以下、本考案に係る包装装置の一実施形態を説明する。この包装装置の特徴的な構成の一つは、その全体構成にある。すなわち、被包装物を上流側から下流側へ搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアに向けて供給される長尺状のフィルムの供給位置を調整するフィルム調整ローラと、搬送コンベアに向けて供給されたフィルムを筒状に形成するホーマと、ホーマによって筒状にされたフィルムの両縁部を溶着して筒状のフィルムとする縦シール装置と、筒状のフィルムの内部に供給された被包装物を、被包装物ごとに個装すべく、フィルムをその幅方向で、所定間隔置きに挟んで溶着する横シール装置と、を備え、フィルム調整ローラおよびホーマが、搬送コンベアに対して搬送方向上流側に配置され、縦シール装置および横シール装置がフィルム調整ローラおよびホーマに対して搬送方向下流側に配置され、搬送コンベア、フィルム調整ローラ、ホーマ、縦シール装置、および横シール装置が、搬送コンベアに対して搬送方向下流側、且つ下方側に配置されてフィルムの幅方向に平行な方向に沿う軸体の軸心回りに回動可能とされている。
また、包装装置の別の特徴として、横シール装置の構成がある。すなわち筒状のフィルムをその搬送方向と交差する幅方向で挟んで加熱してフィルムに横シールを形成することで、被包装物を個装した包装体を形成するための横シール装置であって、互いに同期して所定の軌跡を駆動するよう構成されるとともに、フィルムに対向してフィルムを挟む一対の横シーラを備え、各横シーラは、先端部がフィルムを幅方向に亘って挟んで加熱するフィルム加熱部を備え、少なくとも一方の横シーラは、そのフィルム加熱部におけるフィルム搬送方向の上流側および下流側に、フィルムの搬送方向において接近離間可能に構成された一対の接近離間部材を備え、一対の接近離間部材は、それぞれフィルム加熱部の基端部に形成された被案内面を支持する案内面を備え、一対の接近離間部材が接近離間することで、フィルム加熱部が高さ方向に移動案内される。
さらに、別の特徴として、包装装置は、被包装物を包装するためのフィルムを、被包装物を上流側から下流側へ搬送する搬送コンベアに供給するフィルム供給部を備え、フィルム供給部は、搬送コンベアの下方に配置されるとともに、フィルムを巻回したフィルムロールを軸心回りに回転可能に支持するロール支持体を備え、搬送コンベアは、被包装物の搬送方向下流側において、搬送方向に直交する方向の支持部材によって支持されている。
以下、図面を参照しつつ、包装装置の具体的な構成を説明する。本実施形態において、搬送方向上流側(以下、単に上流側と称する)とは、被包装物が搬送コンベアに供給される側であり、搬送方向下流側(以下、単に下流側と称する)とは、被包装物が搬送コンベアから送出される側である。前後方向とは、搬送方向に直交する方向である。
図1ないし図3に示すように、包装装置1は、載置台2と、フィルムホルダ3と、ガイドローラ部4と、フィルム調整部5と、ホーマ6と、搬送コンベア7と、縦シール装置8と、横シール装置9とを備えている。
フィルムホルダ3は、包装用フィルム(以下、単に「フィルム」と称する)10を巻回したフィルムロール11から、フィルム10にテンションを付与するようにして、フィルム10を自動的に導出する部分である。ガイドローラ部4は、フィルムロール11から導出されたフィルム10を、フィルム調整部5を介してホーマ6に向けて案内する部分である。フィルム調整部5は、ホーマ6へ供給するフィルム10の供給位置を調整する部分である。ホーマ6は、搬送コンベア7に向けて供給されたフィルム10を筒状に形成する部分である。
搬送コンベア7は、被包装物を載置して上流側から下流側へ搬送する部分である。縦シール装置8は、ホーマ6によって筒状に形造られたフィルム10の端辺部にシールをすることで、フィルム10を長尺状の筒状に完成させる部分である。横シール装置9は、フィルム10の内部に供給された被包装物を、被包装物ごとに個装すべく、フィルム10をその長手方向に対して直交する方向、すなわちフィルム10の幅方向で、所定間隔置きに挟んで溶着する部分である。
