JP3187829U - コンクリート型枠構造およびコンクリート型枠用の面木材 - Google Patents
コンクリート型枠構造およびコンクリート型枠用の面木材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】型枠内面に基準線を設けずとも、型枠外部から面木材を適切な位置に配置・固定し得るコンクリート型枠構造およびコンクリート型枠用の面木材を提供する。
【解決手段】コンクリートが打設される型枠と、型枠の隅部に組み込まれる面木材10と、を備える。面木材10は、隅部に面を形成するための成型面11aを備えた本体部11と、本体部11から型枠外方に延設された胴部12と、を有し、さらに、胴部12と型枠とが予め定められた位置関係にあるときに、本体部11は、型枠内面に沿って配置されるように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】コンクリートが打設される型枠と、型枠の隅部に組み込まれる面木材10と、を備える。面木材10は、隅部に面を形成するための成型面11aを備えた本体部11と、本体部11から型枠外方に延設された胴部12と、を有し、さらに、胴部12と型枠とが予め定められた位置関係にあるときに、本体部11は、型枠内面に沿って配置されるように構成されている。
【選択図】図2
Description
本考案は、コンクリート構造物の角部に面を形成するための施工技術に関し、詳細には、型枠の隅部に面木材を有するコンクリート型枠構造、並びにその面木材に関する。
この種の従来技術として、例えば、下記特許文献に示すコンクリート型枠構造並びに面木材がある。
同公報によれば、コンクリート構造物の角部111に面を形成すべく断面直角三角形に成形された面木本体101と、面木本体101の一辺部から延設された止着板102とで構成された面木材100を有し、面木材100は、型枠110の内側にあてがわれた後、面木本体101に連なる止着板102を介して型枠110の内面に釘止めされている(図4参照)。
同公報によれば、コンクリート構造物の角部111に面を形成すべく断面直角三角形に成形された面木本体101と、面木本体101の一辺部から延設された止着板102とで構成された面木材100を有し、面木材100は、型枠110の内側にあてがわれた後、面木本体101に連なる止着板102を介して型枠110の内面に釘止めされている(図4参照)。
一方、広く普及している安価な面木は、上記の面木本体101に相当する部材のみで構成され、釘などを用いて型枠の隅部に直接固定されている。しかしながら、この面木は、幅が狭く、釘の打ち込みによって割れる他、ひび割れた面木の一部が剥がれて施工後のコンクリート内に取り残されることもあった。
この点、上記した止着板102を有する面木によれば、止着板102を介して面木本体101を型枠110に固定するため、釘の打ち込みに伴う面木本体101のひび割れを防止できる。また、面木本体101の一部がコンクリート内に取り残されるといった不具合も回避できる。さらに、面木本体101に釘抜きをあてがうことなく釘を抜き取ることができるため、面木本体を傷つけずに面木材を型枠から取り外せる。つまり、止着板102を有する構造の面木材は、使い回しに適した構造と言える。
ところで、面木材を型枠に組み付ける際、通常、型枠の内面に基準線を墨付けし、この基準線に従って面木材を配置して釘止めする。また、面木材の多くは型枠内に隠蔽されて後の位置確認が困難なことから、これら面木材の組み付けに要する作業は、一つずつ正確且つ慎重に進める必要があった。つまり、型枠内部での慎重な作業を要するため、施工性や施工に要する時間を考えると、型枠内面に面木材を配置する従来の型枠構造は、未だ多くの改善すべき点がある。
本考案は、上記した技術的課題を解決するためになされたもので、型枠内面に基準線を設けずとも、型枠外部から面木材を適切な位置に配置・固定し得る型枠構造の提供を課題とする。また、それに用いる面木材の提供を課題とする。
上記した課題を解決するため本考案は、
コンクリートが打設される型枠と、前記型枠の隅部に組み込まれる面木材と、を有するコンクリート型枠構造であって、
前記面木材は、前記隅部に面を形成するための成型面を備えた本体部と、前記本体部から型枠外方に延設された胴部と、を有し、
さらに、前記胴部と前記型枠とが予め定められた位置関係にあるとき、前記本体部の成型面は、前記型枠内面に沿って配置されるように構成されていることを特徴とする。
コンクリートが打設される型枠と、前記型枠の隅部に組み込まれる面木材と、を有するコンクリート型枠構造であって、
前記面木材は、前記隅部に面を形成するための成型面を備えた本体部と、前記本体部から型枠外方に延設された胴部と、を有し、
