JP3184471U - 熱吸収組立 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽放射のエネルギーを熱エネルギーに変換し、居住区および商業建物における補助空間または加熱用に用いられる熱吸収組立を提供する。
【解決手段】熱吸収組立12が太陽放射を受光して熱エネルギに変換する太陽光吸収膜26を有する。熱吸収組立12が異方性材料を有することで、吸収したエネルギが捕捉貯蔵用の流体導管24に効率的に移動される。
【選択図】図2

Description

太陽放射のエネルギーが、赤外線から紫外線の波長の電磁波放射の型式で、かつ最適条件で平均して1平方メートル当たり約1000ワットである。太陽光吸収器または集光器が、太陽放射のエネルギーを利用可能または貯蔵可能な形式に変換され、詳細には、放射エネルギーを熱エネルギーに変換する。太陽光吸収器または集光器が様々な用途に用いられて良い。たとえば、吸収器が、居住区および商業建物における補助空間または加熱用に用いられて良い。
本開示の1つの実施形態によれば、熱吸収組立が、太陽放射を吸収するように適用された上主表面、および該上主表面に対向する底主表面を有する太陽光吸収膜を備える。導管が前記底主表面の近傍に配されて、貫流する流体を受ける。熱拡散部が前記太陽光吸収膜の底主表面の少なくとも一部分に接触している。導管が前記太陽光吸収膜および前記熱拡散部の間に配される。熱拡散部が少なくとも250W/mKの面内熱伝導性(in-plane thermal conductivity)を有する熱的異方性材料とされる。
本開示の1つの実施形態によれば、熱吸収組立が、太陽放射を吸収するように適用された上主表面、および該上主表面に対向する底主表面を有する太陽光吸収膜を備える。導管が底主表面に当接して、貫流する流体を受ける。熱吸収膜が少なくとも250W/mKの面内熱伝導性を有する熱的異方性材料とされる。
太陽光吸収装置の概略図である。 複数のカラムを有する太陽光吸収器の上面図である。 図2のA−Aに沿った断面図である。 図2のA−Aに沿った代替の断面図である。 図2のA−Aに沿った第2の代替の断面図である。
では、図1を参照して、太陽光吸収装置を説明するが、典型的にそれが番号10で表示される。典型的には、装置10が太陽から放射エネルギーを吸収する太陽光吸収器12を有して、エネルギーを熱エネルギーに変換し、該熱エネルギーを作動流体へ変換する。作動流体が熱交換器14に向い、そこで熱エネルギーが加熱またはエネルギー貯蔵ユニット16へ変換される。作動流体が、熱変換器を通過した後、吸収器12に循環される。貯蔵ユニット16が、たとえば、居住区および商業建物の水加熱器、または居住区および商業建物の空間または床暖房に用いられて良い。
上記の装置10が閉ループであるが(すなわち、作動流体が連続して熱吸収器を貫流して再利用される)、開ループ系、具体的には水加熱用途で使用されることも適している。開ループ構成の1つの実施形態において、熱交換器が無く、水が最終使用のために熱吸収器を通して引かれて、水貯蔵タンクへ直接にパイプで導かれる。
図2〜3を参照して、代表的な熱吸収器12をさらに詳細に説明する。熱吸収器12が作動流体の入出力用の入口導管18および出口導管20を備える。複数のカラム22が入口導管18および出力導管20を内部接続する。カラム22が太陽光を受光、吸収し、そこを流れる作動流体に熱エネルギーを伝える。このように、出口導管20を出る作動流体の温度が入口導管18を介して入る作動流体の温度に対して上昇する。
図2に示す構成に、複数のカラム22が示されるが、好ましくは、これよりも多いか少ないカラム22が使用されても良い。さらに、作動流体が複数の平行通路を貫流するマニホルドの構成が示されるが、たとえば、作動流体が複数のカラムを貫流する連続体の構成など、他の導管構成が用いられて良い。
各カラム22が、作動流体が貫流する作動流体導管24を有する。有利には、作動流体導管24が、約100W/mK以上の、好ましくは250W/mK以上の、さらに好ましくは400W/mK以上の熱伝導率を有する熱的伝導材料から作られる。代表的な材料が、たとえば、アルミ、銅、またはこれらの合金などの多くの金属を含有して良い。
熱吸収膜26が上主表面28および対向の底主表面30を有する。熱吸収膜26が、上主表面26に当接して太陽放射の電磁エネルギーを受光し、該エネルギーを熱エネルギーに変換するように設けられる。このように、熱吸収膜26が有利には、入力太陽放射に面する、1つの円筒状導管24よりも広い表面積を有する。図2から分かるように、一般に、熱吸収膜26が長方形の形状である。1つの実施形態では、一般に熱吸収膜26が平面で良い。他の実施形態では、熱吸収膜26が断面で放射状、凸状、または凹状でも良い。さらに他の実施形態では、熱吸収膜が、導管24を少なくとも部分的に受ける、一般に曲がったまたは放射状の中央部を有して良い。
