JP3184332B2 - 光分波回路 - Google Patents
光分波回路Info
- Publication number
- JP3184332B2 JP3184332B2 JP26171192A JP26171192A JP3184332B2 JP 3184332 B2 JP3184332 B2 JP 3184332B2 JP 26171192 A JP26171192 A JP 26171192A JP 26171192 A JP26171192 A JP 26171192A JP 3184332 B2 JP3184332 B2 JP 3184332B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waveguide
- wavelength
- light
- monitor light
- circuit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Integrated Circuits (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小形、低損失で製作性
が良好な光分波回路に関する。
が良好な光分波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバが通信線路として用いられる
とき、敷設時の作業及び敷設後の保守のために、光ファ
イバ中の障害点(接続不完全,破断など)の有無、更に
その位置決めのための技術が重要となる。そこで、光フ
ァイバにパルス光または強度変調光を入射させ、それが
障害点で反射して入射側にもどるまでの時間を測定する
様々な方法が開発されている。このように、光パルスに
対する反射光の時間変化からファイバ内の状態を評価す
る装置は、OTDR(Optical Time Domain Refrectmet
er)と呼ばれている。一般に、戻ってくる光の強度は非
常に微弱なので、これを高いSN比で測定するためには
種々の工夫が必要である。SN比を向上させるために
は、入射光パルスのエネルギーを大きくすればよい。こ
の場合の一つの方法はピークパワーを大きくすることで
あるが、これには実際上限界がある。一方、他の方法と
してパルス幅を広げることが考えられるが、この場合に
は距離分解能が劣化してしまう。よって、実行可能で効
果的な一つのSN比改善法は多数回の測定を行い、その
結果を加算平均化することである。
とき、敷設時の作業及び敷設後の保守のために、光ファ
イバ中の障害点(接続不完全,破断など)の有無、更に
その位置決めのための技術が重要となる。そこで、光フ
ァイバにパルス光または強度変調光を入射させ、それが
障害点で反射して入射側にもどるまでの時間を測定する
様々な方法が開発されている。このように、光パルスに
対する反射光の時間変化からファイバ内の状態を評価す
る装置は、OTDR(Optical Time Domain Refrectmet
er)と呼ばれている。一般に、戻ってくる光の強度は非
常に微弱なので、これを高いSN比で測定するためには
種々の工夫が必要である。SN比を向上させるために
は、入射光パルスのエネルギーを大きくすればよい。こ
の場合の一つの方法はピークパワーを大きくすることで
あるが、これには実際上限界がある。一方、他の方法と
してパルス幅を広げることが考えられるが、この場合に
は距離分解能が劣化してしまう。よって、実行可能で効
果的な一つのSN比改善法は多数回の測定を行い、その
結果を加算平均化することである。
【0003】図14は、OTDRの構成の一例を示し、
図中、01はパルス発振レーザ、02はビームスプリッ
タ、03は受光器、04は加算平均化処理回路、05は
出力表示機器、06はファイバ、07は偏向子、08は
検光子である。このような構成において、パルス発振レ
ーザ01から出射した光パルスは偏向子07、ビームス
プリッタ02を透過し、フィアバ06に入射する。ファ
イバ06内を伝搬する光パルスは、接続不完全,破断等
の障害点またはファイバ06の屈折率ゆらぎによって反
射される。この反射光はビームスプリッタ02、検光子
08によって受光器03へ分波される。そして、加算平
均化処理回路04で微弱な反射光のSN比を向上させて
から出力表示機器05によって光パルスに対する反射光
の時間変化が表示される。
図中、01はパルス発振レーザ、02はビームスプリッ