これら構成部分において、フィルム調整部5およびホーマ6は、搬送コンベア7に対して上流側に配置され、縦シール装置8および横シール装置9は搬送コンベア7に対して下流側に配置されている。搬送コンベア7、フィルム調整部5、ホーマ6、縦シール装置8、および横シール装置9は、全体として一つの全体組品とされている(一体的に扱うことができる)。さらに、全体組品は、搬送コンベア7の下流側部、縦シール装置8の下流側部、および横シール装置9の上流側部を支持する(着脱自在に固定する)基準支持部材12を備えている。基準支持部材12は、前後方向に沿った箱状に形成されている。
そして、この全体組品が、搬送コンベア7に対して下流側、且つ下方側に配置されて搬送方向に直交する方向(前後方向であり、フィルム10の幅方向)に沿って配置された軸体13の軸心回りに回動可能とされている。なお、フィルムホルダ3およびガイドローラ部4は、全体組品が軸体13の軸心回りに回動しても回動せず、後述する載置台2に支持されたままである。
軸体13の長手方向途中(長手方向略中心)に、ウオームホイール14が軸体13の軸心回りに回転(回動)可能に、軸体13に固定されている。そして、ウオームホイール14が軸心回りに回転することにより、ウオームホイール14とともに、全体組品が軸体13の軸心回りに回転可能とされている。
ウオームホイール14を軸心回りに回転駆動させるウオームギヤ15が設けられている。図示しないが、ウオームギヤ15を縦方向の軸心回りに回転させる駆動モータが設けられている。ウオームギヤ15は、載置台2に垂直方向に立設されたギヤ軸16の上端部に配置され、ウオームホイール14に下流側で噛合するものである。ウオームホイール14の回転量は、一例として、搬送コンベア7の搬送面7aが、水平に沿う姿勢から、図1において時計方向に45°だけ回動する(図2参照)間で、回動あるいは停止可能に構成されている。これは駆動モータの駆動量によって制御される。
上記構成において、ウオームギヤ15の回転によってウオームホイール14は軸心回りに回転駆動し、全体組品が、ウオームホイール14の回転駆動とともに軸体13の軸心回りに回動する。すなわち、本実施形態の包装装置1では、搬送コンベア7を、下流側が下傾斜するようにして使用することができる。もちろん、搬送コンベア7を水平な姿勢で使用することもできる。
搬送コンベア7を、下流側が下傾斜するようにして使用することにより、被包装物の種類によって発生した被包装物の欠片はフィルム10内で搬送コンベア7の傾斜に沿って落下し、下方にある被包装物の上部に至ることで、横シール装置9におけるシール位置にないから、横シール装置9でのシールの精度の低下が抑制される。
また、ウオームギヤ15の回転によってウオームホイール14は軸心回りに回転駆動し、全体組品はウオームホイール14の回転駆動とともに軸心回りに回動し、ウオームギヤ15とウオームホイール14の噛合によって、ストッパの機能を奏し、搬送コンベア7が重力によって水平姿勢に戻るのが抑制される。さらに、ウオームホイール14は軸体13の長手方向の略中心に配置されていることで、作業者の作業の邪魔になりにくいという利点もある。
ここで、載置台2の説明をする。載置台2は、図3に示すように、四方に向けて組付けた矩形状のフレーム部材17,17と、フレーム部材17,17の間に取付けられる底台18、支持部19(図1、図2参照)とを備えている。本実施形態における包装装置1を構成する他の構成部分は、載置台2に直接的または間接的に載置されている。
図4に示すように、支持部19は、底台18の下流側上面の前後方向寄りに立設された一対の支持脚20と、支持脚20の上部どうしに前後方向で渡された支持ビーム21とを備える。支持部19は、支持ビーム21の前後方向略中心部に、支持ビーム21に一体的に形成された連結ブラケット22をさらに備える。
