JP3185423B2 - 酵素保存剤 - Google Patents

酵素保存剤

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JP3185423B2 JP33967292A JP33967292A JP3185423B2 JP 3185423 B2 JP3185423 B2 JP 3185423B2 JP 33967292 A JP33967292 A JP 33967292A JP 33967292 A JP33967292 A JP 33967292A JP 3185423 B2 JP3185423 B2 JP 3185423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定的に酵素を保存す
るために用いる酵素保存剤に関する。さらに詳しくはポ
リ−L−リジンもしくはその塩を有効成分とする酵素保
存剤であって、酵素液および酵素保存液中に混在する微
生物の増殖により酵素が失活するのを防止するための酵
素保存剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素を溶解した酵素液を保存する場合に
種々の微生物が該酵素液中に混在し、増殖することによ
り酵素の失活が起こる。このため、2〜4℃程度の低温
で保存すること行われているが、その場合でも長期間の
保存はできないのが現状である。また、固定化酵素など
の保存には、該固定化酵素保存液中に抗生物質や抗菌剤
を添加する方法が知られている。しかしながら、これら
の抗生物質や抗菌剤は、酵素反応に用いる酵素の阻害剤
となるものが多く、酵素反応自体を阻害し有用物質の生
産が行えなくなる場合があり、このため酵素反応を行う
前にこれら抗生物質や抗菌剤を除去する必要がある。ま
た、通常用いらる抗菌剤としてアジ化ナトリウムが知ら
れているが該アジ化ナトリウムは人体に対して有害であ
り、酵素反応は阻害しなくとも反応生成物の分離、生成
の段階で反応生成物から完全に除去することが必要とな
る。これらを除去するための操作によって反応生成物の
収率の低下が引き起こされる場合もある。このように酵
素保存剤として十分な保存効果を持ち、安全でかつ酵素
反応を阻害しないという条件を満足する酵素保存剤は今
までのところ知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから酵
素液の保存中に、酵素液および酵素保存液中に混在する
微生物の増殖により酵素が失活するのを防止するととも
に、酵素液または酵素保存液をそのまま酵素反応に供し
ても該酵素反応を阻害せず、反応生成物との分離も容易
な酵素保存剤が求められてきた。本発明は、これらの課
題を解決し、酵素液および酵素保存液中に混在する微生
物の増殖によって酵素が失活するのを防ぎ、安定的な酵
素反応を行わせるとともに反応生成物との分離も容易で
ある酵素保存剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、酵素液および
酵素保存液中の酵素を保存するに際し、ポリ−L−リジ
ンもしくはその塩を有効成分とする酵素保存剤およびそ
れを用いた保存方法を要旨とする。以下、本発明につい
て詳述する。本発明の酵素保存剤は、酵素液および酵素
保存液中の酵素を保存するに際し、酵素液および酵素保
存液中に添加することで効果を発揮する。また、本発明
の酵素保存剤は、酵素反応中に残存することによって酵
素反応中での混在する微生物の増殖も抑制することがで
きる。また、本発明の酵素保存剤は、酵素反応に対して
阻害がなく、反応前に除去する必要はない。
【0005】本発明の酵素保存剤は、例えばアミラー
ゼ、セルラーゼ、インベルターゼ、ペクチナーゼ、キシ
ロースイソメラーゼもしくはサイクロデキストリングル
コトランスフェラーゼ等の酵素の保存に用いることがで
きる。
【0006】アミラーゼには、α−アミラーゼ、マルト
トリオース生成α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グル
コアミラーゼ、α−1,6−グルコシダーゼ、アミロ−
1,6−グルコシダーゼ、オリゴ−1,6−グルコシダ
ーゼ等がある。食品工業的には、α−アミラーゼを用い
た澱粉の液化、マルトトリオースの製造が知られてい
る。また、β−アミラーゼはマルトースの製造の他、水
あめの製造、餅の老化防止、製パン、製菓、酒の醸造に
用いられている。グルコアミラーゼは、澱粉をグルコー
ス単位に分解する酵素でグルコースの製造に用いられて
いる。α−1,6−グルコシダーゼは、プルラナーゼと
も呼ばれる酵素でグルコース、マルトースの製造に用い
られる。アミロ−1,6−グルコシダーゼ、オリゴ−
1,6−グルコシダーゼは、α−1,6結合を切断した
り、分枝の側鎖を切る酵素である。
【0007】セルラーゼには、セルラーゼ、ヘミセルラ
ーゼがあり、食品工業的には、澱粉の製造、野菜や果実
の処理、穀類や豆類の処理のほか、コーヒーのガム質分
解、ゲル化防止に用いられる。また、ペクチナーゼに
は、プロトペクチナーゼ、ペクチンエステラーゼ、ポリ
ガラクチュロナーゼ等がある。これらの工業的な利用分
野は、果汁の加工、クエン酸製造、果実、野菜の加工が
ある。キシロースイソメラーゼは、工業的にはグルコー
スイソメラーゼと呼ばれる酵素でグルコースを異性化し
異性化糖を製造するのに用いられる。サイクロデキスト
リングルコトランスフェラーゼは、澱粉よりサイクロデ
