JP3187489B2 - 微小物体搬送装置 - Google Patents

微小物体搬送装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中に分散された微
小物体を搬送する微小物体搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロメカニクス分野における微小量
の液体を混合しあるいは分岐させる液体混合/分岐装置
として、また液体に分散された微小な物体を搬送する微
小物体搬送装置として、従来、歯車などの回転運動によ
る駆動部を有するものや、ピエゾ素子などの直線運動に
よる駆動部を有するものが考えられている。また、微小
量の液体を搬送して搬送路の端部にある吐出口から吐出
させる方法として、例えば特開昭55−67474号公
報にあるように、搬送路に複数の発熱体を設け、この発
熱体を順次発熱させて液体の一部を発泡させかつ発泡点
の位置を移動させ、この発泡の圧力によって液体を搬送
・吐出させるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の液体混
合/分岐装置あるいは微小物体搬送装置では、機械的駆
動部があるために機構が複雑化し、耐久性が低下すると
いう問題点があり、特に歯車を有する場合には高速回転
する歯車の軸受部の摩耗を無視できないという問題点が
ある。
【0004】本発明の目的は、機械的駆動部を持たず
に、液体中に分散された微小物体を搬送する微小物体搬
送装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の微小物体搬送装
置は、微小な断面積を有する搬送路と、前記搬送路の長
手方向に相互に近接して設けられた複数個の発熱部と、
前記発熱部のそれぞれを前記搬送路の長手方向に2回以
上にわたって順次駆動するパルス駆動回路とを有し、前
記発熱部を順次駆動させることによって液体中に離隔し
た2以上の気泡を発生させて前記各気泡を見かけ上移動
させ、前記各気泡によって区切られた領域内の液体に含
まれる前記微小物体を前記各気泡の移動に伴って搬送す
る。
【0006】
【作用】搬送路は微小な断面積であるので、圧力を特に
印加しない条件下では、搬送対象の液体は移動すること
ができない。ここで、搬送路に設けた発熱部を駆動する
と搬送対象の液体が加熱され、この液体の一部が発泡
し、発生した気泡が搬送路の断面いっぱいに拡がる。搬
送路には複数個の発熱部が相互に近接して設けられてい
るから、隣接する発熱部を次々と駆動すると、見かけ上
気泡が順次移動し、発泡時の圧力により、結果として液
体が搬送されることになる。各発熱部の駆動のタイミン
グを変えることにより、気泡の移動速度が変化し、液体
の流量(搬送量)を調整することができる。微小物体を
分散させた液体であれば、2個の気泡によってこの微小
物体とその周囲の液体とを挟むようにしておけば、液体
の搬送に伴ってこの微小物体も搬送されることになる。
【0007】3本以上の搬送路の一端が共通に接続され
ていれば、このうちの1本以上の搬送路において液体を
共通接続点の方へ搬送し、残りの搬送路において共通接
続点の方から液体を搬送するようにすることにより、液
体の混合および/または分岐が行なわれることになる。
この場合、上述のようにして各搬送路での液体の流量を
変えることにより、任意の比率での混合/分岐が可能と
なる。
【0008】搬送路に設ける発熱部としては、通電する
ことによって発熱する電気熱変換体を用いるとよい。ま
た、レーザ光を照射することによりこのレーザ光を吸収
して発熱するようなものであってもよい。このような発
熱部を駆動するため、各搬送路ごとに、当該搬送路に含
まれる発熱部のそれぞれを当該搬送路の長手方向に関し
順次駆動するパルス駆動回路を設けるようにするとよ
い。また、気泡の移動速度すなわち液体の流量を自由に
設定できるようにするため、このパルス駆動回路は、隣
接する2個の発熱部の駆動の時間差を外部からの指令に
よって変化させることのできるものであるようにすると
よい。さらに、搬送路内に生じた気泡が消滅することな
く移動できるようにするため、隣接する2個の発熱部の
それぞれの駆動時間の一部が重なり合うようにすること
が望ましい。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。本発明の微小物体搬送装置の実施例を説明
