JP3191735B2 - 積層膜の作製方法 - Google Patents

積層膜の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁体膜/超電導
体膜の積層構造の作製方法に関する。特に、超電導電界
効果型素子(超電導電界効果トランジスタ)の主要部分
をなす絶縁体/超電導体積層構造の作製において、チャ
ネルの超電導特性を損なわずに、絶縁特性が優れたゲー
ト絶縁膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導膜の形成には、反応性共蒸
着法、レーザ蒸着法、スパッタリング法等のさまざまな
成膜方法が検討されてきた。各成膜法には、それぞれ長
所、短所があり、また、それぞれの成膜方法によって得
られる酸化物超電導薄膜にも特徴があり、薄膜の用途等
に応じて使い分けられてきた。
【0003】例えば、反応性共蒸着法では、超電導特
性、結晶性、表面平滑性等が優れた高品質の薄膜が得ら
れるが、成膜時間がかかる。レーザ蒸着法は、成膜時間
は短いが、得られる薄膜の表面平滑性、表面の結晶性は
あまりよくない。スパッタリング法は両者の中間的な特
徴を有し、成膜速度も得られる薄膜の品質も両者のほぼ
中間である。
【0004】酸化物超電導薄膜は、酸化物超電導体を使
用した超電導素子に利用される。実用上極めて重要であ
ると考えられている超電導素子に、超電導電界効果型素
子がある。超電導電界効果型素子は、超電導電界効果ト
ランジスタともいわれ、酸化物超電導体で形成された超
電導チャネルを有し、超電導チャネル上にゲート絶縁層
を介して配置されたゲート電極を備え、ゲート電極に印
加された信号電圧により超電導チャネルを流れる電流を
制御する三端子素子である。この素子は、電圧制御型の
素子であって信号の増幅作用があり、電流密度が大きい
等、実用的な特性を有する。
【0005】上記の超電導電界効果型素子およびトンネ
ル型ジョセフソン素子では、酸化物超電導薄膜と、他の
材料の薄膜との積層膜が使用される。超電導電界効果型
素子では酸化物超電導薄膜表面から侵入する電界により
酸化物超電導薄膜中に生ずる空乏領域を利用し、ジョセ
フソン素子では積層膜間のトンネル電流を活用してい
る。これらの素子においては、上記の積層膜の酸化物超
電導体層は、他の材料の層との境界まで、均一な超電導
特性を示すことが求められる。
【0006】酸化物超電導薄膜上に他の酸化物材料の薄
膜を積層した積層膜を形成する場合、連続した結晶成長
を促すためには、下地である酸化物超電導薄膜の表面
が、原子的にみて平滑、かつ、清浄であり、原子面が現
われていることが要求される。このためには、酸化物超
電導薄膜の成膜方法として、超高真空環境を背圧とする
反応性共蒸着法、MBE法等分子ビームを使用した成膜
法(以下分子ビーム成膜法と記す)が好ましいと考えら
れている。これらの方法によれば、薄膜表面まで結晶構
造が連続しており、かつ、平滑性、清浄性も満たす酸化
物超電導薄膜が成膜可能であることが確認されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
分子ビーム成膜法では、成膜する薄膜の結晶性を向上す
るため成膜速度が低く抑えている。また、成膜中の薄膜
の成長表面の汚染および蒸着源の酸化を防止するため、
酸化源の分圧を極力低減している。そのため、酸化物材
料を用いて絶縁体/超電導体の積層膜を形成する際に、
分子ビーム成膜法を使用して連続成膜を実施すると不具
合が生ずることがある。
【0008】例えば、絶縁体にSrTiO3(以下STOと
記す)、BaTiO3(以下BTOと記す)、BaxSr1-xTiO
3 (0<x<1:以下BSTOと記す)のように還元性
の強い材料を用い、分子ビーム成膜法により上記の積層
膜形成すると、長い成長過程の間に、下地の酸化物超電
導薄膜中の酸素が絶縁膜中に吸収される。また、酸化物
超電導薄膜自体も長時間高温に保持されることになり、
酸素が離脱しやすくなる。さらに、酸化物超電導薄膜単
