JP3186473B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

油圧制御装置

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JP3186473B2
JP3186473B2 JP27671994A JP27671994A JP3186473B2 JP 3186473 B2 JP3186473 B2 JP 3186473B2 JP 27671994 A JP27671994 A JP 27671994A JP 27671994 A JP27671994 A JP 27671994A JP 3186473 B2 JP3186473 B2 JP 3186473B2
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正章 戸田
和俊 山下
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神鋼電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、リフトの昇
降に油圧を用いる電動フォークリフトにおいて、リフト
下降時に回生制御を行ない、そのエネルギーをバッテリ
に戻す油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、充放電可能な二次電池(バッテ
リ)をフルに充電するにはかなりの時間を必要とする。
このため、バッテリを駆動源とするモータによって各種
作業を行なう作業機械においては、作業可能時間の延長
を図るべく、フルに充電されたバッテリをなるべく充電
しないで済ませる各種試みが行なわれている。
【0003】例えば、バッテリに充電された電気エネル
ギーにより電動モータを駆動して、走行するとともに、
油圧ポンプを回転させてリフトの昇降を行なう電動式フ
ォークリフトにおいては、モータを走行時には電動機と
して使用する一方、制動時には発電機として使用するこ
とによって運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、
これをバッテリに戻す(回生ブレーキを行なう)ことに
よって、バッテリを効率良く使用しようとする試みが企
図された。
【0004】ところで、かかる回生ブレーキは行なわれ
ているものの、荷役作業における回生制御、すなわち、
リフト下降時において、荷物の位置エネルギーをバッテ
リへ回生する制御は、ほとんど行なわれていない。この
大きな理由の一つには次のような問題があるからであ
る。すなわち、フォークリフトの油圧回路では、ポンプ
や弁、配管などの非線形要素が多いので、制御が難し
い、という問題があるからである。
【0005】それでも、本願発明者らは、この問題に際
し、かかる電動フォークリフトにおける荷役作業時にあ
ってリフトの下降時に、荷物の位置エネルギーをバッテ
リへ回生する制御を試みた。
【0006】(従来の油圧制御装置の油圧系統)図13
(a)は、この油圧制御装置における油圧回路10を示
す回路図である。この図において、11はモータであ
り、電動機として働く場合には、ポンプ12を回転させ
てオイルをオイルタンク13から吸い上げる一方、発電
機として働く場合には、油圧によるポンプ12の回転を
電気エネルギーに変換する。14、15はそれぞれ逆流
防止装置であり、図に示した矢印方向を順方向としてオ
イルの流れを規制する。
【0007】また、V1は電磁弁であり、配管を非励磁
状態(図示の状態)では遮断状態に、励磁状態ではスル
ー状態にそれぞれ切り替える。V2も電磁弁であり、後
述する指令信号にしたがって、図に示すA状態からB状
態までの開度調整を行なう。すなわち、V2への指令信
号の指令値が大なるにつれて、ポンプ12からリフトシ
リンダ16へ供給されるオイル流量が制限される一方、
オイルタンク13に戻されるオイル流量が増えるように
なっている。なお、リフトシリンダ16は、リフトに連
結されており、これによりリフトが昇降するようになっ
ている。
【0008】(モータの駆動部)次に、モータ11を駆
動する駆動部について説明する。図14(a)は、この
駆動部20の構成を示す回路図である。この図に示すよ
うに、モータ11では、その界磁21が正/負に切り替
えられるようになっている。モータ11の界磁21側と
なる一端は、スイッチSWを介してバッテリ22の
(+)端子に接続される一方、モータ11の他端は、ト
ランジスタTRを介してバッテリ22の(−)端子に接
続される。
【0009】また、モータ11の他端とバッテリ22の
(+)端子との間には、前者から後者への電流を流すダ
イオード23が介挿される一方、バッテリ22の(−)
端子とモータ11の一端との間には、前者から後者への
電流を流すダイオード24が介挿されている。なお、図
示はしないが、モータ11には、モータ11自体に流れ
る電流値を検出する電流計が取り付けられている。
【0010】ここで、トランジスタTRのベースには、
次のような制御信号が供給される。すなわち、この制御
信号は、リフトを上昇させる場合にはHレベルとなる一
方、リフトを下降させる場合には、t秒毎に強制的にH
レベルとなり、モータ11の電流値が、後述する過電流
値(電流しきい値)より大きくなったときに、Lレベル
となる信号である。いうまでもなく、この制御信号がH
レベルとなったときにトランジスタTRがオンとなるよ
うになっている。
【0011】(全体構成)次に、従来の油圧制御装置の
全体的な構成について図15を参照して説明する。この
図に示すように、従来の油圧制御装置は、操作・指令部
25と制御部30とに大別され、このうちの操作・指令
部25は、センサ34、35、前述した油圧回路10お
よび駆動部20から構成され、また、制御部30は、切
換制御器31、加算器32およびPI(比例・積分)コ
ントローラ33から構成される。
【0012】まず、操作・指令部25について説明す
る。この操作・指令部25は、リフトを昇降させるため