する前に、液体の搬送原理を説明するために、参考例と
して、液体混合/分岐装置について説明する。図1は第
1の参考例の液体混合/分岐装置の構成を示す説明図、
図2は液体の搬送原理を説明する図、図3は発熱素子の
駆動パルスのタイミングチャート、図4は別の駆動パタ
ーンによる発熱素子の駆動パルスのタイミングチャート
である。
【0010】この液体混合/分岐装置は、微細な断面の
第1、第2および第3の液体搬送路1〜3を有し、第1
および第2の液体搬送路1,2からの液体を任意の割合
で混合し、それを第3の搬送路3から排出するためのも
のである。これら各液体搬送路1〜3はそれぞれその一
端が共通に接続されている。この共通に接続された場所
を接続点10とする。また各液体搬送路1〜3の断面は
微細であるので、通常生じ得る液面の高低による圧力差
では、液体がこれら各液体搬送路1〜3を流れることは
ない。
【0011】第1の液体搬送路1の他端には搬送される
べき液体を一時的に貯える第1の液室11が設けられ、
第1の液体搬送路1の底面には、第1の液体搬送路1中
の液体に熱エネルギーを作用させるためのn個の発熱素
子41〜4nが、第1の液体搬送路1の長手方向に一列に
かつわずかの間隔をあけて設けられている。これらn個
の発熱素子41〜4nは、パルス駆動回路7のn個の出力
端子X1〜Xnにそれぞれ接続されている。このパルス駆
動回路7は、出力端子X1〜Xnのほかに流量調節端子S
とトリガ入力端子Tとを有し、トリガ入力端子Tに入力
されるトリガ信号21によって起動され、各出力端子X
1〜Xnを介して各発熱素子41〜4nを順番にパルス駆動
するものである。この場合、隣接する発熱素子への駆動
パルス22は、一定の時間、重なり合うようになってい
る。この重なり合う時間のことを位相差Δと定義する
と、位相差Δは、流量調節端子Sへの入力によって変化
できるようになっている。トリガ入力端子Tへの入力
(トリガ信号21)と各出力端子X1〜Xnからの駆動パ
ルス22との関係が、図3に示されている。
【0012】同様に、第2の液体搬送路2も他端が第2
の液室12に接続され、第2の液体搬送路2の底面に
は、n'個の発熱素子51〜5n'がわずかの間隔をあけて
一列に並ぶように設けられている。このn'個の発熱素
子51〜5n'も第1の液体搬送路1の場合と同じよう
に、パルス駆動回路8によって駆動されるようになって
いる。ただしこのパルス駆動回路8は、出力端子X1
n'の数がn'個である点で、上述のパルス駆動回路7
とは異なっている。
【0013】一方、第3の液体搬送路3の他端は開放さ
れ、この他端から混合された液体が排出されるようにな
っている。この第3の液体搬送路3の断面積は、第1お
よび第2の液体搬送路1,2の断面積よりも大きくして
おくことが望ましい。第3の液体搬送路3の底面には、
第1および第2の液体搬送路1,2と同様に、m個の発
熱素子61〜6mがわずかの間隔をあけて一列に設けられ
ている。このm個の発熱素子61〜6mは、パルス駆動回
路9によって順次駆動されるようになっている。このパ
ルス駆動回路9は、上述のパルス駆動回路7,8と比
べ、出力端子X1〜Xmの数がm個であることが異なって
いる。
【0014】各液体搬送路1〜3や各発熱素子41
n,51〜5n',61〜6mは、例えば半導体製造プロセス
を用いて、シリコン基板など上に作成することができ
る。すなわち、シリコン基板上に各発熱素子41〜4n,
1〜5n',61〜6mを形成し、そののち各液体搬送路1
〜3の壁面となる部分をフォトリソグラフィ技術を用い
てフォトレジストなどによって形成すればよい。
【0015】ここで、この参考例における液体の搬送原
理について、図2を用いて説明する。図2は第1の液体
搬送路1での場合を示すものであるが、他の液体搬送路
2,3においても同様であることはいうまでもない。
【0016】予め第1の液体搬送路1には、搬送対象で
あって適当な温度で沸騰する液体が満たされているとす
る。パルス駆動回路7のトリガ入力端子Tにトリガ信号
21が入力すると、図3に示したように、X個の出力端
子X1〜Xnに駆動パルス22が順次出力され、各発熱素
子41〜4nが順次駆動されて発熱する。発熱素子が発熱
すると、この発熱素子に接している部分の液体が沸騰
し、この発熱素子を中心として気泡20が成長する。こ
