JP3184478U - 複合式遺体保存用冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

【課題】遺体に対して簡便に洗浄、修復及び化粧を行うことができる複合式遺体保存用冷蔵庫を提供する。
【解決手段】複合式遺体保存用冷蔵庫１は、頂部に設けられた開口と、内部に設けられた収容空間とを有するキャビネット１１を含む。キャビネット１１の底部には、水流入口１１５、出水口１１６、昇降装置１６、冷凍装置１５及び放熱装置が配設される。キャビネットには、温度・湿度コントローラが設けられる。温度・湿度コントローラ、昇降装置、冷凍装置及び放熱システムは、制御パネルに接続されて制御され、水流入口が少なくとも１つのノズルに接続され、ノズルに出水スイッチが設けられる。昇降装置は、遺体を載置する支持架台に結合される。作業スタッフ自らが遺体を運搬する必要がないように、昇降装置の昇降により遺体の高さを調整し、遺体の洗浄、修復及び化粧を行う。
【選択図】図１

Description

本考案は、遺体を簡便に洗浄することができ、冷蔵効果を有する複合式遺体保存用冷蔵庫に関するものであり、さらに詳しくは、老人福祉施設、病院の遺体安置所、自宅又はその他類似した場所に適用する複合式遺体保存用冷蔵庫に関するものである。

出棺前に遺体が腐敗して異臭を発し、環境衛生に悪影響を与えることを防ぐために、遺体は慎重に処理する必要があり、死亡した翌日に遺体保存用冷蔵庫に入れて保存することが一般的である。出棺の前日には、遺体保存用冷蔵庫の扉を開け、扇風機で遺体に空気を吹きかけて空気を循環させて室温下で解凍するとともに、出棺当日に遺体の状況に応じて化粧を施し、入棺して葬式を行った後、土葬又は火葬を行う。遺体を解凍した後、洗浄、修復、化粧などの作業を行う。まず、遺体を遺体保存用冷蔵庫から取り出してベッド又は担架上に載せ、遺体を洗浄室へ移動して遺体の洗浄を行う。その後、遺体を拭き取り、洗浄室から修復室又は化粧室へ移動して遺体の修復及び化粧を行うが、このように遺体が作業スタッフにより何度も運搬・移動され、遺体が何度も動かされるため遺体に対する敬意が十分に払われず、改善が求められていた。

本考案の課題は、作業スタッフが遺体に対して簡便に洗浄、修復及び化粧を行うことができる複合式遺体保存用冷蔵庫を提供することにある。

上記課題を解決するために、本考案によれば、頂部に設けられた開口と、内部に設けられた収容空間とを有するキャビネットを含み、キャビネットの底部には、水流入口、出水口、昇降装置、冷凍装置及び放熱装置が配設され、キャビネットには、温度・湿度コントローラが設けられ、温度・湿度コントローラ、昇降装置、冷凍装置及び放熱システムは、制御パネルに接続されて制御され、水流入口が少なくとも１つのノズルに接続され、ノズルに出水スイッチが設けられ、昇降装置は、遺体を載置する支持架台に結合され、作業スタッフ自らが遺体を運搬する必要がないように、昇降装置の昇降により遺体の高さを調整し、遺体の洗浄、修復及び化粧を行うことを特徴とする複合式遺体保存用冷蔵庫が提供される。

キャビネットの底部には、キャビネットを移動するためのキャスタが取り付けられていることが好ましい。

キャビネット頂部の開口には、水平凸縁部が設けられ、水平凸縁部の内側には、水漏れ防止バーが結合されていることが好ましい。

キャビネット頂部の開口周縁には、薄型ＬＥＤが配置されることが好ましい。

支持架台には、複数の気孔が形成されていることが好ましい。

支持架台の後ろ側には、吸水布が結合されていることが好ましい。

キャビネットの側面には、２つの開閉口が設けられ、一方の開閉口には、ノズルを収容する収容空間が内部に設けられ、他方の開閉口は、昇降装置、冷凍装置及び放熱システムのメンテナンスを便利に行うために用いることが好ましい。

