JP3188847U - 探触子及び測長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の長さをそのままの状態で、正確、かつ、容易に測定することができる探触子及び測長装置を提供する。【解決手段】一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物(支柱101)の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着されSH波を発信する超音波発信子と、超音波発信子より発信され地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子2とを備える。超音波受信子2により受信されたSH波のパターンを解析手段4により解析し、この解析結果に基づいて地中埋設物の長さが判別できるようにする。超音波発信子の発信面は、地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなる。【選択図】図1
Description
本考案は、例えば、一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の長さを測定する探触子及び測長装置に関するものである。
ガードレールやガードパイプを支持する支柱のように、一部が地中に埋設された地中埋設物は、経年劣化により腐食することがあり、定期的な検査を行う必要がある。しかしながら、こうした地中埋設物を地中から引き抜いてそれぞれ測定することは極めて煩雑であり、事実上は困難であることから、上記地中埋設物の長さを、下端側が地中に埋設された状態のままで測定することが望まれる。
従来、特許文献1に記載されているように、上端側が地上に露出した地中埋設物の外面に探触子を接触させ、SH波(超音波)を該地中埋設物に送信するとともに、該地中埋設物から反射したSH波を該探触子により受信することにより、その長さを測定する測長装置が提案されている。この探触子は、筺体内に超音波発信子(振動子)が内蔵され、地中埋設物の表面に当てられる部位には、クサビと称する部材が配置されている。このクサビは、超音波発信子から発信される超音波を屈折させるものである。また、上記超音波発信子の縦横の寸法は、5mm×5mm又は10mm×10mm(非特許文献1参照)、或いは、3mm×3mm又は5mm×5mm(非特許文献参照)であり、何れも正方形でとされている(縦横の長さが等しくなっている)。また、SH波の周波数は、2MHz,5MHz等となっている。
ジャパンプローブ株式会社のカタログ「PROBE Ver.9」の4頁から5頁
株式会社検査技術研究所のウェブサイト 商品情報 斜角探触子(http://www.probe-kgk.com/goods3/index.html)
ところで、上述した従来の測長装置によっては、ガードレールの支柱等の地中埋設物の長さを正確に測定することが困難である。すなわち、上記従来の測定装置では、上記発信子が正方形であるため、反射指向性が相当高く、より広範の反射波(ノイズ)を大きく拾ってしまい、また、地中埋設物の端面における反射波(端面エコー)が低く、該ノイズと反射波との明確な識別・検出が困難である。また、SH波の周波数が低いことによっても、正確な測定が困難な状態となっている。
そこで、本考案は、上述した従来の探触子及び測長装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の長さをそのままの状態で、正確、かつ、容易に測定することができる探触子及び測長装置を提供することを目的とするものである。
本考案は、上記目的を達成するために提案されたものであって、第1の考案(請求項1記載の考案)に係る探触子は、以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着されSH波を発信する超音波発信子及びこの超音波発信子より発信され上記地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子を有する探触子であって、超音波発信子の発信面は、上記地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなることを特徴とするものである。
一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着されSH波を発信する超音波発信子及びこの超音波発信子より発信され上記地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子を有する探触子であって、超音波発信子の発信面は、上記地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなることを特徴とするものである。
また、第2の考案(請求項2記載の考案)に係る測長装置は、以下の構成を有するものである。