の気泡20は、発熱素子の発熱が終了すると速やかに収
縮して消滅するものであるが、発熱素子41〜4nを順次
駆動しているので、見かけ上、気泡20が駆動されてい
る発熱素子に対応して移動することになる。
【0017】すなわち、トリガ信号21が入力すると1
番目(図示左端)の発熱素子41が発熱し、この発熱素
子41に接触している部分の液体が加熱され、発泡が始
まる。そして、位相差Δをおいて2番目の発熱素子42
が駆動される。このとき、1番目と2番目の発熱素子4
1,42が同時に駆動される時間が設けられるようになっ
ているから、1番目の発熱素子41に生じた気泡20が
収縮を開始しないうちに2番目の発熱素子42の部分に
気泡20を生じさせることができる。続いて、3番目の
発熱素子43が駆動されることになるが、このときは1
番目の発熱素子41は駆動されておらず、2番目と3番
目の発熱素子42,43により液体が加熱されることとな
って、結果として生成された気泡20が図示矢印方向に
移動する。このとき、気泡20が常に液体搬送路1の断
面を実質的にふさぐようになっていれば、気泡20の移
動は液体の移動ということになる。以下、次々と発熱素
子を駆動することにより、気泡20はn番目すなわち第
1の液体搬送路1の図示右端の発熱素子4nのところま
で移動し、液体搬送の1サイクルが終了する。トリガ信
号21を周期的にパルス駆動回路7に入力させることに
より、連続的に液体を搬送させることが可能である。
【0018】ここで、隣接する発熱素子が同時に駆動さ
れる時間を設けることにより、液体搬送路1内に発生す
る気泡の大きさを十分大きくし、これにより気泡の左右
で液体を完全に分断し、気泡を移動させることによって
生じる圧力で液体を良好に搬送させることが可能とな
る。また、位相差Δを短くすることによって気泡の移動
速度が大きくなり、位相差Δを長くすることによって気
泡の移動速度が小さくなり、位相差Δを変化させること
によって液体の流量を変化できることが分かる。
【0019】次に、この参考例の動作について説明す
る。
【0020】まず、第1および第2の液室11,12に
異なる液体を満たし、圧力を加えてこれら液体を第1お
よび第2の液体搬送路1,2の内部まで進入させる。続
いて、パルス駆動回路7,8のトリガ入力端子Tにトリ
ガ信号21を加え、第1および第2の液体搬送路1,2
の底面にそれぞれ設けられた発熱素子41〜4n,51〜5
n'を各液体搬送路1,2ごとに、各液室11,12側から
接続点10側に向けて順次駆動する。その結果、上述の
ようにして、液体が各液室11,12から接続点10に
向けて搬送されることになる。このとき、各液体搬送路
1,2ごとにパルス駆動回路7,8の流量調節端子Sの入
力を変化させることにより、第1および第2の液体搬送
路1,2における液体の流量を変化させることができ、
接続点10においてこれらの液体が前記流量の比に応じ
て混合し第3の液体搬送路3に送り込まれることにな
る。流量の比は自由に変化させることができるから、第
1の液室11と第2の液室12に貯えられたそれぞれの
液体を任意の割合で混合できることになる。第3の液体
搬送路3においても同様に発熱素子61〜6mを順次駆動
することにより、混合された液体が第3の液体搬送路3
内を図示右方向に搬送され、第3の液体搬送路3の他端
から排出される。
【0021】以上、この参考例の動作を説明したが、各
液体搬送路1〜3での液体の搬送性能を向上させるた
め、パルス駆動回路を変更して、1つの液体搬送路内に
離隔した複数の気泡が発生するようにすることもでき
る。図4はこの場合の駆動パルス22のタイミングチャ
ートである。ここでは、トリガ信号21が入力すると1
番目とj番目(j>4)の出力端子X1,Xjから同時に
駆動パルス22が出力され、位相差Δに相当する時間の
経過後に、2番目とj+1番目の出力端子X2,Xj+1
ら駆動パルス22が出力され、以下順次各出力端子から
駆動パルス22が出力される。このようにすることによ
り、トリガ信号21の入力から(j−1)×Δに相当す
る時間の経過後以降には、液体搬送路の中を2つの気泡
が同時に移動することになる。ここで述べた液体の搬送
方法では、気泡が成長するときの圧力によって液体が搬
送されるので、液体搬送路内を離隔した2個の気泡が同
時に移動すれば、1個の気泡が移動する場合に比べ搬送
