JP2008309564A - 境界面検査装置及び境界面検査方法 - Google Patents

境界面検査装置及び境界面検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定系の装置セッティングが比較的簡単にできかつ廉価な超音波の反射法を用いた境界面検査装置および境界面検査方法を提供する。
【解決手段】試験体2〜4に対して超音波を送信しかつ前記試験体中を伝搬した超音波を受信する超音波探触子1と、前記超音波探触子を駆動しかつ前記超音波探触子からの電気信号を受信する送受信器6と、前記送受信器からの電気信号を処理する信号処理部7と、を備え、前記超音波探触子は、前記試験体の2つ以上の境界面における多重反射によって生じた多重エコーを受信し、前記信号処理部は、前記多重エコーに対し前記試験体の境界面の状態が顕著に現れる位置にゲートをかけ、前記ゲート内信号に基づいて前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする境界面検査装置およびその方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、試験体を超音波で非破壊に検査する装置および方法、特に、2つ以上の物質からなる複合材の境界面の状態を検査する境界面検査装置及び境界面検査方法に関するものである。
例えば、下記非特許文献1の211〜212頁には、アルミ板とハニカムコアとの境界面の状態を検査する装置及び方法が示されており、アレイ探触子で超音波ビームを集束させながら電子走査することにより、境界面の状態を検査している。この非特許文献1で例として示されている方法は、アルミ板の厚さ1mmであるのに対し、周波数25MHzを用いている。アルミの音速は約6300m/sであることから、波長は約0.25mmとなる。すなわちアルミ板の厚さの1/4程度の短い波長を用いている。
また、下記非特許文献1の228頁には、超音波を用いたハニカム材の検査方法が示されている。ここでは、透過法による検査や連続波を用いた共振法による検査方法が示されている。
(社)日本非破壊検査協会編、「超音波探傷試験III」pp.211〜212、pp.218、(社)日本非破壊検査協会発行、2001年
以上のような従来の装置のように、周波数を高くして波長を短くすれば、アルミ板の表面からのエコーと底面からのエコーを時間的に分離することができるので、板厚の薄い試験体の表面あるいは裏面の接着状態を検査することは可能であるが、周波数25MHz程度になると探触子が高価なものとなる。またディジタル信号処理を行うには信号をサンプリングする必要があるが、周波数が高いとサンプリング周波数も高くする必要がある等、送受信器も高価なものとなる。さらに波長が短いと、装置セッティングを非常に厳密に行う必要があるという困難さを伴う。
また、透過法による検査は周波数が低くても適用可能であるが、2つの探触子を対向させて用いる必要があり、試験体が大きい場合には、位置調整が難しいという問題がある。また2つの探触子の走査を同時に行う必要がある。さらに、2つの探触子で試験体を挟む測定系を組む必要があり、試験体が大きい場合には測定系全体が大掛かりになってしまうという問題点がある。
さらにまた、連続波を用いた共振法による検査は、試験体全体が振動してしまうため、接着状態不良箇所の特定が難しい。また、細かい分解能が要求される検査に対しては、適用困難と考えられる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、測定系のセッティングが比較的簡単にできかつ廉価な超音波の反射法を用いた境界面検査装置および境界面検査方法を提供するものである。
この発明は、試験体に対して超音波を送信しかつ前記試験体中を伝搬した超音波を受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を駆動しかつ前記超音波探触子からの電気信号を受信する送受信器と、前記送受信器からの電気信号を処理する信号処理部と、を備え、前記超音波探触子は、前記試験体の2つ以上の境界面における多重反射によって生じた多重エコーを受信し、前記信号処理部は、前記多重エコーに対し前記試験体の境界面の状態が顕著に現れる位置にゲートをかけ、前記ゲート内信号に基づいて前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする境界面検査装置およびその方法にある。
この発明では、測定系のセッティングが比較的簡単にできかつ廉価な超音波の反射法を用いた境界面検査装置及び方法を提供できる。廉価な探触子や送受信器が使用可能で装置セッティングが比較的容易であり、波長が試験体の厚さと同じ程度あるいは試験体の厚さよりも長いような周波数を用い、接着状態の不良箇所の特定も可能な境界面検査装置及び方法を提供できる。
実施の形態1.