軸体13は、各支持脚20の上面に固定された保持軸部23と、各保持軸部23において前後方向の対向部に回転自在に嵌合する主軸24とを備えている。そしてウオームホイール14は、主軸24に取付けられている(図4参照)。
連結ブラケット22は、主軸24から上流側へ突出するよう設けられ、連結ブラケット22の上部に基準支持部材12が一体的に設けられている。
図4〜6に示すように、基準支持部材12は、上流側の上流側壁25を備え、上流側壁25には縦シール装置8が取付けられる前後一対の取付アーム26を備えている。取付アーム26は、上流側壁25の上部にあって、上流側へ向けて突出するよう形成されている。基準支持部材12は、下流側にあって横シール装置9が取付けられる下流側壁27をさらに備える。また、上流側壁25の上流側の下部にあって、上流側へ向けて延設されるコンベア取付アーム28を備えている。
ここで、フィルムホルダ3の説明をする。図7〜図10に示すように、フィルムホルダ3は、載置台2の上流側寄りに配置されている。フィルムホルダ3は、回動台30と、支持台31と、フィルム支持部32と、ホルダ部33とを備える。
回動台30は、搬送方向を長手方向とし、載置台2に垂直方向に立設された回動中心軸34回りに、軸受を介して水平面内で回動可能に支持されている。
支持台31は、搬送方向を長手方向とし、回動台30に前後方向のレール35を介して水平に取付けられている。
この構成によれば、回動台30および支持台31が回動中心軸34回りに水平面内で回動自在であるとともに、支持台31は回動台30に対して、レール35に沿って移動できる。回動台30および支持台31の回動角度(回動範囲)は、例えば、搬送方向に沿う方向に対し、平面視して前後方向に90°に設定されている(図10参照)。なお、図示しないが、回動台30および支持台31の回動角度を制限するストッパが設けられている。
フィルム支持部32は、フィルムロール11を支持する部分で、支持台31の上流側に配置されている。フィルム支持部32は、フィルムロール11をその軸心方向両側で支持可能とするとともに、フィルムロール11を軸心回りに回転可能に支持する一対のロール支持体36と、ロール支持体36どうしを前後方向で接近離間させる手段と、フィルムロール11を下方で支持するロール受け37と、ロール受け37を昇降させる手段とを備えている。
ロール支持体36は、平面視(側面視)して円錐台形状に形成されており、フィルムロール11の中心軸筒の中心部を前後方向から挟持するものである。ロール支持体36は互いに同じ高さにある。ロール支持体36どうしを接近離間可能とする手段として、ロール支持体36を保持する保持体38が非回転に螺合する前後方向を長手方向とする螺子軸39と、螺子軸39を回転させるためのハンドル40と、保持体38の下部が嵌合し螺子軸39の回転に伴って保持体38を前後方向に案内するレール41とを備える。
ロール受け37を昇降させる手段として、ロール受け37が支持された昇降台42と、昇降台42を昇降操作するための昇降レバー43と、昇降レバー43と昇降台42を連結するリンク機構部44と、ロール受け37の下部に垂下した被案内杆45を昇降自在に案内する案内支持部46とを備える。なお、フィルム支持部32は、フィルムロール11から導出されたフィルム10を、ガイドローラ部4側へ案内するローラ46Aを備える。
上記構成において、ハンドル40を一方向に回転させると、螺子軸39が一方向に回転し、保持体38がレール41に案内されて、ロール支持体36どうしが前後方向で離間する。ロール支持体36どうしを、フィルムロール11の軸心方向長さよりも離間させることで、ロール支持体36でフィルムロール11を挟持可能となる。
また、昇降レバー43を引き上げることで、リンク機構部44を介して昇降台42が下降し(被案内杆45が案内支持部46に案内され)、昇降台42を下降させた状態でフィルムロール11をロール受け37に載置し、昇降レバー43を押し下げることで、リンク機構部44を介してロール受け37(昇降台42)が上昇して固定される。そして、ロール受け37の上昇位置が、フィルムロール11の径に対応して設定されていることで、ロール受け37を上昇させると、ロール支持体36の中心が、交換したフィルムロール11の中心軸筒の中心に略一致した状態となる。
