JP3188372B2 - 汚泥の可溶化方法 - Google Patents

汚泥の可溶化方法

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JP3188372B2
JP3188372B2 JP05081795A JP5081795A JP3188372B2 JP 3188372 B2 JP3188372 B2 JP 3188372B2 JP 05081795 A JP05081795 A JP 05081795A JP 5081795 A JP5081795 A JP 5081795A JP 3188372 B2 JP3188372 B2 JP 3188372B2
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temperature
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digestion
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雅彦 三浦
進 長谷川
健治 桂
英樹 横山
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神鋼パンテツク株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機性汚泥、例えば、
下水処理場、屎尿処理場などの下水処理プロセスから排
出される生汚泥及び生物性汚泥、食品工場、化学工場な
どの排水処理プロセスなどのから排出される有機性高濃
度汚泥を生物消化により処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の有機性汚泥の処理方
法として、好気性消化法、嫌気性メタン発酵法などの好
気性又は嫌気性の微生物分解により、有機性汚泥の有機
成分を生物消化して、有機物を炭酸ガス、メタンガスな
どのガス成分とするとともに、生物消化により生じた微
生物バイオマス(微生物菌体が主体)ならびに未処理の
残存汚泥からなる余剰汚泥を含んだ処理汚泥を、沈殿槽
などで固液分離することにより、処理水は適宜排水され
る一方、余剰汚泥は、通常、陸地または海洋に投棄する
ことによって処理されている。しかしながら、このよう
な余剰汚泥を投棄することは、環境破壊にもつながるこ
とになるため、地球環境保護が認識される昨今において
は、ほとんど禁止されるようになっているのが実情であ
る。
【0003】このため、国際公開番号WO93/04988(特表
平6-509986号)においては、汚泥を40℃〜105 ℃の範囲
の高温条件、及び10℃〜50℃の範囲の中温条件に交互に
且つ循環式で曝すことによって、各段階で生じた懸濁固
形物(SS)が、次の段階で消化されやすく、かつ次の段階
のための代謝基質を形成し易く、これにより、汚泥を生
物学的に酸化分解して、汚泥を減容化する技術が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、国際公開番
号WO93/04988(特表平6-509986号)に開示されている方
法においては、高温槽の温度条件を40〜105 ℃、好まし
くは70〜90℃、より好ましくは80℃としている。しかし
ながら、高温槽の最適温度は、その高温処理対象である
汚泥に含まれる好熱菌の分離源、すなわち、好熱菌の種
類によって異なるものであり、例えば、下水余剰汚泥か
ら分離した好熱菌は、国際公開番号WO93/04988(特表平
6-509986号)に開示されている80℃の温度条件では著し
く活性が低下するために、下水汚泥を処理しようとした
場合に、十分な汚泥の微生物(好熱菌)による酸化分解
効果を期待することができなかった。
【0005】一方、この高温処理においては、その高温
による汚泥の物理化学的な熱変成も生じているものであ
り、下水余剰汚泥を処理しようとする場合には、この双
方の作用、すなわち、微生物による酸化分解反応と熱に
よる物理化学的な熱変成の両作用が同時に効率良く十分
に生じうるように、高温条件における温度、pHなどの諸
条件の設定が重要なファクターとなる。このことは、国
際公開番号WO93/04988(特表平6-509986号)においては
何ら認識されていない。
【0006】従って、本発明は、このような実情に鑑み
て、下水余剰汚泥を処理しようとした場合に、下水余剰
