JP3191672B2 - 加熱ローラ - Google Patents

加熱ローラ

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JP3191672B2
JP3191672B2 JP11211696A JP11211696A JP3191672B2 JP 3191672 B2 JP3191672 B2 JP 3191672B2 JP 11211696 A JP11211696 A JP 11211696A JP 11211696 A JP11211696 A JP 11211696A JP 3191672 B2 JP3191672 B2 JP 3191672B2
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博昭 渡海
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  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は加熱ローラに関し、
更に詳しくは、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファ
クシミリ等においてトナー像の定着に用いるヒートロー
ラ方式の加熱定着装置の加熱ローラ、シート体表面被覆
装置の加熱ローラ、その他各種加熱装置のヒータとして
用いる加熱ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機等において、記録材上に
形成されたトナー像を加熱定着させるための方式とし
て、従来より、加熱ローラとこれに対接配置された加圧
ローラとの間に、未定着トナー像が形成された記録材を
通過させることにより、前記未定着トナー像を記録材に
定着させるヒートローラ方式が広く知られている。
【0003】近年、特開昭56−109381号、特開
昭63−182684号、特開平6−186877号に
示されるているように、加熱ローラ自体が自己発熱機能
を有するものが採用されている。このような従来の加熱
ローラを図面を用いて説明する。
【0004】図5は、従来の加熱ローラの構成説明図で
ある。加熱ローラ10は、円筒状の伝熱基材11と、こ
の伝熱基材11の外表面上に形成された絶縁膜12と、
この絶縁膜12上に形成された発熱抵抗体13と、この
発熱抵抗体13を被覆するように形成された保護膜14
と、この保護膜14上に形成された離型層15と、発熱
抵抗体13に電流を流すための給電リング31,32と
を備えてなる。また、図6の発熱抵抗体の展開模式図に
示されるように、131、132は発熱抵抗体13の一
端部に設けられた終端電極である。
【0005】そして、発熱抵抗体13の終端電極13
1,132と給電リング31,32の接合は、接着剤S
1を用いて成されており、接着剤として、シリコーン樹
脂(バインダ成分)中に銀(フィラー)が充填含有され
てなる導電性接着剤などが用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような加熱ローラは、給電リング31,32が接着剤S
1によって発熱抵抗体13の終端電極131,132に
接合さており、使用中、150℃〜200℃と高温にな
るため、接着剤S1自体の熱応力によって以下のような
問題が発生する。給電リング31,32の内表面と接触
しているところの接着剤S1、及び、終端電極131,
132と接触しているところの接着剤S1は、繰り返し
熱応力が発生すると接着面の一部が剥がれ、有効接着面
積が小さくなる。そして、この有効接着面積が小さくな
ったところに電流が集中して流れる結果、接着剤S1の
抵抗値が大きくなり、接着剤S1が発熱して焼き切れ
て、最終的に給電リング31,32と終端電極131,
132とが不導通になってしまう。
【0007】接着剤S1の内部においても、繰り返し熱
応力が発生すると、接着剤S1の内部にクラックが入
り、接着剤S1内部の有効通電面積が小さくなる。そし
て、有効通電面積が小さくなったところに電流が集中し
て流れる結果、接着剤S1の抵抗値が大きくなり、接着
剤S1が発熱して焼き切れて、最終的に給電リング3
1,32と終端電極131,132とが不導通になって
しまう。
【0008】また、給電リング31,32と導電性の接
着剤S1とが接着力の低下によって離間している部分
は、印加される電圧により、火花放電が発生することが
あり、この火花放電の電磁ノイズによる装置の誤操作な
どの故障を生じさせる可能性が出てくる。
【0009】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、給電リングが伝熱基
材に確実に固定されるとともに、給電リングと発熱抵抗
体との接合が良好な加熱ローラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の加熱ローラは、略円筒状の伝熱基
材の外表面上に形成された絶縁膜上に発熱抵抗体が積層
され、その発熱抵抗体の表面上に絶縁性の保護膜が被覆
されるとともに、前記発熱抵抗体への給電リングを備え
た加熱ローラであって、前記加熱ローラの端部におい
て、前記発熱抵抗体の一部が上記保護膜から露出してお
り、前記給電リングは、その内周面が前記保護膜に接着
固定されるとともに、前記発熱抵抗体の露出部分と給電
部材を介して接続されていることを特徴とする。
【0011】上記課題を解決するために、請求項2に記
載の加熱ローラは、請求項1に記載の加熱ローラであっ
て、特に、前記給電部材は、高温ハンダよりなることを
特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明の加熱ローラ1の構成
を示す一部破断正面図、図2は図1におけるA−A矢視
断面図、図3は図1におけるB−B矢視断面図である。
図1および図2に示すように、本発明の加熱ローラ1
は、円筒状の伝熱基材11と、この伝熱基材11の外表
面に形成された絶縁膜12と、この絶縁膜12上に形成
された発熱抵抗体13と、この発熱抵抗体13を被覆す
るように形成された絶縁性の保護膜14と、この絶縁性
保護膜14の上に形成された離型層15と、発熱抵抗体
13に電流を流すための給電リング31,32とを備え
てなる。
【0013】伝熱基材11は、外径20mm、肉厚1.
