JP3185925B2 - 焼酎蒸留粕中の固形分の凝集促進方法及び凝集促進剤 - Google Patents

焼酎蒸留粕中の固形分の凝集促進方法及び凝集促進剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近年増産されてい
る焼酎粕の無公害処理に関し、詳しくは蒸留粕中の固形
分の凝集促進方法及び凝集促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】焼酎粕、畜産屎尿廃液、食品加工場から
出る廃液、そして水産加工物の廃液などの濃厚有機廃液
をはじめとする有機廃液の処理において、これら廃液を
効率よく処理するためには、固形分と液体分とを分離し
なければならない。現在行われている固液分離方法は、
浮上分離法、遠心分離法、そして凝集沈殿法などの方法
が行われており、これらを複数組み合わせて使用するこ
とが多い。上記に示した各固液分離方法の原理について
簡単に説明する。浮上分離法の原理は、廃液に圧縮空気
を吹き込んで加圧し、過飽和状態にした後減圧すると、
微細な気泡が発生して浮上する。その時に廃液中の懸濁
粒子が気泡と付着して、気泡と共に表面に浮上する。こ
の浮上した浮遊物は掻寄せ機により掻取られ、槽外へ排
出される。遠心分離法は、遠心分離機によって固体と液
体を分離させる方法である。凝集沈殿法は、廃液中の懸
濁粒子が必ずプラスかマイナスの電荷を帯びて、互いに
反発しながら浮遊していることを利用して、凝集剤、凝
集補助剤により、そのイオンを電気的に中和することに
より、粒子を接触凝集させ、沈殿させる方法である。凝
集剤や凝集補助剤を加える時、その効果を十分引き出す
ために処理液のpHを調整する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した濃
厚有機廃液は、水分を多量に含み、粘度が高いために、
上述した固液分離法を用いても固液分離が完全でない
か、或いは、非常に困難である。
【0004】例えば、焼酎廃液では、廃液中の固形分は
水分を90%前後も含んでいる。一般に、固形分の含水
率が90%であると、その固形分は泥状であり、その性
状は、軟らかく再浮遊しやすいものとなり、遠心分離器
を用いた分離が困難である。また、このような含水率9
0%程度の泥状の固形分を処理したのでは、処理装置に
負荷が余計にかかってしまう。このため、固体処理は厳
しい運転管理下で行われているのが現状となっている。
一方、含水率を10ポイント程度下げた含水率80%程
度の固形分は、土状であり、遠心分離機による固液分離
が可能で、更に、遠心分離された固形分はそのまま燃焼
することができる。従って、固形分の含水率を80%程
度に下げるための方法が望まれていた。
【0005】本発明は、上述した事情より成されたもの
であり、本発明の目的は、有機廃液の固液分離をより効
率的に行い、固液分離後の固形分の含水率を従来の方法
と比較して低下させる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、焼酎の
蒸留粕にオゾンを接触作用させて、当該蒸留粕中の浮遊
物質が凝集されて固形分の容積を減少させる。次にポリ
塩化アルミニウムを攪拌しながら混入して当該凝集され
た浮遊物を更に凝集して当該固形分の容積を更に減少さ
せるようにした。第2の発明では、焼酎の蒸留粕に接触
作用して、当該蒸留粕中の浮遊物質を凝集させて固形分
の容積を減少させることにより、次に攪拌しながら混入
されるポリ塩化アルミニウムにより当該凝集された浮遊
物が更に凝集されて当該固形分の容積を更に減少させる
オゾンを焼酎蒸留粕中の固形分の凝集促進剤とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるオゾンを用いた凝
集前処理は以下に示す工程により行われる。オゾンは、
気体のまま直接使用しても良いが、一般的には水に溶解
させて使用される。水に溶解されるオゾンの濃度は、1
〜200g/Nm3が適当であるが、処理廃液の種類
や、処理の目的などによって適宜変更しても良い。ま
た、オゾンを処理廃液に接触させる時間も、処理廃液の
