JP3188482U - 建物の内装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】マンション等の集合住宅の居室の天井と内壁の仕上げとリフォームを簡単に行なうことができる建物の内装構造を提供する。【解決手段】上階スラブ2の下側に天井パネル3を設置する。天井パネル3の長辺方向の両端部を壁面に取り付けられた受け金物6によって支持する。天井パネル3上面を上階スラブ2の下面に取り付けられたファスナー7aと天井パネルの上面に取り付けられたファスナー7bとからなる面ファスナー7によって固定する。戸堺壁4の内側に壁パネル5を設置する。壁パネル5の上下両端部を壁面に取り付けられた受け金物8に、当該受け金物8に取り付けられたファスナー7aと壁パネル5に取り付けられたファスナー7bとからなる面ファスナー7によって固定する。天井パネル3と壁パネル5はペーパーハニカムパネルから形成する。【選択図】図1
Description
本考案は建物の内装構造に関し、主としてマンション等の集合住宅の居室の天井および内壁の仕上げとリフォームを簡単に行なうことができる。
近年、建物を支える構造躯体(スケルトン)を分譲し、各住戸内の間取りや内装(インフィル)は、購入者がライフスタイルやライフサイクルに合わせ自由に決められる方式の集合住宅(スケルトン方式のマンション)が注目されている。また、マンション等の集合住宅のリフォームも多く、特に老朽化した分譲マンション、さらに賃貸マンションにいたっては入居者が入れ替わるごとにリフォームを必要とする場合が多い。
従来、マンション等の集合住宅の居室の天井は、上階スラブの下側に吊り木または吊りボルトを用いて天上下地を吊り上げ、これにしっくいやプラスター等を塗るか、あるいは布やビニールクロス等を貼り付けることにより仕上げられている。
また、壁はボード類を打ち付けて仕上げの下地とし、これに天井と同様にしっくいやプラスター等を塗るか、あるいは布やビニールクロス等を貼り付けることにより仕上げられている。
しかし、上述するような天井と壁の仕上げは、リフォームも含めて素人の手では無理であり、専門業者に依頼する必要があった。また、完成するまで一定の日数を必要とし、しかも完成後に多くの廃材が発生してその処理に費用が嵩む等の課題があった。また特に、吊り天井による仕上げは天井が低くなるという課題があった。
本考案は、以上の課題を解決するためになされたもので、主としてマンション等の集合住宅の居室の天井と内壁の仕上げとリフォームを素人の手でも簡単に行なえるようにした建物の内装構造を提供することを目的とする。
本考案は、マンション等の集合住宅の居室の天井および壁の仕上げとリフォームを素人でも簡単に行なえるようにしたものであり、天井は上階スラブの下側に天井パネルを設置し、当該天井パネルの長辺方向の両端部を壁面に取り付けられた受け金物によって支持し、かつ上面を上階スラブの下面に取り付けられたファスナーと天井パネルの上面に取り付けられたファスナーとからなる面ファスナーによって固定することにより仕上げ、また壁は壁体の内側に壁パネルを設置し、当該壁パネルの上下両端部を壁面に取り付けられた受け金物に取り付けられたファスナーと壁パネルに取り付けられたファスナーとからなる面ファスナーによって固定して仕上げることで可能にしている。
特に、天井パネルと壁パネルには超軽量なペーパーハニカムパネルを使用することにより面ファスナーでも上階スラブの下面と壁面に確実に固定することができる。また、上階スラブの下面と天井パネルとの間、および壁面と壁パネルとの間に受け金物と面ファスナーが介在されることにより、天井パネルと壁面パネルの裏側に屋内配線用の空間を確保することができ、かつパネル取付け面の不陸を吸収することができる。
さらに、上階スラブの下側に突出した梁の外周に取り付けられる天井パネルは、梁の外形に対応してL型状または溝型状に形成され、また戸境壁または間仕切り壁の壁面に突出した柱の外周に取り付けられる壁パネルは、柱の外形に対応してL型状または溝型状に形成されていることにより、梁周りおよび柱周りのパネルの取り付けも簡単に行なうことができる。
また、受け金物はパネルごとに設置されるピース状に形成されたもの、あるいは複数のパネル間に跨って設置されるライナー状に形成されたもののいずれでよい。
また、壁パネルの上端部を受ける受け金物は、天井パネルの長辺方向の端部を支持する受け金物と兼用させることができる。さらに、壁パネルの上下両端部を受ける受け金物は、同じ形状とすることで互いに互換性を持たせることができる。