性能が向上することになる。さらに3個あるいはそれ以
上の気泡が同時に移動するようにしてもよい。
【0022】次に、第2の参考例の液体混合/分岐装置
について説明する。この液体混合/分岐装置は、シア
ン、マゼンタ、イエローなどの相異なる色を有する3種
の液体(インク)を任意の割合で混合して搬送あるいは
吐出を行なうものである。図5はこの第2の実施例にお
ける液体混合/分岐装置の構成を示す説明図である。
【0023】この液体混合/分岐装置は、3個の液室3
1〜313と、一端が各液室311〜313にそれぞれ接
続された微細な断面の3本の液体搬送路321〜32
3と、各液体搬送路321〜323ごとに複数個設けられ
た発熱素子33と、一端が各液体搬送路321〜323
他端に共通に接続された微細な断面の共通液体搬送路3
4と、共通液体搬送路34に複数個設けられた発熱素子
35とからなっている。共通液体搬送路34の他端は開
放されている。各液体搬送路321〜323に設けられた
発熱素子33は、各液体搬送路321〜323ごとに、そ
の長手方向に沿ってその底面に、隣接するものが相互に
近接して一列に並ぶように配置されている。また、共通
液体搬送路35に設けられらた発熱素子35も、共通液
体搬送路35の長手方向に沿ってその底面に、相互に近
接して一列に並ぶように設けられている。これら各発熱
素子33,35は、上述の第1の参考例と同様に、各液
体搬送路321〜323あるいは共通液体搬送路34ごと
に、図示しないパルス駆動回路によって順次駆動される
ようになっている。
【0024】次に、この参考例の動作を説明する。上述
の第1の参考例と同様に各液体搬送路321〜323にお
ける流量を独立に制御できるから、3個の液室311
313に異なる3色のインクを充填しておくことによ
り、各発熱素子33,35をパルス駆動回路(不図示)
で順次駆動することによって、これらインクを任意の割
合で混合したものが共通液体搬送路35の開放端から得
られることになる。
【0025】次に、第3の参考例の液体混合/分岐装置
について説明する。この液体混合/分岐装置は、第1の
参考例の液体混合/分岐装置を逆方向に作動させて液体
の分岐を行なわせたものと同等のものである。図6はこ
の液体混合/分岐装置の構成を示す説明図である。
【0026】この液体混合/分岐装置は、分岐対象の液
体を一時的に貯える液室41と、一端が液室41に接続
された微細な断面の共通液体搬送路42と、それぞれ一
端が共通液体搬送路42の他端に接続された微細な断面
の2本の液体搬送路441,442からなり、共通液体搬
送路42にはm個、一方の液体搬送路441にはn個、
他方の液体搬送路442にはn'個の発熱素子43が、上
述の各参考例と同様に、それぞれ配置されている。共通
液体搬送路42の断面積は、各液体搬送路441,442
の断面積よりも大きくなるようにされている。また、各
液体搬送路441,442の他端は開放されている。さら
に、これら発熱素子43を駆動するためのパルス駆動回
路45が、共通液体搬送路42、各液体搬送路441,4
2のそれぞれに対応して設けられている。このパルス
駆動回路は、第1の参考例におけるパルス駆動回路7〜
9(図1)と同様のものである。
【0027】次にこの参考例の動作について説明する。
まず、液室41内の液体を2本の液体搬送路441,44
2のうちのいずれか1つのみに分岐させる場合を説明す
る。ここでは説明のため、一方の液体搬送路441に液
体を分岐させる場合について説明する。他方の液体搬送
路442に分岐させる場合もこれと同様であることはい
うまでもない。この場合の分岐のさせ方としては、各液
体搬送路441,442における流路抵抗などによって、
2通りの方法がある。
【0028】 第1の方法を説明する。まず液室41
に分岐対象の液体を供給し、この液体を共通液体搬送路
42、各液体搬送路441,442内に進入させる。次い
で、パルス駆動回路45によって共通液体搬送路42内
の発熱素子43を順次駆動し、共通液体搬送路42内に
気泡を発生させてこの気泡が図示右方向すなわち各液体
搬送路441,442の方向に移動するようにする。これ
と同時に、他方の液体搬送路442において、パルス駆
動回路45によって発熱素子43を順次駆動して気泡を
発生させ、この気泡を共通液体搬送路42の方向に移動
するようにする。その結果、共通液体搬送路42では各