この発明は実施の形態1による境界面検査装置及び方法について、図1〜図9を参照しながら説明する。この実施の形態1では、ハニカム材の表皮とコアとの接着状態を多重エコーの振幅を用いて検査する場合について説明する。なお、本文中で「探触子」と記述するものは、超音波探触子を意味するものである。
図1はこの発明の実施の形態1による境界面検査装置の構成を示す図である。図2は、コアの空気部分に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。図3は、コアの空気部分に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。図4は、コアの柱部分に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。図5は、コアの柱部分に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。図6は、接着剤が無い領域に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。図7は、接着剤が無い領域に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。図8は、多重エコーを比較した図である。図9は、接着剤が無い領域を対象とした実験で得られた多重エコーと、ゲート内信号に基づいて作成したCscanである。
図1のこの発明による境界面検査装置は、超音波探触子である探触子1、ハニカム材の表皮2、ハニカム材のコア3、接着剤4、接触媒質5、送受信器6、信号処理部7、走査機構部8を備える。探触子1は送受信器6に接続されており、また走査機構部8に固定されている。接着剤4は表皮2とコア3とを接着させるものである。送受信器6は信号処理部7に接続されている。接触媒質5は探触子1と表皮2との間に充填されている。
次に動作について説明する。送受信器6からは探触子1を励振するための電気信号が発せられ、探触子1を励振する。探触子1では電気信号が超音波に変換され、接触媒質5内に超音波が伝搬していく。接触媒質5には、水、グリセリン、油などが用いられるが、これらに限らず超音波を効率良く伝搬させるためのものであれば構わない。
接触媒質5中を伝搬した超音波は表皮2で反射される。反射波は探触子1方向へ伝搬し、探触子1で電気信号に変換され、送受信器6でエコーとして受信される。受信されたエコーは、探触子1の位置情報と共に信号処理部7に記憶される。探触子1の位置情報は、走査機構部8からの情報でも良いし、他の方法で求めた情報でも良い。エコーを送受したときの探触子1と試験体(2〜4)との相対的な位置関係が分かれば良い。
エコーと探触子1の位置情報が信号処理部7に記憶された後、走査機構部8により、探触子1を移動させる。移動後の探触子位置で、探触子1を励振し、同様にエコーを受信し、受信されたエコーと探触子1の位置情報が信号処理部7に記憶される。この作業を、走査範囲内に渡って繰り返し行う。探触子1の走査が終了した時点で、信号処理部7には、受信されたエコーと探触子1の位置情報が記憶されている。
信号処理部7では受信されたエコーと探触子1の位置情報に基づいて、表皮2とコア3との境界面の状態を求める。この動作及び境界面の検査方法について以下に説明する。
表皮2で反射されて受信されるエコーは、ある条件を満足する周波数では、多重エコーとなる。この様子を、図2を参照しながら説明する。図2は、コア3の空気の部分に探触子1がある場合の図である。図中、10はコア3の柱の部分である。接触媒質5を伝搬した超音波は、表皮2の表面で反射されるが、図2に示すようにエネルギーの一部は表皮2内に伝搬する。そして表皮2の底面で反射され、受信される。このエコーを、底面で1回反射されて受信されるという意味で、図2では「B1」として示している。
また、表皮2の底面で反射され、表皮2の表面で反射され、再び表皮2の底面で反射されて受信されるエコーがある。このエコーを、底面で2回反射されて受信されるという意味で、図2では「B2」として示している。さらに、底面で3回反射されて受信されるエコーもあり、「B3」として示している。3回以上の反射で受信されるエコーも当然あるが、図2では省略して示している。このように、表皮2の底面および表面で反射されて受信されるエコーを、多重反射に伴うエコーという意味で、ここでは「多重エコー」と呼ぶことにする。
