JP3190573U - スライドスタンド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外パイプに対する内パイプの昇降作業がスムースで確実にロックできるバネロック式のスライドスタンド装置を提供する。【解決手段】内部にシャフト10を取り付けた外パイプ3と、外パイプ3内に昇降可能に入り込む内パイプ2と、内パイプ2内に配置してシャフト10に密に嵌装する締め付けバネ12と、内パイプ2に挿入して締め付けバネ12の他端部と接するとともに内パイプ2の外部まで延びるガイドパイプ14とを備え、締め付けバネ12の一端部を内パイプ2に直接または間接的に係止するとともに、締め付けバネ12の他端部をガイドパイプ14に直接または間接的に係止する。【選択図】図3
Description
本考案は、外パイプに対する内パイプの昇降作業がスムースで確実にロックできるバネロック式のスライドスタンド装置に関する。
ステーの高さを調整できるスライドスタンド装置は、図8に例示するように、病院における点滴バッグ100の吊り下げスタンド台102などとして多用されている。吊り下げスタンド台102は、患者が買い物や小用で病院内を移動する際に持って歩くことがあり、このために患者の身長に応じて点滴バッグ100の高さ位置を適宜調整し、さらにベッド内の患者の姿勢位置に応じて調整することも必要である。この種の吊り下げスタンド台は、商店やスーパーマーケットにおいて、商品表示札や価格表示札を目立つように吊り下げ表示する場合などにも使用されている。
従来の吊り下げスタンド台102は、下方スタンド104の上方周壁において、つまみ型ボルト106を直径方向にねじ込み配置する。吊り下げスタンド台102では、下方スタンド104に入れ子式に挿入したステー108を適宜昇降させた後に、つまみ型ボルト106で締め付けてステー108をロックする。このような昇降・ロック方法は、構造が単純で昇降作業が容易である反面、つまみ型ボルト106による締め付けが不十分であると、点滴バッグ100の重さでステー108が急に下降することがあり、該点滴バッグの急降下が患者への点滴中に発生すると、その患者の病状に悪影響を及ぼす場合がある。また、この吊り下げスタンド台102では、点滴バッグ100などの吊り下げ物がある程度以上の重さになると、ステー108を安定してロックすることが困難になる。
ステーの高さ調整可能なスライドスタンド装置の他の例として、実用新案登録第3136953号に開示のスライドロック機構がある。このスライドロック機構は、ステーに嵌装するコイルバネ部を有し、該コイルバネ部の内径はステーを非挿入状態で該ステーの直径よりも小さく、操作部を回してコイルバネ部の内径を若干大きくすることにより、ステーを昇降させることが可能になる。このスライドロック機構は、比較的構造が単純で安価であり、しかも操作が容易である。
実用新案登録第3136953号に開示のスライドロック機構は、比較的構造が単純である反面、コイルバネ部の締め付けだけでステーをロックするので、該ステーの固定力が比較的小さく、ヘッドレストのような軽い物体ではステーを安定固定できても、吊り下げ物が重くなるとステーを安定してロックすることができない。また、このスライドロック機構では、2本のステーを並列に設置するので問題がないけれども、ステーを1本だけ設置すると、該ステーが昇降時に自転して吊り下げ物を落としてしまうおそれがある。
本考案は、従来の吊り下げスタンド台およびスライドロック機構に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、複数本のパイプを組み合わせることによってステーに相当する内パイプを締め付けバネで確実にロックし、重い吊り下げ物でも安定して保持できるスライドスタンド装置を提供することを目的としている。本考案の他の目的は、内パイプおよび外パイプが円筒形であっても、内パイプの昇降時に自転することがないスライドスタンド装置を提供することである。
本考案に係るスライドスタンド装置は、内部にシャフトを取り付けた外パイプと、該外パイプ内に昇降可能に入り込む内パイプと、内パイプ内に配置してシャフトに密に嵌装する締め付けバネと、内パイプに挿入して締め付けバネの他端部と接するとともに内パイプの外部まで延びるガイドパイプとを備える。このスライドスタンド装置では、締め付けバネの一端部を内パイプに直接または間接的に係止するとともに、該締め付けバネの他端部をガイドパイプに直接または間接的に係止することにより、ガイドパイプを回すと締め付けバネの内径が広がり、内パイプのロックが解放されて該内パイプが外パイプに対して昇降可能になる。
