JP3184347U - 付けまつ毛の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル系フィラメントの素材特性を活かした製作が容易な付けまつ毛の構造を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂のポリエステル系フィラメントFで構成される付けまつ毛Mであって、抗菌剤が練り込まれたフィラメントFをキューティクル加工及びカール加工により、前記フィラメントFの外周表面にキューティクル又は/及びクレーターを形成すると共に、前記フィラメントFの先端部Faを少なくとも根元部Fbより細く形成されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、付けまつ毛の構造に関し、より詳しくは柔軟性及び光沢があり、自毛に近い自然な付けまつ毛の構造に関する。
一般的に多くの女性は、大きな目を願望している。それは古来より、日本や中国においては、ぱっちりと大きく開いてきらきらしている目や目つきを意味する「つぶらな瞳」、また美しく澄んだ目もとと、白く美しい歯並びを意味する「明眸皓歯」という言葉があるように、いずれも美女を形容する言葉として知られており、女性とりわけ若い女性が目を大きく見せようとする所以と思われる。本来目の周囲に生えているまつ毛は、目の中に塵埃等の侵入を防ぐ目的と
太陽光の紫外線等を遮蔽する働きなどがあると考えられている。上述のように目を大きく見せるための化粧品として各種の付けまつ毛やエクステンションまつ毛が市販され、また多数の提案がなされている。
近時、付けまつ毛のメーカーによる使用感についての調査に基づく使用者の感想によれば、その感想として「市販品のなかには硬くて痛いものがある」という多くの声があることが判った。また、例えば、特許文献1(第1頁、図1参照)によれば、つけ睫毛の素材は、タヌキ、キツネ、ミンク、イタチ、山羊、羊、ウサギ、イヌ、ネコ、リス、馬、牛、サル等の獣毛を使用していることが開示されている。しかし、特許文献1のつけ睫毛の素材は、獣毛であり、その太さ、質感また形状が異なることから不自然な仕上がりとなってしまう、という欠点がある。
特開2009−185431号公報
本願考案者は、上記の市販品の「付けまつ毛」や、従来技術の特許文献1が有する不具合や欠点の解消について鋭意検討を重ねて本願考案を創案するに至った。そこで、その課題は以下の通りである。
○本考案が解決しようとする第1課題
本考案が解決しようとする第1課題は、ポリエステル系フィラメントの素材特性を活かした製作が容易な付けまつ毛を提供することである。
○本考案が解決しようとする第2課題
本考案が解決しようとする第2課題は、自毛のまつ毛を長く見せたり、ボリ
ューム感と共に、柔軟性及び光沢を高め、自毛に近い自然な付けまつ毛を提供
することである。
○本考案が解決しようとする第3課題
本考案が解決しようとする第3課題は、まぶた近傍でのばい菌の繁殖を抑制
可能な付けまつ毛を提供することである。
課題を解決するための手段は、本願の[実用新案登録請求の範囲]の各請求項に記載の考案である。
実用新案登録請求の範囲、明細書、図面等の用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下用語の説明を行うこととする。
<用語の説明>
〇フィラメントとは、付けまつ毛を構成する繊維単体をいう。熱可塑性樹脂を押出し成形法によって製作される。
○キューティクルとは、フィラメントの外周表面に形成されたうろこ状の角皮
をいう。
〇クレーターとは、フィラメントの外周表面に形成された侵食部をいう。
○キューティクル加工とは、キューティクルとクレーターを形成する処理作業
をいう。またフィラメントの先端部をテーパー上に細化することも含まれる。
〇カール加工とは、フィラメントの根元から先端部を湾曲させることをいう。

課題を解決するための手段は、本願の実用新案登録請求の範囲の各請求項に記載の考案であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。