このようにした後に、ハンドル40を他方向に回転させると、螺子軸39が他方向に回転し、保持体38がレール41に案内されて、ロール支持体36どうしが前後方向で接近し、ロール支持体36の先端部がフィルムロール11の中心軸筒に前後方向から嵌合してロール支持体36を前後方向で挟持する。その後、再び、昇降レバー43を引き上げ、ロール受け37を下降させて、ロール受け37をフィルムロール11から離脱させる。このようにすることで、フィルムロール11からフィルム10を導出する(引き出す)ことができる。
図7および図8に示すように、ホルダ部33は、レール48と、走行台49と、押圧部50と、押圧シリンダ51とを備える。レール48は一対で設けられ、支持台31の上面に搬送方向に沿って互いに平行に敷設されている。走行台49は、レール48に、搬送方向(上流側および下流側)に往復移動自在に案内されるよう構成されている。走行台49には、後述する被操作用の支柱壁53が立設されている。押圧部50は、フィルムロール11の外周面に当接してフィルムロール11をその軸心回りに回転させるよう構成されている。
押圧部50は、上下一対の繰出しローラ54と、一個の繰出しテンションローラ55と、繰出しベルト56と、テンションばね57と、繰出し駆動モータ58とを備える。繰出しローラ54は、走行台49の上部に、前後方向に沿う軸心回りに回転可能とされている。繰出しテンションローラ55は走行台49に支持され、繰出しローラ54の下流側に、繰出しローラ54と平行に配置されている。繰出しテンションローラ55は、繰出しテンションローラ55を走行台49に、搬送方向に沿って往復移動可能とする案内部59を介して、走行台49に支持されている。この案内部59は、走行台49に設けられている。
繰出しローラ54および繰出しテンションローラ55は、略同一の軸心方向長さを備えている。繰出しベルト56は、エンドレス型であり、繰出しローラ54および繰出しテンションローラ55と略同一の軸心方向長さを備えている。繰出しローラ54および繰出しテンションローラ55に巻き掛けられている。繰出しベルト56は合成ゴム等の弾性体で形成されている。テンションばね57は、繰出しテンションローラ55を案内部59において下流側に付勢するものである。換言すれば、繰出しベルト56は、テンションばね57の弾性によって、繰出しローラ54および繰出しテンションローラ55に巻き掛けられた状態で張られ、繰出しローラ54の間の領域が、フィルムロール11の外周面に当接する部分である。
繰出し駆動モータ58は、その出力軸60を走行台49の前後方向一方寄りに配置され、出力軸60に取付けたプーリ61と一方の繰出しローラ54とに駆動ベルト62が巻き掛けられている。押圧シリンダ51は、支持台31の下流側に、取付部材63を介して載置され、搬送方向に沿って伸縮できるよう構成されている。押圧シリンダ51のロッド64の先端部は、支柱壁53の下流側面に連結されている。
この構成によれば、押圧シリンダ51が伸長することで、繰出しベルト56における繰出しローラ54間の領域がフィルムロール11の外周面に接触する。この場合、テンションばね57の弾性によって張られている繰出しベルト56は、繰出しローラ54の間の領域がフィルムロール11の外周面に当接すると、下流側へ凸となるよう撓んで、テンションばね57の弾性によって、繰出しローラ54の間の領域がフィルムロール11の外周面に付勢される。そして、繰出し駆動モータ58が駆動(一定の回転速度)すると、その駆動力が駆動ベルト62を介して一方の繰出しローラ54に伝達され、一方の繰出しローラ54の回転により繰出しベルト56が一定の速度でエンドレスに回転し、繰出しベルト56がフィルムロール11の外周面に接触した状態で、フィルムロール11からフィルム10が一定の速度で繰出される。
