JP3190538U - タンニン層を有する陶器 - Google Patents

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富博 三好
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有限会社イン・ザ・ムード
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Abstract

【課題】通気性を有するとともに防水・抗酸化・抗菌効果の優れた陶器を提供する。
【解決手段】果物、野菜、野草などの食材を内側空間に保存するための収容空間3を有する本体2と、その本体2の開口部9を覆う蓋体8とを有する陶器1において、本体2の内側表面4に柿渋を塗布・焼成して形成されたタンニン層5を設けるとともに、外側表面6や蓋体の表裏には釉薬層7を形成する。そして、そのタンニン層5のタンニンによって、防水性を持たせるとともに、抗酸化・抗菌効果を持たせるようにする。
【選択図】図1

Description

本考案は、食材を保存することができる陶器に関するものであり、より詳しくは、適度な通気性を有するとともに防水・抗酸化力・抗菌効果などに優れた陶器に関するものである。
従来より、食材を保存するための容器として、陶器や磁器(特許文献1)、ガラス、ホーローなどがある。このうち、陶器を除く他の磁器やガラス、ホーローなどの容器は、防水効果に優れているため、容器からの水漏れを完全に防止することができるというメリットがある。
しかしながら、このような容器は密閉性が高いため、酵母を作り出す食材を保存する場合、その土地の気候風土に合わせた食材を作り出すことができない。特に、通気性がない状態では、容器内で悪玉菌を発生させてしまい、また、酵母によってアルコール成分が作り出されてしまうといったデメリットがある。さらに、このような容器は、熱伝導性が高いため、外部環境に依存して急激な温度変化を生じてしまい、酵母の働きを阻害させてしまうばかりでなく、光透性があると、紫外線によって酵母の働きを阻害させてしまうことになる。
一方、これに比べて、陶器は、ガラス成分が少なく、ある程度の通気性を有するため、食材の水分を吸収して陶器の外へ送り出しながら気化熱を奪い、常に食材を一定の温度に保って貯蔵させることができるというメリットがある。
実用新案登録第3162421号公報
しかしながら、このような陶器においても、次のような問題がある。
すなわち、陶器にはある程度の通気性があるものの防水効果が比較的薄いため、食材の多くの水分が奪われてしまう。このため、陶器の壁面には防水効果を高めるための釉薬を塗布するようにしているが、この釉薬自体には抗酸化力、抗菌効果がなく、食材に悪玉菌を発生させてしまう可能性がある。
そこで、本考案は、上記課題に着目してなされたものであり、通気性を有するとともに防水・抗酸化・抗菌効果の優れた陶器を提供することを目的とする。
すなわち、本考案は上記課題を解決するために、食材を内部に保存するための収容空間を有する陶器において、当該内部の収容空間を形成するための内側表面にタンニンを含有するタンニン層を設けるようにしたものである。
このようにすれば、タンニン層に含まれるタンニンによって防水効果を持たせることができるとともに、そのタンニンによる抗酸化力、抗菌効果などによって食材に悪玉菌を発生させることを防止させることができる。
また、このような発明において、食材を内部に保存するための収容空間を有する本体と、当該本体の開口部を覆う蓋体とを有する陶器において、前記本体の内側表面にのみタンニンを含有するタンニン層を設けるようにする。
このように構成すれば、本体の内側にのみタンニン層を設けるようにしているので、製造コストを安く抑えることができるようになる。
より具体的には、前記タンニン層を形成する場合、柿渋を塗布することによってタンニン層を形成する。
このように構成すれば、自然界に存在する柿渋によってタンニン層を形成するので、化学薬品などを用いることなく、より自然に優しい陶器にすることができる。
本考案によれば、食材を内部に保存する収容空間を有する陶器において、当該内部の収容空間を形成するための内側表面にタンニンを含有するタンニン層を設けるようにしたので、タンニン層に含まれるタンニンによって防水効果を持たせることができるとともに、そのタンニンによる抗酸化力、抗菌効果などによって食材に悪玉菌を発生させることを防止させることができる。
本考案の一実施の形態を示す陶器の外観図 同形態における陶器本体の断面図
以下、本考案の一実施の形態を示す陶器1について図面を参照して説明する。
この実施の形態における陶器1は、図1に示すように、食材を保存するための収容空間3を有する本体2と、この本体2の開口部9を覆う蓋体8とを有してなるものであって、特徴的に、図2に示すように、その本体2の収容空間3を形成するための内側表面4にタンニン層5を形成するようにしたものである。以下、本考案の陶器1の構造について詳細に説明する。
まず、本体2や蓋体8は、原料である粘土などを練り上げて焼成させることによって形成される。このような原料としては、カオリンや蛙目粘土などの粘土類、また、これに陶石を加えた粘性原料や、さらに、これに脱粘性原料として珪石・珪粉・石英や、溶融性原料として長石や、アルミナなどを加えたものなどが用いることができる。これらの成分割合としては、粘土として50重量%以上、珪石として40重量%、長石として10重量%程度含ませるようにする。そして、このような原料に水を加えて練り上げるとともに、ロクロを用いて内側に収容空間3を形成し、半乾きの状態でへらを用いて全体形状を整えていく。そして、絵付けや釉薬を塗布できる強度を持たせるために、700℃〜900℃の範囲で素焼きを行う。
図2に示すように、釉薬層7は、この素焼きされた本体2の外側表面6、および、蓋体8の表裏に設けられる。この釉薬層7は、素焼きを行った後に釉薬をかけることによって形成されるものであって、ある程度の通気性を確保するとともに防水効果を高めるようにしたものである。この釉薬としては、化学成分としてSiO、Al、CaO、MgO、KO、NaO、Fe、LiO、IgLossを含むものなどが用いられ、一般的には、長石、粘土、珪石を主成分とし、溶融温度を調整する成分として、ソーダ、カリウム、石灰、また、色付けする成分として、鉄、銅、マンガン、コバルトなどを用いる。そして、このような成分を水で溶かした釉薬を適度な濃度となるようにし、これを本体2の外側表面6や蓋体8に塗布していく。このような釉薬を塗布する場合、浸し掛けや流し掛け、吹き掛け、塗り掛けなどの手法を用いて塗布していく。