タ、03は受光器、04は加算平均化処理回路、05は
出力表示機器、06はファイバ、07は偏向子、08は
検光子である。このような構成において、パルス発振レ
ーザ01から出射した光パルスは偏向子07、ビームス
プリッタ02を透過し、フィアバ06に入射する。ファ
イバ06内を伝搬する光パルスは、接続不完全,破断等
の障害点またはファイバ06の屈折率ゆらぎによって反
射される。この反射光はビームスプリッタ02、検光子
08によって受光器03へ分波される。そして、加算平
均化処理回路04で微弱な反射光のSN比を向上させて
から出力表示機器05によって光パルスに対する反射光
の時間変化が表示される。
【0004】上述した構成のOTDRは、第1に小型化
に関する課題がある。すなわち、高出力のパルス発振レ
ーザが必要であるため、小型化が困難である。次に、第
2の課題として前述のように反射光が微弱であるため、
測定が困難であるという問題が生じる。そこでモニタ光
を反射し、信号光を透過する機能を有する光導波回路で
あり、本回路を、ネットワークの端末の前に挿入するこ
とにより、OTDRを使うことなく線路状況を常時、把
握することができる光分波回路が開発されている。
に関する課題がある。すなわち、高出力のパルス発振レ
ーザが必要であるため、小型化が困難である。次に、第
2の課題として前述のように反射光が微弱であるため、
測定が困難であるという問題が生じる。そこでモニタ光
を反射し、信号光を透過する機能を有する光導波回路で
あり、本回路を、ネットワークの端末の前に挿入するこ
とにより、OTDRを使うことなく線路状況を常時、把
握することができる光分波回路が開発されている。
【0005】従来の光分波回路を図15に示す。同図に
示すように、光分波回路1はネットワークに接続する入
力ポート1a、右側が端末に接続する出力ポート1bで
あり、クラッド2には主導波路3A,3Bが形成されて
いる。主導波路3A,3Bの途中には波長分離回路4
A,4Bが形成されており、また、これら波長分離回路
4A,4Bを連結するループバック用回路5が設けられ
ている。さらに、主導波路3A,3Bの出力ポート1b
側を横断するように誘電体フィルタ6が設けられて、モ
ニタ光カット部7A,7Bが形成されている。
示すように、光分波回路1はネットワークに接続する入
力ポート1a、右側が端末に接続する出力ポート1bで
あり、クラッド2には主導波路3A,3Bが形成されて
いる。主導波路3A,3Bの途中には波長分離回路4
A,4Bが形成されており、また、これら波長分離回路
4A,4Bを連結するループバック用回路5が設けられ
ている。さらに、主導波路3A,3Bの出力ポート1b
側を横断するように誘電体フィルタ6が設けられて、モ
ニタ光カット部7A,7Bが形成されている。
【0006】ここで、モニタ光の波長をλ1 、信号光の
波長をλ2 とし、波長分離回路4A,4Bは波長λ1 の
モニタ光をクロスポートへ分波し、波長λ2 の信号光を
スルーポートへ透過する波長特性を有するとする。ただ
し、波長分離回路4A,4Bについて入射する光が伝搬
する導波路に隣接する出射側の導波路をクロスポート、
入射する光が伝搬する導波路と同じ出射側の導波路をス
ルーポートという。例えば、波長分離回路4Aについて
主導波路3Aの入力ポート1a側から光を入射した場合
を考えると、出力ポート1b側の主導波路3Aはスルー
ポート、ループバック用導波路5に接続している出射側
の導波路をクロスポートという。
波長をλ2 とし、波長分離回路4A,4Bは波長λ1 の
モニタ光をクロスポートへ分波し、波長λ2 の信号光を
スルーポートへ透過する波長特性を有するとする。ただ
し、波長分離回路4A,4Bについて入射する光が伝搬
する導波路に隣接する出射側の導波路をクロスポート、
入射する光が伝搬する導波路と同じ出射側の導波路をス
ルーポートという。例えば、波長分離回路4Aについて
主導波路3Aの入力ポート1a側から光を入射した場合
を考えると、出力ポート1b側の主導波路3Aはスルー
ポート、ループバック用導波路5に接続している出射側
の導波路をクロスポートという。
【0007】このような光分波回路1の製作は、例えば
図16に示す方法(特開昭58−105111号参照)
により行われる。すなわち、まず、例えばSiCl4 ,GeCl
4 ,TiCl4 ,POCl3 ,BCl3の塩化物を出発原料として火
炎加水分解反応によりシリコン等の基板101上にSiO2