キャビネットの頂部開口の周縁部には、紫外線殺菌ランプ及び複数の冷気口が設けられ、冷気口は、底部の冷凍装置と連通することが好ましい。

キャビネットの底部に配設された昇降装置は油圧シリンダ又は液圧シリンダであることが好ましい。

キャビネットの底部に配設された冷凍装置は圧縮機又は冷却機であることが好ましい。

キャビネットの側部短辺には、可動自在の開閉口が設けられていることが好ましい。

本考案は、上記の通りの構成からなり、遺体を頻発に移動させずに、洗浄、修復および化粧等の必要な処置を行うことができ、かつ冷蔵保存することができる。

図１は、本考案の一実施形態に係る複合式遺体保存用冷蔵庫を示す斜視図である。 図２は、本考案の一実施形態に係る複合式遺体保存用冷蔵庫を示す断面図である。 図３は、本考案の一実施形態に係る複合式遺体保存用冷蔵庫の収納空間を示す部分拡大図である。 図４は、本考案の一実施形態に係る複合式遺体保存用冷蔵庫の支持架台を示す部分拡大図である。 図５は、本考案の一実施形態に係る複合式遺体保存用冷蔵庫の使用状態を示す斜視図である。

以下、本考案の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、これによって本考案が限定されるものではない。

図１〜図３を参照する。図１〜図３に示すように、本考案の一実施形態に係る複合式遺体保存用冷蔵庫は、頂部に開口が設けられて収容空間を内部に有するキャビネット１１を含む。キャビネット１１の底部には、水流入口１１５及び出水口１１６が設けられている。出水口１１６は、キャビネット１１に貫設されて内部の収容空間と連通する。キャビネット１１の頂部開口には、内方に凸縁部１１７が形成されている。凸縁部１１７の周縁部には、水漏れ防止バー１１８が設けられている。凸縁部１１７の内面には、複数の冷気孔１１１が形成されている。これら複数の冷気孔１１１は、開口の周囲に設けられるとともに、凸縁部１１７の上方に薄型ＬＥＤ１１４又は紫外線殺菌ランプ（図示せず）が設けられている。

キャビネット１１の側部短辺には、可動自在の開閉口１１９が設けられている。キャビネット１１の内側底部には、昇降装置１６、冷凍装置１５及び放熱システム１８配設されている。冷凍装置１５は、圧縮機又は冷却機である。冷凍装置１５の排気口は、冷気孔１１１と連通する。昇降装置１６は、油圧シリンダ又は液圧シリンダである。昇降装置１６の昇降ロッドには、支持架台１７が接続されている。支持架台１７は、キャビネット１１頂部の凸縁部１１７と同じ高さであり、昇降装置１６により支持架台１７が下降されるとキャビネット１１内部に収容される。支持架台１７の周縁には、排水溝が設けられている。排水溝には、排水ホース１７４が接続されている。支持架台１７には、水滴を垂らす複数の気孔１７１が設けられるとともに、支持架台１７の後ろ側には１層の吸水布１７２が結合される。

キャビネット１１の外側面には、制御パネル１２が設けられる。制御パネル１２上には、温度及び湿度を表示する表示装置１２１と、湿度制御ボタン１２２と、温度制御ボタン１２３と、昇降制御ボタン１２４と、指示ランプ１２５を有するスイッチと、タイマー１２６と、薄型ＬＥＤ制御パネル１２７とが配設されている。昇降装置１６、冷凍装置１５及び放熱システム１８は、制御パネル１２上の昇降制御ボタン１２４及び温度制御ボタン１２３と接続されて制御される。キャビネット１１の水流入口１１５と少なくとも１つのノズル１１２とが接続され、ノズル１１２上に出水スイッチ１１３が設けられる。本実施形態の水流入口１１５は、分岐ダクトを介して２つのノズル１１２と接続されている。キャビネット１１の底部には、キャビネット１１を移動させるために用いるキャスタ１４が接続されている。また、キャビネット１１の側面には、２つの開閉口１３，１１９が設けられている。２つの開閉口１３，１１９は、回転軸を有する可動自在の支持棒１３１により支持することにより、図４に示すように、物品を設置するために用いるテーブル面を形成し、ノズル１１２を収納し、または、昇降装置１６、冷凍装置１５及び放熱システム１８を保護する。