表皮2の厚さをdとすると、B1とB2との伝搬距離差は2dとなる。また表皮2の底面および表面の反射では、ともに超音波の位相が反転する。したがって表皮2内における超音波の波長をλとすると、伝搬距離差が波長λの整数倍である場合、すなわち、
2d=λ×n(n=1,2,3,・・・) (1)
という関係式が成り立つ場合、B1とB2とは強め合う関係となる。またB2とB3との伝搬距離差も2dであるので、式(1)が成り立つ場合には、B2とB3は強め合う関係にある。このように、式(1)は多重エコーが強め合う条件である。
式(1)が満足されると、図3に示すように時間的に連続した多重エコーが受信される。図3では時間経過とともに多重エコーの振幅が小さくなるように表したが、振幅が小さくなる主な原因は、超音波ビームの広がりと、表皮2の底面および表面による反射率が100%でないためである。
図4は、コアの柱10の位置に探触子1がある場合の多重エコーを説明する図である。多重エコーが発生するメカニズムは図2と同じであるが、表皮2の底面にコア3の柱10があるため、表皮2の底面における反射に乱れが生じる。この乱れがあるために、B1の振幅は小さくなる。B2,B3も同様に、振幅が小さくなる。この結果、時間経過に対する振幅の減少が大きい多重エコーが受信される。図5では、この場合の多重エコーを示している。
このように、表皮2の底面に反射を乱すような物が存在すると、多重エコーの時間経過に対する振幅は大きく減少する。この特性を利用し、多重エコーの振幅の大きさを相対的に評価すれば、ハニカム材のコア3の空気の部分と、コア3の柱10の部分との識別が可能となる。
また多重エコーの振幅を用いることにより、コア3の空気の部分と柱10の部分を識別するだけでなく、表皮2とコア3との境界面の状態と求めることができる。この様子を、図6に示す。図6は、表皮2とコア3との境界面に、剥離を模擬して接着剤4が無い領域を作成した場合の多重エコーを説明する図である。図6に示すように接着剤4が無い場合には、探触子1がコア3の柱の部分にあっても、表皮2の底面で反射を乱す要因がなくなる。このため多重エコーは、図7に示すような大きな振幅となって受信される。
これらの多重エコーを比較したものを、図8に示す。図8の(a)〜(c)は、探触子1がコア3の空気の部分、コア3の柱10の部分、および接着剤が無い領域にある場合の多重エコーをそれぞれ並べて示したものであり、同じ時間にゲートを掛けて示している。図8に示すように、ゲート内の振幅は、探触子1がどの位置にあるかで変化する。コア3の空気の部分、および接着剤がない領域では、ゲート内の多重エコーの振幅は大きくなり、コア3の柱10の部分では、多重エコーの振幅は小さくなる。このように、多重エコーの振幅を用いることにより、表皮2の底面状態を調査することができる。
探触子1がコア3の柱10の位置にある場合、時間経過と共に多重エコーの振幅が減少していく理由は、反射の回数にある。1回の反射では、表皮2の底面状態は殆ど分からなくても、2回、3回、・・・と反射の回数を重ねるうちに、表皮2の底面状態の僅かな差異が現れてくる。すなわち、僅かな差異であっても積算されることにより、検出可能な差異となって現れる。図8では、ゲートの位置が多重エコーの立ち上がり部分ではなく時間的にやや遅れた部分にあるが、多重エコーの立ち上がり部分では、多重反射の積算効果が十分に現れないためである。多重エコーの積算効果を得るには、時間的に遅れた部分にゲートを掛けることが望ましいが、遅れすぎると、超音波の減衰や超音波ビームの広がり等の影響が現れてしまう。これらを考慮し、表皮2の底面状態の差異が顕著に現れる位置にゲートを掛ける。
図9は、この実施の形態における境界面検出装置を用いた実験結果である。実験は、探触子1に周波数5MHzでφ3のものを用い、接触媒質5に水を用いて厚さを0.3mmとして行った。送受信器6にはディジタル超音波探傷器を用い、信号処理部7にはパソコンを用いた。試験体は、表皮2およびコア3がアルミのハニカム材である。表皮2の厚さは1.27mmのものを用い、コア3の柱10の間隔は6mm程度のものである。また、剥離を模擬して、接着剤4をある部分だけくり抜いて試験体を作成した。走査機構部8を用いて35mm×25mmの領域を0.2mmピッチで探触子1を走査した。