に必要な機構、およびリフトの昇降を指令するための機
構をいう。前者については、上述のように、このフォー
クリフトのリフトが油圧回路10におけるリフトシリン
ダ16(図13参照)により昇降し、リフトシリンダ1
6の排油制御は、駆動部20におけるモータ11(図1
3、14参照)により行なわれるようになっている。ま
た、このリフトには、その昇降速度を検出するセンサ3
4が取り付けられている。このセンサ34は、昇降に応
じてパルスを発生するパルスエンコーダ等から構成さ
れ、単位時間あたりのパルス数をカウントすることによ
って、リフトの実際の昇降速度を示す速度信号を出力す
る。
【0013】リフトの昇降を指令するための機構につい
ては、センサ35が、リフトの昇降操作を指示するリフ
トレバーに取り付けられており、リフトレバーの操作方
向と操作量とを検出する。そして、センサ35の検出結
果のうちの操作方向を示す信号によって、当該操作がリ
フトを上昇あるいは下降させる指示であるかが判別する
ことができるようになっており、この操作方向を示す信
号が操作方向信号として出力される。また、センサ35
の他方の検出結果である操作量を示す信号が、リフトの
昇降速度を指令する速度指令信号として出力される。そ
して、センサ34、35の出力信号は、ともに制御部3
0に供給される。
【0014】一方、制御部30側における切換制御器3
1は、リフトの上昇・下降の指令に対応して電磁弁V
1、V2およびスイッチSWの開閉を制御するものであ
り、リフトの上昇指令にあっては、上昇速度の指令信号
に応じて電磁弁V2の開度も制御する。また、加算器3
2は、リフトレバーによる指令信号から実際の速度信号
を減算して偏差信号を求め、これをPIコントローラ3
3に供給し、PIコントローラ33はこの偏差信号に対
応して、電流しきい値たる過電流値を駆動部20に供給
する。
【0015】(従来の油圧制御装置の動作)次に上述し
た従来の油圧制御装置の動作について、リフトの上昇時
と下降時とに分けて説明する。
【0016】(上昇時)操作者がリフトレバーを操作し
て、リフトを上昇させる操作がなされると、リフトレバ
ーに取り付けられたセンサ35により、かかる操作が行
なわれた旨を示す操作方向信号とその際の上昇速度を示
す指令信号とが、制御部30に供給される。これをうけ
て、制御部30の切換制御器31は、駆動部20におけ
るスイッチSWをオンとし、界磁21を電動機として使
用する方向に切り替え、トランジスタTRをオンとす
る。これにより、電流が、図14(a)に示す波線のよ
うに流れて、モータ10は電動機として回転する。
【0017】一方、切換制御器31は、油圧回路10に
対して、電磁弁V1に非励磁状態とする信号を供給する
一方、電磁弁V2に、開度を規定する信号を上昇速度の
指令信号にしたがって供給する。これによりオイルが、
図13(a)における波線で示したように、オイルタン
ク13からポンプ12を介してリフトシリンダ16まで
流れて、リフトが上昇する。この際の上昇速度は、電磁
弁V2の開度に制御される。
【0018】(下降時)操作者がリフトレバーを操作し
て、リフトを下降させる操作がなされると、リフトレバ
ーに取り付けられたセンサ35により、その旨の操作が
行なわれたことを示す操作方向信号とその際の下降速度
を示す指令信号とが、制御部30に供給される。
【0019】これをうけて、制御部30の切換制御器3
1は、油圧回路10に対して、電磁弁V1を励磁状態と
する一方、電磁弁V2をB状態とする。これにより、オ
イルが、図13(b)において波線で示したように、リ
フトシリンダ16→電磁弁V1→ポンプ12→電磁弁V
2→オイルタンク13へと戻される。そして、この際に
オイルシリンダ16から排出されるオイルの油圧により
ポンプ12が回転される。
【0020】一方、制御切換器31は、駆動部20に対
して、スイッチSWをオフとするとともに、界磁21を
発電機として使用する方向に接続するように指令する。
この時点では、モータ11は回転し始めたばかりなの
で、モータの電流値は、電流しきい値たる過電流値以下
である。このため、トランジスタTRがオンされて、電
流が、図14(b)の波線で示すように流れる。すなわ
ち、電流は、モータ11→トランジスタTR→ダイオー
ド24→モータ11という閉ループ(環流回路)を巡回
する。
【0021】このため、モータ11に流れる電流は増加
する。そして、モータ11に流れる電流値が、電流しき
い値たる過電流値より大きくなると、トランジスタTR
がオフにされる。この結果、電流が、図14(c)の波
線で示すように、モータ11→ダイオード23→バッテ
リ22→ダイオード24→モータ11という回生回路を
流れて、これによりバッテリ22への充電が行なわれ
る。このようにして、リフトの下降速度を制御すること
ができる。
【0022】そして、トランジスタTRのベースに供給
される制御信号は、前にHレベルとなってから(この
間、制御信号は比較によりLレベルとなって、トランジ
スタTRがオフとなるが)t秒経過すると、再び、Hレ
ベルとなってトランジスタTRがオンとされる。このよ
うに、過電流値によってトランジスタがオン・オフされ
る様子を図16に示す。
【0023】かかる動作のくり返しが行なわる結果、電
流しきい値たる過電流値が高ければトランジスタTRが
オンしている時間が長くなるため制動が大きくかかっ
て、リフト下降速度は遅くなる一方、過電流値が低けれ
ばトランジスタTRがオフしている時間が短くなるため
リフト下降速度は速くなる。過電流値は、前述のように
指令信号と速度信号との偏差にしたがって増減するの
で、結局、リフトレバーの下降指令速度に応じた回生制
御が、電流しきい値たる過電流値を操作信号として行な
われるようになっている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した油圧
制御装置では、下降時の回生制御において次のような欠
点があった。
【0025】 ポンプ12の回転速度が小さい場合
に、回転むらが生じることがある。したがって、このよ