独の場合には、一旦酸素が離脱しても降温中に酸化物超
電導薄膜中に酸素が再導入されるが、絶縁体/超電導体
の積層膜の場合絶縁膜により、酸化物超電導薄膜中への
酸素の再導入が妨げられる。これらの相乗効果により、
酸化物超電導薄膜中で酸素の欠損が起こる。酸化物超電
導体中の酸素量は、その超電導特性と緊密に関係してい
る。酸素の欠損に従い、臨界温度が低下し、ついには、
超電導性が失われる。
【0009】つまり、分子ビーム成膜法による絶縁体/
超電導体の積層膜において、少なくとも、絶縁体層に接
する部分の酸化物超電導体層の特性は、単体の酸化物超
電導薄膜に比べて、臨界温度等が劣った値になってい
る。以下、図1〜3を参照してこの問題をより具体的に
説明する。図1は、STO基板上に成膜したY1Ba2Cu3
7-X(以下YBCOと記す)酸化物超電導薄膜を高温
に保持した場合の臨界温度の変化を示したグラフであ
る。
【0010】YBCO酸化物超電導薄膜は、それぞれ以
下の条件の反応性共蒸着法で成膜した厚さが5nmのもの
である: 基板:バッファふっ酸で表面処理したSTO(100) 基板温度: 700℃ 成膜速度: 0.2nm/分 このYBCO薄膜をO3が3×10-5Torrの雰囲気のも
と、 500℃で保持しても、臨界温度は変化しないが、 5
50℃で保持すると、図1に示すよう臨界温度が時間と共
に低下する。これは、酸素の離脱が起こる基板温度と深
く関連している。
【0011】次に厚さ5nmのYBCO薄膜上に、STO
膜をやはり反応性共蒸着法で積層した積層膜を以下の条
件で作製した: 基板温度: 500℃ 成膜雰囲気:5×10-5Torrオゾン供給 成膜速度:1nm/分 図2にSTO膜の厚さとYBCO薄膜の臨界温度との関
係を示す。図2に示すようSTO膜厚が増加するのにと
もなって、YBCO膜の臨界温度は低下する。これは、
前述のようにSTO膜によるYBCO膜中の酸素吸収で
説明できる。
【0012】さらに、上記の条件で基板温度のみを 550
℃に上げ、5nmのYBCO薄膜上に、STO膜を積層し
た積層膜を作製した。図3にSTO膜の厚さとYBCO
薄膜の臨界温度との関係を示す。図3に示すよう、基板
温度 550℃では、より薄い膜厚で臨界温度が低下した。
これは、前述のようにSTO膜の酸素の吸収に加え、Y
BCO膜から酸素が離脱するためと考えられる。
【0013】以上の実験から、絶縁膜形成に伴う下地超
電導膜の特性劣化を防止するには、絶縁膜の成膜に要す
る時間を短縮すること、成膜時の酸化力を増加させるこ
と、および/または成膜温度を下げることが有効である
ことが推定される。しかしながら、成膜温度を下げる
と、絶縁膜の結晶性が低下するので、超電導膜の特性は
維持できるが、絶縁膜の耐圧が著しく劣化する。
【0014】また、分子ビーム蒸着法、特に反応性共蒸
着法では、各Kセルの温度により成膜する薄膜の組成を
合わせている。薄膜の特定の成分を増加させるには、そ
の成分を供給しているKセルの温度を上げるか、他の全
てのKセルの温度を下げればよい。全てのKセルの温度
を上げれば、成膜速度が増加するが、Kセルの温度には
上限があり、また、Kセルの温度を上げて蒸発量を増加
させると、制御性が悪くなり組成が維持しにくくなる。
よって、分子ビーム蒸着法で、成膜速度を上げて成膜時
間を短縮するには限界がある。
【0015】さらに、成膜時の酸化力を過度に増加させ
ると、蒸着源の酸化によりKセルの制御が不安定になる
ので、これも限界がある。
【0016】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決した積層膜の作製方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、下層が
酸化物超電導体層で、上層が酸化物超電導体以外の材料
の層である積層膜を作製する方法において、酸化物超電
導体層を分子ビーム蒸着法で形成し、上層を分子ビーム
蒸着法よりも高速で高い酸化雰囲気の成膜法で形成する
ことを特徴とする積層膜の作製方法が提供される。本発
明では、酸化物超電導体は、いわゆるY−Ba−Cu−O系