さらに、前記胴部と前記型枠とが予め定められた位置関係にあるとき、前記本体部の成型面は、前記型枠内面に沿って配置されるように構成されていることを特徴とする。
このように構成された本考案のコンクリート型枠構造によれば、本体部に連なる胴部が型枠外方に延設され、さらに、この胴部と型枠とを型枠外方で揃え合わせることで、型枠の内面に本体部の成型面を沿わせて配置できる。つまり、本考案のコンクリート型枠構造では、型枠内方での作業を要すること無く型枠外方の作業によって面木材を適切な位置に配置できる。
また、前記面木材は、前記隅部に対してその外方から挿入可能に設けられている構成でもよい。
この構成では、面木材を型枠外方から組み入れることができるため、面木材を型枠内方からあてがうことなく面木材を配置できる。
また、前記面木材は、前記胴部を介して前記型枠に固定されている構成でもよい。
この構成では、胴部を介して面木材を型枠に固定するため、釘の打ち込み等に伴う本体部の破損を防止できる。また、面木材を型枠から取り外す際、本体部に力を加えること無く面木材を取り外すことができる。
また、前記型枠は、コンクリートを堰き止めるための堰板と、堰板の外側に設けられる桟木と、を有し、
前記胴部は、前記桟木の端面を基準にして位置決めされている構成でもよい。
前記胴部は、前記桟木の端面を基準にして位置決めされている構成でもよい。
この構成では、型枠の形状問わず、外部からの視認性が良好な桟木の端面を基準にして胴部と型枠との位置合わせを行う。よって、複雑な形状の型枠でも正確且つ容易に胴部と型枠とを位置合わせできる。
前記面木材は、木材廃材を用いて製作されている構成でもよい。
この構成では、木材廃材を用いて面木材を製作するため、資源を有効活用できる他、CO2の排出量削減等、環境面でも有利である。
また、本考案は、コンクリート構造物の角部に面を形成すべく、その型枠の隅部に組み込まれる面木材であって、
前記隅部に面を形成するための成型面を備えた本体部と、前記本体部から型枠外方に延設される胴部と、を有し、
前記胴部の幅は、前記胴部と前記型枠とが予め定められた位置関係にあるときに前記成型面と型枠内面とが揃う寸法で設定されていることを特徴とする。
前記隅部に面を形成するための成型面を備えた本体部と、前記本体部から型枠外方に延設される胴部と、を有し、
前記胴部の幅は、前記胴部と前記型枠とが予め定められた位置関係にあるときに前記成型面と型枠内面とが揃う寸法で設定されていることを特徴とする。
このように構成された本考案の面木材によれば、本体部に連なる胴部が型枠外方に延設されており、この胴部と型枠とを型枠外方で揃え合わせることで、型枠の内面に本体部の成型面が自ずと揃うように胴部の幅が設定されている。つまり、本考案の面木材を用いることで、面木材を型枠外方から適切な位置に配置できる。
また、前記本体部から前記胴部にかけての厚みが同じ値を有するように構成されていてもよい。
本構成では、本体部から胴部にかけて厚みが同じであるため、面木材を型枠の隅部に組み込む際、面木材を型枠外方から差し込むことができる。
また、前記本体部は、前記胴部を介して前記型枠に固定されている構成でもよい。
この構成では、胴部を介して本体部が型枠に固定されるため、釘の打ち込み等に伴う本体部の破損を防止できる。また、面木材を型枠から取り外す際、本体部に力を加えること無く面木材を取り外すことができる。
前記面木材が、木材廃材を用いて製作されている構成でもよい。
この構成では、材木の廃材を用いて面木材を製作するため、資源を有効活用できる他、CO2の排出量削減等、環境面でも有利である。
以上、本考案によれば、型枠内面に基準線を設けずとも、型枠外部から面木材を適切な位置に配置・固定し得る型枠構造を提供できる。また、それに用いる面木材を提供できる。
以下、図面を参照して本考案に係るコンクリート型枠1を説明する。
本実施の形態に示すコンクリート型枠1は、床スラブに連なるコンクリート梁用の型枠構造である(図1参照)。また、この型枠1に用いられる資材は、一般的な型枠と同様、コンクリートを堰き止める堰板2と、隣合う堰板2,2同士を繋ぎ合わせるための桟木3、並びに堰板2を裏側から補強するためのバタ材4、及び単管5等で構成されている。
また、型枠1の隅部1a,1bには面取り用の面木材10,10が設けられている。具体的には、梁Aに沿って縦方向に配される堰板2aと、梁Aの下面に沿って横方向に配される堰板2bとが接続する各隅部1a,1bに面木材10,10を各々組み込んでいる。
面木材10は、図2及び図3のように斜めに配された成型面11aを有する断面直角三角形の本体部11と、この本体部11から型枠外方に延設される胴部12とで構成されている。また、本体部11と胴部12は一枚の板で一体に形成されており、本体部11から胴部12の縁にかけての厚みh1は、本体部11における成型面11aの高さh2を基準にして同じ値になっている。