うな場合や、指令速度が小さい場合(微速の場合)に
は、一定の速度に収束せずに振動するときがあった。こ
れでは、振動に対しデリケートな荷物を扱うことができ
ない。 ポンプ12でのロスが大きいため、荷物重量(負
荷)が軽いと、モータ11に流れる電流値が過電流値よ
りも大きくならない場合がある。この場合、リフトレバ
ーの操作量に比べて実際の下降速度が遅くなってしま
い、指令通りに制御が行なわれなくなる。 電磁弁V1、V2の開閉を急激に行なうと、大きな
振動が発生する。このため、これらの開閉制御について
も過電流制御と並行して行なう必要があるが、この制御
の方法は構成の複雑化を招き、その実現が困難であっ
た。
【0026】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、リフトの下降制御に
際し、操作者に違和感がなく、かつ、リフトレバー操作
にあった滑らかな荷役作業を実現することが可能な油圧
制御装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
あっては、リフトの上昇時には、そのリフトを昇降させ
るリフトシリンダにポンプでオイルを供給する一方、前
記リフトの下降時には、前記リフトシリンダ内のオイル
を排出する油圧制御装置において、前記ポンプを駆動す
るモータと、リフトの下降時に、前記リフトシリンダ内
のオイルを前記ポンプを介することにより、前記モータ
を回生させる回生用送油経路と、リフトの下降時に、前
記リフトシリンダ内のオイルを前記ポンプを介さずに排
出する非回生用送油経路と、前記回生用送油経路と前記
非回生用送油経路とのいずれか一方を所定の条件にした
がって切り換える送油経路切換手段と、前記モータによ
り発生する電流を環流する環流回路と、前記モータによ
り発生する電流をバッテリに回生する回生回路と、前記
環流回路と前記回生回路とのいずれか一方を所定の条件
にしたがって選択するスイッチング手段とを具備するこ
とを特徴としている。
【0028】請求項2に記載に発明にあっては、請求項
1に記載の発明において、前記リフトの下降速度を検出
する速度検出手段と、前記リフトへの負荷を検出する負
荷検出手段と、操作者により指令された速度指令が予め
定められた第1のしきい値以上である場合であって、か
つ、前記負荷検出手段により検出された負荷が予め定め
られた第2のしきい値以上である場合には、オイルが前
記回生用送油経路に流れるように、前記送油経路切換手
段の切換を制御するとともに、前記速度検出手段により
検出された下降速度が前記速度指令となるように、前記
スイッチング手段の選択を制御する第1の制御手段と、
操作者により指令された速度指令が前記第1のしきい値
より小さい場合、あるいは、前記負荷検出手段により検
出された負荷が前記第2のしきい値より小さい場合に
は、オイルが前記非回生用送油経路に流れるように、前
記送油経路切換手段の切換を制御するとともに、前記速
度検出手段により検出された下降速度が前記速度指令と
なるように、前記非回生用送油経路へのオイル流量を制
御する第2の制御手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0029】請求項3に記載の発明にあっては、請求項
2に記載の発明において、リフトの下降時における加速
度を検出する加速度検出手段を備え、前記第1あるいは
第2の制御手段の少なくとも一方は、前記指令速度に対
する前記リフトの下降速度の偏差、下降時の加速度およ
びリフトの負荷を入力とするファジィ制御を行なうこと
を特徴としている。
【0030】請求項4に記載の発明にあっては、請求項
2に記載の発明において、さらに、前記第1の制御手段
は、前記回生用送油経路に流すオイル流量を、前記速度
指令に対応して制御することを特徴としている。
【0031】請求項5に記載の発明にあっては、請求項
4に記載の発明において、リフトの下降時における加速
度を検出する加速度検出手段を備え、前記第1の制御手
段は、前記回生用送油経路に流すオイル流量の制御を、
前記指令速度に対する前記リフトの下降速度の偏差、下
降時の加速度およびリフトの負荷を入力とするファジィ
制御により行なうことを特徴としている。
【0032】請求項6に記載の発明にあっては、請求項
2に記載の発明において、前記速度指令が前記第1のし
きい値をまたいで変化した場合に、前記第1および第2
の制御手段は、前記回生用送油経路および前記非回生用
送油経路の双方にオイルを一時的に流し、さらに、第1
の制御手段は、前記回生用送油経路に流すオイル流量を
変化後の速度指令に対応して制御することを特徴として
いる。
【0033】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、リフトの下降
時において、リフトシリンダ内のオイルは、回生用送油
回路あるいは非回生用送油経路のいずれか一方を経由し
て排出される。この際、オイルが回生用送油経路を経由
すれば、このオイルによってポンプが回転する。そし
て、ポンプが回転することによりモータが回転し、これ
により電流が発生する。この電流は、回生回路によりバ
ッテリに回生されるか、あるいは環流回路により環流さ
れるが、これはスイッチング手段により切り換えられ
る。一方、オイルが非回生用送油経路を経由すれば、リ
フトシリンダ内のオイルはポンプを介さずに直ちに排出
される。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、操作者に
より指令された速度指令が予め定められた第1のしきい
値以上である場合であって、かつ、負荷検出手段により
検出された負荷が予め定められた第2のしきい値以上で
ある場合には、モータの回生によるリフトの下降制御が
可能と予想して、リフトシリンダ内のオイルが回生用送
油経路に流れるように切り換えられる。この際、スイッ
チング手段は、第1の制御手段の制御によって、速度検
出手段により検出された下降速度が速度指令となるよう
に選択を行なうから、リフトは、速度指令にしたがった