また、回動台30および支持台31は、図10に示すように水平面内で回動できるよう構成されており、支持台31にはフィルム支持部32、ホルダ部33は支持台31に載置されている。そして、搬送コンベア7の下方は前後方向で開放されている。このため、フィルムロール11の交換、あるいは装置のメンテナンスを、搬送コンベア7の前後側の何れからでも行うことができ、利便性に優れる。
ここで、ガイドローラ部4の説明をする。図1および図2に示すように、ガイドローラ部4は、載置台2の上流側に立設されたローラ支持フレーム65と、ローラ支持フレーム65の上部に上下一対で配置されたガイドローラ66とを備える。ガイドローラ66は前後方向に沿う軸心回りに回転自在に、ローラ支持フレーム65に支持されている。フィルムロール11から導出されたフィルム10は、下側のガイドローラ66にその下方から上方に向けて巻き掛けられ、さらに上側のガイドローラ66の外周面下流側に巻き掛けられて、上方へ向けて導出される。
ここで、フィルム調整部5の説明をする。フィルム調整部5は、ガイドローラ部4から導出されたフィルム10が巻き掛けられる、搬送方向に沿って対で設けられた調整ローラ67と、調整ローラを支持する支持体68と、支持体68の搬送方向位置を調整する支持体調整部69とを備える。
調整ローラ67は、ガイドローラ66と平行に配置されている。調整ローラ67のうち下流側のローラには、下流側から上部にフィルム10が巻き掛けられて上流側のローラに導出され、上流側のローラには、下部から上方へフィルム10が巻き掛けられて、ホーマ6に向けてフィルム10が導出される。双方の調整ローラ67が、前後に対で配置された支持体68に回転自在に支持されている。支持体68には、支持体調整部69として、それぞれ搬送方向に沿う方向を長手方向としたラック70が取付けられている。
ラック70の長手方向途中には、ラック70が挿通されてラック70を保持する保持部材71が取付けられている。保持部材71どうしにハンドル軸72が渡され、ハンドル軸72の前後端部には、操作ハンドル73が取付けられている。保持部材71は、搬送コンベア7のコンベアフレーム74の上流側に、取付ブラケット75を介して固定されている。
この構成によれば、何れの操作ハンドル73を回転させても、固定された保持部材71に対してラック70を搬送方向に移動でき、ラック70の移動に伴って、支持体68とともに調整ローラ67が搬送方向に沿って位置調整される。
ここで、搬送コンベア7について説明する。搬送コンベア7は、コンベア取付アーム28の上側に、取付部材76を介して着脱自在に取付けられており、搬送コンベア7は、被包装物の搬送面に、吸引用孔を備えるエンドレス式のものである。搬送コンベア7の下流側端は、横シール装置9に到達するようコンベア取付アーム28に設置されている。
ここで、図11および図12を参照して、縦シール装置8の説明をする。縦シール装置8は、搬送コンベア7の搬送面7aに上方で対向するよう配置された案内板部材77と、縦シーラ78と、縦シーラ78の上流側に配置された前後一対の上流側ピンチローラ79と、縦シーラ78の下流側に配置された前後一対の下流側ピンチローラ80と、上流側ピンチローラ79および下流側ピンチローラ80の駆動部81と、案内板部材77、縦シーラ78、上流側ピンチローラ79および下流側ピンチローラ80の駆動部81の駆動部を昇降させ得る昇降装置82とを備え、これらが組品(ユニット化)とされている。
縦シーラ78、上流側ピンチローラ79、下流側ピンチローラ80、および駆動部81は、案内板部材77の上側にあって、昇降装置82の操作により昇降するよう構成されている。案内板部材77の前後方向中心部には、フィルム10の端辺部を通過可能な通路83が形成されている。
昇降装置82は、前後方向に沿う横ねじ軸84と、横ねじ軸84を回転させるためのハンドル85と、上下方向に沿い案内板部材77に連結された縦ねじ軸86と、横ねじ軸84の回転を縦ねじ軸86に伝達して縦ねじ軸86を昇降させる傘歯車87とを備える。ハンドル85は横ねじ軸84の前後両側に取付けられている。横ねじ軸84は外箱体88に内装され、この外箱体88が、取付アーム26に取付ねじ89によって着脱自在に取付けられる。