4mm、全長297mmの中空パイプ状の部材である。
この伝熱基材11は、加熱ローラ1表面における温度ム
ラを防止する観点から熱伝導率の大きい金属材料、特
に、熱伝導率が100W/(m・K)以上の金属材料よ
りなることが好ましく、具体的にはアルミニウム合金よ
りなることが好ましい。アルミニウム合金を円筒状の伝
熱基材として用いることにより、加熱ローラ1の表面温
度をより均一なものとすることができる。本実施例で
は、伝熱基材11の材質はJIS記号A5052のアル
ミニウム合金を使用した。
【0014】伝熱基材11上に形成された絶縁膜12
は、アルミナあるいはシリカ等を主成分とする絶縁材料
より構成される。本実施例では、絶縁膜12は厚さ約7
0μmのアルミナである。
【0015】発熱抵抗体13は幅0.5mm〜5mm、
厚さ約10μmの帯状体よりなり、導電物質を含有す
る。本実施例においては、発熱抵抗体13を構成する物
質として銀−パラジウム(Ag−Pd)合金が用いられ
る。発熱抵抗体13の形成方法としては特に限定される
ものではないが、スクリーン印刷法等の周知の製造方法
が適用できる。
【0016】図4は、本発明の加熱ローラを構成する発
熱抵抗体の展開模式図であり、発熱抵抗体13の両端部
の点線で囲んでいる部分が終端電極13A,13Bで、
給電部材16に接続されるようになっている。そして、
終端電極13A,13B間に電圧を印加して発熱抵抗体
13に電流を流すものである。図1に示すように、加熱
ローラ1の端部で、この終端電極13Aが保護膜14お
よび離型層15より露出している。なお、図1において
図示されていないが、終端電極13Bも同様に保護膜1
4および離型層15より露出している。発熱抵抗体の終
端電極13A,13Bの形状は特に限定されるものでは
なく、従来技術で説明した図6のような終端電極であっ
ても良い。要は、終端電極は、加熱ローラ1の端部で保
護膜14および離型層15より露出すれば良い。
【0017】保護膜14は厚さ50〜100μmのアル
ミナあるいはシリカ等を主成分とする絶縁体よりなる膜
であり、発熱抵抗体13の劣化防止、電気絶縁性の確
保、異物による発熱抵抗体13の損傷防止などの観点か
ら設けられている。
【0018】離型層15は、加熱ローラ1の表面におけ
る離型性を向上するために設けられたフッ素樹脂層であ
る。離型層15を設けることによって、特に電子写真複
写機などのトナー定着動作時におけるオフセット現象が
発生しにくくなり、良好な定着性能を得ることができ
る。
【0019】給電リング31,32は、それぞれ、内径
20.6mm,肉厚0.8mm,幅7.0mmのJIS
記号C1020の銅合金よりなり円環状である。そし
て、給電リング31,32の内周面が接着剤Sによって
伝熱基材11上に形成された保護膜14に接着固定され
ている。接着剤Sは、絶縁性のシリコーン樹脂よりな
り、柔軟性を有するものであるので、加熱ローラ1の温
度変化に伴う伝熱基材11及び給電リング31,32の
膨張力をこの接着剤Sで吸収することができる。
【0020】また、図3に示すように、給電リング31
は、その外側面の一部で、給電部材16を介して保護膜
14より露出している発熱抵抗体13の終端電極13A
に接続されている。なお、他方の給電リング32も同様
な構造であるので、説明を省略する。本実施例では、給
電リング31,32と終端電極13A,13Bの接続箇
所はそれぞれ1ヶ所である。
【0021】給電部材16は、加熱ローラ1が使用中1
50℃〜200℃と高温になるため、固相線温度が30
0℃以上の高温ハンダである。このような高温ハンダを
使用することにより、使用中加熱ローラ1の温度が上昇
しても、高温ハンダが溶けることがないので、安定した
給電が可能となる。