キストリンを製造するのに用いられる酵素である。
【0008】インベルターゼは、サッカラーゼとも言わ
れ、シュークロースをフラクトースとグルコースに切る
酵素である。シュークロースをフラクトース側から切る
β−フラクトフラノシダーゼとグルコース側から切るα
−グルコシダーゼがある。β−フラクトフラシノダーゼ
は、転化糖の製造に用いられる。また、α−グルコシダ
ーゼは、転化糖の製造の他、マルトースに作用させてイ
ソマルトースを製造するのにも利用されている。
【0009】本発明の酵素保存剤を酵素液および酵素保
存液中に添加する場合、酵素液および酵素保存液に対
し、ポリ−L−リジンとして0.001〜10重量%添
加するのが望ましい。10重量%を超えて添加すると、
得られた反応生成物を精製する場合、収率低下を起こす
場合があり、また、保存効果が飽和しこれ以上の保存効
果の向上が得られなく、不経済である。
【0010】本発明に用いられるポリ−L−リジンは、
例えば特公昭59−20359号公報に記載のε−ポリ
−L−リジンの製造法によって得ることができる。すな
わち、ストレプトマイセス属に属するε−ポリ−L−リ
ジン生産菌であるストレプトマイセス・アルブラス・サ
ブスピーシーズ・リジノポリメラスを培地に培養し、得
られた培養物からε−ポリ−L−リジンを分離、採取す
ることによって得られる。
【0011】L−リジンは1分子中に2つのアミノ基を
有するアミノ酸であり、これから得られるポリ−L−リ
ジンは一般にα位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合
したα−ポリ−L−リジンと、ε位のアミノ基とカルボ
キシル基とが縮合したε−ポリ−L−リジンとの2種類
が存在するが、本発明では上述の製造法により得られる
ε−ポリ−L−リジンを用いるのが安全性の面から好ま
しい。
【0012】本発明にあっては、ポリ−L−リジンは遊
離の形で用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸な
どの無機酸もしくは酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リ
ンゴ酸、クエン酸などの有機酸との塩の形で用いること
もできる。ポリ−L−リジンは遊離の形であれ、上述の
無機酸もしくは有機酸との塩の形であれ、酵素保存剤と
しての効果には本質的に差はないが、遊離の形のポリ−
L−リジンの方が、水溶性に優れている。
【0013】また、本発明に用いるポリ−L−リジン
は、その微生物増殖阻害活性から重合度10以上のもの
が望ましい。特に重合度20〜40程度のものが水溶
性、化合物としての安定性、微生物増殖阻害活性の上か
ら望ましい。
【0014】本発明の酵素保存剤を添加した酵素液およ
び酵素を用いて、酵素反応を行ったあと、得られた反応
生成物を分離精製する場合は、反応生成物各々にあった
定法の方法により分離精製を行う。この場合、本発明の
酵素保存剤の除去は、本発明の酵素保存剤が強いカチオ
ン性の物質であることを利用し、イオン交換樹脂を用い
て容易に分離、除去することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を用い、その詳細を説
明する。なお、本実施例は本発明をなんら限定するもの
ではない。
【0016】実施例1 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにα−アミ
ラーゼ(和光純薬製Bacillus subtili
s由来)10mgとε−ポリ−L−リジン0.5mgを
溶解した。該液にBacillus cereus10
3 個を接種し、30℃24時間放置した。放置後該液を
0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。該ろ過
液0.1mlと、可溶性澱粉10mgを16mM酢酸緩
衝液(pH4.8)1mlに溶解した。該液を20℃で
3分間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱
し、酵素反応を停止させ、0.45μmメンブレンフィ
ルターでろ過した。ろ液をジニトロフタル酸法によりマ
ルトース量を測定した。生成したマルトース量は3mg
であった。
【0017】比較例1 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにα−アミ
ラーゼ(和光純薬製Bacillus subtili
s由来)10mgを溶解した。該液にBacillus
cereus103 個を接種し、30℃24時間放置
した。放置後該液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。該ろ過液0.1mlと、可溶性澱粉10m
gを16mM酢酸緩衝液(pH4.8)1mlに溶解し
た。該液を20℃で3分間反応させた。反応終了後、該
液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止させ、0.45
μmメンブレンフィルターでろ過した。ろ液をジニトロ
フタル酸法によりマルトース量を測定した。マルトース
の生成は認められなかった。
【0018】実施例2 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにα−アミ
ラ−ゼ(和光純薬製Bacillus subtili
s由来)10mgとε−ポリ−L−リジンの塩酸塩0.
