JP3185094B2 - コネクタ離脱用ツール - Google Patents

コネクタ離脱用ツール

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JP3185094B2 JP29260596A JP29260596A JP3185094B2 JP 3185094 B2 JP3185094 B2 JP 3185094B2 JP 29260596 A JP29260596 A JP 29260596A JP 29260596 A JP29260596 A JP 29260596A JP 3185094 B2 JP3185094 B2 JP 3185094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングに保持
されたコネクタをそのハウジングから離脱させる作業に
使用されるコネクタ離脱用ツールに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、データや各種の信号などを伝送
するためのケーブルをその一端部に接続したケーブルコ
ネクタにおいては、コネクタをハウジングにスナップ結
合させて固定(スナップイン固定)する形式が採用され
ることがある。この種のスナップイン固定形式のコネク
タにおいて、スナップイン固定されたコネクタをハウジ
ングから離脱させる場合には、従来は、コネクタ自体に
そのため固定解除構造を付加した構成が採られる。ある
いは、ピンセット状のツールを用い、このツールにより
コネクタを押すなどしてスナップイン固定を解除し、コ
ネクタを離脱する手法も採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コネク
タにロック解除機構を設ける構成の場合、このロック解
除機構を操作してロックを解除する操作に多くの手間が
かかることから、操作性が悪いという問題がある。特
に、コネクタが小型であったり、あるいは多数のコネク
タを密集させてプリント基板などのボード上に取り付け
る構成とした場合などにおいては、この傾向が強い。そ
の他、このような解除機構を設ける分だけコネクタがコ
スト高になるという問題もある。
【0004】一方、ピンセット状のツールを用いる手法
には、次のような問題がある。例えばプリント基板上に
コネクタを取り付ける場合においては、このプリント基
板(マザーボード)上に他のプリント基板(ドーターボ
ード)を装着する構成が採用されることがある。上記の
ようなケーブルコネクタは、一般的な構成では、マザー
ボードのドーターボード装着面と反対側(マザーボード
の裏面側)に取り付けられ、したがって、上記のピンセ
ット状のツールは、マザーボードの上記ドーターボード
の装着側(マザーボードの表面側)からコネクタに対し
て操作する必要がある。さらに、このマザーボードの表
面側には、ドータボードの他、ICなどの各種素子も装
着されている。このため、ドーターボードや各種素子を
避けながらピンセット状のツールを操作する作業は非常
に面倒であり、このため、コネクタの離脱作業の際の操
作性が悪いという問題があった。
【0005】それ故に本発明の課題は、コネクタ離脱作
業の際の操作性が良いコネクタ離脱用ツールを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ハウジ
ングに保持されたコネクタを前記ハウジングから離脱さ
せる作業に使用されるコネクタ離脱用ツールであって、
軸支部分で互いに回動可能に結合された第1及び第2の
アームを有し、前記第1及び第2のアームは回動端部に
回動方向で互いに対向した第1及び第2の指部を夫々有
し、前記第1及び第2の指部は相互当接時に互いに協働
して前記コネクタの外形に適合する実質的な円筒状をな
すものであり、前記第1及び第2のアームは相互回動を
案内するために互いにスライド嵌合する凹部及び凸部を
前記軸支部分の近傍に有し、さらに前記第1及び第2の
アームを互いに離間させる方向に付勢したスプリングを
備えたことを特徴とするコネクタ離脱用ツールが得られ
る。
【0007】前記コネクタは前記ハウジングのコネクタ
保持穴に挿入保持されたものであり、前記第1及び第2
の指部の前記実質的な円筒状は前記コネクタ保持穴と前
記コネクタとの相互隙間に挿入され得る寸法のものであ
ることが好ましい。
【0008】前記コネクタは前記コネクタ保持穴の内面
に係合してその離脱を阻止されたものであり、前記第1
及び第2の指部は前記コネクタ保持穴と前記コネクタと
の相互隙間に挿入されときに前記コネクタと前記コネ
クタ保持穴との係合を解放する寸法を有することが好ま
しい。
【0009】
【0010】
【0011】前記第1及び第2の指部が実質的な円筒状
をなした時には全体が実質的に棒状を呈することが好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るコネクタ離
脱用ツールの実施の形態を説明する。
【0013】図1において、マザーボード2の表面側
(図1において右側)には、多数のドーターボード5が
装着されている。また、この表面側には、コネクタハウ
ジング3が取り付けられており、このハウジングにはケ
ーブルコネクタ4のコネクタ部分41がそれぞれ接続さ
れる。なお、図示した例では、ハウジングに、複数の
(3つの)ケーブルコネクタ4を保持させる構成である