【0022】給電リング31,32が絶縁性の接着剤S
によって伝熱基材11に固定されているので、使用中加
熱ローラ1が昇温したり、使用後加熱ローラ1が室温に
戻ったりして給電リング31,32と伝熱基材11の膨
張力に起因する熱応力が接着剤Sに発生したとしても、
接着面の一部が剥がれる程度でおさまり、さらに発熱抵
抗体13への給電手段は、給電部材16によって接着剤
Sとは独立した通電経路が確保されているので、従来技
術のように接着剤が通電経路であり接着面の一部が剥が
れることが原因で接着剤自体が発熱して焼き切れるとい
う問題が起こることがない。この結果、給電リング3
1,32が伝熱基材11に確実に固定されるとともに、
発熱抵抗体13に安定した給電を行うことができる。
【0023】また、使用中加熱ローラ1が昇温すると、
給電リング31,32と伝熱基材11は径方向外向きに
膨張する。しかし、図1及び図3に示すように、給電部
材16によって給電リング31,32と伝熱基材11の
接合部分が1ヶ所と極限られた狭い範囲であるので、給
電リング31,32と伝熱基材11の膨張力に起因する
複雑な力が給電部材16にかかりにくくなる。よって、
給電部材16が、発熱抵抗体13から剥がれたり、給電
部材31,32の外側面から剥がれたりする問題が発生
しない。従って、給電リング31,32と発熱抵抗体1
3との接続が良好になり、発熱抵抗体13へ安定した給
電が可能になる。
【0024】
【発明の効果】本発明の加熱ローラによれば、給電リン
グが接着剤によって伝熱基材に固定されるとともに、給
電部材によって伝熱基材上の発熱抵抗体に給電されるの
で、給電リングが伝熱基材に確実に固定され、給電リン
グと発熱抵抗体との接合が良好になる。さらに、給電部
材が高温ハンダであるので、加熱ローラが昇温しても、
給電部材が溶けることがないので、安定した給電が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱ローラを示す一部破断正面図であ
る。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図である。
【図3】図1におけるB−B矢視断面図である。
【図4】本発明の加熱ローラを構成する発熱抵抗体の展
開模式図である。
【図5】従来の加熱ローラを示す一部破断正面図であ
る。
【図6】従来の加熱ローラを構成する発熱抵抗体の展開
模式図である。
【符号の説明】
1 加熱ローラ 11 伝熱基材 12 絶縁膜 13 発熱抵抗体 13A 終端電極 13B 終端電極 131 終端電極 132 終端電極 14 保護膜 15 離型層 16 給電部材 31 給電リング 32 給電リング S 接着剤 S1 接着剤

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状の伝熱基材の外表面上に形成さ
    れた絶縁膜上に発熱抵抗体が積層され、その発熱抵抗体
    の表面上に絶縁性の保護膜が被覆されるとともに、前記
    発熱抵抗体への給電リングを備えた加熱ローラであっ
    て、 前記加熱ローラの端部において、前記発熱抵抗体の一部
    が上記保護膜から露出しており、 前記給電リングは、その内周面が前記保護膜に接着固定
    されるとともに、前記発熱抵抗体の露出部分と給電部材
    を介して接続されていることを特徴とする加熱ローラ。
  2. 【請求項2】 前記給電部材は、高温ハンダよりなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の加熱ローラ。
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