○第1の考案(請求項1に記載の考案)
上記の課題を解決するための第1の考案(請求項1に記載の考案)は、
熱可塑性樹脂のポリエステル系フィラメント(F)で構成される付けまつ毛(M)であって、抗菌剤(K)が練り込まれたフィラメント(F)をキューティクル加工及びカール加工により、前記フィラメント(F)の外周表面にキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)を形成すると共に、前記フィラメント(F)の先端部(Fa)を少なくとも根元部(Fb)より細く形成されたことを特徴とする付けまつ毛(M)の構造である。
○第2の考案(請求項2に記載の考案)
上記の課題を解決するための第2の考案(請求項2に記載の考案)は、
前記ポリエステル系フィラメント(F)が、ポリブチレンテレフタートであ
ることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造である。
○第3の考案(請求項3に記載の考案)
上記の課題を解決するための第3の考案(請求項3に記載の考案)は、
前記フィラメント(F)のキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)
は、約2w%〜5w%の弱アルカリ性水溶液に浸漬して形成されることを特徴
とする付けまつ毛(M)の構造である。
○第4の考案(請求項4に記載の考案)
上記の課題を解決するための第4の考案(請求項4に記載の考案)は、
前記抗菌剤(K)がゼオライト系又はアパタイト系銀イオン、脱アセチル化キチン、ペリルアルデヒド、シオネール、ベルベリン、又はアロエチンであることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造である。
本考案に係る、付けまつ毛(M)の構造は、上記のような特徴的構成用件から構成され、特徴的構成要件に応じた、以下のような本願考案特有の効果を奏する。
また、上記の各考案に応じた、上記のような特徴的構成要件から構成された付けまつ毛(M)の構造によれば、本願考案の課題を十分解消することができた。
○第1の考案の効果
第1の考案によれば、熱可塑性樹脂のポリエステル系フィラメント(F)で構成される付けまつ毛(M)であって、抗菌剤(K)が練り込まれたフィラメント(F)をキューティクル加工及びカール加工により、前記フィラメント(F)の外周表面にキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)を形成すると共に、前記フィラメント(F)の先端部(Fa)を少なくとも根元部(Fb)より細く形成されたことを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第2の考案の効果
第2の考案によれば、前記ポリエステル系フィラメント(F)が、ポリブチ
レンテレフタートであることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第3の考案の効果
第3の考案によれば、前記フィラメント(F)のキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)は、約2w%〜5w%の弱アルカリ性水溶液に浸漬して形成されることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第4の考案の効果
第4の考案によれば、
前記抗菌剤(K)がゼオライト系又はアパタイト系銀イオン、脱アセチル化キチン、ペリルアルデヒド、シオネール、ベルベリン、又はアロエチンであることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
以下、本考案に係る、付けまつ毛(M)の構造に関する最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本考案に係る、付けまつ毛(M)をヒトのまぶたのまつ毛に取り付けた状態の側面図である。
図2は、フィラメント(F)における図1におけるA部の拡大側面図である。
図3は、図2における3−3線拡大断面図である。
図4は、図1におけるB部の拡大側面図である。