5mgを溶解した。該液にBacillus cere
us103個を接種し、30℃で24時間放置した。そ
の後該液を0.45μmメンブレンフィルタ−でろ過し
た。該ろ液0.1mlと、可溶性澱粉10mgを16m
M酢酸緩衝液(pH4.8)1mlに溶解した。該液を
20℃で3分間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水
中で加熱し、酵素反応を停止させ、0.45μmメンブ
レンフィルタ−でろ過した。ろ液をジニトロフタル酸法
によりマルト−スの生成量を測定した。生成したマルト
−ス量は3mgであった。
【0019】実施例3 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.5)1mlに糖化型α−アミラーゼ
(生化学工業製Bacillus subtilis由
来)10mgとε−ポリ−L−リジン1mgを加え、溶
解した。該液にBacillus cereus103
個を接種し、30℃24時間放置した。放置後該液を
0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。このろ
過液0.1mlとマルトース300mg(和光純薬製)
を20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を
含む緩衝液(pH6.5)1mlに溶解した液を混合
し、60℃24時間反応させた。反応終了後、沸騰水中
で加熱し、酵素反応を停止し、0.45μmメンブレン
フィルターでろ過し、ろ液を高速液体クロマトグラフィ
ー法(カラム:昭和電工製SC1011)によりグルコ
ース量を測定した。生成したグルコースは、260mg
であった。
【0020】比較例2 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.5)1mlに糖化型α−アミラーゼ
(生化学工業製Bacillus subtilis由
来)10mgを加え、溶解した。該液にBacillu
s cereus103 個を接種し、30℃24時間放
置した。放置後該液を0.45μmメンブレンフィルタ
ーでろ過した。このろ過液0.1mlとマルトース30
0mg(和光純薬製)を20mM濃度のリン酸および
6.7mM濃度の食塩を含む緩衝液(pH6.5)1m
lに溶解した液を混合し、60℃24時間反応させた。
反応終了後、沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止し、
0.45μmメンブレンフィルターでろ過し、ろ液を高
速液体クロマトグラフィー法(カラム:昭和電工製SC
1011)によりグルコース量を測定した。グルコース
の生成は認められなかった。
【0021】実施例4 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.5)1mlにβ−アミラーゼ(天野
製薬製)10mgおよびε−ポリ−L−リジン0.1m
gを加え、溶解した。該液にBacillus cer
eusを103個接種し、30℃24時間放置した。放
置後、該液を0.45μmメンブレンフィルターでろ過
した。このろ過液0.1mlと可溶性澱粉10mgを2
0mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含む
緩衝液(pH6.5)1mlに溶解した液を混合し、3
0℃で2日間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水中
で加熱し、酵素反応を停止し、0.45μmメンブレン
フィルターでろ過した。ろ液をジニトロフタル酸法によ
りマルトース量を測定した。生成したマルトース量は7
mgであった。
【0022】比較例3 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.5)1mlにβ−アミラーゼ(天野
製薬製)10mgを加え、溶解した。該液にBacil
lus cereusを103 個接種し、30℃24時
間放置した。放置後、該液を0.45μmメンブレンフ
ィルターでろ過した。このろ過液0.1mlと可溶性澱
粉10mgを20mM濃度のリン酸および6.7mM濃
度の食塩を含む緩衝液(pH6.5)1mlに溶解した
液を混合し、30℃で2日間反応させた。反応終了後、
該液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止し、0.45
μmメンブレンフィルターでろ過した。ろ液をジニトロ
フタル酸法によりマルトース量を測定した。マルトース
の生成は認められなかった。
【0023】実施例5 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.5)1mlにグルコアミラーゼ+α
−1,6グルコシダーゼ(天野製薬製「シルバラーゼ
[商品名])10mgおよびε−ポリ−L−リジン0.