が、これに限定されず、1つのケーブルコネクタ4を保
持させる構成であっても良い。
【0014】コネクタハウジング3に保持されたケーブ
ルコネクタ4をそのコネクタハウジング3から離脱させ
る場合には、後述するように、コネクタ離脱用ツール1
を、図示した開口状態においてマザーボード2の裏面側
(図1において左側)から矢印のようにケーブルコネク
タ4に近付け、逃げスペース13から側面方向にケーブ
ル42を逃がした状態でこのコネクタ離脱用ツール1を
マザーボード2の孔21を通すなどして、コネクタ離脱
用ツール1によってケーブルコネクタ4をコネクタハウ
ジング3から離脱させる。
【0015】次に、図2〜図6を参照して、コネクタ離
脱用ツール1を具体的に説明する。このコネクタ離脱用
ツール1は、それぞれ略半円筒状の2つのアームである
第1のアーム6と第2のアーム7、スプリングピン8と
9、並びにコイルスプリング10を組み合わせて構成さ
れる。第1のアーム6と第2のアーム7は、スプリング
ピン8によりそれらの一端部(図2、4において左端
部)において軸支されている。これにより、第1のアー
ム6と第2のアーム7は、この軸支部分を中心として回
動自在となる。また、コイルスプリング10が第1のア
ーム6と第2のアーム7との間に挟持されて、これらア
ームを離間する方向に付勢している。
【0016】図2は第1のアーム6が第2のアーム7側
に回動して両アームが閉じた状態(閉口状態)を、ま
た、図4は第1のアーム6が第2のアーム7から離間す
る方向に回動して両アームが開いた状態(開口状態)
を、それぞれ示したものである。そして、コイルスプリ
ング10による上記の付勢により、第1のアーム6ある
いは第2のアームに負荷が加わらない無負荷時には、第
1のアーム6が第2のアーム7に対して離間する方向に
付勢され、図4の状態となる。
【0017】上記の軸支は、第1のアーム6に形成した
孔65と第2のアーム7に形成した孔75とを合わせ、
これらの孔65と75にスプリングピン8を挿着するこ
とで行われる。また、第2のアーム7には、スプリング
ピン9の外径よりも大きな内径の孔74が形成されてい
る。第1のアーム6と第2のアーム7とを組み合わせ、
第1のアーム6に形成された孔64と上記の孔74を合
わせた状態で、スプリングピン9を挿着することで、ス
プリングピン9が穴74内で遊嵌された状態となる。こ
れにより、孔74とスプリングピン9がストッパーとし
て機能し、第1のアーム6と第2のアーム7との回動範
囲が図2の閉口状態と図4の開口状態との間に制限され
る。なお、孔65、75、あるいは64は、スプリング
ピン8あるいは9の外径と略同じ内径である。
【0018】さらに、図3に示したように、第1のアー
ム6の下面側には凹部61が、また、第2のアーム7の
上面側には凹部61に嵌合する形状の凸部71が、それ
ぞれ形成されている。これらの凹部61と凸部71は、
上記のように第1のアーム6と第2のアーム7とがスプ
リングピン8を中心として回動する際において嵌合し、
これにより、第1のアーム6と第2のアーム7とを上記
の開口状態と閉口状態との間において精度良く回動させ
るように回動をガイドすることができる。
【0019】また、第1のアーム6と第2のアーム7の
他端部、つまり図3において右端部には、ケーブルコネ
クタ4のケーブル42の逃げスペース13を形成するた
めの凹部63、73がそれぞれ形成されている。さら
に、第2のアーム6と第2のアーム7の他端部の先端即
ち第1及び第2の指部62、72は、それぞれ半円筒状
となっており、図2の閉口状態においてこれらの指部6
2、72によりコネクタ部分4の外形に適合した実質的
な円筒状が形成される。なお、この円筒状の部分の外径
はマザーボード2の孔21の内径よりも僅かに小さく、
また内径はケーブルコネクタ4のコネクタ部分41の外
径と略同じである。
【0020】次に、コネクタハウジング3に保持された
ケーブルコネクタ4を離脱させる手順を、図7と図8を
さらに参照して、詳細に説明する。ここで、図8(a)
に示したように、ケーブルコネクタ4のコネクタ部分4
1が挿着されるコネクタハウジング3のコネクタ保持孔
31の内周にはスナップリング32が設けられている。
スナップリング32の内周面には、係止片32aが設け
られている。この係止片32aは、径方向に可撓なもの
である。そして、図8(a)の状態では、係止片32に
よってコネクタ部分41の肩部41aが係止され、この
係止によって図8(a)においてコネクタ部分41は左
方向への移動が阻止されている。これにより、ケーブル
コネクタ4のコネクタハウジング3からの抜け止めがな
されている。
【0021】離脱作業の場合には、まず、作業員が、図
7(a)に示したように、コネクタ離脱用ツール1を開
口状態でマザーボード2の裏面側からケーブルコネクタ
4に近付け、逃げスペース13からケーブル42を逃が
した状態とする。次いで、作業員が手作業により、第1
のアーム6を第2のアーム7に対して回動させて、図7
(b)に示したようにコネクタ離脱用ツール1をほぼ閉
口状態とし、第1及び第2の指部62,72で構成され
る円筒状の部分をコネクタハウジング3の側に押し込
む。
【0022】コネクタ離脱用ツール1を図8(a)の位
置から図8(b)の位置までさらに押し込むと、コネク
タ離脱用ツール1の先端の円筒状の部分がスナップリン
グ12の係止片32aを内側から外側方向に押すことか