本考案に係るスライドスタンド装置は、内パイプの先端に内ホルダを固着し且つガイドパイプの先端にガイドホルダを固着し、内ホルダおよびガイドホルダはともにシャフトに対して前後進自在に嵌装され、締め付けバネの一端部を内パイプの内ホルダに係止するとともに、該締め付けバネの他端部をガイドパイプのガイドホルダに係止すると好ましい。また、外パイプの先端に固着した外ガイドにワンウェイクラッチを取り付け、該ワンウェイクラッチにシャフトが装着されることにより、このシャフトはガイドパイプおよびガイドホルダとともに一方向のみ回動する。
本考案に係るスライドスタンド装置は、締め付けバネの内径が外パイプのシャフト直径よりもわずかに大きい際に、ガイドパイプをロックアシストバネで付勢することにより、締め付けバネの内径を狭めて内パイプを常時ロックすることが可能である。このスライドスタンド装置では、ガイドパイプの後端にロック解除ハンドルを取り付け、該ロック解除ハンドル内にロックアシストバネを収納するとともに、外パイプに固着したロックアシストスリーブのストッパーピンがロック解除ハンドル内に突入し、該ストッパーピンがロックアシストバネを圧縮することにより、ロックアシストバネがガイドパイプを介して締め付けバネの内径を小さくするように作用する。
本考案に係るスライドスタンド装置は、バネで確実にロックするタイプのスタンドであり、従来の吊り下げスタンド台のようにつまみ型ボルトの締め付け不足でステーつまり内パイプが落下するような事態は起こらない。本考案のスライドスタンド装置は、締め付けバネをシャフトに密に嵌装することにより、該締め付けバネによる内パイプのロック力を高め、重い吊り下げ物でも安定して保持する。
本考案に係るスライドスタンド装置は、内パイプおよび外パイプを含む全体が円筒形であっても、ステーに相当する内パイプが昇降時に自転することがなく、該ステーが昇降時に自転して吊り下げ物を落としてしまうような事態は発生しない。本考案のスライドスタンド装置は、シャフトに嵌装した締め付けバネが内パイプとともに昇降することにより、どの高さ位置においても一定のロック力を内パイプに付与することができる。
本考案のスライドスタンド装置は、締め付けバネとともにロックアシストバネを設置する場合、ロックアシストバネを変更すると締め付けバネのロック力を調節することが可能であり、より高弾性のロックアシストバネを使用して締め付けバネのロック力を高めることもできる。この結果、本考案のスライドスタンド装置は、各種の重量物を安定して吊り下げ保持し、一般機械器具、運輸・運搬機械、住戸空間設備構成材、伸縮自在ステッキなどの用途に適用できる。
本考案に係るスライドスタンド装置1は、図1に示すように、細長い筒状の内パイプ2と、該内パイプが昇降可能に入り込む筒状の外パイプ3とが外観上の主要部であり、実際の用途では、図8に示す吊り下げスタンド台のように支持バー5やキャスタ6などを取り付ける。スライドスタンド装置1は、前記のように用途に応じて付属物が異なり、一例として、一般機械器具や運輸・運搬機械などでは外パイプ3の後端部を壁面に水平や斜めに固着し、または機械の一部が外パイプを実質的に構成する場合もある。
図1または図4に示すスライドスタンド装置1では、内パイプ2のロック解除は、ガイドパイプ14の露出前端部を回すことで行い、該ガイドパイプを回しやすいようにノックピン7をパイプの露出前端部の直径方向に挿通するけれども、通常ではノックピンの挿通ではなく、回しやすいディスク状のつまみ(図示しない)やハンドル8(図7参照)などの部材を取り付ける。また、このスライドスタンド装置では、内パイプ2の昇降によってロック解除部材の高さ位置が変化するので、そのロック解除部材を一定の高さに保つには、内パイプ2が下方になるようにスライドスタンド装置1を転置すればよい。