1mgを加え、溶解した。該液にBacillus c
ereusを103 個接種し、30℃24時間放置し
た。放置後、該液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。このろ過液0.1mlと可溶性澱粉10m
gを20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩
を含む緩衝液(pH6.5)1mlに溶解し溶液を混合
し、30℃2日間反応させた。反応終了後、該液を沸騰
水中で加熱し、酵素反応を停止し、0.45μmメンブ
レンフィルターでろ過した。ろ液を高速液体クロマトグ
ラフィー法(カラム:昭和電工製SC1011)により
グルコース量を測定した。生成したグルコース量は8m
gであった。
【0024】比較例4 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.5)1mlにグルコアミラーゼ+α
−1,6グルコシダーゼ(天野製薬製「シルバラーゼ
[商品名])10mgを加え、溶解した。該液にBac
illus cereusを103 個接種し、30℃2
4時間放置した。放置後、該液を0.45μmメンブレ
ンフィルターでろ過した。このろ過液0.1mlと可溶
性澱粉10mgを20mM濃度のリン酸および6.7m
M濃度の食塩を含む緩衝液(pH6.5)1mlに溶解
し溶液を混合し、30℃2日間反応させた。反応終了
後、該液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止し、0.
45μmメンブレンフィルターでろ過した。ろ液を高速
液体クロマトグラフィー法(カラム:昭和電工製SC1
011)によりグルコース量を測定した。グルコースの
生成は認められなかった。
【0025】実施例6 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH7.5)1mlにα−グルコシダーゼ
(フナコシ製)1mgおよびε−ポリ−L−リジン0.
1mgを加え、溶解した。該液にBacillus c
ereus103個を接種し、30℃24時間放置し
た。放置後、該液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。このろ過液0.1mlと可溶性澱粉10m
gを20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩
を含む緩衝液(pH7.5)1mlに溶解した溶液を混
合し、30℃で2日間反応させた。反応終了後、該液を
沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止し、0.45μmメ
ンブレンフィルターでろ過した。ろ液を高速液体クロマ
トグラフィー法(カラム:昭和電工製SC1821)に
よりマルトトリオース量を測定した。生成したマルトト
リオース量は1mgであった。
【0026】比較例5 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH7.5)1mlにα−グルコシダーゼ
(フナコシ製)1mgを加え、溶解した。該液にBac
illus cereus103 個を接種し、30℃2
4時間放置した。放置後、該液を0.45μmメンブレ
ンフィルターでろ過した。このろ過液0.1mlと可溶
性澱粉10mgを20mM濃度のリン酸および6.7m
M濃度の食塩を含む緩衝液(pH7.5)1mlに溶解
した溶液を混合し、30℃で2日間反応させた。反応終
了後、該液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止し、
0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。ろ液を
高速液体クロマトグラフィー法(カラム:昭和電工製S
C1821)によりマルトトリオース量を測定した。マ
ルトトリオースの生成は認められなかった。
【0027】実施例7 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.8)1mlにキシロースイソメラー
ゼ(Bacillus coagulanns由来)1
0mgおよびε−ポリ−L−リジン0.1mgを加え、
溶解した。該液にBacillus cereus10
3 個を接種し、30℃24時間放置した。放置後、該液
を0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。この
ろ過液0.1mlとグルコース10mgを20mM濃度
のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含む緩衝液(p
H6.8)1mlに溶解した溶液を混合し、30℃で2
日間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱
し、酵素反応を停止させ、0.45μmメンブレンフィ
ルターでろ過した。ろ液を高速液体クロマトグラフィー
法(カラム:昭和電工製SC1011)によりフラクト
ースおよびグルコース量を定量し、フラクトース含有率
を求めた。フラクトース含有率は35%であった。
【0028】比較例6 20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩を含
む緩衝液(pH6.8)1mlにキシロースイソメラー
ゼ(Bacillus coagulanns由来)1
0mgを加え、溶解した。該液にBacillus c
ereus103 個を接種し、30℃24時間放置し
た。放置後、該液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。このろ過液0.1mlとグルコース10m
gを20mM濃度のリン酸および6.7mM濃度の食塩
を含む緩衝液(pH6.8)1mlに溶解した溶液を混
合し、30℃で2日間反応させた。反応終了後、該液を
沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止させ、0.45μm
メンブレンフィルターでろ過した。ろ液を高速液体クロ
マトグラフィー法(カラム:昭和電工製SC1011)
によりフラクトースおよびグルコース量を定量し、フラ
クトース含有率を求めた。フラクトースおよびグルコー
スの生成は認められなかった。
【0029】実施例8 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにセルラー
ゼ(Worthington Biochemical
corp.製Trichoderma reesei
由来凍結乾燥粉末)1mgとε−ポリ−L−リジン0.
