JP3192138B2 - 電波反射抑制型の透明熱線反射ガラス - Google Patents
電波反射抑制型の透明熱線反射ガラスInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、テレビ電波反射障害を起こさず建築意匠性
が高い透明熱線反射ガラスに関する。更に詳しく述べる
と、ガラス基板の表面に、窒素100%の雰囲気中でのス
パッタリングにより表面抵抗値が1kΩ以上の窒化クロム
層を形成し、テレビ電波の反射減衰量を増大させた透明
熱線反射ガラスに関するものである。
が高い透明熱線反射ガラスに関する。更に詳しく述べる
と、ガラス基板の表面に、窒素100%の雰囲気中でのス
パッタリングにより表面抵抗値が1kΩ以上の窒化クロム
層を形成し、テレビ電波の反射減衰量を増大させた透明
熱線反射ガラスに関するものである。
[従来の技術] 建築意匠性の向上と冷房負荷の軽減のため、近年、ビ
ル等の建築物に透明熱線反射ガラスが多用されている。
なかでも高性能熱線反射ガラスは、ガラス基板の表面に
金属や金属酸化物、金属窒化物などの薄膜を真空中でス
パッタリング法などによりコーティングしたものであ
り、次のような優れた特徴がある。
ル等の建築物に透明熱線反射ガラスが多用されている。
なかでも高性能熱線反射ガラスは、ガラス基板の表面に
金属や金属酸化物、金属窒化物などの薄膜を真空中でス
パッタリング法などによりコーティングしたものであ
り、次のような優れた特徴がある。
シルバー、ブロンズ、ブルー、グリーンなど豊富なカ
ラーバリエーションをもつので建築意匠性が優れてい
る。
ラーバリエーションをもつので建築意匠性が優れてい
る。
可視光透過率8〜40%、可視光反射率10〜45%と可視
光線のバランスが良いので快適な室内空間を作り出し、
またプライバシーの保護に有効である。
光線のバランスが良いので快適な室内空間を作り出し、
またプライバシーの保護に有効である。
優れた日射光線の遮蔽性能を呈するため冷房負荷の低
減に役立つ。
減に役立つ。
ところで従来技術の一つに、金属窒化物として窒化ク
ロムを用いる例があり、特開昭60−36355号公報に記載
されている。この窒化クロム膜は、希ガスと窒素ガスと
の混合ガス中でスパッタリングされ、その表面電気抵抗
値は0.1〜0.55(推定値)kΩ程度である。
ロムを用いる例があり、特開昭60−36355号公報に記載
されている。この窒化クロム膜は、希ガスと窒素ガスと
の混合ガス中でスパッタリングされ、その表面電気抵抗
値は0.1〜0.55(推定値)kΩ程度である。
[発明が解決しようとする課題] 従来の高性能熱線反射ガラスは、コーティング薄膜と
して前記のように金属や金属窒化物を用いており、その
表面抵抗値が低いため入射するテレビ電波に対して金属
板に近い性質をもち反射減衰量が低くなる傾向にある。
して前記のように金属や金属窒化物を用いており、その
表面抵抗値が低いため入射するテレビ電波に対して金属
板に近い性質をもち反射減衰量が低くなる傾向にある。
従来の代表的な高性能熱線反射ガラスは、コーティン
グ薄膜の表面抵抗値が250Ω/□以下であり、このガラ
スの反射減衰量はVHF帯とUHF帯とで7dB以下であった。
反射減衰量は、入射した電波エネルギーに対する反射し
た電波エネルギーの割合を表しており、その値が大きい
ほど反射が少なく、ゴースト障害は発生し難くなる。ガ
ラスの反射減衰量が上記のようにVHF帯とUHF帯とで7dB
以下であると、使用環境によっては(特に高層ビルに大
面積使用された場合)テレビ電波のゴースト障害を起こ
す。
グ薄膜の表面抵抗値が250Ω/□以下であり、このガラ
スの反射減衰量はVHF帯とUHF帯とで7dB以下であった。
反射減衰量は、入射した電波エネルギーに対する反射し
た電波エネルギーの割合を表しており、その値が大きい
ほど反射が少なく、ゴースト障害は発生し難くなる。ガ
ラスの反射減衰量が上記のようにVHF帯とUHF帯とで7dB
以下であると、使用環境によっては(特に高層ビルに大
面積使用された場合)テレビ電波のゴースト障害を起こ
す。
またスパッタリング装置、特にインライン式大型スパ