熱吸収膜26が好ましくは主表面28および30の長さおよび幅において薄い構成要素である。ある実施形態では、熱吸収膜26が約0.25〜5mmの厚さを有する。金属材料がたとえばアルミ、銅、またはそれらの合金で良い。
熱吸収膜26の底主表面30が、たとえば、接着剤、溶接、または機械的締結具を用いて、導管24の外径表面の部分に取り付けられる。他の実施形態では、底主表面30が導管24に接触しているが締結されなくて良い。1つの実施形態では、熱吸収膜26が、一般に、熱吸収膜26の横幅の分ける位置で導管24に接触している。
吸収を向上させるために、上主表面28が放射材料で被膜されて良い。放射材料28が太陽エネルギーの熱エネルギーへの吸収および変換を向上する。1つの実施形態では、被膜によって、約ε=0.90以上の放射率が得られる。さらに別の実施形態では、被膜によって、約ε=0.95以上の放射率が得られる。さらに別の実施形態では、被膜によって、約ε=0.98以上の放射率が得られる。
各カラム22に対する個々の吸収膜26が示されるが、単一の連続する熱吸収膜26が複数の導管24に供給されても良い。換言すれば、単一の吸収膜26が複数の導管24に拡がって良い。
熱拡散部32が底主表面30の少なくとも一部分に当接し、導管24の外周面の少なくとも一部分に接触している。本明細書で用いるように、熱伝導は、伝導熱の移動がそれの間で十分に可能とする物理的な伝導を意味する。見て分かるように、このように導管24が熱吸収膜26および熱拡散部24の間に配されかつそれらに包まれる。1つの実施形態において、熱拡散部32が導管24の曲面に沿うようにフレキシブルで適合しやすいものである。このように、熱拡散部32が、有利には導管24の周囲の少なくとも約30%と、さらに有利には周囲の少なくとも50%、それよりもさらに有利には周囲の少なくとも75%と、熱的に接触している。
1つの実施形態では、熱拡散部32が熱吸収部26の底主表面20の表面積の少なくとも約40%に熱的に接触する。他の実施形態では、熱拡散部32が熱吸収部26の底主表面20の表面積の少なくとも約60%に熱的に接触する。さらに別の実施形態では、熱拡散部32が熱吸収部26の底主表面20の表面積の少なくとも約80%に熱的に接触する。
各熱拡散部32が、適宜に薄くてシート状で、上主表面34および底主表面36を有する。1つの実施形態では、熱拡散部32が約2mm〜約0.05mmの間の厚さである。これのまたは他の実施形態において、熱拡散部が約2mm以下の厚さで良い。他の実施形態では、熱拡散部32が約1mm以下の厚さで良い。さらに他の実施形態では、熱拡散部32が約0.5mm以下の厚さで良い。さらに他の実施形態では、熱拡散部32が約0.1mm以下の厚さで良い。
1つまたは複数の実施形態によれば、熱拡散部32が、剥離グラファイト粒子(exfoliated graphite particles)の圧縮されたシート(compressed mass of sheet)、グラファイト化ポリイミドシート(sheet of graphitized polyimide)、またはこれらの組み合わせで良い。このような材料が面貫通(thru-plane)伝導率に対して面内(in-plane)方向に大きな熱伝導率を有する高異方性材料である。有利には、異方性比率が少なくとも10、さらに有利には少なくとも20、さらに有利には少なくとも50とされる。
熱拡散部32が多重区分(すなわち、曲面区分および真っすぐ区分)を有し、熱拡散部32が有利には1つの連続シートである。他の実施形態では、熱拡散部が、たとえば、熱接着材、機械的締結具または他の手段などで結合された多重シートで良い。
各熱拡散部32が室温(オングストローム方法を用いて、約25℃である)で約250W/mK以上の面内熱伝導率である。別の実施形態では、拡散部32の面内熱伝導率が少なくとも約400W/mKである。さらに別の実施形態では、拡散部32の面内熱伝導率が少なくとも約600W/mKである。さらに別の実施形態では、面内熱伝導率が少なくとも約250〜1500W/mKの範囲である。これらのまたは他の実施形態では、拡散部32の面貫通熱伝導率(thru-plane thermal conductivity)が約10W/mK以下である。1つの実施形態では、拡散部32の面貫通熱伝導率が約5W/mK以下である。1つの実施形態では、拡散部32が、熱吸収膜26の材料の面内熱伝導率の少なくとも約1倍の面貫通熱伝導率である。他の実施形態では、拡散部32が、熱吸収膜26の材料の面内熱伝導率の少なくとも約1.5倍の面貫通熱伝導率である。さら他の実施形態では、拡散部32が、熱吸収膜26の材料の面内熱伝導率の少なくとも約2倍の面貫通熱伝導率である。上記の面内熱伝導率の何れの組み合わせが実施できる。好適なグラファイトシートおよびシート作成処理がたとえば米国特許第5,091,025号、および第3,404,061号に開示され、本明細書に援用される。1つの実施形態では、熱拡散部がたとえば本出願の出願人から市販されているスプレッドシートから作られる。