表皮2の厚さは1.27mmであるので、式(1)でn=2とすると、波長λが1.27mmの場合に多重エコーは強め合う。アルミの音速(縦波の音速)は約6300m/sであるので、探触子1で受信される多重エコーの周波数スペクトルは、4.96MHzでピークを示す特性となる。したがって、周波数5MHzの探触子1がある程度の帯域幅を持っていれば、この多重エコーを十分受信できる。なお式(1)でn=1とすれば波長λが2.54mmとなり、この波長に対応する周波数スペクトルは2.48MHzであるので、周波数2.5MHzの探触子1を用いることも可能であったが、この周波数でφが小さい探触子1が入手困難であったために、実験では5MHzの探触子1を用いた。φが大きいと、空間分解能が劣化してしまう。このように、多重エコーを用いる方法では、種々の条件に応じて式(1)のnの値を選ぶことができるという利点も有する。
図9の右側の(d)の図は、探触子1を励振してから4μs〜5μsの位置にゲートを掛け、ゲート内の最大振幅値を濃淡で表して作成した上面図(Cscan)である。また図9の左側の(a)〜(c)には、Cscanを作成した多重エコーを3例示している。Cscanは、多重エコーのゲート内振幅が大きい程、黒色に近くなるように示している。このCscanの周辺部分では、振幅の大きい部分と小さい部分が周期的に現れている。この周期は、ハニカム材のコア3の柱10の間隔と一致している。すなわち上述したように、コア3の空気の部分に探触子1があるときに多重エコーの振幅が大きくなり、コア3の柱10の部分に探触子1があるときに多重エコーの振幅が小さくなり、このような周期を持つCscanになっている。なお空間分解能が良ければ、振幅の大きい部分が六角形となり、ハニカム材の形状をより反映したCscanとなるが、今回の実験では六角形とはならず円に近い形状となった。
またCscanの中央には振幅の大きい領域が存在している。この領域が、接着剤4をくり抜いた領域である。すなわち上述したように、接着剤4がない領域に探触子1があり、多重エコーの振幅が大きくなり、このようなCscanとなる。
このように、この実施の形態における境界面検査装置を用い、多重エコーの振幅に基づいて検査を行うことにより、波長が表皮2の厚さと同じ程度となる周波数であっても、表皮2の底面状態を求めることができるという効果がある。なお、ゲート内信号の振幅だけを用いて表皮2の底面状態を求めることができる場合は、Cscanを作成しなくても境界面の検査が可能である。例えばある閾値を設け、ゲート内信号の振幅が閾値を越えた場合には表皮2の底面に異常があると判断するような検査装置としてもよい。
以上、ハニカム材の接着剤4が無い領域を対象とした実験結果を示し、この実施の形態における境界面検査装置及び方法を用いることにより、表皮2の底面状態を求めることができることを示した。しかしこの発明では、接着剤4が無い領域だけに限るものではない。表皮2の底面状態が多重エコーの振幅に反映されるものであれば、他の状態も検出可能である。
また、表皮2の底面状態を求める場合の説明を行ったが、多重エコーは表皮2の底面と表面の反射により生じるものであるので、当然のことながら、表皮2の表面状態を求めることができる。
さらに、ここではハニカム材を試験体とした場合について説明したが、この発明はハニカム材だけに限るものではない。試験体の表面および底面の状態が多重エコーの振幅に反映されるものであれば、他の試験体にも適用可能である。
最後に、探触子1について説明を加える。この実施の形態では、探触子1を通常の非破壊検査で用いられる探触子を想定して説明した。しかし、電磁力で超音波を励振するタイプの電磁超音波探触子と呼ばれるものを用いても構わない。この場合、接触媒質5は不要となる。また、空気中に強い強度の超音波を励振できる空中超音波探触子と呼ばれるものを用いても構わない。この場合でも、接触媒質5は不要となる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2における境界面検査装置及び方法について、図10〜図12を参照しながら説明する。実施の形態2では実施の形態1と同様に、ハニカム材の表皮とコアとの接着状態を検査する場合について説明する。なお、本文中で「探触子」と記述するものは、超音波探触子を意味するものである。
図10は、未接着領域に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。図11は、未接着領域に探触子1がある場合に受信される多重エコーの一例を示す。図12は、未接着領域を対象とした実験で得られた多重エコーと、ゲート内信号に基づいて作成したCscanを示す図である。各図中、実施の形態1と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。