液体搬送路441,442に向けて液体が押し出されるよ
うに搬送され、他方の液体搬送路442では共通液体搬
送路42および一方の液体搬送路441に向けて液体が
押し出されるように搬送されることになるので、結局、
発熱素子43が駆動されていないために抑制力のかかっ
ていない一方の液体搬送路441に液体が流れ込み、こ
の液体が一方の液体搬送路441の開放端から排出され
ることになる。このとき、各パルス駆動回路45の流量
調節端子Sへの入力を制御して、共通液体搬送路42に
おける流量が他方の液体搬送路442における流量を大
幅に上回るようにすることにより、実質的に、液室41
内の液体を一方の液体搬送路441の開放端からのみ排
出されるようにすることができ、この液体を選択的に一
方の液体搬送路441の方に分岐して搬送したことにな
る。
【0029】 次に、第2の方法を説明する。上述の
第1の方法で他方の液体搬送路442内の発熱素子43
を順次駆動する代わりに、一方の液体搬送路441にお
いて、パルス駆動回路45によって発熱素子43を順次
駆動して気泡を発生させ、この気泡を一方の液体搬送路
441の開放端の方に移動させる。この結果、共通液体
搬送路42と各液体搬送路441,442との接続点にお
いて、一方の液体搬送路441からの吸引力が働くよう
になり、共通液体搬送路42から搬送されてきた液体
は、そのまま一方の液体搬送路441を搬送されて一方
の液体搬送路441の開放端から排出されることとな
り、液室41内の液体が選択的に一方の液体搬送路44
1の方に分岐して搬送されたことになる。この場合、各
パルス駆動回路45の流量調節端子Sへの入力を制御し
て、共通液体搬送路42における流量と一方の液体搬送
路441における流量が実質的に等しくなるようにする
とよい。
【0030】次に、液室41内の液体を2本の液体搬送
路441,442の両方に、任意の割合x:y(ただしx
×y≠0)で分岐させる場合について説明する。まず液
室41に分岐対象の液体を供給し、この液体を共通液体
搬送路42、各液体搬送路441,442内に進入させ
る。次いで、パルス駆動回路45によって共通液体搬送
路42内の発熱素子43を順次駆動し、共通液体搬送路
42内に気泡を発生させてこの気泡が図示右方向すなわ
ち各液体搬送路441,442の方向に移動するようにす
る。これと同時に、各液体搬送路441,442 おい
て、パルス駆動回路45によって発熱素子43を順次駆
動して気泡を発生させ、これら気泡をそれぞれ当該液体
搬送路441,442の開放端の方向に移動するようにす
る。その結果、共通液体搬送路42では各液体搬送路4
1,442に向けて液体が押し出されるように搬送さ
れ、各液体搬送路441,442ではその開放端に向けて
液体が押し出されるように搬送されることになる。この
とき、各パルス駆動回路45の流量調節端子Sへの入力
を制御して、一方の液体搬送路441における流量と他
方の液体搬送路442 おける流量が比がx:yになる
ようにすれば、液室41内の液体を各液体搬送路441,
442のそれぞれに、x:yの流量比で分岐して搬送し
たことになる。
【0031】次に、第4の参考例の液体混合/分岐装置
について説明する。この液体混合/分岐装置は、複数本
の入力側搬送路からの液体を混合し、任意の割合でこの
混合された液体を複数本の出力側搬送路に分岐するため
のものである。図7はこの液体混合/分岐装置の構成を
示す説明図である。
【0032】この液体混合/分岐装置は、m本(m>
1)の微小な断面の入力側搬送路511〜51mと、n本
の(n>1)の微小な断面の出力側搬送路521〜52n
と、混合室53とからなり、さらに各入力側搬送路51
1〜51mおよび各出力側搬送路521〜52nには、上述
の各参考例における液体搬送路と同様に、それぞれ複数
個の発熱素子54が、わずかな間隔をあけて一列に並ぶ
ように配置されている。各入力側搬送路511〜51m
よび各出力側搬送路521〜52nの一端は、それぞれ混
合室53に接続されている。また、各発熱素子54は、
各入力側搬送路511〜51mおよび各出力側搬送路52
1〜52nのそれぞれに対応して設けられた図示しないパ
ルス駆動回路により、当該搬送路ごとに順次駆動される
ようになっている。これらパルス駆動回路は、上述の
例で説明した各パルス駆動回路と同様のものである。