ッタリング装置を使用する場合には、混合ガス中では動
作が不安定になり、均質で良好な成膜が困難なものもあ
る。その理由は、大きな基板を搬送する時、基板がチャ
ンバー内に進入するにつれて混合ガス組成が変動してス
パッタリングが不安定になり、途中から膜組成が変化し
て膜の光学的並びに電気的特性、及び耐久性などが変わ
ることがあるからである。
ッタリング装置を使用する場合には、混合ガス中では動
作が不安定になり、均質で良好な成膜が困難なものもあ
る。その理由は、大きな基板を搬送する時、基板がチャ
ンバー内に進入するにつれて混合ガス組成が変動してス
パッタリングが不安定になり、途中から膜組成が変化し
て膜の光学的並びに電気的特性、及び耐久性などが変わ
ることがあるからである。
本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点を解消
し、成膜性が良好で、優れた建築意匠性を維持したまま
テレビ電波のゴースト障害を起こさない新しい透明熱線
反射ガラスを提供することである。
し、成膜性が良好で、優れた建築意匠性を維持したまま
テレビ電波のゴースト障害を起こさない新しい透明熱線
反射ガラスを提供することである。
[課題を解決するための手段] 透明熱線反射ガラスは、その反射減衰量が15dB以上で
あれば問題になるようなゴースト障害は起こさないとさ
れている。そこで、まず理論からゴースト障害を起こさ
ない薄膜の表面抵抗値を求めた。第3図に示すように裏
面に薄膜の付いたガラスにテレビ電波が入射するモデル
を考える。このモデルは一般に第4図のような分布定数
回路に等価的に書き換え得る。端子A−Bから右側を見
た入力インピーダンスZinは(1)式で表される。
あれば問題になるようなゴースト障害は起こさないとさ
れている。そこで、まず理論からゴースト障害を起こさ
ない薄膜の表面抵抗値を求めた。第3図に示すように裏
面に薄膜の付いたガラスにテレビ電波が入射するモデル
を考える。このモデルは一般に第4図のような分布定数
回路に等価的に書き換え得る。端子A−Bから右側を見
た入力インピーダンスZinは(1)式で表される。
またガラスの固有インピーダンスAと伝搬定数は
それぞれ(2)式と(3)式で表される。
それぞれ(2)式と(3)式で表される。
Z0:空間のインピーダンス,Z0=377Ω j:虚数単位 :ガラスの誘電率,=7−0.1j t:ガラスの厚さ λ0:電波の波長 一方、薄膜は金属板のような完全反射体ではないので
RとZ0の並列抵抗で表され、その入射特性インピーダン
スBは(4)式のようになる。
RとZ0の並列抵抗で表され、その入射特性インピーダン
スBは(4)式のようになる。
以上よりガラスによる反射率Γは(5)式で表され
る。
る。
従って反射減衰量ηは(6)式のようになる。
η=20logΓ …(6) ここで波長λ0=300cm(周波数f=100MHz)、ガラ
スの厚さt=10mmの時、ゴースト障害を起こさないため
に必要な反射減衰量η≧15dBを得るためには、薄膜の表
面抵抗は1kΩ/□以上でなければならない。
スの厚さt=10mmの時、ゴースト障害を起こさないため
に必要な反射減衰量η≧15dBを得るためには、薄膜の表
面抵抗は1kΩ/□以上でなければならない。
そこで、このように表面抵抗値が1kΩ/□以上で且つ
優れた熱線反射性能と建築意匠性をもつ薄膜材料を検討
した結果、窒素100%の雰囲気中でのスパッタリングに
よる窒化クロム膜が有用であることが判明した。この窒
化クロム膜は、窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気中で成
膜した従来技術で開示されている窒化クロム膜とは異な
り、表面電気抵抗値が著しく高くなる。従って、このよ
うな膜は電波反射抑制型の透明熱線反射膜として使用で
きる。
優れた熱線反射性能と建築意匠性をもつ薄膜材料を検討
した結果、窒素100%の雰囲気中でのスパッタリングに
よる窒化クロム膜が有用であることが判明した。この窒
化クロム膜は、窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気中で成
