JP3189569U - 抜屑分離装置に装着される抜屑離脱部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】抜屑分離装置に簡単に装着され、抜屑が残ることなくきれいに分離できるようにする抜屑離脱部材を提供する。【解決手段】硬質の金属板の一長側辺の長手方向略中央部に舌片2が張出状に形成され、金属板を舌片の両側部位にて略直角に折り曲げることにより門形に形成し、金属板の折曲部3から抜屑分離装置の下型の板厚に相当する長さだけ隔てた位置に金属板を軽便に折り曲げられるように切欠溝4が形成されている。【選択図】図2

Description

本考案は、段ボールシート、厚紙等のシート材を打抜型にて打ち抜く過程でできる抜屑を分離し易くするために抜屑分離装置に装着される抜屑離脱部材に関するものである。
例えば、段ボールシート等のシート材は、刃型によって切目が形成され、該切目には周知のように部分的なツナギ部が形成されていることから、切目の外側の抜屑がつながったままで該シート材が抜屑分離装置に移動され、該抜屑分離装置によって抜屑を製品側から分離させるようにしている。当該抜屑分離装置は、下型の上にシート材の製品側を配置し、シート材の抜屑部分が下型の周縁部から張り出すようにし、該下型に対し上型を相対的に下降させ、該上型の下面に設けられた押圧部材により抜屑部分を押し下げることにより、該抜屑部分を下方に押し下げ分離させる構造である。
ところで、製品の歩留まりを向上させるために、抜屑は出来る限り小さいことが望まれるが、上記抜屑の幅寸法を小さくする(特に幅10mm以下にする)と、該抜屑が下型の周縁部と押圧部材との間に挟まり、上型を上昇させる際に該抜屑が製品側の上に乗ってしまい、該抜屑が製箱等の次工程にて製品を傷付けることがあるなど、トラブルを発生させるおそれがあった。
また、製品に例えば長孔を形成する場合に該長孔中にできる細幅の抜屑についても、上記と同様に製品から分離し難いという問題がある。
一方、下記特許文献1に示された抜屑分離装置(ストリッピング装置)では、シート支持板を下型(雌型)の製品支持部よりも張り出すように設け、抜屑が下型の周縁部と押圧部材との間に十分な空隙ができるようにすることで上記問題点を解消しようとするものであった。また、特許文献1では該シート支持板の先にさらに爪を形成することにより、抜屑が該爪によって阻まれて上昇しないようにすることも示されている。
また、下記特許文献2に示された抜屑の除去装置は、回動可能に設けられた抜屑受片により抜屑が押さえられ該抜屑が上昇することのないようにしたものである。
また、下記特許文献3に示された抜屑離脱部材および抜屑分離装置は、下型の周縁部の付近にスリット孔を形成し、略長方形板状の硬質の金属板を先端縁から長手方向に所定長隔てた位置にて略直角に折り曲げることにより該金属板に舌片が形成され、該金属板を前記スリット孔に前記下型の上面から貫挿して該舌片の先端縁を該下型の周縁部から張り出させるとともに、該金属板に横断状に形成された切欠溝にて該金属板をさらに略直角に折り曲げることにより該金属板を該下型に止着してなるものである。
特開2003−334794号公報 特許3472959号公報 実用新案登録第3181813号公報
ところで、上記特許文献1に開示されたように単にシート支持板を設けた構造では、押圧部材に抜屑が付着すると上型上昇時に該押圧部材に付着した抜屑が上昇してしまうおそれがあり、また、該シート支持板の先端縁に弾性を有するように爪を形成していると、その弾性によってシート材の切断線に所謂エッジが利かせられないために押圧部材を下降させたとき抜屑の分離が鋭利に行われないという問題があった。
また、特許文献2に開示されたように、抜屑受片を回動可能に設けることでは、構造が複雑となるので、コストが掛かるという問題がある。
また、特許文献3に示された抜屑離脱部材は、下型に形成されたスリット孔に略長方形板状の金属板の一端を貫挿し折り曲げることによって該下型に該金属板を固着した状態のいわゆる片持ち状態で該金属板を支持した構造であったので、使用中に繰り返し加わる外力および振動によって変形し固着状態が緩み易く舌片の位置が適正に保持されなくなり抜屑離脱がうまく行われなくなるおそれがあった。