この実施の形態2における境界面検査装置の構成は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。実施の形態2では、実施の形態1における表皮2の底面状態として、接着剤4はあるが接着していないという未接着領域を想定する。図10は、未接着領域に探触子1がある場合の多重エコーを説明するための図である。図10の9は、接着剤4とコア3との間にあり両者の接着を妨げる介在物である。
この実施の形態の動作について説明する。実施の形態1と同様に接触媒質5を伝搬した超音波は、表皮2の表面で反射されるが、エネルギーの一部は表皮2内に伝搬する。そして表皮2の底面で反射され、受信される。しかし介在物9があることにより、表皮2の底面による反射は変化し、その変化が多重エコーに反映される。介在物9により表皮2の底面反射が弱くなれば、多重エコーの振幅は小さくなる。逆に介在物9により表皮2の底面反射が強くなれば、多重エコーの振幅は大きくなる。この様子を、図11の(a)と(b)に示す。なお多重エコーが受信される原理は、実施の形態1と同様である。
いずれにせよ、未接着領域に探触子1があると、多重エコーは影響を受ける。したがって探触子1を走査し、実施の形態1と同様に多重エコーにゲートを掛けてCscanを作成すると、図9のCscanの周辺部分に現れた空間的周期性が崩れる。この空間的周期性の崩れを観測することにより、表皮2の底面状態を求めることができる。
介在物9により未接着領域を設けた試験体を作成し、実験を行った。実験結果を図12に示す。実験条件および結果の表示は、図9と同じであり、図12の右側の(d)の図はゲート内の最大振幅値を濃淡で表して作成した上面図(Cscan)、左側の(a)〜(c)はCscanを作成した多重エコーを3例示したものである。図12のCscanの周辺部分では、ゲート内の振幅が大きい部分と小さい部分が周期的に現れている。これは、図9の場合と同様に、コア3の周期である。
一方、図12のCscanでは、中央に振幅の大きい領域がなく、明らかに周期性が崩れている。この領域が未接着領域である。今回の実験では、介在物9により表皮2の底面反射が弱くなった場合の結果が得られている。すなわち上述したように、未接着領域の上に探触子1があり、多重エコーの振幅が小さくなり、このようなCscanとなる。したがって、この実施の形態における境界面検査装置及び方法を用い、多重エコーの空間的周期性の崩れに基づいて検査を行うことにより、波長が表皮2の厚さと同じ程度となる周波数であっても、表皮2の底面状態を求めることができるという効果がある。
以上、未接着領域を対象とした実験結果を示し、この実施の形態における境界面検査装置及び方法を用いることにより、表皮2の底面状態を求めることができることを示した。しかしこの発明では、未接着領域だけに限るものではない。表皮2の底面状態が多重エコーの空間的周期性に反映されるものであれば、他の状態も検出可能である。
また、表皮2の底面状態を求める場合の説明を行ったが、多重エコーは表皮2の底面と表面の反射により生じるものであるので、当然のことながら、表皮2の表面状態を求めることができる。
さらに、ここではハニカム材を試験体とした場合について説明したが、この発明はハニカム材だけに限るものではない。試験体の表面および底面の状態が多重エコーの空間的周期性に反映されるものであれば、他の試験体にも適用可能である。
最後に、探触子1について説明を加える。この実施の形態1と同様に実施の形態2においても、電磁力で超音波を励振するタイプの電磁超音波探触子と呼ばれるものを用いても構わない。また、空気中に強い強度の超音波を励振できる空中超音波探触子と呼ばれるものを用いても構わない。これらの場合、接触媒質5は不要となる。