種類によって、変更しうるものである。
【0008】オゾンを溶解した水溶液を使用する場合、
焼酎粕、畜産屎尿廃液、食品加工場から出る廃液、そし
て水産加工物の廃液などの有機廃液に、オゾン水を混合
する。混合するオゾン水の濃度や処理する時間は、処理
廃液によって適宜変える必要がある。気体のオゾンを使
用する場合、オゾンが存在する反応槽中に、有機廃液を
霧状或いは、廃液の表面積が大きくなるような状態にし
て、オゾン槽内に散布する。この時も、槽中のオゾン濃
度は処理廃液の種類によって適宜変える必要がある。以
上の両過程において、オゾン処理する時には、有機廃液
のpHを調整することなく凝集効果を高めることができ
るが、凝集効果が最も良く発揮されるようにするために
は、処理する有機廃液の種類によってpHを調整した方
がよい。オゾンと接触された有機廃液は、しばらく静置
しておいた方が望ましい。それは、この静置している間
に、有機廃液中の有機物へオゾンが作用し、その変化を
促進させるためである。オゾンは有機廃液中の有機物を
酸化し、その結果、廃液の粘性が低下するものと考えら
れる。
【0009】静置後、凝集剤を添加すると、有機廃液中
の有機物の凝集が起こる。凝集剤を添加した処理液は、
廃液中の固形分の凝集を促進させるために、撹拌しなけ
ればならない。撹拌方法は、凝集効果に対して重要な役
割を持つため、十分検討しなければならない。撹拌方法
によっては、空気がフロック中に含まれてしまうため
に、一見凝集したように見えたフロックも回収作業中に
バラバラに崩れてしまうことがある。処理液中に気泡が
入らないようにするために、撹拌方法は、マグネチック
スタラーや回転ドリルを利用した撹拌器などを利用する
のがよい。
【0010】焼酎粕を例として、オゾン処理をしないも
の、20分、40分、そして60分オゾン処理を行った
ものについて、高分子凝集剤を注入した凝集沈殿の効果
を示すグラフを図1に示す。横軸は静置時間(分)を表
し、縦軸は処理溶液1リットル中にしめる固形分の容積
(ミリリットル)を表す。この図1から、オゾン処理を
行うと固形分の容積が減少することがわかる。溶液中の
浮遊物質(以下、SS分とする)が凝集し、その結果と
して、固液分離が効率よく行われるからである。また、
図1の例では、オゾン処理を行う時間が40分位まで
は、オゾン処理を行う時間が増加すると固形分の容積は
減少していくが、40分以上では、オゾン処理の時間を
増やしても固形分の容積は減少せず、効果が飽和した状
態となる。このことから、処理する有機廃液の種類によ
って、効果が最大となるように処理時間を変化させる必
要がある。
【0011】以上の過程において、注入する凝集剤の量
は、処理する有機廃液の種類によって異なるが、オゾン
処理をしない時と比べておよそ65%〜15%の量で済
み、その凝集効果は、オゾン処理をしない時と比べて、
同等かそれ以上となった。
【0012】
【実施例1】減圧蒸留粕と常圧蒸留粕の混合物を1リッ
トルビーカー中で処理した。この結果を表1に示す。表
1には、オゾン処理を120分行ったものと、対照とし
てオゾン処理を行っていないものを示した。凝集剤とし
て、ポリ塩化アルミニウム(以下、PACとする)を1
5ミリリットルと、濃度0.1%の高分子凝集剤を用い
た。オゾン処理をしない廃液では、高分子凝集剤を50
ミリリットル注入し、静置すると長径が1mmのフロッ
クが形成される。しかし、オゾン処理を120分行った
廃液では、pHの値によって違うが、高分子凝集剤の量
がオゾン処理をしないものに比べて約65%の37ミリ
リットルから約32%の16ミリリットルの量で、長径
1〜3mmのフロックが形成される。
【0013】
【表1】
【0014】
【実施例2】減圧蒸留粕を1リットルビーカーで処理し
た。その結果を表2に示す。pHの違う2つのオゾン処
理をしない試料にそれぞれ、PACを7.5ミリリット
ル、濃度0.1%の高分子凝集剤を100ミリリットル
注入したが、両者ともにフロックを形成しなかった。一
方、オゾンによる処理を60分行った試料は、PACを
7.5ミリリットル添加後、濃度0.1%の高分子凝集
剤を15ミリリットル注入するだけで、沈降性のフロッ
クが形成された。
【0015】