【0033】次に、この参考例の動作について説明す
る。
【0034】まず、各入力側搬送路511〜51mの他端
をそれぞれ液体供給源(不図示)に接続し、各入力側搬
送路511〜51mにこれら液体供給源からの液体を進入
させる。続いて、混合しようとする液体に対応する入力
側搬送路において、不図示のパルス駆動回路によって発
熱素子54を順次駆動し、それらの入力側搬送路内に気
泡を発生させ、この気泡を混合室53に向けて移動させ
る。これにより、混合しようとする液体が、該当する入
力側搬送路から混合室53に押し出されるように搬送さ
れ、混合室53においてこれら液体が混合することにな
る。上述の各参考例と同様に、パルス駆動回路(不図
示)の流量調節端子の入力を変化させることにより、各
入力側搬送路における流量を変化させることができるか
ら、任意の割合で液体を混合できることになる。もちろ
ん、混合させたくない液体に対応する入力側搬送路にお
いては、発熱素子54を駆動しないことにより、あるい
は気泡を混合室53から遠ざかる方向に移動させること
により、この混合させたくない液体が混合室53に供給
されることを防ぐことができる。
【0035】そして、各出力側搬送路521〜52nのう
ち上記の混合された液体を分岐させたいものにおいて、
不図示のパルス駆動回路によって発熱素子54を順次駆
動し、それらの出力側搬送路内に気泡を発生させ、この
気泡を混合室53から遠ざける方向に移動させる。これ
により、上記混合された液体が混合室53から該当する
出力側搬送路に分岐して搬送されることになる。上述の
第3の参考例と同様に、パルス駆動回路(不図示)の流
量調節端子の入力を変化させることにより、各出力側搬
送路の流量比を変化させることができるから、任意の割
合で液体を分岐できることになる。特定の1本の出力側
搬送路のみに分岐させたい場合には、その出力側搬送路
のみで気泡を混合室53から遠ざけるように移動させれ
ばよい。また、上述の第3の参考例で示したように、分
岐させたくない出力側搬送路において気泡を発生させ、
この気泡を混合室53の方向に移動させるようにするこ
とも可能である。
【0036】以上、第1ないし第4の参考例を説明した
が、本発明においては、搬送される液体として微小物体
を分散させた液体を使用することでき、また、本発明
における液体の搬送原理を利用して、このように分散さ
れた微小物体を搬送することできる。そこで、本発明
の実施例の微小物体搬送装置について説明する。微小物
体の例として、例えば、微小カプセル、各種のミセル粒
子やコロイド粒子、細胞、酵母などが挙げられる。図8
はこの微小物体搬送装置の構成を示す模式断面図であ
る。
【0037】この微小物体搬送装置は、上述の各参考
における個々の液体搬送路と同様の構成である。すなわ
ち、微小な断面の搬送路61と、前記搬送路61の底面
に設けられた多数の発熱素子621〜62nと、これら各
発熱素子621〜62nを駆動するためのパルス駆動回路
63とからなっている。各発熱素子621〜62nは、搬
送路61の長手方向に一列にかつわずかの間隔をあけて
配置され、これら発熱素子621〜62nは、パルス駆動
回路63の出力端子X1〜Xnにそれぞれ接続されてい
る。このパルス駆動回路63は、出力端子X1〜Xnのほ
かに流量調節端子Sとトリガ入力端子Tとを有し、トリ
ガ入力端子Tにトリガ信号21(図4)が入力すること
により、上述の第1の参考例において図4を用いて説明
したような駆動パルス22を発生するものである。した
がって、トリガ信号21の入力から所定の時間が経過し
た後は、搬送路61内に離隔した2つの気泡641,64
2が形成され、図示矢印方向に移動することになる。
【0038】次に、この実施例の動作について説明す
る。
【0039】まず、搬送対象の微小物体65を搬送媒体
である液体に分散させ、この液体を搬送路61内に進入
させる。次いでパルス駆動回路63のトリガ入力端子T
にトリガ信号21を入力すると、出力端子X1〜Xnから
駆動パルス22が順次出力され、発熱素子621〜62n
が順次駆動される。この結果、1番目の発熱素子621
がまず発熱してその近傍の液体が沸騰し、最初の気泡6
1が生成する。この気泡641は各発熱素子621〜6
nの順次の駆動に伴って図示右方向に移動し、所定の
時間の経過後に再び1番目の発熱素子621が駆動さ
れ、2番目の気泡642が発生し、この気泡642も図示