速度で下降するとともに、モータにより発生した電流が
バッテリに回生される。一方、操作者により指令された
速度指令が第1のしきい値より小さい場合、あるいは負
荷検出手段により検出された負荷が第2のしきい値より
小さい場合には、モータの回生ではリフトの下降制御が
不可能と予想して、リフトシリンダ内のオイルが非回生
用送油経路に流れるように切り換えられる。この際、非
回生用送油経路に流れるオイルの流量は、第2の制御手
段によって、速度検出手段により検出された下降速度が
速度指令となるように制御されるから、この場合でもリ
フトは、速度指令にしたがった速度で下降する。
【0035】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明にくわえてリフトの下降時の加速度をも考
慮したファジィ制御が行なわれるので、滑らかな操作が
可能となる。さらに、例えば、PI制御に比べてゲイン
の設定をする必要もなくなる。一般に、加速度は、速度
を微分することで得られるので、実際には、加速度検出
手段として設ける必要がなく、速度検出手段の出力を共
用して、その出力を微分する構成で済む。
【0036】リフトの下降速度は、スイッチング手段に
よる選択により制御されるので、回生用送油経路に流れ
る流量は、速度指令に対応してさえすればそれで充分で
ある。請求項4に記載の発明によれば、第1の制御手段
により、この流量の制御が行なわれて、下降の速度指令
に対応し得るオイル量が回生用送油経路に充分に流され
る。
【0037】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明において行なわれる回生用送油経路に流す
オイルの流量制御が、リフトの下降加速度をも考慮した
ファジィ制御により行なわれる。このため、さらに、滑
らかな下降制御を行なうことが可能となる。
【0038】リフトの下降を操作する場合にあっては、
第1のしきい値をまたいで変化する場合が当然のことな
がら発生する。請求項2に記載の発明における場合分け
にしたがった制御が行なわれると、送油経路の切換時に
衝撃が発生する可能性が残る。請求項6に記載の発明に
よれば、第1および第2の制御手段により、回生用送油
経路にあるいは非回生用送油経路に切り換えられるとき
に、オイルが両経路に一時的に流されて、衝撃が緩和さ
れる。さらに、オイルが回生用送油経路に切り換えられ
た際には、第1の制御手段により、回生用送油経路に流
すオイル流量が変化後の速度指令に対応して制御される
ので、切換後に滑らかな回生制御を直ちに行なうことが
可能となる。
【0039】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。 (実施例の油圧系統)図1(a)は、この発明の第1実
施例に係る油圧回路1の構成を示す回路図である。この
図が、従来の装置を示す図13と相違するところは、さ
らに電磁弁V3が追加された点にあり、この電磁弁V3
により、図1(c)に示すようなからへの開通状態
が設定され、オイルシリンダ16から排出されるオイル
が、ポンプ12をバイパスしてオイルタンク13に直接
戻すことができるようになっている。さらに、から
への開度の調整が、電磁弁V3への指令値にしたがって
行なわれるようになっている。ここで、説明の便宜上、
図1(b)において、からへの開通状態を電磁弁V
2のランプ状態と呼び、また、図1(c)において、
からへの開通状態を電磁弁V3のランプ状態と呼ぶこ
とにする。
【0040】この実施例のリフト上昇時における動作
は、従来と同じとなるので、上昇時については特に説明
しない。本願発明は、リフト下降時にその特徴が現われ
るので、以下、リフトの下降制御のための構成・動作に
ついて説明する。
【0041】(全体構成)まず、この実施例に係る油圧
制御装置の全体的な構成について図2を参照して説明す
る。なお、図15に示した構成要素と同一の部分につい
ては、同一の符号を付与し、その説明を省略する。この
図に示すように、操作・指令部40は、さらにセンサ4
1を有している。このセンサ40はリフトに取り付けら
れ、負荷重量を検出するものである。
【0042】一方、この実施例における制御部50は、
主に切換制御器51、モード切換部52、ポンプ側コン
トローラ60およびバイパス側コントローラ70により
構成される。切換制御部51は、センサ35の操作方向
信号および電磁弁V3への指令値により、電磁弁V1お
よびスイッチSWの開閉を制御するものである。また、
モード切換部52には、センサ35の指令信号、センサ
41の負荷検出信号およびセンサ34による速度信号が
供給される。モード切換部52は、負荷検出信号および
指令信号にしたがって後述する制御モードを切り換える
とともに、指令信号から速度信号を減算して偏差信号を
求め、また速度信号を微分してリフトの加速度を示す信
号を求めて、負荷検出信号とともにこれら信号をポンプ
側コントローラ60およびバイパス側コントローラ70
にそれぞれ供給する。
【0043】ポンプ側コントローラ60は、入力信号に
したがって後述するファジィ制御を行なって、電磁弁V
2の指令値の増値と、トランジスタTRの制御信号の基
礎となる過電流値の増減値とをそれぞれ求めて出力す
る。電磁弁V2の指令値の増値は、加算器61の一方の
入力端に供給される。また、加算器61の他方の入力端
には、遅延器62による1サンプル前の出力が供給され
ており、結局、加算器61は、その時点の増値と1サン
プル前の出力との和を求めて積分し、これを電磁弁V2
の指令値として出力するようになっている。加算器63
も同様にして、過電流値の増減値とその1サンプル前の
値とを加算して、これを過電流値として出力するように
なっている。
【0044】バイパス側コントローラ70は、入力信号
にしたがって後述するファジィ制御を行なって電磁弁V
3の増減値を求めて出力する。加算器71も同様にし
て、電磁弁V3の増減値とその1サンプル前の値とを加
算して、これを電磁弁V3の指令値として出力するよう
になっている。