本考案は上記課題を解決しようとする抜屑離脱部材に係るものであって、略長方形板状の硬質の金属板の一長側辺の長手方向略中央部に舌片が張出状に形成され、該金属板を該舌片の両側部位にて略直角に折り曲げることにより門形に形成し、該金属板の該折曲部から抜屑分離装置の下型の板厚に相当する長さだけ隔てた位置に該金属板を軽便に折り曲げられるように切欠溝を形成してなることを特徴とする。
本考案に係る抜屑離脱部材は、簡単な構成であるので低コストで製作できるとともに、抜屑分離装置の所要個所に所要数の抜屑離脱部材を簡単に装着でき、振動等によって外れるおそれがなく確実に強固に装着できる。このため抜型の製作コストを軽減できるとともに、該抜型により抜屑をより確実に分離できるようになる。
本考案に係る抜屑離脱部材1は、図1に示したように、厚さ1mm程度の鋼板等の略長方形板状の硬質の金属板からなり、該金属板の一長側辺の長手方向略中央部に舌片2が張出状に形成され、該金属板を該舌片2の両側部位の折曲部3,3にて略直角に折り曲げることにより、図2に示したように門形に形成し、該金属板の該折曲部3,3から後述する抜屑分離装置の下型の板厚に相当する長さdを隔てた位置に該金属板を軽便に折り曲げられるようにする切欠溝4,4を形成してなる。このように切欠溝4,4を形成することにより、ペンチ等の工具を使用し、手作業で軽便に折り曲げられるようにする。
また、前記舌片2の先端縁は僅かに下向きに屈曲させることで爪部5を形成している。
なお、この実施形態では、金属板の両側縁部に一対の切欠溝4,4を形成することにより、該金属板がこの部分にて細幅になって軽便に該金属板が容易に折り曲げられるようにしているが、この部分の金属板の肉厚を薄くすること、即ち、金属板の折曲部3,3から長さdを隔てた位置を横断状に肉薄に切欠してなる切欠溝を形成することにより折り曲げ易くしてもよい。
図3は上記抜屑離脱部材1が装着された本考案に係る抜屑分離装置の縦断面図である。この抜屑分離装置は、下型10と該下型に対して相対的に上下動する上型20とからなる。30は段ボールシート等のシート材を示す。該シート材30には刃型を通すことにより予め製品部31の周縁に切断線32が入れられ、その外縁がこの抜屑分離装置によって分離しようとする細幅の抜屑33である。また、35は予め該製品部31の一部に入れられた切断線34により囲まれていてこの抜屑分離装置によって分離しようとする長円形の抜屑である。また、21は該抜屑33と相対するように上型20の下面に突設された押圧部材、22は該抜屑35と相対するように上型20の下面に突設された押圧部材、23は製品部31と相対するように上型20の下面に止着されたスポンジ等の弾性体である。
下型10は前記長さdと同じ厚さdの合板からなる。該合板は図4、図5にも示したように、外形がシート材30の外形よりも小さい相似形に形成される。11は該下型10を水平に支持する支持台である。12は前記抜屑35の外径よりも大きく該抜屑35と相対するように該下型10に形成された落下孔である。該下型10の周縁部の付近に一対のスリット孔13,13を形成し、該下型10の上面であって該スリット孔13,13間から該下型10の周縁部に至る部分に前記抜屑離脱部材1の金属板の板幅に相当する凹部14を形成する。また、落下孔12の付近にスリット孔15,15を形成し、該下型10の上面であって該スリット孔15,15間から該落下孔12に至る部分にも前記抜屑離脱部材1の金属板の板幅に相当する凹部16を形成する。
そして、スリット孔13,13に前記抜屑離脱部材1を該下型の上面から貫挿し、舌片2の先端縁を該下型の周縁部から張り出させるとともに、図6に示したように、該抜屑離脱部材1の該下型の下面に突出した部分を切欠溝4,4にて外方に略直角に折り曲げることにより、該抜屑離脱部材1を該下型10に止着する。なお、舌片2の先端縁が下型の周縁部から張り出る度合いは、該先端縁がシート材3に入った切断線32と相対する程度とする。抜屑離脱部材1にはこのように切欠溝4,4が予め形成されていることから、ペンチ等の工具を使用することにより手作業で簡単に折り曲げることができる。また、スリット孔13,13についても、刃型を製作する際に一般的に使用される木工ミシン、或いはレーザー加工機等を使用することで簡単に形成することができる。このように抜屑離脱部材1は、クランク形に折り曲げられた形状にて下型10に止着されるので、ネジ止めのように振動によって緩んだりするおそれがなく、しかもワンタッチで簡単に止着することができる。