汚泥に含まれる微生物(好熱菌)による酸化分解反応と
熱による物理化学的な熱変成の両作用が同時に効率良く
十分に生じ、汚泥を生物学的に酸化分解して、汚泥を極
めて減容化できる汚泥の消化処理方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る汚泥の可溶
化方法は、前述した課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、下記の(1)〜(3)をその要
旨とするものである。
【0008】(1)有機質を含む余剰汚泥または生汚泥
可溶化する方法であって、高温条件の消化処理及び中
温条件の消化処理交互に生物学的に消化処理する工程
が実施され前記高温条件の消化処理を、生物消化と熱
変成の双方を促進するために、60〜70℃の温度範囲とな
るような条件で操作して汚泥中の固形成分を可溶化する
ことを特徴とする汚泥の可溶化方法。
【0009】(2)前記処理汚泥が下水余剰汚泥である
ことを特徴とする前述の(1)に記載の汚泥の可溶化
法。
【0010】(3)前記高温条件の消化処理を、好熱菌
生育の至適pHであるpH6〜8の条件で操作することを特徴
とする前述の(1)又は(2)に記載の汚泥の可溶化
法。
【0011】本発明では、下水余剰汚泥を処理しようと
する場合に、微生物(好熱菌)による酸化分解反応と熱
による物理化学的な熱変成の両作用が同時に効率良く十
分に生じうるように、高温条件における温度汚泥を60℃
〜70℃の範囲、好ましくは70℃の範囲で操作するように
する。また、この場合、そのpHとしては、pHが6 〜8の
条件で操作するのが好ましい。なお、pH値が上記範囲外
となる場合には、酸またはアルカリを添加してpH値を適
性範囲内となるように調整する。
【0012】そして、この高温条件、及び10℃〜50℃の
範囲、好ましくは30〜50℃の中温条件に交互に且つ循環
式で曝すことによって、前段階で生じた微生物バイオマ
スが不活性化するのに十分な温度変化を受けて、それに
よって、各段階で生じた懸濁固形物(SS)が、次の段階で
消化されやすく、かつ次の段階のための代謝基質を形成
し易く、これにより、汚泥を生物学的に酸化分解して、
汚泥を減容化することができる。
【0013】また、高温条件、中温条件においては、好
気方式でも嫌気方式のいずれの方法でも操作可能であ
り、好気性方式では、「生物酸化」によって、有機物は
二酸化炭素に分解され、嫌気性方式では、メタン生成分
解反応が起こるものである。
【0014】さらに、高温条件、中温条件において用い
られる反応槽の構造としては、特に限定されるものでは
なく、要するに、好気性方式のものでは、散気装置が反
応槽に具備してなるものであれば使用可能であり、散気
装置を除けば、嫌気性消化法にも適用可能であり、嫌気
性方式のものでは、撹拌機若しくは活性微生物固定手段
を有するなど、活性微生物と処理対象汚泥とを効率的に
接触させる手段を具備したものであれば使用可能であ
る。なお、この場合、反応槽としては、バッチ式でも、
連続方式の何れも使用可能である。
【0015】
【実施例】実施例1 図4に示したように、直径150mm 、有効容積10L の熱媒
を循環させるジャケット方式のステンレス製の円筒型反
応槽10で下水の余剰汚泥を処理した。
【0016】高温温度制御装置12を用いて高温槽は80℃
に、中温温度制御装置14を用いて中温は37℃とし、高温
−中温を2回(T1→M1→T2→M2)繰り返した。運転は回
分式で行い、最初の高温槽には、処理対照汚泥4L、種汚
泥2L、及び返送汚泥4Lを投入した。各槽の運転時間は2
日とし、各槽運転終了時に、種汚泥2Lを採取し(番号16
〜19)、温度を変化させた後、次の工程の種汚泥を添加
した。高温→中温→高温→中温処理の後、処理液を1日
静置し、上澄み4Lを処理水として除去し、残液を返送汚
泥とした。
【0017】以上の工程を6回以上繰り返し、ほぼ処理
が安定した高温槽より汚泥混合液0.5mL を採取し、処理
対照汚泥の上澄み滅菌液100mL に接種し、種々の温度で
振とう培養した。その結果を図1に示した。なお、縦軸
は、波長600nm における吸光度を示しており、換言すれ
ば、液の濁度から換算した菌の増殖量を示すものであ
る。図1の結果からすれば、下水余剰汚泥を好熱菌の採
取源とした場合は、80℃ではほとんど増殖せず、最適生
育温度が60〜70℃にあることがわかる。
【0018】一方、図2は、下水余剰汚泥を各温度で30