(この場合、Yはランタノイド元素でもよい)、Bi−Sr
−Ca−Cu−O系(Pb等を含むことがある)、Tl−Ba−Ca
−Cu−O系のいずれでもよい。
【0018】本発明では、高速の成膜法は、レーザ蒸着
法(パルスレーザ蒸着法)、各種CVD法であることが
好ましく、例えば、MO−CVD法であることが好まし
い。また、上層が形成される前の酸化物超電導体層を、
真空雰囲気中に保持することが好ましく、この酸化物超
電導体層を成膜温度から冷却することが好ましい。
【0019】本発明の方法は、上層がSTO、BTOお
よびBSTO等の還元性の強い材料であるときに有効で
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、分子ビーム蒸着
法で形成した酸化物超電導体層上に、より高速なレーザ
蒸着法、各種CVD法で酸化物超電導体以外の材料の上
層を形成するところにその特徴がある。上層が高速に形
成されるので、下層の酸化物超電導体層が長時間高温に
保持されず、酸素を失わない。従って、下層の酸化物超
電導体層の超電導特性が劣化しない。
【0021】本発明の方法では、分子ビーム蒸着法で酸
化物超電導体層を形成した直後、その場で真空環境を維
持したまま極薄の保護層を分子ビーム蒸着法で形成し、
その後上層を高速で形成してもよい。この保護層は、酸
化物超電導体層が空気に直接触れることを防止するもの
で、酸化物超電導体層の表面全体を被覆しなければなら
ない。この場合、保護層は、上層に使用する材料と同一
の材料とし、上層形成後は上層と一体化することが好ま
しい。この保護層は、2〜5nm程度の厚さで十分であ
り、成膜時間も極めて短くてすむので分子ビーム蒸着法
で形成しても酸化物超電導体層に悪影響を及ぼすことが
ない。また、「その場」というのは酸化物超電導体層を
形成した直後に移送を行わないと言う意味であり、「真
空環境を維持」するというのは酸化物超電導体層を形成
する際の成膜装置の圧力条件、雰囲気をできるかぎり変
更しないという意味である。
【0022】本発明の方法では、上層が形成される前の
酸化物超電導体層は、真空雰囲気中に保持することが好
ましい。この場合の真空雰囲気とは、分子ビーム蒸着法
による成膜時の雰囲気と同等以上の雰囲気である。酸化
物超電導体は空気に触れると特にその表面が劣化するか
らである。特に、成膜直後の酸化物超電導薄膜の表面
は、反応性が高い状態にあることが多く劣化されやす
い。
【0023】また、本発明の方法では、上層が形成され
る前の酸化物超電導体層を成膜温度から冷却することが
好ましい。これは、できれば室温程度まで温度を下げる
という意味であり、この処理により酸化物超電導体に酸
素が導入されるとともに、酸化物超電導体から酸素が離
脱することが防止される。
【0024】以下、本発明を実施例により、さらに詳し
く説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過
ぎず本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0025】
【実施例1】本発明の方法により、YBCO酸化物超電
導薄膜上の一部にSTO薄膜を積層して積層膜を作製し
た。図4(a)〜(d)を参照して、本発明の方法により積層
膜を作製する工程を説明する。最初に、図4(a)に示す
よう、反応性共蒸着法で厚さ5nmのYBCO酸化物超電
導薄膜1をSTO(100)基板5上に成膜した。成膜
条件を以下に示す: 基板 :バッファふっ酸で表面処理したSTO(100)面 基板温度 : 700℃ 蒸着源 :Y、Ba、Cu 成膜雰囲気: 3×10-5Torr(O3 :基板周辺) 成膜速度 : 0.2 nm/分
【0026】次に、上記成膜条件で形成したYBCO膜
を真空に保ったまま、レーザ蒸着用成膜室に移送し、パ
ルスレーザ蒸着法で膜厚 320nmのSTO薄膜2をYBC
O膜1の一部(図面で上半分)上に積層した。成膜条件