また、面木材10は、柱や角材の製材時に余る廃木材(背板)を用いて製作されている。具体的には、廃木材をバンドソーや耳スリ機で厚さ15mm×幅77mm×長さ2m程度の短冊板状に加工し、その一側面を削り角45度で削り落として傾斜面(成型面11a)を有する本体部11、及び胴部12を得ている。また、胴部12の幅Wは(図3参照)、型枠に用いられる堰板2や桟木3の寸法を考慮して決定されている。具体的には、図2のように堰板2の厚みと桟木の幅を足し合わせた長さと同じ値になっている。
続いて、型枠1に対する面木材10の組み付け方法を説明する。
本実施の形態では、隅部1aに面木材10を組み付ける際、型枠1の外方から隅部内方に面木材10を差し入れた後、面木材10の後端部すなわち胴部12の後端面12aを、隅部1aの外側に設けられた桟木3の表面3aに揃えて面木材10の面合わせを行っている。
本実施の形態では、隅部1aに面木材10を組み付ける際、型枠1の外方から隅部内方に面木材10を差し入れた後、面木材10の後端部すなわち胴部12の後端面12aを、隅部1aの外側に設けられた桟木3の表面3aに揃えて面木材10の面合わせを行っている。
図2は、型枠1の隅部1aを示す要部拡大図である。同図に示すように面木材10における胴部12の幅Wは、上述の如く堰板2の厚さと桟木の幅とを足し合わせた値になっている。このため面木材10を型枠1の外側から差し入れた後、胴部12の後端面12aを桟木3の端面面3aに沿わせることで本体部11の成型面11aが堰板2の内面に自ずと沿うようになっている。また、この状態で桟木3と胴部12とを釘止めして固定する。なお、図2中符号6は釘である。
このように本実施の形態に示すコンクリート型枠1の構造では、型枠1を組み上げていく過程で、面木材10を型枠1の外方から組み付けることができため、他の資材同様に面木材10を取り扱う事ができる。すなわち、型枠内方での作業を要することなく、面木材10を他の資材と共に組み付けることができる。
また、面木材10を組み付ける際、堰板2の内面に墨付けを行う必要もなく、また、面木材10の後端面(胴部の後端面12a)を最寄りの桟木3に沿わせるといった簡単な作業で面木材10を正確に配置できるため作業時間の短縮も図れる。
なお、実用新案請求の範囲と本実施形態との兼ね合いでは、図2のように型枠外方に臨む面木材10の後端面すなわち胴部12の後端面12aと、桟木3の表面3aとが揃った状態を以て予め定められた位置関係と称する。
なお、実用新案請求の範囲と本実施形態との兼ね合いでは、図2のように型枠外方に臨む面木材10の後端面すなわち胴部12の後端面12aと、桟木3の表面3aとが揃った状態を以て予め定められた位置関係と称する。
続いて、型枠1の解体作業を説明する。
型枠1の解体時には、バタ材4、桟木3、堰板2を順次撤去した後、次なる施工での再利用を図るべく、面木材10を桟木3から取り外す。
面木材10は、上述の如く桟木3に釘止めされているが、胴部12は、本体部11に較べて幅広に形成されているため、釘を抜き取る際に釘抜きの力をかけやすく、また、本体部11に釘抜きをあてがうこと無く釘を抜き去ることができるため、面木材10を傷めることなく桟木3から容易に取り外すことができる。
なお、幅広の胴部12は面木材全体の剛性を高める上でも重要な構造であり、幅広の胴部12を有することで釘を打ち付ける際のひび割れを防止できる。また、湿気による本体部11の反りも軽減できる。
型枠1の解体時には、バタ材4、桟木3、堰板2を順次撤去した後、次なる施工での再利用を図るべく、面木材10を桟木3から取り外す。
面木材10は、上述の如く桟木3に釘止めされているが、胴部12は、本体部11に較べて幅広に形成されているため、釘を抜き取る際に釘抜きの力をかけやすく、また、本体部11に釘抜きをあてがうこと無く釘を抜き去ることができるため、面木材10を傷めることなく桟木3から容易に取り外すことができる。
なお、幅広の胴部12は面木材全体の剛性を高める上でも重要な構造であり、幅広の胴部12を有することで釘を打ち付ける際のひび割れを防止できる。また、湿気による本体部11の反りも軽減できる。
また、コンクリートの打設時において、胴部12はコンクリートに触れることがないため、面木材10に対するコンクリートの付着は本体部11のみで済む。すなわち、コンクリートの除去作業を短時間で済ませることができるため、再利用も容易である。
このように本実施の形態に示すコンクリート型枠1の構造は、施工上、様々な利点が得られる。
このように本実施の形態に示すコンクリート型枠1の構造は、施工上、様々な利点が得られる。
なお、上記した実施の形態では、コンクリート梁用の型枠1を例示して説明したが、本発明のコンクリート型枠構造は、例えば、壁・パラペットの天端における面取り、また、柱出隅の面取り、さらに壁出隅の面取り等、各種仕様のコンクリート型枠に適用できる。