〔構成2〕
一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着されSH波を発信する超音波発信子及びこの超音波発信子より発信され上記地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子を有する(上記構成1を有する)探触子と、超音波発信子及び超音波受信子の受発信を制御する制御手段と、超音波受信子により受信されたSH波のパターンを解析しこの解析結果に基づいて上記地中埋設物の長さが判別できるようにする解析手段とを備え、超音波発信子の発信面は、該地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなることを特徴とするものである。
一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着されSH波を発信する超音波発信子及びこの超音波発信子より発信され上記地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子を有する(上記構成1を有する)探触子と、超音波発信子及び超音波受信子の受発信を制御する制御手段と、超音波受信子により受信されたSH波のパターンを解析しこの解析結果に基づいて上記地中埋設物の長さが判別できるようにする解析手段とを備え、超音波発信子の発信面は、該地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなることを特徴とするものである。
また、第3の考案(請求項3記載の考案)に係る測長装置は、以下の構成を有するものである。
〔構成3〕
構成2を有する測長装置において、前記超音波発信子が発信するSH波は、750KHz乃至1000KHzであることを特徴とするものである。
構成2を有する測長装置において、前記超音波発信子が発信するSH波は、750KHz乃至1000KHzであることを特徴とするものである。
上記第1の考案(請求項1記載の考案)に係る探触子及び上記第2の考案(請求項2記載の考案)に係る測長装置においては、上記構成1を有することにより、超音波発信子の発信面は、地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くなっている(超音波の放射方向に長さを有してなる)ので、ノイズが少なくなり、また、上記地中埋設物の端面における反射波(端面エコー)が高くなって、この反射波の検出が容易となり、地中埋設物の長さを測定することが可能となる。
上記第3の考案(請求項3記載の考案)に係る測長装置においては、上記構成3を有することにより、超音波発信子が発信するSH波は、750KHz乃至1000KHzであるので、地中埋設物の端面における反射波(端面エコー)の検出を確実に行うことができ、この結果地中埋設物の長さを測定することが可能となる。
すなわち、本考案は、一部が地中に埋設された地中埋設物の長さを地中に埋設されたままの状態で、正確、かつ、容易に測定することができる探触子及び測長装置を提供することができるものである。
以下、本考案に係る測長装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、本考案を、ガードレールを構成する支柱の長さを測定する側長装置に適用したものである。図1は、本考案に係る測長装置の構成を示すブロック図である。そして、本考案に係る測長装置は、図1に示すように、SH波を発信する超音波発信子(振動子)を有する探触子1を備えている。この探触子1は、一部が地中に埋設されたガードレールの支柱(地中埋設物)101の地上露出部の外周面に図示しない接触媒質を介して密着される。この探触子1が発信するSH波は、750KHz乃至1000KHzである。ここでSH波とは、試験体表面を水平にこするような外力を加えることによって発生する一種の横波をいう。
また、探触子1は、SH波を受信する超音波受信子2を有している。この超音波受信子2は、超音波発信子より発信され支柱101内を伝搬して戻ったSH波を受信する。この超音波受信子2と超音波発信子とは、同一の素子(発信子)である。また、この支柱測長装置は、超音波発信子及び超音波受信子2の受発信を制御する制御手段となる制御装置3を有している。この制御装置3は、超音波発信子を駆動する送信部と、超音波受信子2により受信された信号を増幅する受信増幅部とからなる。さらに、この測長装置は、超音波受信子2により受信されたSH波のパターンを解析し、この解析結果に基づいて支柱101の長さが判別できるようにする解析手段4を有している。この解析手段4においては、制御装置3の受信増幅部から送られた信号は、A/D変換部によりA/D変換されて、波形メモリーに送られ、記憶される。波形メモリーに記憶された信号は、データ処理部に送られ、波形処理をなされる。このデータ処理部は、バンドパスフィルタを有している。データ処理部により波形処理をなされた信号は、液晶表示器によって表示される。データ処理部は、条件設定部より入力された条件に従って、波形処理を行う。