膜した従来技術で開示されている窒化クロム膜とは異な
り、表面電気抵抗値が著しく高くなる。従って、このよ
うな膜は電波反射抑制型の透明熱線反射膜として使用で
きる。
即ち本発明は第1図に示すように、ガラス基板10の表
面に、光学的厚さndが1nm≦nd≦300nmの第1の透明誘電
体層12を形成し、その上に窒素100%の雰囲気中でのス
パッタリングによる幾何学的厚さ(物理的厚さ)dが10
nm≦d≦40nmの窒化クロム層14を形成し、更にその上に
光学的厚さndが5nm≦nd≦200nmの第2の透明誘電体層16
を形成し、それら薄膜による並列抵抗値を1kΩ以上とし
た電波反射抑制型の透明熱線反射ガラスである。
面に、光学的厚さndが1nm≦nd≦300nmの第1の透明誘電
体層12を形成し、その上に窒素100%の雰囲気中でのス
パッタリングによる幾何学的厚さ(物理的厚さ)dが10
nm≦d≦40nmの窒化クロム層14を形成し、更にその上に
光学的厚さndが5nm≦nd≦200nmの第2の透明誘電体層16
を形成し、それら薄膜による並列抵抗値を1kΩ以上とし
た電波反射抑制型の透明熱線反射ガラスである。
ここで第1の透明誘電体層12の膜厚範囲を光学的厚さ
ndで1nm≦nd≦300nmとしたのは、1nm未満では光学特性
及び耐久性の改善に殆ど効果がなく、一方300nmを超え
る厚い膜を形成しても300nm以下の膜と比べて特に優れ
た反射色が得られるわけでもなく、成膜時間が長くなり
製造コストが上昇するだけだからである。窒化クロム層
14の膜厚範囲を幾何学的厚さdで10nm≦d≦40nmとした
のは、10nm未満だと熱線反射性能が低下してしまうし、
一方40nmを超えると表面抵抗値が1kΩ/□より小さくな
ってしまいゴースト障害を起こすようになるからであ
る。また第2の透明誘電体膜16は耐久性の改善(特に耐
磨耗性の改善)と光学特性の改善(透過率と反射率の改
善と色調の調節)のために使用されるが、その膜厚範囲
を光学的厚さndで5nm≦nd≦200nmとしたのは、5nm未満
では耐久性の改善と光学特性の改善(透過率と反射率の
改善と色調の調節)に殆ど効果がなく、一方200nmを超
える厚い膜を形成しても成膜時間が長くなり製造コスト
が上昇するディメリットの方が大きくなるからである。
ndで1nm≦nd≦300nmとしたのは、1nm未満では光学特性
及び耐久性の改善に殆ど効果がなく、一方300nmを超え
る厚い膜を形成しても300nm以下の膜と比べて特に優れ
た反射色が得られるわけでもなく、成膜時間が長くなり
製造コストが上昇するだけだからである。窒化クロム層
14の膜厚範囲を幾何学的厚さdで10nm≦d≦40nmとした
のは、10nm未満だと熱線反射性能が低下してしまうし、
一方40nmを超えると表面抵抗値が1kΩ/□より小さくな
ってしまいゴースト障害を起こすようになるからであ
る。また第2の透明誘電体膜16は耐久性の改善(特に耐
磨耗性の改善)と光学特性の改善(透過率と反射率の改
善と色調の調節)のために使用されるが、その膜厚範囲
を光学的厚さndで5nm≦nd≦200nmとしたのは、5nm未満
では耐久性の改善と光学特性の改善(透過率と反射率の
改善と色調の調節)に殆ど効果がなく、一方200nmを超
える厚い膜を形成しても成膜時間が長くなり製造コスト
が上昇するディメリットの方が大きくなるからである。
ガラス基板に形成する膜は直流スパッタリングによる
のが好ましい。透明誘電体膜としてはSnO2,TiO2,ZrO2,T
a2O5,Nb2O5等が好ましい。
のが好ましい。透明誘電体膜としてはSnO2,TiO2,ZrO2,T
a2O5,Nb2O5等が好ましい。
[作用] 窒素100%のガス雰囲気中でのスパッタリングにより
窒化クロム膜を形成し、その表面抵抗値を1kΩ/□以上
すると、入射するテレビ電波に対して反射減衰量が15dB
以上になるため、ゴースト障害は実質的に発生しない。
またこの膜は優れた熱線反射特性を呈し、透明誘電体膜
との組合せと相俟て透過率や反射色を調整できる。
窒化クロム膜を形成し、その表面抵抗値を1kΩ/□以上
すると、入射するテレビ電波に対して反射減衰量が15dB
以上になるため、ゴースト障害は実質的に発生しない。