上流側ピンチローラ79、下流側ピンチローラ80は、それぞれフィルム10を挟持する接近姿勢と、フィルム10の挟持を解除する解除姿勢に切替え自在に構成されており、縦シール装置8は上流側ピンチローラ79、下流側ピンチローラ80の姿勢を切替えるための操作レバー90を備えている。操作レバー90は、上流側ピンチローラ79、下流側ピンチローラ80の姿勢を切替える機構部として、それぞれ前後両側に配置されている。
このような縦シール装置8において、通路83に上流側から進入してきたフィルム10の端辺部は、上流側ピンチローラ79、および下流側ピンチローラ80で挟持されつつ下流側へ送られ、上流側ピンチローラ79、および下流側ピンチローラ80の間において、縦シーラ78で挟持されてシールされる。また、昇降装置82のハンドル85を回転させることで、縦ねじ軸86が回転しつつ昇降し、縦ねじ軸86は、案内板部材77に連結されていることから、案内板部材77、上流側ピンチローラ79、下流側ピンチローラ80、縦シーラ78、駆動部81が一体的に昇降する。
これによって、被包装物の厚みに応じて、縦シール装置8の高さ調節ができる。フィルム10にシールを施す際には、操作レバー90の操作により、上流側ピンチローラ79、および下流側ピンチローラ80を接近姿勢としておき、フィルム10の挟持を解除する際は操作レバー90の操作により、上流側ピンチローラ79、および下流側ピンチローラ80を解除姿勢とする。
ハンドル85は横ねじ軸84の前後両側に取付けられている。操作レバー90は、上流側ピンチローラ79、下流側ピンチローラ80の姿勢を切替える機構部として、それぞれ前後両側に配置されている。この構成から、昇降装置82の操作、および各ピンチローラの姿勢の切替えが、前後どちらからでも行える。
図4に示すように、横シール装置9は、基準支持部材12の下流側壁27の下流側面に、取付ねじ91によって着脱自在に装着される。図13〜図15に示すように、横シール装置9は、取付ねじ91によって着脱自在に装着される枠体92を備えている。横シール装置9は、枠体92に前後方向端部が回転自在に支持され、フィルム10の幅方向に軸心を沿わせた上下一対の支持軸部材93を備えている。枠体92の外側には、支持軸部材93を同期させて軸心回りに回転させる同期歯車94が取付けられ、横シール装置9は、同期歯車94を回転させるモータを備えている。
各支持軸部材93には、フィルム10に対向してフィルム10を上下方向で挟む横シーラ95,96(図14、図16参照)を備えている。各横シーラ95,96は、略フィルム10の幅方向に亘る長さに設定されている。各横シーラ95,96の先端部がフィルム10を前後方向(幅方向)に亘って挟んで加熱するフィルム加熱部97,98とされている。双方の横シーラ95,96は、そのフィルム加熱部97,98におけるフィルム搬送方向の上流側および下流側に、フィルム10の搬送方向において接近離間可能に構成された一対の接近離間部材100,101を備えている。
各支持軸部材93の外周面の一部には、前後方向に離間して所定の前後幅とされた調節面が形成されている。この場合、調節面は、支持軸部材93の外周面の一部には、前後方向に離間して二箇所に形成されている。この二箇所は、フィルム加熱部97,98の前後方向両端部に対応する位置である。この調節面は、フィルム10の搬送方向両側に形成された上下方向に沿う第一平面93a,93bを備える。第一平面93a,93bは、支持軸部材93において搬送方向で対向して配置されている。
各支持軸部材93の外周面の一部には、第一平面93a,93bの間にあって、第一平面93a,93bと直交する方向の第二平面93cが形成されている。各支持軸部材93の外周面の一部には、第二平面93cに対向する部位に、第二平面93cと平行な第三平面93dが形成されている。