スライドスタンド装置1は、図1から図3に示すように、内部にシャフト10を同軸状に取り付けた外パイプ3および内パイプ2に加えて、内パイプ2内に配置してシャフト10に密に嵌装する締め付けバネ12と、内パイプ2に挿入して締め付けバネ12の他端部と接するとともに内パイプ2の前方外部まで延びるガイドパイプ14とを備える。ガイドパイプ14の内径はシャフト10の直径よりも大きい。外パイプ3の長さはシャフト10の長さとほぼ等しい。
内パイプ2および外パイプ3は、図示のような長寸の円筒形であっても、両パイプ2,3の断面形状が三角以上の多角筒形または楕円形などの異形筒などのいずれでもよく、用途に応じてその断面形状を任意に設定すればよい。また、外パイプ3には、その周壁に細長い縦スロット15を形成しているけれども、この貫通スロットの代わりに非貫通の外向き縦凹みを設けてもよく、実際の用途では外パイプ3にプラスチックスリーブ(図示しない)などを嵌装して縦スロット15を外部から隠蔽してもよい。また、外パイプ3の内周壁に長い縦リブを形成または取り付け、一方、内パイプ2の内ホルダ周壁にこの縦リブと嵌合する縦凹みを形成してもよい。
シャフト10は、外パイプ3の内部に向けて、その後端に固着した円盤状の外ホルダ16の中心に取り付ければよく、図1から図3では、外ホルダ16の内壁凹部に固定したリング状のワンウェイクラッチ18に差し込み固定するため、シャフト10は一方の方向にのみガイドパイプ14とともに回動する。このシャフトは、図4のように外ホルダ自体に固定しても、またはガイドパイプ14とともに回動するように構成してもよい。
締め付けバネ12は、捩りモーメントを受けることでその内径が増減することを要する。締め付けバネ12は、図1から図3のようにシャフト直径よりも内径がわずかに小さい場合には、該締め付けバネによって内パイプ2をロックする。また、図5から図7のように、締め付けバネ内径がシャフト直径よりも内径がわずかに大きい場合には、ロックアシストバネ20(図7)の弾力でその内径を小さくして内パイプ2をロックする。締め付けバネ12は、図示のような円筒コイルバネやリングバネなどの形状であり、捩りモーメントが受けられるようにその前後端部22,24(図3)を接線方向へ直線状に延ばす。
外パイプ3は、その後端に円盤状の外ホルダ16を固着する。同様に、内パイプ2の後端に円盤状の内ホルダ26を固着し、ガイドパイプ14の後端にも円盤状のガイドホルダ28を固着する。ホルダ26,28の内径は、シャフト10の直径とほぼ等しく、シャフト10に密に嵌装すると、両ホルダはシャフト10上を摺動または回動し、シャフト10がフリーであれば該シャフトとともに回動する。ホルダ16,26,28は通常プラスチック製であり、プラスチック製のホルダの代わりに各パイプの端部を変形したり、金属製ホルダを溶接してもよい。
スライドスタンド装置1は、締め付けバネ12の一端部を内パイプ2に直接または間接的に係止するとともに、該締め付けバネの他端部をガイドパイプ14に直接または間接的に係止する。このため、内ホルダ26の前端壁に接線溝30(図3)およびガイドホルダ28の後端壁に接線溝32を設け、接線溝30,32には締め付けバネ12の前後端部22,24をそれぞれ嵌入する。この結果、ガイドパイプ14を回すと、ガイドホルダ28を介して締め付けバネ12が捩られてその内径が広がり、内パイプ2がシャフト10から解放され、該内パイプは外パイプ3に対して昇降可能になる。
内パイプ2は、その後方周壁において水平方向に短寸スロット34(図3)を設けるとともに、内ホルダ26の大径部に小円柱状のガイドピン36を植設する。ガイドピン36は、外パイプ3の縦スロット15に入り込むことにより、内パイプ2は外パイプ3に対して自転せずに昇降可能になる。また、ガイドホルダ28の大径部に小円柱状のガイドピン40(図3)を植設する。ガイドピン40は、内パイプ2の短寸スロット34に入り込むことにより、内パイプ2内においてホルダ26,28の間隔を保ち、締め付けバネ12が常にホルダ26,28に係止された状態を維持する。
スライドスタンド装置1において、内パイプ2の昇降距離は外パイプ3の縦スロット15の長さに相当する。内パイプ2の高さを変える場合には、ガイドパイプ14の露出前端部であるノックピン7を図3の矢印方向に回すと、該ガイドパイプは締め付けバネ12の捩り力に逆らって短寸スロット34の長さ範囲だけ回る。この結果、ガイドパイプ14は締め付けバネ12の内径を広げ、そのままの状態で内パイプ2を昇降可能となる。次に、ガイドパイプ14をフリーにすると、該ガイドパイプは、締め付けバネ12の捩り力によって図3の矢印と反対の方向に回り、締め付けバネ12の内径を狭めることで内パイプ2を所定の高さ位置でロックする。