本考案によれば、面ファスナーと受け金物のみで天井パネルと壁パネルを設置することが可能なことにより、特にマンション等の集合住宅の居室の天井と内壁の仕上げをリフォームも含めて素人でもきわめて簡単に行うことができる。また特に、上階スラブの下面に天井パネルを面ファスナーによって直接固定するため、吊り天井のように天井が低くなることもない。
図1〜4は、本考案の一実施形態を図示したものであり、図において、マンション等の集合住宅の居室1の上階スラブ2の下側に複数の天井パネル3が設置され、また戸堺壁(または間仕切り壁)4の内側に複数の壁パネル5が設置されている。
天井パネル3と壁パネル5にはペーパーハニカムパネルが使用されている。ペーパーハニカムパネルはペーパーハニカム構造の芯材の両面に木製または樹脂製の表面パネルを接着することにより形成され、構造上、上下方向の圧力に特に強く、またきわめて軽量でかつ圧力や温度・湿度変化などによる反りに対しても強力な耐性を有している。また、加工しやすく断熱効果も大きい。
また、天井パネル3と壁パネル5には一般に、300(長辺)cm×60(短辺)cm×2(厚)cm程度大に形成されたものが使用されているが、必ずしもこの寸法に限定されるわけではなく、居室の広さによって最適寸法のパネルを入手することができる。
また、天井パネル3と壁パネル5は、住戸の広さに応じて幅方向に互いに突き合わせて複数設置され、各天井パネル3の長辺方向の両端は戸堺壁(または間仕切り壁)4の壁面にくぎ等によって止め付けられた受け金物6によって支持されている。
また、各天井パネル3の中央は上階スラブ2の下面に面ファスナー7によって固定され、さらに隣接する天井パネル3,3間は、例えば図2(a)に図示するような合じゃくり目透かし継ぎ等によって接合されている。
面ファスナー7は、上階スラブ2の下面に取り付けられたファスナー7aと天井パネル3の上面に取り付けられたファスナー7bとから構成され、ファスナー7aにファスナー7bを押し付けることにより、ファスナー7aにファスナー7bが接着して天井パネル3の中央が上階スラブ2に固定されている。
各壁パネル5の上端は、受け金物6に面ファスナー7によって固定され、下端部は戸堺壁(または間仕切り壁)4の壁面にくぎ等によって止め付けられた受け金物8に面ファスナー7によって固定されている。
受け金物6と受け金物8は共にL字形状に形成され、受け金物6は戸堺壁(間仕切り壁)4の壁面に逆L字状に添え付けられ、壁面に添え付けられた垂直フランジ6aを壁面にくぎ等によって止め付けることにより固定されている。また、受け金物8は壁面にL字状に添え付けられ、壁面に添え付けられた垂直フランジ8aを壁面にくぎ等によって止め付けることにより固定されている。
そして、受け金物6の水平フランジ6bの上に天井パネル3の長辺方向の端部が載置されている。また、受け金物6の垂直フランジ6aに壁パネル5の上端部が面ファスナー7によって固定され、受け金物8の垂直フランジ8aに壁パネル5の下端部が面ファスナー7によって固定されている。
この場合の面ファスナー7は、受け金物6の垂直フランジ6aおよび受け金物8の垂直フランジ8aに取り付けられたファスナー7aと壁パネル5の上下両端部に取り付けられたファスナー7bとから構成され、ファスナー7aにファスナー7bを押し付けることにより、壁パネル3の上下両端部が壁4に固定されている。
なお、受け金物6は、ピース状に形成されたものが天井パネル3ごとに天井パネル3の幅方向に一個または複数個取り付けられていてもよく、またライナー状に形成されたものが隣接する複数の天井パネル3,3間に跨って取り付けられていてもよい。
また、受け金物8も、受け金物6と同様にピース状に形成されたものが壁パネル5ごとに壁パネル5の幅方向に一個または複数個取り付けられていてもよく、またライナー状に形成されたものが隣接する複数の壁パネル5,5間に跨って取り付けられていてもよい。さらに、受け金物6と受け金物8は同一形状、同一寸法に形成され、互いに互換性を有している。
面ファスナー7は、もっとも一般的なものとしてフック状に起毛された側のファスナー7aとループ状に起毛された側のファスナー7bとを押し付けるだけで貼り付くように形成されており、貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできるものである。
そして、フック状に起毛された側とループ状に起毛された側の一方が上階スラブ2の下面と受け金物6および8のフランジに、他方が天井パネル3と壁パネル5に接着材などによってそれぞれ貼着されている。