接近離間部材100,101は、第二平面93c、第三平面93dにそれぞれ外側から嵌合する嵌合片102,103を備えている。嵌合片102,103のうちの一方が、フィルム加熱部97,98の基端部を支持する支持片とされている。接近離間部材100,101は、嵌合片102,103の端部どうしを連続するよう一体的に形成された連続片104を備える。接近離間部材100,101は互いに開放側が対向するコ字形に形成されている。
連続片104には、接近離間部材100,101を接近離間させるよう、あるいは接近離間部材100,101の離間距離を維持させるよう、しかも接近離間部材100,101を同方向に移動させる調整部を備えている。すなわち、調整部は、フィルム加熱部97,98を支持軸部材93の一径方向、すなわち高さ方向に移動させる一対の接近離間ねじ105,106と、接近離間部材100,101を同方向、すなわち、前記一径方向に直交する径方向、すなわち搬送方向に移動させるよう調節する離間幅保持ねじ107,108とを備えている。接近離間ねじ105,106および離間幅保持ねじ107,108は、連続片104に挿通されている。
さらに、接近離間ねじ105,106は、連続片104に両側(各側)から挿通されるとともに、先端側が第一平面93a,93bに螺合されている。離間幅保持ねじ107,108は連続片104に螺合して挿通され、その先端面は、第一平面93a,93bには螺合されずに当接のみ可能とされている。
フィルム加熱部97,98の基端部には被案内面110が形成されている。被案内面110は、支持軸部材93の軸心側ほど軸心に近付く傾斜面に形成されている。支持片には、被案内面110に当接する案内面111が形成されている。案内面111は、支持軸部材93の軸心側ほど軸心に近付く傾斜面に形成されている。
この横シール装置9では、一対の接近離間部材100,101を接近離間させることで、フィルム加熱部97,98が高さ方向に移動案内される。一対の接近離間部材100,101を同方向に移動させることで、フィルム加熱部97,98が搬送方向に移動する。
具体的に、接近離間ねじ105,106どうしを接近する方向に回転(移動)させることで接近離間部材100,101どうしを接近させると、案内面111が被案内面110を押圧して、フィルム加熱部97,98が高さ方向で調節されて、フィルム加熱部97,98どうしが、接近する方向に移動する(図16(a)参照)。逆に、接近離間ねじ105,106どうしを離間する方向に回転(移動)させることで接近離間部材100,101どうしを離間させると、案内面111が被案内面110を案内して、フィルム加熱部97,98が高さ方向で調節されて、フィルム加熱部97,98どうしが、離間する方向に移動する(図16(b)参照)。
このような調節を行う際は、離間幅保持ねじ107,108は、連続片104から取外しておいてもよいし、接近離間部材100,101どうしの接近離間に邪魔にならないように充分に緩めておいてもよい。そして、フィルム加熱部97,98の上下方向位置が特定されれば、離間幅保持ねじ107,108を第一平面93a,93bに当接するよう締付けることで、フィルム加熱部97,98が確実に固定される。
フィルム加熱部97,98の搬送方向位置を設定するには、離間幅保持ねじ107,108においては、少なくとも一方を緩める(第一平面93a,93bから離脱させる)と、緩めたほうの離間幅保持ねじ107,108がある方とは反対方向に接近離間部材100,101を移動させられる。したがって、調節させたい位置にまで接近離間部材100,101を搬送方向で移動し、その後、緩めたほうの離間幅保持ねじ107,108を締付けてその先端を第一平面93a,93bに当接させる。このようにすることで、フィルム加熱部97,98を必要な位置に固定できる。
本考案は、上記実施形態に限られるものではなく、本考案の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても同様である。例えば、上記実施形態では、搬送ココンベア7は、その下流側を下方に向けた姿勢とする場合を示したが、上流側を下方に向けた姿勢とすることも可能である。