11111**************************************************
図1は、本考案に係る、付けまつ毛(M)をまぶたに自生しているまつ毛に取り付けた状態を示している。熱可塑性樹脂のポリエステル系樹脂は、混練機内で抗菌剤(K)、例えば銀イオン等と共に混練され、押し出し機によって断面形状がほぼ円形のフィラメント(F)として押し出され、該フィラメント(F)は、アルカリ性水溶液中に浸漬され加水分解される。これにより、フィラメント(F)の外周表面には、キューティクル(C)と称されるうろこ状の角皮と共にクレーター(S)と称される侵食部も形成される(図2、図3参照)。キューティクル(C)とクレーター(S)により、フィラメント(F)及びフィラメント(F)の集合体である付けまつ毛(M)は、ボリューム感、柔軟性及び光沢(艶)等を増すことができた。またキューティクル加工、即ちアルカリ性水溶液中への浸漬作業により、フィラメント(F)の先端部(Fa)を先細化(テーパー)させることもできた(図4参照)。さらにアルカリ性水溶液中への浸漬時間(平均約30分前後)を長くすれば、先細化(テーパー)は、より進行することが実証されたので、浸漬時間の増減により、付けまつ毛(M)の商品種別を増すことができた。
○第1の考案の効果・第1の考案によれば、熱可塑性樹脂のポリエステル系フィラメント(F)で構成される付けまつ毛(M)であって、抗菌剤(K)が練り込まれたフィラメント(F)をキューティクル加工及びカール加工により、前記フィラメント(F)の外周表面にキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)を形成すると共に、前記フィラメント(F)の先端部(Fa)を少なくとも根元部(Fb)より細く形成されたことを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
22222*************************************************
本考案に係る、付けまつ毛(M)を構成するポリエステル系フィラメント(F)の素材であるポリブチレンテレフタートは、拡張性、耐熱性及びカール性等の特性を有する点に着目して採用したものであり、かつ表面の滑らかさや屈折率の高さ等からみて、付けまつ毛(M)に要求される商品価値を高める好適な素材である。
○第2の考案の効果・第2の考案によれば、前記ポリエステル系フィラメン
ト(F)が、ポリブチレンテレフタートであることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
33333**************************************************
フィラメント(F)の外周表面にキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)を形成するには、約2w%〜5w%の弱アルカリ性水溶液、例えば、水酸化ナトリウム溶液や水酸化カルシウム溶液等に浸漬し、約30分前後でフィラメント(F)の外周表面には、柔軟性や光沢(艶)が現れた。フィラメント(F)は、表面に付着したアルカリ性水溶液を真水で洗浄し、水分を払拭後、アルミニウム製の棒体に巻回され、加熱装置により棒体を加熱することにより、フィラメント(F)には、J又はC状のカールを形成することができた。フィラメント(F)は、自然冷却された後、所定の長さ、約7mm〜15mmにカットされて付けまつ毛(M)として商品化することができた。
○第3の考案の効果・第3の考案によれば、前記フィラメント(F)のキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)は、約2w%〜5w%の弱アルカリ性水溶液に浸漬して形成されることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
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押し出し機でフィラメント(F)を取り出す前工程のフィラメント(F)への抗菌剤(K)の練り込みは、混練機にポリエステル系樹脂のポリブチレンテレフタートと共に、ゼオライト系又はアパタイト系銀イオン、脱アセチル化キチン、ペリルアルデヒド、シオネール、ベルベリン、又はアロエチンの中から1種を選択して投入して混練することができる。付けまつ毛(M)の使用に際して、当該付けまつ毛(M)全体には抗菌剤(K)が練り込まれているので、使用者のまぶた近傍に炎症、かゆみ等の不具合が起きることを未然に防止することができる。
○第4の考案の効果・第4の考案によれば、前記抗菌剤(K)がゼオライト系又はアパタイト系銀イオン、脱アセチル化キチン、ペリルアルデヒド、シオネール、ベルベリン、又はアロエチンであることを特徴とする付けまつ毛(M)の構造であることという特徴的な構成要件により、本考案が解決しようとする第1課題〜第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
本考案に係る、付けまつ毛(M)をヒトのまぶたのまつ毛に取り付けた状態の側面図である。 フィラメント(F)における図1におけるA部の拡大側面図である。 図2における3−3線拡大断面図である。 図1におけるB部の拡大側面図である。
M…付けまつ毛
F…フィラメント
Fa…先端部
Fb…根元部
C…キューティクル(うろこ状角皮)
S…クレーター(侵食部)
K…抗菌剤

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂のポリエステル系フィラメント(F)で構成される付けまつ毛
    (M)であって、
    抗菌剤(K)が練り込まれたフィラメント(F)をキューティクル加工及び
    カール加工により、前記フィラメント(F)の外周表面にキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)を形成すると共に、前記フィラメント(F)の先端部(Fa)を少なくとも根元部(Fb)より細く形成されたことを特徴とする付けまつ毛(M)の構造。
  2. 前記ポリエステル系フィラメント(F)が、ポリブチレンテレフタートであ
    ることを特徴とする請求項1に記載した付けまつ毛(M)の構造。
  3. 前記フィラメント(F)のキューティクル(C)又は/及びクレーター(S)
    は、約2w%〜5w%の弱アルカリ性水溶液に浸漬して形成されることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載した付けまつ毛(M)の構造。
  4. 前記抗菌剤(K)がゼオライト系又はアパタイト系銀イオン、脱アセチル化キチン、ペリルアルデヒド、シオネール、ベルベリン、又はアロエチンであることを特徴とする請求項1に記載した付けまつ毛(M)の構造。


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