またこの膜は優れた熱線反射特性を呈し、透明誘電体膜
との組合せと相俟て透過率や反射色を調整できる。
透明誘電体膜は、電気的特性とは無関係であるが、透
過率や反射率を改善し反射色調の調節を行い、耐摩耗性
と耐薬品性を向上させる。
過率や反射率を改善し反射色調の調節を行い、耐摩耗性
と耐薬品性を向上させる。
[実施例1] ガラス基板の表面に光学的厚さが10nmの酸化スズ層
(第1の透明誘電体層に相当する)と、幾何学的厚さが
10nmの窒化クロム層と、光学的厚さが40nmの酸化スズ層
(第2の透明誘電体層に相当する)とを順次直流スパッ
タリング法により成膜した。
(第1の透明誘電体層に相当する)と、幾何学的厚さが
10nmの窒化クロム層と、光学的厚さが40nmの酸化スズ層
(第2の透明誘電体層に相当する)とを順次直流スパッ
タリング法により成膜した。
実施例で用いた直流スパッタリング装置の概略を第2
図に示す。アースされた真空槽20の一部にバリアブルバ
ルブ22を設けた排気口24を形成し、この排気口24を介し
て真空ポンプ26に接続して真空槽20内を減圧できるよう
にする。また真空槽20の上部には、マグネトロンカソー
ド28a,28bを設け、直流電源30a,30bに接続する。両マグ
ネトロンカソード28a,28bの間にバルブ32を備えたガス
供給管34を設け、真空槽20内にガスを供給できるように
する。更に各マグネトロンカソード28a,28bの下方には
往復可能な搬送ベルト36を配置する。
図に示す。アースされた真空槽20の一部にバリアブルバ
ルブ22を設けた排気口24を形成し、この排気口24を介し
て真空ポンプ26に接続して真空槽20内を減圧できるよう
にする。また真空槽20の上部には、マグネトロンカソー
ド28a,28bを設け、直流電源30a,30bに接続する。両マグ
ネトロンカソード28a,28bの間にバルブ32を備えたガス
供給管34を設け、真空槽20内にガスを供給できるように
する。更に各マグネトロンカソード28a,28bの下方には
往復可能な搬送ベルト36を配置する。
まずカソード28aの下面にSnターゲット38aを、カソー
ド28bの下面にCrターゲット38bを取り付ける。そして搬
送ベルト36上の基板ホルダ40に洗浄したガラス基板10を
載置し、バリアブルバルブ22を開け、真空槽20内を5×
10-6Torr以下まで減圧する。次にガス供給管34により酸
素ガスを供給し、バリアブルバルブ22を閉じ、真空槽20
内の圧力を2×10-3Torrにする。カソード28aに400Vの
負電圧を印加し、ガラス基板10をカソード28a下を移動
させることでガラス基板10の表面に第1層として光学的
厚さ10nmの酸化スズ層を形成する。そしてカソード28a
のパワーを切り、バリアブルバルブ22を開き、再び5×
10-6Torr以下の圧力に引いた後、ガス供給管34から窒素
を導入し、バリアブルバルブ22を閉じ、真空槽20内の圧
力が2×10-3Torrとなるようにする。次にカソード28b
に500Vの負電圧を印加し、ガラス基板10をカソード28b
下を移動させることで前記酸化スズ層上に第2層として
幾何学的厚さ10nmの窒化クロム層を形成する。カソード
28bのパワーを切り、再び5×10-6Torr以下の圧力まで
引いた後、ガス供給管34から酸素を内圧2×10-3Torrに
なるまで導入し、前記と同様にカソード28aに400Vの負
電圧を印加し、窒化クロム層上に第3層として光学的厚
さ40nmの酸化スズ層を形成する。
ド28bの下面にCrターゲット38bを取り付ける。そして搬
送ベルト36上の基板ホルダ40に洗浄したガラス基板10を
載置し、バリアブルバルブ22を開け、真空槽20内を5×
10-6Torr以下まで減圧する。次にガス供給管34により酸
素ガスを供給し、バリアブルバルブ22を閉じ、真空槽20
内の圧力を2×10-3Torrにする。カソード28aに400Vの
負電圧を印加し、ガラス基板10をカソード28a下を移動
させることでガラス基板10の表面に第1層として光学的
厚さ10nmの酸化スズ層を形成する。そしてカソード28a
のパワーを切り、バリアブルバルブ22を開き、再び5×