【0045】(モード切換部における制御モード)次
に、モード切換部52において設定される5種類の制御
モードについて説明する。モード切換部52は、指令信
号により示されるリフトレバーの指令量と、負荷検出信
号により示されるリフトの負荷とから、図3に示される
(a)〜(d)の4つの状態を規定する。ここで、モー
ド切換負荷およびモード切換速度とは、状態(b)〜
(d)を規定するためのしきい値を示す。
【0046】次に、これら4つの状態(a)〜(d)と
制御モードとの関係について説明する。
【0047】(モード0)状態(a)は、リフトレバー
への指令が零となった場合に、すなわちリフトの停止さ
せる旨の操作(通常、リフトレバーのオフ操作)がなさ
れた場合に、負荷とは無関係に規定される状態を示す。
この状態(a)がそのままモード0に対応する。この制
御モードがモード0になると、電磁弁V2、V3はあら
かじめ定められたゲイン(時間的な開閉率)で全閉させ
られ、電磁弁V1は、電磁弁V3が閉められた後に全閉
される。なお、当然のことながら、このモード0では、
ポンプ側コントローラ60およびバイパス側コントロー
ラ70によるファジィ制御は行なわれない。
【0048】(モード1)状態(b)は、センサ41に
より検出された負荷がモード切換負荷より小さい状態を
示し、また、状態(c)は、リフトレバー指令がモード
切換速度よりも小さい状態であって、状態(b)を除い
た領域を示す。状態(b)および(c)がモード1に対
応する。すなわち、このモード1は、負荷が軽い場合、
あるいはリフトの下降速度指令が微速である場合を示
す。このため、油圧回路1が図1(c)に示した状態に
設定されて、後述するように、電磁弁V3がバイパス側
コントローラ70によりファジィ制御されるようになっ
ている。
【0049】(モード2)状態(d)は、リフトレバー
指令がモード切換速度以上であって、かつ負荷がモード
切換負荷以上である状態を示す。ここで、モード2は、
状態(d)から状態(c)へ移行したときに設定され
る、いわば過渡的なモードである。例えば、このモード
2は、リフトレバーによる下降速度指令が、高速から微
速にモード切換速度にまたがって切り換えられたときに
設定される。このため、後述するように、電磁弁V3が
バイパス側コントローラ70によりファジィ制御される
とともに、電磁弁V2がランプ状態から予め定められた
ゲインで全閉されるようになっている。なお、このモー
ド2では、油圧回路1が図1(c)に示した状態となっ
ていたことを前提としている。
【0050】(モード3)状態(d)がモード3に対応
する。すなわち、このモード3は、負荷が重くて、かつ
リフトの下降速度指令が高速である場合に設定される。
このため、油圧回路1が図1(b)に示した状態に設定
されて、後述するように、電磁弁V2および過電流値が
ポンプ側コントローラ60によりファジィ制御されるよ
うになっている。この際、電磁弁V2は、指令速度が得
られる値まで開いていれば充分であるため、指令速度に
応じて上限値を定めておき、その上限値までファジィ制
御で開くように設定される。もしリフトレバーが戻され
て指令速度が下がった場合には、電磁弁V2は、ランプ
状態からその指令速度に応じた上限値まで予め定められ
たゲインにて閉められる。なお、リフト下降速度を、指
令信号で示される指令速度となるように操作するものが
過電流値である点は従来と同じである。
【0051】(モード4)モード4は、モード2とは逆
に、状態(c)から状態(d)へ移行したときに設定さ
れるモードであり、例えば、リフトレバーによる下降速
度指令が、低速から高速にモード切換速度にまたがって
切り換えられたときに設定される。このとき、後述する
ように、電磁弁V2および過電流値がポンプ側コントロ
ーラ60によりファジィ制御されるようになっている。
この際、電磁弁V2は、指令速度が得られる値まで開い
ていれば充分であるため、指令速度に応じて上限値を定
めておき、その上限値までファジィ制御で開くように設
定される。
【0052】なお、この制御モードは、センサ41の負
荷検出信号がモード切換負荷をまたいで変化した場合に
切り換えられない。リフトの昇降時に負荷重量は変化し
ないし、また、次に説明する加速度も考慮したファジィ
制御が行なわれるためである。
【0053】(ポンプ側コントローラによるファジィ制
御)次に、ポンプ側コントローラ60において行なわれ
るファジィ制御について説明する。ここで、ポンプ側コ
ントローラ60に供給される偏差、加速度および負荷を
それぞれ図5(a)〜(c)に示すように規定する。こ
れらの図において、N,Z,P,SおよびBは、それぞ
れメンバーシップ関数のラベルである。なお、これらの
図では、説明の簡略化のためすべて三角形を用いている
が、実際には、制御系の非線形特性を考慮して、これら
形状を適切に変更するのが望ましい。
【0054】このようにして規定された入力の組み合わ
せ(ルール)に対する出力の関係を図4に示す。この図
の過電流値と電磁弁V2の増値とにおいて、NB、N
M,NS,PS,PM,PB,PZS,PSM,および
PMBもメンバーシップ関数のラベルであり、それぞれ
図5(d),(e)のように規定される。
【0055】このようにして規定されるファジィルール
において、例えば、ルール3は、「もし、偏差が負、か
つ加速度が零くらい、かつ負荷が軽い」ならば、「過電
流値を中くらい増やして電磁弁V2をそのままにせよ」
という意味であり、また、ルール15は「もし、偏差が
正、かつ加速度が零くらい、かつ負荷が軽い」ならば、
「過電流値を中くらい減らして電磁弁V2を中くらい開
け」とい意味である。なお、ここで、負荷が軽いか否か
の判断根拠となるしきい値は上述したモード切換負荷と
する。
【0056】このようにポンプ側コントローラ60にお
いて規定されるファジィルールでは、偏差が負の場合に
は、すなわち速度信号が指令信号よりも大きく、下降速
度が速すぎる場合には、過電流値を増やして下降速度を
抑える一方、偏差が正の場合には、過電流値を減らして