を以下に示す: 基板温度 : 600℃ レーザ強度 : 2 J/cm2(ターゲット面) レーザ光径 : 1 mmφ 繰返し周波数: 3 Hz 成膜雰囲気 : 0.03 Torr 成膜時間 : 8 分 成膜速度 : 40 nm/分
【0027】続いて、図4(c)に示すよう、YBCO膜
1の露出している部分上に4個のAg電極31〜34を蒸着法
で形成し、YBCO膜1の臨界温度を測定した。図4
(c)の状態で臨界温度を測定すると、YBCO膜1の露
出している部分の臨界温度を測定することになる。YB
CO膜1の露出している部分の臨界温度は、60Kであっ
た。次に、YBCO膜1の露出している部分のAg電極32
と33の間をダイヤモンドペンで傷4を付けて図4(d)に
示すよう分離した。図4(d)の状態で臨界温度を測定す
ると、YBCO層のSTO層の下の部分の臨界温度を測
定することになる。YBCO層のSTO層の下の部分の
臨界温度は50Kであり、上記本発明の方法により酸化物
超電導体層の超電導特性を維持できることが確かめられ
た。
【0028】
【実施例2】実施例1と同じ条件で作製した厚さ5nmの
YBCO酸化物超電導薄膜上の一部にその場で真空雰囲
気を維持したまま反応性共蒸着法で厚さ3nmのSTOの
保護層を形成した。成膜条件を以下に示す: 基板温度 : 500℃ 蒸着源 :Ti、Sr 成膜雰囲気: 3×10-5Torr(O3 :基板周辺) 成膜速度 : 1 nm/分
【0029】次に、保護層を形成したYBCO膜をレー
ザ蒸着装置に移送し、実施例1と等しい条件のパルスレ
ーザ蒸着法で膜厚 320nmのSTO薄膜を積層した。図5
に上記本発明の方法で積層膜を作製する場合の基板温度
の変化の様子を示す。図5でMBEと示した部分は、反
応性共蒸着法で、PLDと示した部分はパルスレーザ蒸
着法で成膜を行った。このように作製した積層膜の下層
のYBCO層の超電導特性を実施例1と同じ方法で調べ
た。YBCO層のSTO層の下の部分の臨界温度は49.5
K、STO層のない部分の臨界温度は59.3Kであり、上
記本発明の方法により酸化物超電導体層の超電導特性を
維持できることが確かめられた。
【0030】図6に、上記パルスレーザ蒸着法で成膜し
たSTO層の成膜温度(成膜時の基板温度)と、YBC
O層の臨界温度との関係を示す。また、比較のため、Y
BCO層のSTO層のない部分の臨界温度も示した。▲
が、YBCO層のSTO層の下の部分の臨界温度を示
し、●がSTO層のない部分の臨界温度を示す。図6に
示すよう、本発明の方法で作製した積層膜の下層のYB
CO層は、STO層の成膜温度が550 ℃、600℃、650℃
のいずれの場合でも超電導性を維持している。特に、S
TO層の成膜温度が600℃の場合は、STO層の下の部
分のYBCO層でも高い臨界温度を有する。また、ST
O層の成膜温度が650℃の場合にSTO層の下の部分の
YBCO層の臨界温度が低下するのは、STO層の成膜
時にYBCO層との間で相互拡散が発生するためと考え
られる。
【0031】
【実施例3】実施例1および2と同じ条件で作製した厚
さ5nmのYBCO酸化物超電導薄膜上に実施例2と同じ
条件で厚さ30nmのSTOの保護層を形成し、さらにその
上にCVD法で膜厚 320nmのSTO薄膜を積層した。成
膜条件を以下に示す: 基板温度 : 600℃ 蒸着源 :Ti(C−OC37)4 、Sr(DPM)2 圧 力 : 5 Torr 成膜時間 : 6 分 成膜速度 : 20 nm/分
【0032】このように作製した積層膜の下層のYBC
O層の超電導特性を調べた。YBCO層のSTO層の下
の部分の臨界温度は25.4K、STO層のない部分の臨界
温度は46.6Kであり、上記本発明の方法により酸化物超
電導体層の超電導特性を維持できることが確かめられ
た。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法は、
他の材料層/酸化物超電導体層の積層部分を含むあらゆ
る超電導素子の特性向上に寄与し得る。特に、下層の酸
化物超電導体層が薄い場合に有効であり、超電導電界効
果型素子のゲート部分の作製に適している。また、酸化