一方、この本体2の内側表面4にはタンニン層5が形成される。このタンニン層5は、この実施の形態では、液体状の柿渋を塗布することによって形成されるものであって、これによって防水効果を高めるとともに、抗酸化、抗菌、防腐効果などを高められるようにしたものである。この柿渋は、未熟な柿(青柿)の果実を粉砕、圧搾して得られた汁液を発酵・熟成させて得られるものであって、ポリフェノールの一種であるタンニンを主成分とし、これ以外に、酪酸、プロピオン酸、酢酸などを含むようにしたものである。なお、この酪酸や酢酸などは臭気を有するものであるため、適宜これらの成分を除去したものを用いることもできる。そして、このような柿渋を刷毛などを用いて本体2の内側表面4に塗布する。このとき、柿渋を本体2の外側や蓋体8などにも塗布してもよいが、柿渋自体は非常に高価なものである一方、本体2の外側表面6や蓋体8に抗菌効果を持たせる必要がないため、可能な限り低コストに仕上げられるように本体2の内側表面にのみ柿渋を塗布する。そして、このように外側表面6や蓋体8に釉薬を塗布するとともに、内側表面に柿渋を塗布し、数日乾燥させた後、本焼きを行う。この本焼きにおいては、ゆっくりと窯の温度を1300℃前後まで上げて、数時間もしくは数日かけて加熱する。そして、その後、ゆっくりと窯の温度を下げて冷却させ、これによって、塗布した釉薬や柿渋によって図2に示すような釉薬層7やタンニン層5を形成する。
次に、このように構成された陶器1における作用について説明する。
まず、この陶器1を用いて食材を発酵させる場合、蓋体8を開けて食材を投入する。このような食材としては、例えば、果物、野菜、野草などを挙げることができる。そして、これらの食材を投入した後、必要に応じて塩や酵素などを入れ、また、錘や内蓋などを入れて蓋体8で開口部9を塞ぐ。
そして、数日もしくは数週間(場合によっては数年)その陶器1を放置させる。すると、その本体2の酵素の働きによって食材を発酵させることができるとともに、柿渋によるタンニンの成分によって悪玉菌の発生を防止させることができる。このとき、食材から染み出た液体については、タンニン層5や釉薬層7である程度遮断されるが、一部についてはこれらの層から外部に染み出る。このとき、その染み出た液体の気化熱によって内部の温度上昇を抑えることができ、内部の温度を一定に保つことができる。また、これとともに、陶器本来の低熱伝導性や遮光性、通気性により外部の温度変化の影響を受けることなく、内部の温度を一定に保って、酵素の働きを活性化させることができる。
このように上記実施の形態によれば、食材を内部に保存する収容空間3を有する陶器1において、当該内部の収容空間3を形成する内側表面4にタンニンを含有するタンニン層5を設けるようにしたので、タンニンによって防水効果を持たせることができるとともに、そのタンニンによる抗酸化力、抗菌効果などによって食材に悪玉菌を発生させることを防止させることができる。
また、食材を内部に保存するための収容空間3を有する本体2と、当該本体2の開口部9を覆う蓋体8とを有する陶器1において、本体2の内側表面4にのみタンニン層5を設けるようにしているので、製造コストを安く抑えることができるようになる。
さらに、タンニン層5を形成する場合、柿渋を塗布することによってタンニン層5を形成するようにしたので、自然界に存在する柿渋を用いることで、より自然に優しい陶器1にすることができる。
なお、本考案は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、タンニン層5を形成するための成分として、青柿の果実を粉砕、圧搾して柿渋を抽出するようにしたが、茶やワイン、ガラナ、ヌルデ、なめしなどからタンニンを抽出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、蓋体8を有する陶器1について説明したが、蓋体8を有さない食材収容用の容器についても適用することができる。
さらに、上記実施の形態では、本体2の内側表面4にのみタンニン層5を形成するようにしたが、タンニンのコストを安く抑えることができる場合は、外側表面6あるいは蓋体8に柿渋を塗布するようにしてもよい。
1・・・陶器
2・・・本体
3・・・収容空間
4・・・内側表面
5・・・タンニン層
6・・・外側表面
7・・・釉薬層
8・・・蓋体
9・・・開口部

Claims (3)

  1. 食材を内部に保存するための収容空間を有する陶器において、
    当該内部の収容空間を形成する内側表面にタンニンを含有するタンニン層を設けたことを特徴とする陶器。
  2. 食材を内部に保存するための収容空間を有する本体と、
    当該本体の開口部を覆う蓋体と、
    を有する陶器において、
    前記本体の内側表面にタンニンを含有するタンニン層を設けたことを特徴とする陶器。
  3. 前記タンニン層が柿渋によって構成されるものである請求項1または2に記載の陶器
JP2014000897U 2014-02-24 タンニン層を有する陶器 Expired - Lifetime JP3190538U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020089473A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社塩谷 洗浄方法、洗浄容器及び洗浄物生産方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020089473A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社塩谷 洗浄方法、洗浄容器及び洗浄物生産方法
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