スライドスタンド装置1は、締め付けバネ12によって内パイプ2を確実にロックするので、手締めによる締め付け不足で内パイプ2が落下するような事態は発生しない。また、このスライドスタンド装置は、図5から図7のように、より大径の締め付けバネ72とともにロックアシストバネ20を設置し、締め付けバネ72の内径がシャフト外径よりも大きい場合でも、ロックアシストバネ20で確実に締め付けバネ72の内径を狭めて内パイプ固定力を高め、重い吊り下げ物でも安定して保持できる。
次に、本考案を実施例に基づいて説明すると、図1から図3に本考案に係るスライドスタンド装置1を示す。スライドスタンド装置1は、細長い筒状の内パイプ2と、該内パイプが昇降可能に入り込む筒状の外パイプ3とを有する。内パイプ2のロック解除は、ガイドパイプ14の露出前端部を回すことで行い、該ガイドパイプを回しやすいようにノックピン7を直径方向に挿通する。
スライドスタンド装置1は、内部にシャフト10を同軸状に取り付けた外パイプ3および内パイプ2に加えて、内パイプ2内に配置してシャフト10に密に嵌装する締め付けバネ12と、内パイプ2に挿入するとともに内パイプ2の前方外部まで延びるガイドパイプ14とを備える。ガイドパイプ14の内径はシャフト10の直径よりも大きく、該ガイドパイプの外径は内パイプ2の内径よりもわずかに小さく、該内パイプの外径は外パイプ3の内径よりもわずかに小さい。外パイプ3の長さはシャフト10の長さとほぼ等しく、内パイプ2およびガイドパイプ14の長さは、通常、外パイプ3およびシャフト10の長さよりも短い。
外パイプ3には、その周壁に細長い縦スロット15を形成する。また、内パイプ2は、その後方周壁において水平方向に短寸スロット34(図3)を設ける。シャフト10は、外パイプ3の内部に向けて、その後端に固着した円盤状の外ホルダ16の中心に取り付ける。締め付けバネ12は、シャフト直径よりも内径がわずかに小さく、該締め付けバネによって内パイプ2をロックする。締め付けバネ12は、捩りモーメントが受けられるようにその前後端部22,24(図3)を接線方向へ直線状に延ばす。
シャフト10は、外ホルダ16の中心に取り付けるため、該シャフトの後端面に中心ネジ孔(図示しない)および外ホルダ16に中心貫通孔を設け、該外ホルダ外部から丸頭ボルト42をワッシャ44とともに貫通孔に通してネジ孔に締着する。外ホルダ3の内壁凹部にはリング状のワンウェイクラッチ18を嵌入して固定する。シャフト10は、リング状のワンウェイクラッチ18に差し込み固定され、さらに丸頭ボルト42で外ホルダ16に保持されるため、該ワンウェイクラッチによって片方向のみ回動可能である。
外パイプ3において、外ホルダ16の後方大径部は該外パイプと同じ外径である。同様に、内パイプ2の後端に円盤状の内ホルダ26を固着し、該内ホルダの後方大径部は内パイプ2と同じ外径であり、ガイドパイプ14の後端にも円盤状のガイドホルダ28を固着し、該ガイドホルダの後方大径部はガイドパイプ14と同じ外径である。ホルダ26,28の内径は、シャフト10の直径とほぼ等しく、両ホルダはシャフト10上を摺動または回動し、シャフト10がフリーであれば該シャフトとともに回動する。ホルダ16,26,28はプラスチック製である。
スライドスタンド装置1は、内ホルダ26の前端壁に接線溝30(図3)およびガイドホルダ28の後端壁に接線溝32を設け、接線溝30,32には締め付けバネ12の前後端部22,24をそれぞれ嵌入する。この結果、ガイドパイプ14を回すと、ガイドホルダ28を介して締め付けバネ12が捩られてその内径が広がり、内パイプ2がシャフト10から解放され、該内パイプは外パイプ3に対して昇降可能になる。
内パイプ2は、その大径部に盲孔46(図3)を半径方向に形成し、該盲孔に小円柱状のガイドピン36を植設する。ガイドピン36は、外パイプ3の縦スロット15に入り込むことにより、内パイプ2は外パイプ3に対して自転せずに昇降可能になる。また、ガイドホルダ28の大径部に盲孔48を半径方向に形成し、該盲孔に小円柱状のガイドピン40を植設する。ガイドピン40は、内パイプ2の短寸スロット34に入り込むことにより、内パイプ2内においてホルダ26,28の間隔を保つ。図3において、内パイプ2が静止した状態では、ガイドピン40は締め付けバネ12の捩り力によって短寸スロット34の右内壁に接している。