物超電導体層上にPtのモノレイヤーを形成した積層膜の
形成にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 STO基板上に成膜したYBCO酸化物超電
導薄膜を高温に保持した場合の臨界温度の変化を示した
グラフである。
【図2】 YBCO薄膜上に、基板温度 500℃でSTO
膜を積層した場合のSTO膜の厚さとYBCO薄膜の臨
界温度との関係を示したグラフである。
【図3】 YBCO薄膜上に、基板温度 550℃でSTO
膜を積層した場合のSTO膜の厚さとYBCO薄膜の臨
界温度との関係を示したグラフである。
【図4】 本発明の方法の効果を確認するためにYBC
O薄膜の一部に本発明の方法でSTO膜を積層して積層
膜を作製する工程を説明する図である。
【図5】 本発明の方法で積層膜を作製する際の基板温
度の変化の一例を示すグラフである。
【図6】 本発明の方法で積層膜を作製した場合のST
O膜の成膜温度と、下層のYBCO層の臨界温度との関
係を示した図である。
【符号の説明】
1 YBCO酸化物超電導薄膜 2 STO薄膜 5 STO基板 31〜34 Ag電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 39/24 ZAA H01L 39/24 ZAAD (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 29/22 C04B 41/89 C23C 14/08 C23C 16/40 H01L 39/02 H01L 39/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層が酸化物超電導体層で、上層が酸化
    物超電導体以外の材料の層である積層膜を作製する方法
    において、酸化物超電導体層を分子ビーム蒸着法で形成
    し、上層を分子ビーム蒸着法よりも高速の成膜法で形成
    することを特徴とする積層膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記高速の成膜法が、レーザ蒸着法であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の積層膜の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記高速の成膜法が、CVD法であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の積層膜の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記高速の成膜法が、MO−CVD法で
    あることを特徴とする請求項3に記載の積層膜の作製方
    法。
  5. 【請求項5】 酸化物超電導体層を形成した直後に、そ
    の場で真空環境を維持したまま分子ビーム蒸着法で極薄
    の保護層を酸化物超電導体層上に形成することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層膜の作製
    方法。
  6. 【請求項6】 上層が形成される前の酸化物超電導体層
    を、真空雰囲気中に保持することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の積層膜の作製方法。
  7. 【請求項7】 上層が形成される前の酸化物超電導体層
    を、成膜温度から冷却することを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の積層膜の作製方法。
  8. 【請求項8】 上層を、STO、BTOおよびBSTO
    のいずれかの材料で形成することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の積層膜の作製方法。
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