下降速度を大きくするように設定されている。また電磁
弁V2については、指令速度が得られる以上に開いてい
ればよいので、上限値に達していない場合ではファジィ
制御により開かれる一方、開きすぎている場合ではラン
プ状態から閉められる。また負荷によっても過電流値の
増減と電磁弁V2の開度との度合いは異なり、負荷が軽
い場合にはともに大きくなり、負荷が重い場合にはとも
に小さくなるように設置されている。これは、振動を考
慮したためであり、負荷が軽い場合には振動が起こりに
くくする一方、重い場合には衝撃が発生しないようにし
て、荷崩れなどを防止するためである。
【0057】(バイパス側コントローラによるファジィ
制御)次に、バイパス側コントローラ70において行な
われるファジィ制御について説明する。ここで、ポンプ
側コントローラ70に供給される偏差、加速度および負
荷を、同様に、それぞれ図5(a)〜(c)に示すよう
に規定する。そして、この入力の組み合わせ(ルール)
に対する出力の関係を図6に示す。この図の電磁弁V3
の増減値に対応するラベルも、同様に図7のように規定
する。
【0058】このようにして規定されるファジィルール
において、例えば、ルール2は「もし、偏差が負、かつ
加速度が零くらい、かつ負荷が軽い」ならば「電磁弁V
3を大きく閉めろ」を意味し、また、ルール13は「も
し、偏差が正、かつ加速度が零くらい、かつ負荷が軽
い」ならば「電磁弁V3を大きく開け」という意味であ
る。かかるファジィルールにおいては、偏差が正の場
合、すなわち速度信号が指令信号よりも大きくて、下降
速度が速すぎる場合には、電磁弁V3を閉めて下降速度
を抑える一方、偏差が負の場合には、電磁弁V3を開い
て下降速度が速くなるようになっている。また、負荷に
よっても弁V3の開閉の度合いは異なり、軽い場合には
開閉の仕方が大きくなる一方、重い場合は小さくなるよ
うになっている。この理由は、ポンプ側コントローラ6
0側での理由と同じであり、振動を考慮したためであ
る。
【0059】(実施例の動作)次に、実施例の動作につ
いて、実際に行なわれるであろう操作を例にとって説明
する。この操作は、リフトを下降する方向に停止→微速
→高速→中速→微速→停止と切り換えるものであり、リ
フトの下降を、荷物に与える衝撃をできるだけ小さく
し、かつ短期間にて行なうためになされるごく一般的な
操作である。なお、ここでいう中速とはモード切換速度
以上のものをいい、微速とはモード切換速度より小さい
ものをいう。
【0060】この場合に、センサ35により出力される
指令信号を図8に示す。時刻t1 においてリフトレバー
が停止から微速へと操作されると、制御モードがモード
0からモード1に移行する。下降指令であるので、ま
ず、切換制御部51により電磁弁V1が全開に、スイッ
チSWがオフにそれぞれ設定される。そして、モード1
であるために、電磁弁V3がファジィ制御により開か
れ、リフトシリンダ16からオイルタンク13に直接向
かうオイル量が調整されて、微速の指令信号に対応する
制御が行なわれる。なお、このときの油圧回路は、図1
(c)に示した状態である。
【0061】次に、時刻t2 においてリフトレバーが微
速から高速へと操作されると、すなわち、モード切換速
度をまたぐ操作がなされると、この操作は、状態(c)
から状態(d)への変化であるので、制御モードがモー
ド4に移行する。このため、電磁弁V2が、この速度指
令に対応する上限値までファジィ制御で開かれる一方、
電磁弁V3は、ランプ状態から閉められる。したがっ
て、ポンプ12にオイルが流れ始め、モータ電流が立ち
上がって、回生制御が開始される。この際のモータ電流
は、ファジィ制御の過電流値(の比較処置)により制御
される。
【0062】時刻t3 において電磁弁V3が全閉にされ
ると、制御モードがモード3に移行する。これにより、
油圧回路は、図1(b)に示す状態となっており、過電
流値によるモータ電流の制御によって、高速の指令速度
に対応する制御が行なわれる。
【0063】次に、時刻t4 においてリフトレバーが高
速から中速へと操作されると、電磁弁V2は、指令速度
に対して開きすぎているのでランプ状態から、その中速
に対応する値まで閉められ、また過電流値は、下降速度
が指令速度よりも大きすぎるので、ファジィ制御により
増やされる。
【0064】時刻t5 においてリフトレバーが中速から
微速へと操作されると、すなわちモード切換速度をまた
ぐ操作がなされると、この操作は状態(d)から状態
(c)への変化であるので、制御モードがモード2に移
行する。このため、電磁弁V3がファジィ制御により開
かれる一方、電磁弁V2がランプ状態から閉められる。
したがって、ポンプ12に供給されていたオイルが絞ら
れ、回生制御が終了に向かう。
【0065】そして、時刻t6 において電磁弁V2が全
閉にされると、制御モードが再びモード1に移行する。
これにより、油圧回路は、完全に図1(c)に示す状態
となって、電磁弁V3によるオイル量の規制だけで微速
の指令速度に対応するファジィ制御が行なわれる。
【0066】最後に、時刻t7 においてリフトレバーが
微速から停止へと操作されると、すなわち、ホームポジ
ションに戻されると、電磁弁V3はランプ状態から閉め
られる。そして、電磁弁V1は、電磁弁V2、V3が閉
められた後に全閉される。これによりリフトは完全に停
止する。
【0067】かかる実施例によれば、制御モードを切り
換えて、オイルをポンプ側とバイパス側とに振り分ける
とともに、過電流値と電磁弁V1、V2の開閉度をファ
ジィ制御することによって、リフト下降時の回生制御
を、振動を起こさないで滑らかに行なうことができる。
この際、バイパス側からポンプ側への移行をモード4に
より、ポンプ側からバイパス側への移行をモード2によ
り、それぞれ、ポンプ側およびバイパス側の双方に重複
して流れる期間が与えられるので、切換時の衝撃を少な
くすることができる。
【0068】また、この実施例は、負荷や加速度をも考
慮したファジィ制御を行なっているので、これら要因の
影響を受けることなく、リフト下降時の回生制御が可能