5mgを溶解した。該液にBacillus cere
us103個を接種し、30℃24時間放置した。放置
後該液を0.45μmメンブレンフィルターでろ過し
た。該ろ過液0.1mlと、アビセル(FMC cor
p.製)10mgを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)
1mlに溶解した。該液を30℃で60分間反応させ
た。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を
停止させ、0.45μmメンブレンフィルターでろ過し
た。ろ液を高速液体クロマトグラフィー法(カラム:昭
和電工製SC1011)によりグルコース量を測定し
た。生成したグルコース量は5mgであった。
【0030】比較例7 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにセルラー
ゼ(Worthington Biochemical
corp.製Trichoderma reesei
由来凍結乾燥粉末)1mgを溶解した。該液にBaci
llus cereus103個を接種し、30℃24
時間放置した。放置後該液を0.45μmメンブレンフ
ィルターでろ過した。該ろ過液0.1mlと、アビセル
(FMCcorp.製)10mgを50mM酢酸緩衝液
(pH5.0)1mlに溶解した。該液を30℃で60
分間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱
し、酵素反応を停止させ、0.45μmメンブレンフィ
ルターでろ過した。ろ液を高速液体クロマトグラフィー
法(カラム:昭和電工製SC1011)によりグルコー
ス量を測定した。グルコースの生成は認められなかっ
た。
【0031】実施例9 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにインベル
ターゼ(フナコシ製Candida sp.由来,凍結
乾燥粉末)1mgとε−ポリ−L−リジン0.5mgを
溶解した。該液にBacillus cereus10
3個を接種し、30℃24時間放置した。放置後該液を
0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。該ろ過
液0.1mlとシュークロース10mg(和光純薬製)
を50mM酢酸緩衝液(pH4.6)1mlに溶解し、
30℃で60分間反応させた。反応終了後、該液を沸騰
水中で加熱し、酵素反応を停止し、0.45μmメンブ
レンフィルターでろ過した。ろ液を高速液体クロマトグ
ラフィー法(カラム:昭和電工製SC1011)により
グルコース量を測定した。生成したグルコース量は5m
gであった。
【0032】比較例8 20mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mlにインベル
ターゼ(フナコシ製Candida sp.由来,凍結
乾燥粉末)1mgを溶解した。該液にBacillus
cereus103個を接種し、30℃24時間放置
した。放置後該液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。該ろ過液0.1mlとシュークロース10
mg(和光純薬製)を50mM酢酸緩衝液(pH4.