10-6Torr以下の圧力に引いた後、ガス供給管34から窒素
を導入し、バリアブルバルブ22を閉じ、真空槽20内の圧
力が2×10-3Torrとなるようにする。次にカソード28b
に500Vの負電圧を印加し、ガラス基板10をカソード28b
下を移動させることで前記酸化スズ層上に第2層として
幾何学的厚さ10nmの窒化クロム層を形成する。カソード
28bのパワーを切り、再び5×10-6Torr以下の圧力まで
引いた後、ガス供給管34から酸素を内圧2×10-3Torrに
なるまで導入し、前記と同様にカソード28aに400Vの負
電圧を印加し、窒化クロム層上に第3層として光学的厚
さ40nmの酸化スズ層を形成する。
製作した透明板の薄膜の並列抵抗値は3.4kΩ/□であ
った。また可視光透過率は31%、非膜面反射は2゜視野
C光(JIS Z8729)でL*=53.1,a*=−1.4,b*=−
3.8であり、シルバー反射色であった。
った。また可視光透過率は31%、非膜面反射は2゜視野
C光(JIS Z8729)でL*=53.1,a*=−1.4,b*=−
3.8であり、シルバー反射色であった。
[実施例2] 実施例1と同様の方法により、ガラス基板上に光学的
厚さが70nmの酸化スズ層、幾何学的厚さが25nmの窒化ク
ロム層、更に光学的厚さが70nmの酸化スズ層を順次成膜
した。なお膜厚はガラス基板の移動速度を変えることで
調整した。
厚さが70nmの酸化スズ層、幾何学的厚さが25nmの窒化ク
ロム層、更に光学的厚さが70nmの酸化スズ層を順次成膜
した。なお膜厚はガラス基板の移動速度を変えることで
調整した。
この透明板の薄膜の並列抵抗値は1.6kΩ/□であっ
た。また可視光透過率は21%で、非膜面反射は2゜視野
C光でL*=61.7,a*=−2.7,b*=−11.0であり、ブ
ロンズ反射色であった。
た。また可視光透過率は21%で、非膜面反射は2゜視野
C光でL*=61.7,a*=−2.7,b*=−11.0であり、ブ
ロンズ反射色であった。
[実施例3] 実施例1と同様の方法により、ガラス基板上に光学的
厚さが170nmの酸化スズ層、幾何学的厚さが30nmの窒化
クロム層、更に光学的厚さが50nmの酸化スズ層を順次成
膜した。
厚さが170nmの酸化スズ層、幾何学的厚さが30nmの窒化
クロム層、更に光学的厚さが50nmの酸化スズ層を順次成
膜した。
この透明板の薄膜の並列抵抗値は1.3kΩ/□であっ
た。また可視光透過率は15%で、非膜面反射は2゜視野
C光でL*=60.6,a*=−3.0,b*=−11.2であり、ブ
ルー反射色であった。
た。また可視光透過率は15%で、非膜面反射は2゜視野
C光でL*=60.6,a*=−3.0,b*=−11.2であり、ブ
ルー反射色であった。
[実施例4] 実施例1と同様の方法により、ガラス基板上に光学的
厚さが210nmの酸化スズ層、幾何学的厚さが30nmの窒化
クロム層、更に光学的厚さが70nmの酸化スズ層を順次成
膜した。
厚さが210nmの酸化スズ層、幾何学的厚さが30nmの窒化
クロム層、更に光学的厚さが70nmの酸化スズ層を順次成
膜した。
この透明板の薄膜の並列抵抗値は1.3kΩ/□であっ
た。また可視光透過率は16%で、非膜面反射は2゜視野
C光でL*=67.7,a*=−8.1,b*=−0.6であり、グリ
ーン反射色であった。
た。また可視光透過率は16%で、非膜面反射は2゜視野
C光でL*=67.7,a*=−8.1,b*=−0.6であり、グリ
ーン反射色であった。
なお上記の実施例では成膜に直流スパッタリング法を
使用した。この方法は高周波スパッタリングのようなマ
ッチングが不要であり、また成膜速度も大きくコスト上
有利であり好ましい。透明誘電体膜としてはSnO2,TiO2,
Al2O3,ZnO,Bi2O3,ZrO2,Ta2O5,Nb2O5,AlN等もあるが、耐
久性と反射色調などからSnO2,TiO2,ZrO2,Ta2O5,Nb2O5が
好ましい。
使用した。この方法は高周波スパッタリングのようなマ
ッチングが不要であり、また成膜速度も大きくコスト上
有利であり好ましい。透明誘電体膜としてはSnO2,TiO2,