スライドスタンド装置1を組み立てるには、締め付けバネ12をシャフト10に嵌装してから、該シャフトの下端から内ホルダ26付きの内パイプ2内に入れ、該バネの後端部24を内ホルダ26の接線溝30に嵌入する。次に、ガイドホルダ28付きのガイドパイプ14を内パイプ2内のシャフト10に挿入し、ガイドホルダ28の接線溝32を締め付けバネ12の前端部22と合わせ、ガイドピン40を内パイプ2の短寸スロット34を通してガイドホルダ28の盲孔48に植設する。さらに、内パイプ2の組立体を外ホルダ16付きの外パイプ3に収納し、シャフト10を丸頭ボルト42で外ホルダ16に取り付けた後に、ガイドピン36を外パイプ2の縦スロット15を通して内ホルダ26の盲孔46に植設する。
スライドスタンド装置1において、内パイプ2の高さを変える場合には、ノックピン7を介してガイドパイプ14の露出前端部を図3の矢印方向に回すと、該ガイドパイプは締め付けバネ12の捩り力に逆らって短寸スロット34の長さだけ回転する。この際に、ガイドパイプ14およびガイドホルダ28は、ワンウェイクラッチ18に差し込み固定されているため、シャフト10の回りを回転することなく、該シャフトとともに軽く回すことができる。
この結果、ガイドパイプ14が締め付けバネ12の内径を広げ、そのままの状態で内パイプ2が昇降可能となる。次に、ガイドパイプ14をフリーにすると、ワンウェイクラッチ18に関係なく、該ガイドパイプは、締め付けバネ12の捩り力によって、ガイドパイプ14およびガイドホルダ28だけがシャフト10の回りを図3の矢印と反対方向に回転し、締め付けバネ12の内径を狭めることで内パイプ2を所定の高さでロックする。
スライドスタンド装置1は、締め付けバネ12によって内パイプ2を確実にロックするので、手締めによる締め付け不足で内パイプ2が落下するような事態は発生しない。スライドスタンド装置1は、内パイプ2および外パイプ3を比較的小径にできるので、吊り下げスタンド台や伸縮自在ステッキなどに適用すると好適である。
図4は本考案の第2実施例を示し、この実施例の構造と機能は第1実施例とほぼ同一であり、第1実施例と同様な部材には同じ図番を用いる。図4に示すスライドスタンド装置50は、細長い筒状の内パイプ2と、該内パイプが昇降可能に入り込む筒状の外パイプ3とを有する。
シャフト52は、その後方部54において、両周壁を直線状に平行切削することによって異形断面を有する。一方、外ホルダ56の前方壁中央に異形断面の凹み58を形成し、該凹みにシャフト後方部54を嵌入することにより、シャフト52を外ホルダ3に固着する。シャフト52は、外パイプ3の内部に向けて、その後端に固着した円盤状の外ホルダ56の中心に取り付けて固定する。
スライドスタンド装置50では、ガイドピン36および40を1対ずつ配置する。このため、縦スロット15は外パイプ3において軸心対称に2個形成し、且つ短寸スロット34も内パイプ2において軸心対称に2個形成する。
スライドスタンド装置50は、前記と同様に、内部にシャフト52を同軸状に取り付けた外パイプ3および内パイプ2に加えて、内パイプ2内に配置してシャフト52に密に嵌装する締め付けバネ12と、内パイプ2に挿入して締め付けバネ12の他端部と接するガイドパイプ14とを備える。ガイドパイプ14の内径はシャフト52の直径よりも大きい。外パイプ3の長さはシャフト52の長さとほぼ等しい。
スライドスタンド装置50において、内パイプ2の高さを変える場合には、ノックピン7を介してガイドパイプ14の露出前端部を回すと、該ガイドパイプは締め付けバネ12の捩り力に逆らって短寸スロット34の長さだけ回転する。この際に、ガイドパイプ14およびガイドホルダ28は、シャフト52の回りを回転する。
この結果、ガイドパイプ14が締め付けバネ12の内径を広げ、そのままの状態で内パイプ2が昇降可能となる。次に、ガイドパイプ14をフリーにすると、該ガイドパイプは、締め付けバネ12の捩り力によって、ガイドパイプ14およびガイドホルダ28はシャフト52の回りを逆回転し、締め付けバネ12の内径を狭めることで内パイプ2を所定の高さでロックする。
