4やスライダー5が直接体を当圧しないような構成になっている。
また、カテーテル等の医療行為が必要な被介護者の場合には、側腹部のファスナー4を起点31から一定部分開けることにより、チューブ等を差し込むことが可能になっている。
以上、本考案の有する特徴及び優れた点を、上記実施形態に記載したが、本考案は、本考案の原理の範囲内で、本願の実用新案登録請求の範囲で使用されている言葉を広く一般的な意味にまで広げて実施することが可能である。特に首元の開き具合や袖下の開閉部の位置・長さ、開閉の手段については、様々な実施形態が可能であり、それらは本考案の技術的範囲に含まれるものと解する。
1 首元
11 襠(まち)
12 スナップボタン
2 袖口
3 開閉部
31 開閉部起点
32 開閉部終点
4 線ファスナー
5 スライダー
11 襠(まち)
12 スナップボタン
2 袖口
3 開閉部
31 開閉部起点
32 開閉部終点
4 線ファスナー
5 スライダー
Claims (3)
- 衣服の着脱に援助が必要な被介護者用の長袖の上着であって、
胸部分まで開閉可能である首元と、
見ごろの側腹部から袖口にかけて設置された開閉部と、
を有し、
前記上着の着脱時に、
前記首元を開くことにより頭が前記首元を通過するのを、
前記開閉部を開くことにより手が袖を通過するのを、
容易にすることを特徴とする上着。 - 前記首元はスナップボタンにより開閉されることを特徴とする請求項1記載の上着。
- 前記開閉部は線ファスナーにより開閉されることを特徴とする請求項1又は2記載の上着。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3192143U true JP3192143U (ja) | 2014-07-31 |
Family
ID=
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