また、前記スリット孔15,15に前記抜屑離脱部材1を下型10の上面から貫挿し、舌片2の先端縁を落下孔12中に張り出させ、該抜屑離脱部材1の該下型の下面に突出した部分を切欠溝4,4にて外方に略直角に折り曲げることにより、該抜屑離脱部材1を同様に落下孔12の周囲に止着する。このように本考案に係る抜屑離脱部材1は、落下孔12にも周縁部と同様にワンタッチで簡単・確実に装着することができるので、抜型を製作する作業効率を向上させるとともに、製作コストを大幅に軽減させる。
このように構成した抜屑分離装置では、図7に示したように、上型20が下降すると、弾性体23がシート材30の製品部31を下型10の上面に押さえ付けた後、押圧部材21が該シート材30の抜屑33を押し下げて該抜屑33を切断線32から分離させ、該抜屑33を舌片2より下方に押し下げる。舌片2は上記のように下型10の周縁部から張り出すように設けられているので、該抜屑33はこのように押圧部材21によって押し下げられるときの変形によって一部が該舌片2の下側にはみ出るようになり、その後に押圧部材21が上昇するときに該抜屑33が該舌片2の下側に引っ掛かることで、該押圧部材21に付着して上昇してしまうのを防ぐことが出来、該抜屑33を製品部31から確実に分離させる。
また、上型20が下降するとき同時に、押圧部材22が抜屑35を押し下げ該抜屑35を切断線34から分離させるとともに、分離した抜屑35を落下孔12中であって舌片2より下方に押し下げる。該抜屑35は、押圧部材22により押し下げられることにより図示したように略V字形に変形するが、弾性によって舌片2の下側にて復元し両端部が舌片2の下側にはみ出るようになることから、押圧部材22が上昇したときに該抜屑35の両端部が該舌片2の下側に引っ掛かる。このため、該抜屑35が押圧部材22に付着して上昇してしまうのが防がれ、該抜屑35を製品部31から確実に分離させる。
このため、シート材30に切断線32を入れることにより形成される抜屑33、および、切断線34を入れることにより形成される抜屑35が幅狭のものであっても、これらの抜屑33、35を製品部31から完全に離脱させ、該抜屑33、35が下型10上に残ってトラブルを発生させるようなことがない。
なお、舌片2の先端縁に下向きに屈曲した爪部5を形成したことによっては、抜屑33、35が舌片2の下側に誘導され易くなるとともに、該抜屑33、35が再び舌片2の上に上昇してしまうのをより効果的に防ぐことができる。
また、下型10の上面に凹部16を形成したことによっては、該抜屑離脱部材1の厚み分が上方に突出しないようにできるので、弾性体23によってシート材30が下型10上面に押し付けられた際に該シート材30が変形しないようにできる。なお、シート材30に弾力があり変形のおそれがない場合、或いは多少の変形は許容される場合には、凹部16を形成しなくてもよい。
また、この抜屑離脱部材は、門形に形成され、舌片2が両側で支持されるので、使用中に該舌片2に繰り返し外力が加わるも変形することなく、頑強であって耐久性が頗る高い。
なお、上記実施形態では、抜屑離脱部材1のスリット孔13,13,15,15から下型の下面に突出した部分を外方に略直角に折り曲げて該抜屑離脱部材1が下型10に止着されるようにしたが、内方に略直角に折り曲げて下型10に止着されるようにしてもよい。
本考案に係る抜屑離脱部材の展開時の斜視図。 本考案に係る抜屑離脱部材の斜視図。 本考案に係る抜屑分離装置の縦断面図。 本考案に係る離脱部材が装着される抜屑分離装置の下型の平面図。 本考案に係る離脱部材を装着した抜屑分離装置の下型の平面図。 図5のA−A線断面拡大図。 本考案に係る抜屑分離装置の作動状態を示した縦断面図。
1 抜屑離脱部材
2 舌片
3 折曲部
4 切欠溝
5 爪部
10 下型
d 下型の厚さ

Claims (1)

  1. 略長方形板状の硬質の金属板の一長側辺の長手方向略中央部に舌片が張出状に形成され、該金属板を該舌片の両側部位にて略直角に折り曲げることにより門形に形成し、該金属板の該折曲部から抜屑分離装置の下型の板厚に相当する長さだけ隔てた位置に該金属板を軽便に折り曲げられるように切欠溝を形成してなることを特徴とする抜屑分離装置に装着される抜屑離脱部材。
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