図5から図7は本考案の第3実施例を示し、この実施例の構造と機能は第1および第2実施例と類似しており、両実施例と同様な部材には同じ図番を用いる。図5から図7に示すスライドスタンド装置70は、細長い筒状の内パイプ2と、該内パイプが昇降可能に入り込む筒状の外パイプ3とを有する。
スライドスタンド装置70は、前記の実施例の締め付けバネ12と内径が異なる締め付けバネ72を内パイプ2内に配置する。締め付けバネ72は、シャフト52に密に嵌装され、フリーの状態でその内径がシャフト52の内径よりも若干大きい。このため、締め付けバネ72は、ガイドパイプ14に取り付けたハンドル8内のロックアシストバネ20の弾力でその内径を常に小さくして内パイプ2をロックする。
円盤状のロック解除ハンドル8は、ガイドパイプ14の前端部に嵌め込んで取り付け、該ハンドル内にロックアシストバネ20を配置する。円盤状のハンドル8は、その直径方向の孔にノックピン74を差し込んでガイドパイプ14の前端部に固着し、該ハンドルの周壁にローレット加工などを施す。ハンドル8の下方壁に湾曲溝75(図6)を同心状に設け、該湾曲溝内にロックアシストバネ20を収納する。ロックアシストバネ20は、一般的な圧縮コイルバネである。
一方、内パイプ2の前端において、ロックアシストスリーブ76を嵌め込んで固着し、該スリーブの前方壁に突起状のストッパーピン78を該スリーブの軸方向に形成する。嵌め込まれたスリーブ76は、ハンドル8の後方壁に近接配置する。この状態において、突起状のストッパーピン78が、ハンドル下方壁の湾曲溝75内に入り込み、ロックアシストバネ20の一端と接触して押圧する。この際に、ピン78と一体のスリーブ76は、非回転の内パイプ2に固着されているから、ロックアシストバネ20を介してハンドル8つまりガイドパイプ14を図7の矢印方向へ付勢する。ロックアシストバネ20の弾力は、締め付けバネ72の捩り力よりも大きいので、ガイドホルダ28を介して締め付けバネ72の内径を狭めることにより、内パイプ2をシャフト52にロックする。また、ロックアシストバネ20の弾力により、ガイドピン40は内パイプ2の短寸スロット34の右内壁に接する。
スライドスタンド装置70において、内パイプ2の高さを変える場合には、ハンドル8をロックアシストバネ20の弾力に逆らって図7の矢印と反対の方向に回し、締め付けバネ72の内径を元に戻し、そのままの状態で内パイプ2を昇降させる。次に、ハンドル8をフリーにすると、ガイドパイプ14は、ロックアシストバネ20の弾力によって図7の矢印方向に回り、締め付けバネ72の内径を狭めることで内パイプ2を所定の高さ位置でロックする。
スライドスタンド装置70は、ロックアシストバネ20を介して締め付けバネ72によって内パイプ2を確実に常にロックするので、手締めによる締め付け不足で内パイプ2が落下するような事態は発生しない。スライドスタンド装置70は、ロックアシストバネ20を設置することにより、締め付けバネ72の内径がシャフト外径よりも大きくても、ロックアシストバネ20で確実に締め付けバネ72の内径を狭めて内パイプ固定力を高め、重い吊り下げ物でも安定して保持できる。
スライドスタンド装置70は、ロックアシストバネ20を変更すると締め付けバネ72のシャフト固定力を調節することが可能であり、高弾性のロックアシストバネを使用すると締め付けバネ72のシャフトロック力をいっそう高めることができる。この結果、スライドスタンド装置70は、各種の重量物を安定して吊り下げ保持することにより、伸縮自在ステッキ、運輸・運搬機械、住戸空間設備構成材などの用途に適用できる。
1 スライドスタンド装置
2 内パイプ
3 外パイプ
7 ノックピン
10 シャフト
12 締め付けバネ
14 ガイドパイプ
15 縦スロット
16 外ホルダ
26 内ホルダ
28 ガイドホルダ
34 短寸スロット
2 内パイプ
3 外パイプ
7 ノックピン
10 シャフト
12 締め付けバネ
14 ガイドパイプ
15 縦スロット
16 外ホルダ
26 内ホルダ
28 ガイドホルダ
34 短寸スロット
Claims (5)