である。くわえて、PI制御では、負荷や加速度を考慮
してそのゲインを設定する必要があるが、この実施例で
は、その必要もない。
【0069】(第2実施例)次に、この発明の第2実施
例について説明する。図9は、この第2実施例の構成を
示すブロック図であり、図2における第1実施例と同一
の構成要素には同じ符号を付与し、その説明を省略す
る。この第2実施例は、第1実施例に対し、オイルをポ
ンプ側とバイパス側とに振り分ける点では同様である
が、過電流値と電磁弁V1、V2の開閉度をPI制御す
る点で相違する。この相違に基づいて制御部150が構
成される。
【0070】まず、制御部150は、切換制御器51、
モード切換部152、ポンプ側コントローラ160およ
びバイパス側コントローラ170により構成される。モ
ード切換部152は、負荷検出信号および指令信号にし
たがって制御モードを切り換えるとともに、指令信号か
ら速度信号を減算して偏差信号を求めてポンプ側コント
ローラ160およびバイパス側コントローラ170にそ
れぞれ供給する。また、このモード切換部152は、制
御モードに応じて電磁弁V2を制御するものであり、詳
細には、ランプ状態から指令速度に応じた上限値(下降
速度を必ず得ることができる値)まで、あるいはその逆
に開閉するように制御する。
【0071】また、この第2実施例における制御モード
は、第1実施例と同じモード0〜モード4までの5種類
を規定しており、その動作も第1実施例とほぼ同様であ
る。動作における相違点は、電磁弁V2をファジィ制御
ではなく、また、下降速度の指令信号に対応する開度ま
で予め定められたゲインにて制御しているので、電磁弁
V2の指令値が直線的となる点である。
【0072】この第2実施例は、PI制御を行なうの
で、第1実施例ほどきめ細かい制御はできないが、それ
でも、リフト下降時の回生制御を、振動を起こさないで
滑らかに行なうことができる点は、第1実施例と同様で
ある。
【0073】(変形例)上述した第1および第2実施例
では、過電流値とモータ電流値とを比較してトランジス
タTRをオン/オフすることにより、モータ電流値を制
御していたが、本願はこれにとらわれず、例えば、通流
率(単位時間あたりにトランジスタがオンする割合)を
用いて制御しても良い。この場合、偏差信号が負となっ
たならば、図11に示されるように、通流率を50%か
ら80%に上げる一方、偏差信号が正であって、その差
が大きければ、通流率を80%から30%に大幅に下げ
る構成として、リフトの下降速度を指令速度に合わせる
ような構成としても良い。
【0074】また、過電流値を用いる制御のかわりに、
図12に示すような、瞬時値制御を行なっても良い。す
なわち、この瞬時値制御は、モータ電流が下限しきい値
VTH以下となったらトランジスタをオンさせる一方、モ
ータ電流が上限しきい値(VTH+α)以上となったらト
ランジスタをオフさせて、モータ電流のリップルを一定
の幅αに保つようにしたものである。そして、偏差信号
が負となったならば、下限しきい値VTHを上げる一方、
偏差信号が正となったならば、下限しきい値VTHを下げ
て、リフトの下降速度を指令速度に合わせるのである。
【0075】さらに、過電流値による制御、通流率によ
る制御あるいは瞬時値制御を、2つ以上適切に組み合わ
せた制御を行なっても良い。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、それぞれ次のような効果がある。
【0077】例えば、モータによるリフトの下降制御が
可能であるかを判断して、可能と判断すれば、オイルの
経路を回生用送油経路に切り換え、実際にモータによる
リフトの下降制御を行なう一方、モータによるリフトの
下降制御が不可能であると判断すれば、オイルの経路を
非回生用送油経路に切り換えるとともに、その流量も制
御することによってリフトの下降制御を行なう。すなわ
ち、リフトの下降時において、回生制御に依らない下降
制御をも行なう。したがって、リフトの下降制御に際
し、操作者に違和感がなく、かつ、リフトレバー操作に
あった滑らかな荷役作業を実現することが可能となる
(請求項1)。
【0078】リフトの下降時において、リフトの速度指
令および負荷に応じて適切に送油経路が切り換えられ
て、指令速度にしたがってリフトを下降することが可能
となり、速度指令が予め定められた第1のしきい値以上
である場合であって、かつ、負荷が予め定められた第2
のしきい値以上である場合には、モータにより発生した
電流をバッテリに回生することも可能である(請求項
2)。
【0079】リフトの下降時の制御を滑らかに行なうこ
とが可能であり、さらにその構成も簡易とすることが可
能となる(請求項3)。回生用送油経路に流すオイル量
が速度指令に応じて調節されるので、モータの回生が不
充分となって制御不良という事態が防止される(請求項
4)。回生用送油経路に流すオイルの流量制御が、リフ
トの下降加速度をも考慮したファジィ制御により行なわ
れので、さらに、滑らかな下降制御を行なうことが可能
となる(請求項5)。送油経路切換時の衝撃を緩和する
ことが可能であるとともに、切換後に滑らかな回生制御
を直ちに行なうことが可能となる(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の第1実施例における油圧回
路の構成を示す回路図であって、リフト上昇時を示す図
であり、(b)は同じくリフト下降回生時を示す図であ
り、(c)は同じくリフト下降バイパス時を示す図であ
る。
【図2】同実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図3】同実施例の制御モードのマップを説明するため
の図である。
【図4】同実施例におけるポンプ側コントローラの入出
力の関係を示す図である。
【図5】(a)〜(e)は、それぞれ同実施例における
ポンプ側コントローラの入出力であるメンバーシップ関
数のラベルを説明するための図である。
【図6】同実施例におけるバイパス側コントローラの入