何れの実施形態において、1つまたは複数の熱拡散部32が樹脂補強されて良い。樹脂が使用されて、たとえば拡散部32の硬さ、強度およびまたは不浸透性を改善する。樹脂補強と並行して、またはその代わりに、1つまたは複数の拡散部32がカーボンおよび/またはグラファイトファイバ補強を含んで良い。
熱拡散部32が有利には通常の熱拡散用途に使用される従来の材料(たとえばアルミ)よりも形状の適合しやすい材料で良い。熱拡散部32を使用することで、拡散部32および導管24の間の干渉熱伝導抵抗(interfacial thermal heat transfer resistance)が、導管24および熱吸収膜26に比べて低減される。さらに、上記に説明したように、導管24に接触している拡散部32の表面積が導管24に接触している熱吸収膜26の表面積よりも広い。このことにより、本明細書で開示されるような熱拡散部の無い熱吸収装置に比べると、導管24への熱伝導が高められる。
熱拡散部32が適宜にフィルム接着剤で被膜されて、導管24および/または熱吸収膜26への装着性が向上する。接着膜が有利には拡散部32への熱伝導を適切に阻害しないほどの薄さとされる。接着膜を組み込み、裏打ちに供給される拡散部32を用いることで、個々のカラム22へ「剥いで貼る」接着ができ、熱拡散部12の組立が単純になる。
図4を参照すると、代替の実施形態が開示され、類似の番号が類似の構成要素を表す。見て分かるように、第2の拡散部32bが第1の拡散部32aおよび熱吸収部26の間に設けられる点を除いて、カラム22が断面で実質的に同様である。この実施形態によれば、第1の拡散部32aおよび第2の拡散部32bが、それの間に導管24を包むように配置される。さらに、第2の拡散部32bが導管24と熱吸収部26との間に配される。
上記の何れの実施形態において、上記の記載および説明のように、太陽光吸収膜26が、金属であることの代わりに、グラファイトシート材料で良い。これのまたは他の実施形態では、グラファイト太陽光吸収膜28の上主表面28が刻みまたは他の粗目が形成されて、表面放射が向上される。実施形態において、熱吸収膜が生グラファイトの圧縮延伸シートであり、テープが上主表面28の表面に貼られて次いでテープが剥がされて、上の滑らかな面を除いて下の折り目加工面が現われることで、粗目が形成されて良い。さらに他の実施形態では、グラファイト粉末が上主表面28に接着されても良い。1つの実施形態では、グラファイト粉末のD90%粒子径が500マイクロメートル以下である。他の実施形態では、グラファイト粉末のD90%粒子径が200マイクロメートル以下である。さらに他の実施形態では、グラファイト粉末のD90%粒子径が100マイクロメートル以下である。さらに他の実施形態では、グラファイト粉末のD90%粒子径が55マイクロメートル以下である。
次いで、図5を参照すると、別の実施形態が開示され、類似の番号が類似の構成要素を表す。この実施形態によれば、太陽光吸収膜26が拡散部32を設けない。この実施形態によれば、太陽光吸収膜26が上記のようにグラファイト材であり、上記の1つまたは複数の表面処理を含む。見て分かるように、グラファイト材が比較的フレキシブルなので、太陽光吸収膜26が中央包被領域40および反対外方向延伸領域42を有する。中央包被領域40が有利には導管40の周囲の少なくとも約30%、さらに有利には周囲の少なくとも約50%、さらに有利には周囲の少なくとも約75%で熱的に接触している。
本出願で引用した特許および刊行物の開示がその全体が本明細書に援用される。本明細書に開示した種々の実施形態が何れの組み合わせで実施されて良い。上記の記載が当技術分野の当業者が発明を実行できるものとする。本記載を読めば当業者に明らかになるすべての可能な変態および変更を詳述するものではない。しかしながら、すべて変更および変態が次の請求の範囲で規定する範囲内に含まれるものである。その内容が具体的に反対のことを示さない限りにおいて、請求の範囲が考案に意図された対象に適合することに効果的である何れの配置またはシーケンスにおける開示した構成要素および工程を含むものとする。