- 内部にシャフトを取り付けた外パイプと、該外パイプ内に昇降可能に入り込む内パイプと、内パイプ内に配置してシャフトに密に嵌装する締め付けバネと、内パイプに挿入して締め付けバネの他端部と接するとともに内パイプの外部まで延びるガイドパイプとを備え、締め付けバネの一端部を内パイプに直接または間接的に係止するとともに、該締め付けバネの他端部をガイドパイプに直接または間接的に係止することにより、ガイドパイプを回すと締め付けバネの内径が広がり、内パイプのロックが解放されて該内パイプが外パイプに対して昇降可能になるスライドスタンド装置。
- 内パイプの先端に内ホルダを固着し且つガイドホルダの先端にガイドホルダを固着し、内ホルダおよびガイドホルダはともにシャフトに対して前後進自在に嵌装され、締め付けバネの一端部を内パイプの内ホルダに係止するとともに、該締め付けバネの他端部をガイドパイプのガイドホルダに係止する請求項1記載のスライドスタンド装置。
- 外パイプの先端に固着した外ガイドにワンウェイクラッチを取り付け、該ワンウェイクラッチにシャフトが装着されることにより、このシャフトはガイドパイプおよびガイドホルダとともに一方向のみ回動する請求項1記載のスライドスタンド装置。
- 締め付けバネの内径が外パイプのシャフト直径よりもわずかに大きい際に、ガイドパイプをロックアシストバネで付勢することにより、締め付けバネの内径を狭めて内パイプを常時ロックする請求項1記載のスライドスタンド装置。
- ガイドパイプの後端にロック解除ハンドルを取り付け、該ロック解除ハンドル内にロックアシストバネを収納するとともに、外パイプに固着したロックアシストスリーブのストッパーピンがロック解除ハンドル内に突入し、該ストッパーピンがロックアシストバネを圧縮することにより、ロックアシストバネがガイドパイプを介して締め付けバネの内径を小さくするように作用する請求項4記載のスライドスタンド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014000957U JP3190573U (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | スライドスタンド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014000957U JP3190573U (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | スライドスタンド装置 |
Publications (1)
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JP3190573U true JP3190573U (ja) | 2014-05-15 |
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ID=78224660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014000957U Expired - Lifetime JP3190573U (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | スライドスタンド装置 |
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JP (1) | JP3190573U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107829639A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-03-23 | 无锡典聚科技有限公司 | 一种电动尾门撑杆导向杆与外管的止转结构 |
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2014
- 2014-02-26 JP JP2014000957U patent/JP3190573U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107829639A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-03-23 | 无锡典聚科技有限公司 | 一种电动尾门撑杆导向杆与外管的止转结构 |
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