【表2】
【0016】
【実施例3】減圧蒸留粕を1リットルビーカーで処理し
た。その結果を表3に示す。オゾン処理を行わない試料
に、PACを7.5ミリリットル、濃度0.1%の高分
子凝集剤を100ミリリットル注入したが、フロックは
形成されなかった。一方、オゾン処理を60分行った試
料は、表3に示すように、pHを調整しなかったもの、
およびpHを4.5としたものの両試料で沈降性のフロ
ックを形成することができ、その時の高分子凝集剤の量
はオゾン処理をしなかった時のその量と比べて半分以下
に抑えることができた。ここの表3で、pHの欄中、
「無調整」とあるのは、焼酎粕によって微妙に値は違う
が、平均してpHの値が3.8の焼酎粕である。pHは
調整しなくてもいいが、この減圧蒸留粕の場合pHを
4.5とすることで、高分子凝集剤の量をオゾン処理無
しの場合の15%に、オゾン処理をしてpHを調整しな
い場合と比べて、高分子凝集剤を半分以下の量を注入す
るだけで良好の結果を得ることができた。
【0017】
【表3】
【0018】
【実施例4】麦焼酎蒸留粕(1:1)希釈液に対してオ
ゾン処理行ったものと、行わなかったものについての固
液分離後の固形分の含水率を測定した。その結果を表4
に示す。使用した処理液は麦焼酎蒸留粕(1:1)希釈
液1リットルである。凝集剤として、PACを7.5ミ
リリットル、濃度0.1%の高分子凝集剤を15ミリリ
ットル使用した。オゾン処理を行わない場合の固形分の
含水率は94.6%で泥状であったが、オゾン処理を行
った場合の固形分の含水率は83.1%で土状であっ
た。この結果から、オゾン処理を行うことにより、固形
分の含水率を10ポイント近く抑えることができた。
【0019】
【表4】
【0020】
【発明の効果】本発明のオゾンの凝集促進効果を有機廃
液に利用することで、廃液中の有機物を酸化し、粘性を
下げるために、廃液中の固形分の凝集効果を高めること
ができる。また、処理する有機廃液の種類により異なる
が、従来使用していた凝集剤の注入料を65%〜15%
まで減少させることができ、それにも関わらず、凝集効
果は従来と同等かそれ以上に改善される。
【0021】以上の方法により、凝集した固形分の含水
率が、従来技術のものと比べると、約10ポイント近く
も低い80%程度に抑えることが可能となった。このこ
とにより、固液分離後に行われる固形分の処理に際し
て、装置に与える負荷を抑えることができる。
【0022】従来、凝集剤を使用するにあたって、凝集
剤が作用するのに最適なpHの範囲にするために廃液の
pHを調整する必要があったが、オゾンによる処理を行
う場合には、pHを調整しなくても凝集効果があらわれ
るようになったが、凝集効果をより有効にするためには
処理する有機廃液の種類によってpHを調整する必要が
ある。これにより有機廃液中の固体分の凝集が効率よく
行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼酎粕をオゾン処理した時の静置時間と溶液中
の固液分の容積との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 21/01 C02F 1/52 - 1/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼酎の蒸留粕にオゾンを接触作用させ
    て、当該蒸留粕中の浮遊物質が凝集されて固形分の容積
    を減少させ、次にポリ塩化アルミニウムを攪拌しながら
    混入して当該凝集された浮遊物を更に凝集して当該固形
    分の容積を更に減少させるようにした焼酎蒸留粕中の固
    形分の凝集促進方法。
  2. 【請求項2】 焼酎の蒸留粕に接触作用して、当該蒸留
    粕中の浮遊物質を凝集させて固形分の容積を減少させる
    ことにより、次に攪拌しながら混入されるポリ塩化アル
    ミニウムにより当該凝集された浮遊物が更に凝集されて
    当該固形分の容積を更に減少させるオゾンを成分とする
    焼酎蒸留粕中の固形分の凝集促進剤。
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