図５を参照する。図５に示すように、制御パネル１２上の昇降制御ボタン１２４を使用して制御することにより、キャビネット１１の頂面開口部まで支持架台１７を上昇させ、開閉口１１９を開閉すると容易に遺体を設置したり解凍したりすることができ、解凍が一段落した後、キャスタ１４を利用してキャビネット１１を洗浄室へ移動させ、水流入口１１５にホースを接続して開閉口１３を開いてノズル１１２を取り出し、ノズル１１２の管体を水流入口１１５に接続して出水スイッチ１１３を押圧すると、ノズル１１２から水が排出されて遺体の洗浄を行うことができる。これら洗浄で使用された水は、支持架台１７上に形成された複数の気孔１７１から出水口１１６を介してキャビネット１１へ排出される。清掃が完了した後、キャビネット１１がキャスタ１４により修復化粧室へ移動させ、化粧師は遺体に対して修復及び化粧を行う。遺体を修復したり化粧したりする際に遺体から排出された水分は、修復・化粧の作業が完了するまで、支持架台１７上の吸水布１７２により吸収される。

修復・化粧が完了した遺体は、昇降制御ボタン１２４により支持架台１７を下降させ、キャビネット１１を開口場所まで沈ませて温度制御ボタン１２３を起動し、好適な温度を設定して冷凍装置１５又は放熱システム１８を稼働させ、冷凍装置１５が発生した冷気を開口周縁に設けた複数の冷気孔１１１から噴出させ、キャビネット１１の開口部に冷気のカーテンを形成し、遺体を仰向けにしたときの開放空間で保存を完璧に行うことができる。本構造の一体化作業により、遺体を頻繁に移動する必要がないため、遺体の尊厳を守ることができる。

また、大きな災難に遭った場合、発電機によりこの製品を作動させて使用すると、個人識別を行うために不完全な肉塊を集めて入れることができるため、捜索に時間がかかりすぎても異臭が発生することを防ぐことができる。

以上、本考案の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本考案を限定するものではない。本考案の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本考案の実用新案登録請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。

１ 複合式遺体保存用冷蔵庫
１１ キャビネット
１２ 制御パネル
１３ 開閉口
１４ キャスタ
１５ 冷凍装置
１６ 昇降装置
１７ 支持架台
１８ 放熱システム
１９ 開閉口
１１１ 冷気孔
１１２ ノズル
１１３ 出水スイッチ
１１４ 薄型ＬＥＤ
１１５ 水流入口
１１６ 出水口
１１７ 凸縁部
１１８ 水漏れ防止バー
１１９ 開閉口
１２１ 表示装置
１２２ 湿度制御ボタン
１２３ 温度制御ボタン
１２４ 昇降制御ボタン
１２５ 指示ランプ
１２６ タイマー
１２７ ＬＥＤ制御パネル
１３１ 支持棒
１７１ 気孔
１７２ 吸水布
１７３ 排水溝
１７４ 排水ホース

Claims (11)

1. 頂部に設けられた開口と、内部に設けられた収容空間とを有するキャビネットを含み、
   キャビネットの底部には、水流入口、出水口、昇降装置、冷凍装置及び放熱装置が配設され、
   キャビネットには、温度・湿度コントローラが設けられ、温度・湿度コントローラ、昇降装置、冷凍装置及び放熱システムは、制御パネルに接続されて制御され、水流入口が少なくとも１つのノズルに接続され、ノズルに出水スイッチが設けられ、
   昇降装置は、遺体を載置する支持架台に結合され、
   昇降装置の昇降により遺体の高さを調整し、遺体の洗浄、修復及び化粧を行うように構成されたことを特徴とする複合式遺体保存用冷蔵庫。
2. キャビネットの底部には、キャビネットを移動するためのキャスタが取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
3. キャビネット頂部の開口には、水平凸縁部が設けられ、
   水平凸縁部の内側には、水漏れ防止バーが結合されていることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
4. キャビネット頂部の開口周縁には、薄型ＬＥＤが配置されることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
5. 支持架台には、複数の気孔が形成されていることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
6. 支持架台の後方側には、吸水布が結合されていることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
7. キャビネットの側面には、２つの開閉口が設けられ、
   一方の開閉口には、ノズルを収容する収容空間が内部に設けられ、
   他方の開閉口は、昇降装置、冷凍装置及び放熱システムのメンテナンスを便利に行うために用いることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
8. キャビネットの頂部開口の周縁部には、紫外線殺菌ランプ及び複数の冷気口が設けられ、
   冷気口は、底部の冷凍装置と連通することを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
9. キャビネットの底部に配設された昇降装置は油圧シリンダ又は液圧シリンダであることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
10. キャビネットの底部に配設された冷凍装置は圧縮機又は冷却機であることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。
11. キャビネットの側部短辺には、可動自在の開閉口が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の複合式遺体保存用冷蔵庫。