ら、係止片32aが図示したように変形する。コネクタ
離脱用ツール1の先端は、最終的に、ケーブルコネクタ
の肩部41aに当接し、係止片32による肩部41aの
係止を解放する。したがって、この状態から、図8
(c)のようにコネクタ離脱用ツール1とともにケーブ
ルコネクタ4を引き抜き、コネクタ離脱用ツール1によ
ってケーブルコネクタ4をコネクタハウジング3から離
脱させることが容易に可能となる。
【0023】以上のように構成されたコネクタ離脱用ツ
ールでは、このツールをボードに対して垂直にして使用
できることから、作業の際の力が入れ易く、また狭い場
所でも作業性良く使用することができる。なお、上記の
ように第1及び第2のアームに、これらの軸支部分を中
心として回動する際のガイドとなる凹部と凸部とを形成
することで、これらのアームを閉じた際にはツールの先
端を欠けの無い円筒とすることを確実に行うことがで
き、ツールの使用角度によってツールによるケーブルコ
ネクタの保持状態が変化することが少なくなり、つまり
使用角度によってツールからケーブルコネクタが抜ける
ことがなくて信頼性が向上する。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コネクタ離脱作業の際の操作性が良いコネクタ離脱用ツ
ールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコネクタ離脱用ツー
ルを用いてコネクタの離脱を行う一例の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコネクタ離脱用ツー
ルの閉口状態の説明図である。
【図3】(a)は図2でのA−A線断面図、(b)は図
2でのB−B線断面図、(c)は図2でのC−C線断面
図、(d)は図2でのD−D線断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るコネクタ離脱用ツー
ルの開口状態の説明図である。
【図5】(a)は図2のコネクタ離脱用ツールを構成す
る第1のアームの右側面図、(b)は同じく正面図であ
る。
【図6】(a)は図2のコネクタ離脱用ツールを構成す
る第2のアームの正面図、(b)は同じく左側面図であ
る。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ図2のコネクタ離脱
用ツールによりコネクタを引き抜いて離脱する手順の説
明図である。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ図2のコネクタ離脱
用ツールによりコネクタを引き抜いて離脱する手順を示
したより詳細な説明図である。
【符号の説明】
1 コネクタ離脱用ツール 2 マザーボード 3 コネクタハウジング 4 ケーブルコネクタ 5 ドーターボード 6 第1のアーム 7 第2のアーム 8,9 スプリングピン 10 コイルスプリング 31 コネクタ保持孔 32 スナップリング 62 第1の指部 72 第2の指部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 幸司 埼玉県児玉郡神川町大字元原字豊原300 番18 埼玉日本電気株式会社内 (56)参考文献 実開 昭56−116178(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 43/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに保持されたコネクタを前記
    ハウジングから離脱させる作業に使用されるコネクタ離
    脱用ツールであって、軸支部分で互いに回動可能に結合
    された第1及び第2のアームを有し、前記第1及び第2
    のアームは回動端部に回動方向で互いに対向した第1及
    び第2の指部を夫々有し、前記第1及び第2の指部は相
    互当接時に互いに協働して前記コネクタの外形に適合す
    る実質的な円筒状をなすものであり、前記第1及び第2
    のアームは相互回動を案内するために互いにスライド嵌
    合する凹部及び凸部を前記軸支部分の近傍に有し、さら
    に前記第1及び第2のアームを互いに離間させる方向に
    付勢したスプリングを備えたことを特徴とするコネクタ
    離脱用ツール。
  2. 【請求項2】 前記コネクタは前記ハウジングのコネク
    タ保持穴に挿入保持されたものであり、前記第1及び第
    2の指部の前記実質的な円筒状は前記コネクタ保持穴と
    前記コネクタとの相互隙間に挿入され得る寸法のもので
    ある請求項1記載のコネクタ離脱用ツール。
  3. 【請求項3】 前記コネクタは前記コネクタ保持穴の内
    面に係合してその離脱を阻止されたものであり、前記第
    1及び第2の指部は前記コネクタ保持穴と前記コネクタ
    との相互隙間に挿入されときに前記コネクタと前記コ
    ネクタ保持穴との係合を解放する寸法を有する請求項2
    記載のコネクタ離脱用ツール。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の指部が実質的な円筒
    状をなした時には全体が実質的に棒状を呈する請求項1
    −3記載のコネクタ離脱用ツール
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