6)1mlに溶解し、30℃で60分間反応させた。反
応終了後、該液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止
し、0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。ろ
液を高速液体クロマトグラフィー法(カラム:昭和電工
製SC1011)によりグルコース量を測定した。グル
コースの生成は認められなかった。
【0033】実施例10 サイクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼ
(天野製薬製[商品名「コンチザイム」600U/ml]
を3mlにε−ポリ−L−リジン25mgを加え、溶解し
た。該液にBacillus cereus103 を接
種し、30℃24時間放置した。放置後該液を0.45
μmメンブレンフィルターでろ過した。該ろ過液2ml
と可溶性澱粉10gを20mMリン酸6.7mM食塩緩
衝液(pH7.5)50mlに溶解、混合し、65℃で4
0時間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱
し、酵素反応を停止させた後、30℃24時間放置し
た。放置後反応液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。ろ液を高速液体クロマトグラフィー法(カ
ラム:昭和電工製RSpakDC−613)によりサイ
クロデキストリン量を測定した。α−、β−およびγ−
サイクロデキストリンの総生成量は7gであった。
【0034】比較例9 サイクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼ
(天野製薬製[商品名「コンチザイム」600U/ml]
3mlにBacillus cereus103個を接種
し、30℃24時間放置した。放置後該液を0.45μ
mメンブレンフィルターでろ過した。該ろ過液2mlと
可溶性澱粉10gを20mMリン酸6.7mM食塩緩衝
液(pH7.5)50mlに溶解、混合し、65℃で40
時間反応させた。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱
し、酵素反応を停止させた後、30℃24時間放置し
た。放置後反応液を0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーにより
サイクロデキストリン量を測定した。サイクロデキスト
リンの生成は認められなかった。
【0035】実施例11 20mMトリス・塩酸緩衝液(pH5.0)2mlにペ
クチナーゼ(フナコシ製黒かび由来、凍結乾燥品)を2
0mgとε−ポリ−L−リジン1mgを加え、溶解し
た。該液にLactobacillus brevis
103 個を接種し、30℃24時間放置した。放置後
0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。該ろ過
液1mlとポリガラクツロン酸(フナコシ製)1gを2
0mMトリス・塩酸緩衝液(pH5.0)に溶解した溶
液を混合し、37℃で24時間反応させた。反応終了
後、該液を沸騰水中で加熱し、酵素反応を停止させ、
0.45μmメンブレンフィルターでろ過した。ろ液を
高速液体クロマトグラフィー法(カラム:YMC製Di
ol−120)によりガラクツロン酸量を測定した。生
成したガラクツロン酸は、450mgであった。
【0036】比較例10 20mMトリス・塩酸緩衝液(pH5.0)2mlにペ
クチナーゼ(フナコシ製黒かび由来、凍結乾燥品)を2
0mgを加え、溶解した。該液にLactobacil
lus brevis103 個を接種し、30℃24時
間放置した。放置後0.45μmメンブレンフィルター
でろ過した。該ろ過液1mlとポリガラクツロン酸(フ
ナコシ製)1gを20mMトリス・塩酸緩衝液(pH
5.0)に溶解した溶液を混合し、37℃で24時間反
応させた。反応終了後、該液を沸騰水中で加熱し、酵素
反応を停止させ、0.45μmメンブレンフィルターで
ろ過した。ろ液を高速液体クロマトグラフィー法(カラ
ム:YMC製Diol−120)によりガラクツロン酸
量を測定した。ガラクツロン酸の生成は認められなかっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の酵素保存剤は、ポリ−L−リジ
ンを有効成分とすることにより、酵素液および酵素保存
液中に混在する微生物の増殖による酵素の失活を防止す
ると共に酵素反応阻害がなく、反応生成物との分離除去
も容易であり、酵素保存剤として好適に使用できる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ−L−リジンもしくはその塩を有効成
    分とする酵素保存剤。
  2. 【請求項2】保存する酵素がアミラーゼ、セルラーゼ、
    インベルターゼ、ペクチナーゼ、キシロースイソメラー
    ゼ、サイクロデキストリングルコシルトランスフェラー
    ゼである請求項1記載の酵素保存剤。
  3. 【請求項3】ポリ−L−リジンもしくはその塩がε−ポ
    リ−L−リジンもしくはその塩である請求項1記載の酵
    素保存剤。
  4. 【請求項4】ポリ−L−リジンの塩が塩酸、硫酸、リン
    酸および臭化水素酸のなかから選ばれる無機酸または酢
    酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸およびクエン酸
    のなかから選ばれる有機酸である請求項1記載の酵素保
    存剤。
  5. 【請求項5】酵素液および酵素保存液中にポリ−L−リ
    ジンもしくはその塩を添加することによって混在する微
    生物の増殖による酵素の失活を防止し、安定的に酵素を
    保存する方法。
  6. 【請求項6】酵素液および酵素保存液中にポリ−L−リ
    ジンもしくはその塩0.001重量%〜10重量%を添
    加することを特徴とする請求項5記載の酵素を保存する
    方法。
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