なお、上記支柱101が埋設されている状態としては、鉛直に立設されている場合に限られず、斜めに埋設されている場合や、支柱101の一部が曲げられている場合であってもよい。
また、図2は、本考案に係る探触子の構成を示す側面図である。上記探触子1の超音波発信子5の発信面6は、図2に示すように、支柱101の長手方向に沿う方向の長さが、支柱101の長手方向に直交する方向の長さよりも長くなっている。発信面6の縦横の長さは、例えば、20mm×40mmである。また、この探触子1は、SH波を送受信できるように、PZTの横波用発信子5が組み込まれており、アクリル樹脂を素材とするクサビを透過して、スネルの法則により、支柱101中に約90度の屈折角で伝搬するよう入射角が設定されている。このようなSH波は、支柱101を垂直に振動させる成分が少ない上、表面直下を伝搬するので、支柱101の表面が塗装膜や耐火被覆等で覆われていても、それらに超音波エネルギーが吸収されず、SV波に比べて遠方まで伝搬させることができるという利点がある。
また、図3は、本考案に係る探触子1の動作を示す側面図及び平面図である。本考案に係る探触子1においては、図3に示すように、超音波発信子5の発信面6が、支柱101の長手方向に沿う方向の長さが、支柱101の長手方向に直交する方向の長さよりも長くなっているので、該支柱1の長さ方向への指向性が高まり、その結果、支柱101の端面からの反射波(端面エコー)が高くなって、この反射波の検出が容易となり、上記支柱1の長さを確実に測定することができるようになっている。
また、上記探触子1は、支柱101の露出面に、所定の粘度、例えば、1000〜1300パスカル・秒の範囲に設定した水ガラスや合成樹脂等からなる接触媒質を介して密着され、これによって効率的にSH波の受発信を行うことができるようにされている。接触媒質としては、所定粘度に設定した水ガラスや合成樹脂等を用いることが好ましい。その粘度の調整に際しては必要に応じて、アルミナやシリカ等の酸化物や、黒鉛、カーボン等の粉末を添加したり水分量を調節したりすること等により行うことができる。この粘度が1000パスカル・秒より小さくなると、金属構造物の露出面との密着性が低下する上にSH波の伝達効率が極端に低下するので好ましくない。逆にその粘度が1300パスカル・秒を超えると、露出面や受信子及び発信子との密着性が悪くなりばらつきの少ない安定したデータを得るのが困難となるので好ましくない。
なお、上記SH波は横波の一種であり、液体中では剪断波は伝搬できないため、SH波を安定して伝搬するには所定粘度の接触媒質を用いなければならない。従来のSH波測定法では、発信子−接触媒質−検査対象との経路を全てSH波で伝搬させるために、粘性の高い接触媒質を使用することが必要であった。この場合、接触媒質の層が十分に薄くならなければ安定したエコー高さが得られず、従来のSH波探触子では、探触子のサイズを大きくした場合、エコーが安定せず、信頼性の高いデータを得るのには測定に長時間を要していた。
そこで、本考案に係る探触子1では、接触媒質の粘度を適正化して用いることによって、そのサイズが大きい探触子でも短時間で効率的に測定を行うことが可能となっている。これによって、塗膜等で覆われた支柱101の表面の塗膜等を剥離して測定面を形成し、測定面から、地中に埋設された支柱101の先端部(下端)に向けて表面SH波を発信し、受信した反射波を実験値と比較して、埋設部分の長さを測定することなどが可能になる。また、表面SH波の発信は、支柱101の全周に亘って所定ピッチ毎に行うことができ、地中にその一部が埋設された支柱101をそのままの状態でその埋設長さを的確に把握でき、経年劣化等を受けた支柱101であってもその埋設先端部までの長さを効率よく調査できる。
また、図4は、本考案に係る支柱測長装置の動作を示すフローチャートである。本考案に係る支柱測長装置は、図4に示すように、まず、探触子1を、一部が埋設されたガードレールの支柱101の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着させる。次に、送信部によりパルス電圧を発生させ、探触子1からSH波を発信させる。次に、探触子1より発信され支柱101内を伝搬して戻ったSH波を、超音波受信子2により受信する。次に、超音波受信子2により受信されたSH波のパターンを解析する。すなわち、受信された信号を受信増幅部により増幅し、A/D変換し、波形メモリーにより記憶する。そして、波形のデータ処理を行い、液晶表示器により表示する。この解析結果に基づいて、支柱101の長さが判別できる。ここで、端面エコーの検出ができない場合には、バンドパスフィルタを用いて波形処理を行い、再度検出を試みる。