また、本実施の形態に示す面木材10は、樹脂等で製造することも可能であるが、上述の如く材木の廃材を利用して面木材10を製作することで環境負荷を減らすことができる。また、製造コストも低く抑えることができる。
また、本実施の形態では、本体部11から胴部12の後端面12aにかけて同じ厚みを有するように面木材10を製作しているが、本体部11に対して胴部12を肉厚に形成してもよい。また、本体部11から胴部12後端面12aにかけて登り勾配のテーパーを付けるなど、型枠1の隅部1aに対して型枠外方から面木材10を挿入できる形状であれば胴部12の厚みや形状を変えても良い。
また、上記した実施の形態では、胴部12の後端面12aを桟木3の表面3aに揃えて面木材10の面合わせを行っているが、例えば、胴部12に基準線を引き、この基準線を用いて面木材10の位置を調節してもよい。
また、上記した実施の形態では、他の資材と共に現場合わせで面木材10を組み付けているが、桟木3に予め面木材10を組み付けておいても良い。すなわち、胴部12の幅Wが桟木3や堰板2の寸法を考慮して予め決定されているため、事前に面木材10を桟木3に組み付けておいても面木材10の本体部11は正確な位置に自ずと組み上げられる。
1 型枠
1a 型枠の隅部
2 堰板
3 桟木
3a 桟木の表面
4 バタ材
5 単管
6 釘
10 面木材
11 本体部
11a 成型面
12 胴部
12a 胴部の後端面
100 面木材
101 面木本体
102 止着板
103 釘
110 型枠
111 角部
1a 型枠の隅部
2 堰板
3 桟木
3a 桟木の表面
4 バタ材
5 単管
6 釘
10 面木材
11 本体部
11a 成型面
12 胴部
12a 胴部の後端面
100 面木材
101 面木本体
102 止着板
103 釘
110 型枠
111 角部
Claims (9)
- コンクリートが打設される型枠と、前記型枠の隅部に組み込まれる面木材と、を有するコンクリート型枠構造であって、
前記面木材は、前記隅部に面を形成するための成型面を備えた本体部と、前記本体部から型枠外方に延設された胴部と、を有し、
さらに、前記胴部と前記型枠とが予め定められた位置関係にあるとき、前記本体部の成型面は、前記型枠内面に沿って配置されるように構成されていることを特徴とするコンクリート型枠構造。 - 前記面木材は、前記隅部に対してその外方から挿入可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート型枠構造。
- 前記面木材は、前記胴部を介して前記型枠に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート型枠構造。
- 前記型枠は、コンクリートを堰き止めるための堰板と、堰板の外側に設けられる桟木と、を有し、
前記胴部は、前記桟木の端面を基準にして位置決めされていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコンクリート型枠構造。
構成でもよい。 - 前記面木材は、木材廃材を用いて製作されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のコンクリート型枠構造。
- コンクリート構造物の角部に面を形成すべく、その型枠の隅部に組み込まれる面木材であって、
前記隅部に面を形成するための成型面を備えた本体部と、前記本体部から型枠外方に延設される胴部と、を有し、
前記胴部の幅は、前記胴部と前記型枠とが予め定められた位置関係にあるときに前記成型面と型枠内面とが揃う寸法で設定されていることを特徴とする面木材。 - 前記本体部から前記胴部にかけての厚みが同じ値を有することを特徴とする請求項6に記載の面木材。
- 前記本体部は、前記胴部を介して前記型枠に固定されていることを特徴とする請求項6又は7の何れかに記載の面木材。
- 前記面木材が、木材廃材を用いて製作されていることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の面木材。
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---|---|---|---|
JP2013005745U JP3187829U (ja) | 2013-10-04 | 2013-10-04 | コンクリート型枠構造およびコンクリート型枠用の面木材 |
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- 2013-10-04 JP JP2013005745U patent/JP3187829U/ja not_active Expired - Fee Related
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