分加熱したものであり、汚泥の熱による分解特性(可溶
化率)を示している。図2から明らかなように、熱によ
る分解は、60℃までは温度の上昇とともに分解率(可溶
化率)が大きく上昇するが、60〜100 ℃では、温度が高
くなるほど分解率(可溶化率)は上昇するもののほぼ同
程度の分解率(可溶化率)である。
【0019】また、図3は、下水余剰汚泥について、各
pHにおける菌の増殖量を示すグラフである。図3より、
pH6〜8において菌の増殖量がピークを示していること
がわかる。
【0020】従って、図1〜図3の結果から、下水余剰
汚泥を処理する場合には、60〜70℃、好ましくは70℃、
pH6 〜8 で高温槽を運転するのが、好熱菌の増殖にとっ
ても、熱分解にとっても最適であることがわかる。
【0021】この結果に基づいて、上述の回分試験を高
温槽を70℃で運転した結果を下記の表1に示した。な
お、この場合、 pHは6.5 〜7.5 であったためpH調整は実
施しなかった。この表1の結果からしても、高温槽を従
来の80℃から70℃に設定することによって、従来と比較
して極めて顕著に汚泥の消化効率を上昇できることがわ
かる。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】高温槽の最適温度は、その高温処理対象
である汚泥に含まれる好熱菌の分離源、すなわち、好熱
菌の種類によって異なるものであり、下水余剰汚泥から
分離した好熱菌は、従来の80℃の温度条件では著しく活
性が低下し、熱による物理化学的な熱変成も同時に大き
くないために、下水汚泥を処理しようとした場合に、十
分な汚泥の微生物(好熱菌)による酸化分解効果を期待
することができなかった。
【0024】これに対して、本発明のように、下水余剰
汚泥を処理する場合に、60〜70℃、好ましくは70℃、pH
6 〜8 で高温槽を運転することによって、下水余剰汚泥
に含まれる微生物(好熱菌)による酸化分解反応と熱に
よる物理化学的な熱変成の両作用が同時に効率良く十分
に生じ、汚泥を生物学的に酸化分解して、汚泥を極めて
減容化できる汚泥の消化処理方法を提供できる。換言す
れば、高温槽を従来の80℃に代えて70℃に設定し、しか
も最適pH値であるpH6 〜8 で高温槽を運転することが、
好熱菌の増殖にとっても、熱分解にとっても最適であ
り、しかも、昇温或いは温度維持に要するエネルギーも
低減できるものであり、その結果、従来と比較して極め
て顕著に汚泥の消化効率を上昇できるものである。
【0025】また、本発明は、下水余剰汚泥に適用する
ことを基本とするが、勿論、他の下水生汚泥、生物性汚
泥、食品工場排水、化学工場排水の処理にも使用可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、温度と菌の増殖量との関係を示すグラ
フである。
【図2】図2は、温度と可溶化率の関係を示すグラフで
ある。
【図3】図3は、pH値と菌の増殖量との関係を示すグラ
フである。
【図4】図4は、本発明の実施例に用いた汚泥の消化装
置の概略図である。
【符号の説明】
10…円筒型反応槽 12…高温温度制御装置 14…中温温度制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 英樹 兵庫県神戸市須磨区南落合1丁目13−7 292号室 (56)参考文献 特開 平5−23653(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質を含む余剰汚泥または生汚泥を
    溶化する方法であって、高温条件の消化処理及び中温条
    件の消化処理交互に生物学的に消化処理する工程が実
    施され前記 高温条件の消化処理を、生物消化と熱変成の双方を
    促進するために、60〜70℃の温度範囲となるような条件
    で操作して汚泥中の固形成分を可溶化することを特徴と
    する汚泥の可溶化方法。
  2. 【請求項2】 前記処理汚泥が下水余剰汚泥であること
    を特徴とする請求項1に記載の汚泥の可溶化方法。
  3. 【請求項3】 前記高温条件の消化処理を、好熱菌生育
    の至適pHであるpH6〜8の条件で操作することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の汚泥の可溶化方法。
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