また、図5は、本考案に係る支柱測長装置により受信されたSH波のパターンの解析結果を示す波形図である。この支柱測長装置により、受信されたSH波のパターンを解析すると、図5に示すように、端面エコーが検出される。すなわち、この図5の最上段に示す波形図では、上記支柱101内を伝搬して戻ったSH波を端面エコーとして明確に検出することができ、極めて正確に支柱101の長さを測定することができる状態である一方、中段に示す波形図では、多くのノイズが表れていることから、どの部分が端面エコーであるかを検出することができず支柱101の長さを測定することができない状態である。また、最下段に示す波形図では、ノイズが多いものの、バンドパスフィルターを使用した場合には、上記支柱101内を伝搬して戻ったSH波を端面エコーとして明確に検出することができ、支柱101の長さを測定することができる状態である。
また、図6は、本考案に係る支柱測長装置により受信されたSH波のパターンの解析結果を示すグラフである。SH波を500KHz乃至700KHzとした場合には、図6に示すように、ノイズが多く、検出電圧も低い。また、SH波が1000KHzを超える場合には、端面エコーを検出することができない。したがって、SH波は、750KHz乃至1000KHzとすることが好ましいことが判明した。なお、測定した支柱101は、肉厚が4.5mm、直径が114.3mm、または、139.8mmのものである。
また、図7は、本考案に係る測長装置により受信されたSH波のパターンを示す波形図である。それぞれの波形図の縦軸は、受信波の音圧(%)、横軸は、距離(mm)である。4つの波形図(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ500KHz、700KHz、800KHz、1000KHzのSH波を発信する探触子を用いた場合の結果である。500KHz、700KHzではノイズが多くなっている(100%以上に振り切れている)。また、1000KHzでも、ノイズが多いものの僅かに測定可能である。800KHzでのノイズレベルは、約60%である。すなわち、800KHzに対して、1000KHzでは、約1.5倍、500KHz、700KHzでは、2倍以上のノイズレベルとなっている。つまり、800KHzでは、500KHz、700KHzに対して、半分以下のノイズレベルとなっている。
本考案は、一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の長さを測定する探触子及び測長装置に適用される。
1 探触子
2 超音波受信子
3 制御装置
4 解析手段
5 超音波発信子
6 発信面
101 支柱
2 超音波受信子
3 制御装置
4 解析手段
5 超音波発信子
6 発信面
101 支柱
Claims (3)
- 一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着され、SH波を発信する超音波発信子及びこの超音波発信子より発信され上記地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子を有する探触子であって、
前記超音波発信子の発信面は、上記地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなることを特徴とする探触子。 - 一部が地中に埋設されたガードレールの支柱等の地中埋設物の地上露出部の外周面に接触媒質を介して密着され、SH波を発信する超音波発信子及びこの超音波発信子より発信され上記地中埋設物内を伝搬して戻ったSH波を受信する超音波受信子を有する請求項1記載の探触子と、
上記超音波発信子及び超音波受信子の受発信を制御する制御手段と、
上記超音波受信子により受信されたSH波のパターンを解析し、この解析結果に基づいて上記地中埋設物の長さが判別できるようにする解析手段と
を備え、
上記超音波発信子の発信面は、上記地中埋設物の長手方向に沿う方向の長さが、該地中埋設物の長手方向に直交する方向の長さよりも長くされてなることを特徴とする測長装置。 - 前記超音波発信子が発信するSH波は、750KHz乃至1000KHzであることを特徴とする請求項2記載の測長装置。
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JP5519886B1 (ja) * | 2014-02-26 | 2014-06-11 | ミナモト通信株式会社 | 鋼管柱診断方法および鋼管柱診断装置 |
JP2018155666A (ja) * | 2017-03-20 | 2018-10-04 | 有限会社Ns検査 | 腐食部評価方法 |
WO2020049618A1 (ja) * | 2018-09-03 | 2020-03-12 | 有限会社Ns検査 | 腐食部評価方法 |
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