この発明の実施の形態1による境界面検査装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるコアの空気部分に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。 この発明の実施の形態1におけるコアの空気部分に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるコアの柱部分に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。 この発明の実施の形態1におけるコアの柱部分に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における接着剤が無い領域に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。 この発明の実施の形態1における接着剤が無い領域に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における多重エコーを比較した図である。 この発明の実施の形態1における接着剤が無い領域を対象とした実験で得られた多重エコーと、ゲート内信号に基づいて作成したCscanを示す図である。 この発明の実施の形態2における未接着領域に探触子がある場合の多重エコーを説明するための図である。 この発明の実施の形態2における未接着領域に探触子がある場合に受信される多重エコーの一例を示す図である。 この発明の実施の形態2における未接着領域を対象とした実験で得られた多重エコーと、ゲート内信号に基づいて作成したCscanを示す図である。
符号の説明
1 (超音波)探触子、2 表皮、3 コア、4 接着剤、5 接触媒質、6 送受信器、7 信号処理部、8 走査機構部、9 介在物、10 柱。

Claims (8)

  1. 試験体に対して超音波を送信しかつ前記試験体中を伝搬した超音波を受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を駆動しかつ前記超音波探触子からの電気信号を受信する送受信器と、前記送受信器からの電気信号を処理する信号処理部と、を備え、前記超音波探触子は、前記試験体の2つ以上の境界面における多重反射によって生じた多重エコーを受信し、前記信号処理部は、前記多重エコーに対し前記試験体の境界面の状態が顕著に現れる位置にゲートをかけ、前記ゲート内信号に基づいて前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする境界面検査装置。
  2. 前記超音波探触子は、設定された一定の範囲内を走査する走査機構部に接続され、前記信号処理部は、前記走査機構部からの前記超音波探触子の位置情報と前記多重エコーの前記ゲート内信号に基づいて、前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする請求項1記載の境界面検査装置。
  3. 前記信号処理部は、前記多重エコーの前記ゲート内信号の振幅に基づいて、前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の境界面検査装置。
  4. 前記信号処理部は、前記多重エコーの前記ゲート内信号の空間的周期に基づいて前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする請求項2記載の境界面検査装置。
  5. 超音波探触子によって試験体中に超音波を送信し、前記試験体の2つ以上の境界面における多重反射によって生じた多重エコーを前記超音波探触子で受信し、前記多重エコーに対し、前記試験体の境界面の状態が顕著に現れる位置にゲートをかけ、前記ゲート内信号により前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする境界面検査方法。
  6. 前記超音波探触子が設定された一定の範囲内を走査され、前記超音波探触子の位置情報と前記多重エコーの前記ゲート内信号に基づいて、前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする請求項5記載の境界面検査方法。
  7. 前記多重エコーの前記ゲート内信号の振幅に基づいて、前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする請求項5又は6記載の境界面検査方法。
  8. 前記多重エコーの前記ゲート内信号の空間的周期に基づいて、前記試験体の境界面の性状を求めることを特徴とする請求項6記載の境界面検査方法。
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