出力の関係を示す図である。
【図7】同実施例におけるバイパス側コントローラの出
力であるメンバーシップ関数のラベルを説明するための
図である。
【図8】同実施例の動作を説明するための図である。
【図9】この発明の第2実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】同実施例の動作を説明するための図である。
【図11】この発明に適用可能である通量率による制御
動作を説明するための図である。
【図12】この発明に適用可能である瞬時値制御の動作
を説明するための図である。
【図13】(a)は従来の油圧制御装置における油圧回
路を構成を示す回路図であって、リフト上昇時を示す図
であり、(b)は同じくリフト下降回生時を示す図であ
る。
【図14】(a)は従来およびこの発明の実施例におけ
るモータの駆動部の構成を示す回路図であって、リフト
上昇時を示す図であり、(b)は同じくリフト下降時で
あってトランジスタがオンのときを示す図であり、
(c)は同じくリフト下降時であってトランジスタがオ
フのときを示す図である。
【図15】従来の油圧制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図16】従来の油圧制御装置の制御動作を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
11……モータ 12……ポンプ 16……リフトシリンダ 34……センサ(速度検出手段) 60……ポンプ側コントローラ(第1の制御手段) 70……バイパス側コントローラ(第2の制御手段) TR……スイッチング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 9/22,9/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフトの上昇時には、そのリフトを昇降
    させるリフトシリンダにポンプでオイルを供給する一
    方、前記リフトの下降時には、前記リフトシリンダ内の
    オイルを排出する油圧制御装置において、 前記ポンプを駆動するモータと、 リフトの下降時に、前記リフトシリンダ内のオイルを前
    記ポンプを介することにより、前記モータを回生させる
    回生用送油経路と、 リフトの下降時に、前記リフトシリンダ内のオイルを前
    記ポンプを介さずに排出する非回生用送油経路と、 前記回生用送油経路と前記非回生用送油経路とのいずれ
    か一方を所定の条件にしたがって切り換える送油経路切
    換手段と、 前記モータにより発生する電流を環流する環流回路と、 前記モータにより発生する電流をバッテリに回生する回
    生回路と、 前記環流回路と前記回生回路とのいずれか一方を所定の
    条件にしたがって選択するスイッチング手段とを具備す
    ることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記リフトの下降速度を検出する速度検
    出手段と、 前記リフトへの負荷を検出する負荷検出手段と、 操作者により指令された速度指令が予め定められた第1
    のしきい値以上である場合であって、かつ、前記負荷検
    出手段により検出された負荷が予め定められた第2のし
    きい値以上である場合には、オイルが前記回生用送油経
    路に流れるように、前記送油経路切換手段の切換を制御
    するとともに、前記速度検出手段により検出された下降
    速度が前記速度指令となるように、前記スイッチング手
    段の選択を制御する第1の制御手段と、 操作者により指令された速度指令が前記第1のしきい値
    より小さい場合、あるいは、前記負荷検出手段により検
    出された負荷が前記第2のしきい値より小さい場合に
    は、オイルが前記非回生用送油経路に流れるように、前
    記送油経路切換手段の切換を制御するとともに、前記速
    度検出手段により検出された下降速度が前記速度指令と
    なるように、前記非回生用送油経路へのオイル流量を制
    御する第2の制御手段とを具備することを請求項1記載
    の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 リフトの下降時における加速度を検出す
    る加速度検出手段を備え、前記第1あるいは第2の制御
    手段の少なくとも一方は、前記指令速度に対する前記リ
    フトの下降速度の偏差、下降時の加速度およびリフトの
    負荷を入力とするファジィ制御を行なうことを特徴とす
    る請求項2記載の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記第1の制御手段は、前記回
    生用送油経路に流すオイル流量を、前記速度指令に対応
    して制御することを特徴とする請求項2記載の油圧制御
    装置。
  5. 【請求項5】 リフトの下降時における加速度を検出す
    る加速度検出手段を備え、前記第1の制御手段は、前記
    回生用送油経路に流すオイル流量の制御を、前記指令速
    度に対する前記リフトの下降速度の偏差、下降時の加速
    度およびリフトの負荷を入力とするファジィ制御により
    行なうことを特徴とする請求項4記載の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 前記速度指令が前記第1のしきい値をま
    たいで変化した場合に、前記第1および第2の制御手段
    は、前記回生用送油経路および前記非回生用送油経路の
    双方にオイルを一時的に流し、さらに、第1の制御手段
    は、前記回生用送油経路に流すオイル流量を変化後の速
    度指令に対応して制御することを特徴とする請求項2に
    記載の油圧制御装置。
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