右方向に移動する。このとき、両方の気泡641,642
は同時に搬送路61内に存在し、図8に示した例では、
最初の気泡641は、2番目の気泡642に対し、発熱素
子の9個分だけ先行している。このとき、適当なタイミ
ングで微小物体65を搬送路61内に送り込むことによ
り、この微小物体65は2個の気泡641,642に挟ま
れた部分の液体に囲まれるようになり、この微小物体6
5は、両方の気泡641,642の移動による前記挟まれ
た部分の液体の搬送に伴って、搬送路61内を図示右方
向に移動するようになる。この場合、この微小物体65
の搬送は、気泡641,642の発泡力を原動力として行
なわれることになる。したがって、微小物体65の搬送
速度は、駆動パルス22(図4)の位相差Δを制御する
こと、すなわちパルス駆動回路64の流量調節端子Sへ
の入力を制御することによって、変化させることができ
る。また、この搬送路61の出口端に他の搬送路を接続
して上述の各参考例のように構成することにより、液体
に分散された微小物体の混合および分岐を行なうことが
できることはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、搬送路に
複数個の発熱部を相互に近接するように設けることによ
り、この発熱部を順次駆動すれば、搬送路内に気泡が発
生してこの気泡が見かけ上搬送路内を移動することにな
るので、この気泡の移動に伴って微小量の液体が搬送す
ることとなり、微小物体がこの液体に分散されていれ
、機械的駆動部を設けることなくこの微小物体の搬送
を行なうことができるようになるという効果がある。さ
らに本発明は、装置全体を非常にコンパクトにまとめる
ことができ、装置の信頼性を高めることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】1の参考例の液体混合/分岐装置の構成を示
す説明図である。
【図2】液体の搬送原理を説明する図である。
【図3】発熱素子の駆動パルスの一例を示すタイミング
チャートである。
【図4】発熱素子の駆動パルスの別の例を示すタイミン
グチャートである。
【図5】2の参考例の液体混合/分岐装置の構成を示
す説明図である。
【図6】3の参考例の液体混合/分岐装置の構成を示
す説明図である。
【図7】4の参考例の液体混合/分岐装置の構成を示
す説明図である。
【図8】本発明の実施例の微小物体搬送装置の構成を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1 第1の液体搬送路 2 第2の液体搬送路 3 第3の液体搬送路 41〜4n,51〜5n',61〜6m 発熱素子 7〜9 パルス駆動回路 10 接続点 11,12 液室 20 気泡 21 トリガ信号 22 駆動パルス 311〜313,41 液室 321〜323,441,442 液体搬送路 33,35,43,54,621〜62n 発熱素子 34,42 共通液体搬送路 44,63 パルス駆動回路 511〜51m 入力側搬送路 521〜52n 出力側搬送路 53 混合室 61 搬送路 641,642 気泡 65 微小物体 S 流量調節端子 T トリガ入力端子 X1〜Xn,Xn',Xm 出力端子 Δ 位相差

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体中に分散された微小物体を搬送する
    微小物体搬送装置であって、 微小な断面積を有する搬送路と、 前記搬送路の長手方向に相互に近接して設けられた複数
    個の発熱部と、 前記発熱部のそれぞれを前記搬送路の長手方向に2回以
    上にわたって順次駆動するパルス駆動回路とを有し、 前記発熱部を順次駆動させることによって前記液体中に
    離隔した2以上の気泡を発生させて前記各気泡を見かけ
    上移動させ、前記各気泡によって区切られた領域内の液
    体に含まれる前記微小物体を前記各気泡の移動に伴って
    搬送する微小物体搬送装置。
  2. 【請求項2】 パルス駆動回路は、隣接する2個の発熱
    部の駆動の時間差を外部からの指令によって変化させる
    ことができるものである、請求項記載の微小物体搬送
    装置。
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