このような構成により、天井パネル3と壁パネル5の取り付けと張替えを自在に行なうことができる。また、上階スラブ2と天井スラブ3との間、戸堺壁(間仕切り壁)4と壁パネル5との間には、受け金物6および8と面ファスナー7によって一定の空間9が形成されており、このためこの空間9を屋内配線または屋内配管を通すためのスペースとして利用することができる。
図3(a),(b)は、特に上階スラブ2の下側に突出した梁10の周囲に設置された天井パネルを図示したものである。このうち、図3(a)は、壁際部分に突出した梁10の周囲に設置された天井パネルを図示したものであり、天井パネル11は梁10の外形に対応してL字形状に一体に形成されている。
また、図3(b)は居室の中央に突出した梁10の周囲に設置された天井パネルを図示したものであり、天井パネル11は梁10の外形に対応して溝形状に一体に形成されている。
さらに、図4は居室の隅部に突出した柱12の周囲に設置された壁パネルを図示したものであり、壁パネル13は柱12の外形に対応してL字形状に一体に形成されている。いずれの場合も、パネルが梁10および柱12の外形に対応してL字形状または溝形状に形成されていることにより、取付けと取り換えを簡単に行うことができる。
図5(a),(b)は、壁際の天井に設置された間接照明を図示したものであり、いずれの間接照明も、天井パネル11にメンファスナー7によって間接照明形成パネル14を取り付け、当該間接照明形成ハネル14のみまたは当該間接照明形成パネル14と天井パネル11とによって真上に開口する溝形状に形成された照明器具設置部14a内に照明器具15を設置することにより形成されている。
なお、間接照明形成パネル14は、天井パネル3および壁パネル5と同様にペーパーハニカムパネルからL字形状または溝形状に形成されている。
本考案は、マンション等の集合住宅の居室の天井および壁の仕上げとリフォームを素人でもきわめて簡単に行なうことができる。
1 居室
2 上階スラブ
3 天井パネル
4 戸堺壁(または間仕切り壁)
5 壁パネル
6 受け金物
7 面ファスナー
8 受け金物
9 空間
10 梁
11 天井パネル
12 柱
13 壁パネル
14 間接照明形成パネル
14a 照明器具設置部
15 照明器具
2 上階スラブ
3 天井パネル
4 戸堺壁(または間仕切り壁)
5 壁パネル
6 受け金物
7 面ファスナー
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10 梁
11 天井パネル
12 柱
13 壁パネル
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14a 照明器具設置部
15 照明器具
Claims (7)
- 上階スラブの下側に天井パネルを設置し、当該天井パネルの長辺方向の両端部を壁面に取り付けられた受け金物によって支持し、かつ上面を上階スラブの下面に取り付けられたファスナーと天井パネルの上面に取り付けられたファスナーとからなる面ファスナーによって固定することにより構成されていることを特徴とする建物の内装構造。
- 請求項1記載の建物の内装構造において、壁体の内側に壁パネルを設置し、当該壁パネルの上下両端部を壁面に取り付けられた受け金物に取り付けられたファスナーと壁パネルに取り付けられたファスナーとからなる面ファスナーよって固定することにより構成されていることを特徴とする建物の内装構造。
- 請求項1または2記載の建物の内装構造において、天井パネルと壁パネルはペーパーハニカムパネルから形成されていることを特徴とする建物の内装構造。
- 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の建物の内装構造において、受け金物はL字形状に形成されていることを特徴とする建物の内装構造。
- 請求項1〜4のいずれかひとつに記載の建物の内装構造において、上階スラブの下側に突出した梁の外周に取り付けられた天井パネルは、梁の外形に対応してL型状または溝型状に形成されていることを特徴とする建物の内装構造。
- 請求項1〜5のいずれかひとつに記載の建物の内装構造において、壁体の側部に突出した柱の外周に取り付けられた壁パネルは、柱の外形に対応してL型状または溝型状に形成されていることを特徴とする建物の内装構造。
- 請求項1〜6のいずれかひとつに記載の建物の内装構造において、壁際の天井部分に間接照明形成パネルが天井パネルに取り付けられたファスナーと間接照明形成パネルに取り付けられたファスナーとからなる面ファスナーによって取り付けられていることを特徴とする建物の内装構造。
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