Al2O3,ZnO,Bi2O3,ZrO2,Ta2O5,Nb2O5,AlN等もあるが、耐
久性と反射色調などからSnO2,TiO2,ZrO2,Ta2O5,Nb2O5が
好ましい。
[発明の効果] 本発明は上記のようにガラス基板に、第1の透明誘電
体層と窒素100%のガス雰囲気中でのスパッタリングに
よる窒化クロム層と第2の透明誘電体層を形成し、それ
らの層を特定膜厚としてそれらによる並列抵抗値を1kΩ
以上とした透明熱線反射ガラスだから、入射するテレビ
電波に対して反射減衰量が大きく、ゴースト障害の発生
を防止できる。またブルーやグリーンなどの反射色をだ
すことができ優れた建築意匠性と熱線反射特性を発現さ
せうる。
体層と窒素100%のガス雰囲気中でのスパッタリングに
よる窒化クロム層と第2の透明誘電体層を形成し、それ
らの層を特定膜厚としてそれらによる並列抵抗値を1kΩ
以上とした透明熱線反射ガラスだから、入射するテレビ
電波に対して反射減衰量が大きく、ゴースト障害の発生
を防止できる。またブルーやグリーンなどの反射色をだ
すことができ優れた建築意匠性と熱線反射特性を発現さ
せうる。
更に窒化クロム層を窒素100%のガス雰囲気中でのス
パッタリングにより成膜するものであり、希ガスと窒素
との混合ガス中でのスパッタリングではないため、表面
抵抗値が高く、且つインライン式大型スパッタリング装
置を用いる場合でも安定した成膜動作が行われ、均質で
良好なスパッタリング膜を形成できる。
パッタリングにより成膜するものであり、希ガスと窒素
との混合ガス中でのスパッタリングではないため、表面
抵抗値が高く、且つインライン式大型スパッタリング装
置を用いる場合でも安定した成膜動作が行われ、均質で
良好なスパッタリング膜を形成できる。
第1図は本発明に係る透明熱線反射ガラスの構成を示す
断面図、第2図はその製造に好適な直流スパッタリング
装置の説明図である。第3図は透明熱線反射ガラスへの
電波入射モデル説明図、第4図はその等価回路図であ
る。 10……ガラス基板、12……第1の透明誘電体層、14……
窒化クロム層、16……第2の透明誘電体層。
断面図、第2図はその製造に好適な直流スパッタリング
装置の説明図である。第3図は透明熱線反射ガラスへの
電波入射モデル説明図、第4図はその等価回路図であ
る。 10……ガラス基板、12……第1の透明誘電体層、14……
窒化クロム層、16……第2の透明誘電体層。
Claims (1)
- 【請求項1】ガラス基板の表面に、光学的厚さndが1nm
≦nd≦300nmの第1の透明誘電体層を形成し、その上に
窒素100%のガス雰囲気中でのスパッタリングによる幾
何学的厚さdが10nm≦d≦40nmの窒化クロム層を形成
し、その上に光学的厚さndが5nm≦nd≦200nmの第2の透
明誘電体層を形成し、それら薄膜の並列抵抗値を1kΩ以
上としたことを特徴とする電波反射抑制型の透明熱線反
射ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25871490A JP3192138B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | 電波反射抑制型の透明熱線反射ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25871490A JP3192138B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | 電波反射抑制型の透明熱線反射ガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04139037A JPH04139037A (ja) | 1992-05-13 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1990-09-27 JP JP25871490A patent/JP3192138B2/ja not_active Expired - Fee Related
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