Claims (22)

  1. 太陽放射を吸収することに適した上主表面および該上主表面に対向する底主表面を有する太陽光吸収膜と、
    前記底主表面の近傍に配されると共に、貫流する流体を収容する導管と、
    前記太陽光吸収膜の底主表面の少なくとも一部分に接触している熱拡散部と、を備えた熱吸収組立であって、
    前記導管が前記太陽光吸収膜および前記熱拡散部の間に配され、
    前記熱拡散部が250W/mK以上の面内熱伝導性を有する熱的異方性材料とされる
    ことを特徴とする熱吸収組立。
  2. 前記熱的異方性材料が、圧縮剥離グラファイト粉末シートを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  3. 前記熱的異方性材料が、グラファイト化ポリイミドシートを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  4. 前記熱的異方性材料が、前記熱吸収膜の底主表面の表面積の60パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  5. 前記熱的異方性材料が、前記熱吸収膜の底主表面の表面積の80パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  6. 前記導管が周囲部を有し、前記熱拡散部が前記導管周囲部の30パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  7. 前記導管が周囲部を有し、前記熱拡散部が前記導管周囲部の50パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  8. 前記導管が周囲部を有し、前記熱拡散部が前記導管周囲部の75パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  9. 前記熱拡散部が、厚さ2ミリメートル以下とされることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  10. 前記熱拡散部が、厚さ1ミリメートル以下とされることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  11. 前記熱拡散部が、厚さ0.1ミリメートル以下とされることを特徴とする請求項1に記載の熱吸収組立。
  12. 太陽放射を吸収することに適した上主表面および該上主表面に対向する底主表面を有する太陽光吸収膜と、
    前記底主表面に接触していると共に、貫流する流体を収容する導管と、
    を備えた熱吸収組立であって、
    前記吸収膜が250W/mK以上の面内熱伝導性を有する熱的異方性材料とされる
    ことを特徴とする熱吸収組立。
  13. 前記熱的異方性材料が、圧縮剥離グラファイト粉末シートを含むことを特徴とする請求項12に記載の熱吸収組立。
  14. 前記熱的異方性材料が、グラファイト化ポリイミドシートを含むことを特徴とする請求項12に記載の熱吸収組立。
  15. 前記熱吸収膜が中央包被領域、および反対外側伸長領域を有することを特徴とする請求項13に記載の熱吸収組立。
  16. 前記導管が周囲部を有し、前記中央包被領域が前記周囲部の30パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項15に記載の熱吸収組立。
  17. 前記導管が周囲部を有し、前記中央包被領域が前記周囲部の50パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項15に記載の熱吸収組立。
  18. 前記導管が周囲部を有し、前記中央包被領域が前記周囲部の75パーセント以上に接触していることを特徴とする請求項15に記載の熱吸収組立。
  19. 前記太陽光吸収膜の上主表面にグラファイトパウダーが接着されていることを特徴とする請求項12に記載の熱吸収組立。
  20. 前記グラファイトパウダーが、D90%粒子径が500マイクロメートル未満とされたものであることを特徴とする請求項19に記載の熱吸収組立。
  21. 前記グラファイトパウダーが、D90%粒子径が200マイクロメートル未満とされたものであることを特徴とする請求項19に記載の熱吸収組立。
  22. 前記グラファイトパウダーが、D90%粒子径が100マイクロメートル未満とされたものであることを特徴とする請求項19に記載の熱吸収組立。
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