微粒子層102及びSiO2−TiO2微粒子層103を順次積
層し(図16(A))、これを焼結することにより下部
クラッドガラス層104及びコアガラス層105を形成
し(図16(B))、次いで反応性イオンエッチングな
どのエッチング加工により所定の主導波路3A,3B、
波長分離回路4A,4B、ループバック用導波路5の部
分を残して他のコアガラス層を除去し、コア105A,
105Bを形成する(図16(C))。次に、このコア
105A,105Bを覆うように火炎加水分解反応によ
りSiO2微粒子層106を堆積し(図16(D))、これ
を焼結することにより上部クラッドガラス層107を形
成することにより、光分波回路1とする。
図16に示す方法(特開昭58−105111号参照)
により行われる。すなわち、まず、例えばSiCl4 ,GeCl
4 ,TiCl4 ,POCl3 ,BCl3の塩化物を出発原料として火
炎加水分解反応によりシリコン等の基板101上にSiO2
微粒子層102及びSiO2−TiO2微粒子層103を順次積
層し(図16(A))、これを焼結することにより下部
クラッドガラス層104及びコアガラス層105を形成
し(図16(B))、次いで反応性イオンエッチングな
どのエッチング加工により所定の主導波路3A,3B、
波長分離回路4A,4B、ループバック用導波路5の部
分を残して他のコアガラス層を除去し、コア105A,
105Bを形成する(図16(C))。次に、このコア
105A,105Bを覆うように火炎加水分解反応によ
りSiO2微粒子層106を堆積し(図16(D))、これ
を焼結することにより上部クラッドガラス層107を形
成することにより、光分波回路1とする。
【0008】このような構成における光分波回路1の機
能について説明する。主導波路3Aの入力ポート1a側
から入射した波長λ1 のモニタ光は、波長分離回路4A
で分波されてクロスポートへ出力され、ループバック用
導波路5を伝搬する。ループバック用導波路5は180
度曲がって波長分離回路5Bにつながっており、ループ
バック用導波路5を伝搬したモニタ光は、波長分離回路
4Bで分波されてクロスポートへ出力され、主導波路3
Bの入力ポート1a側へ戻されていく。一方、主導波路
3Aの入力ポート1a側から伝搬した波長λ2 の信号光
は、波長分離回路4Aを透過してスルーポートから出力
され、主導波路3Aの出力ポート1b側へ伝搬してい
く。このとき、波長λ2 の信号光に混在する波長λ1 の
モニタ光はモニタ光カット部9aでカットされる。な
お、この光分波回路1は主導波路4の入力ポート1a側
から波長λ1 ,λ2の光を入射しても同様に作用する。
能について説明する。主導波路3Aの入力ポート1a側
から入射した波長λ1 のモニタ光は、波長分離回路4A
で分波されてクロスポートへ出力され、ループバック用
導波路5を伝搬する。ループバック用導波路5は180
度曲がって波長分離回路5Bにつながっており、ループ
バック用導波路5を伝搬したモニタ光は、波長分離回路
4Bで分波されてクロスポートへ出力され、主導波路3
Bの入力ポート1a側へ戻されていく。一方、主導波路
3Aの入力ポート1a側から伝搬した波長λ2 の信号光
は、波長分離回路4Aを透過してスルーポートから出力
され、主導波路3Aの出力ポート1b側へ伝搬してい
く。このとき、波長λ2 の信号光に混在する波長λ1 の
モニタ光はモニタ光カット部9aでカットされる。な
お、この光分波回路1は主導波路4の入力ポート1a側
から波長λ1 ,λ2の光を入射しても同様に作用する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した構成
の光分波回路1も、第1に小型化に関する課題がある。
すなわち、ループバック用導波路5によって波長λ1 の
モニタ光の伝搬方向を転換する必要があるため、ループ
バック用導波路5は所定の曲率半径で湾曲させる必要が
ある。よって、図15に示すようにループバック用導波
路5の曲率半径Rとしたとき、主導波路3A,3Bの間
隔は2R程度となる。一般に、光導波路は急激な曲がり
部で放射損失を生じる。したがって、放射損失を抑える
為には曲率半径Rとしては50mm以上が要求され、回路
寸法は約2R=100mmとなるので、小型化を実現する
ことは極めて困難である。仮に、小型化を実現するため
曲率半径Rを1mm程度とすると、曲がり部の放射損失を
抑えるため光導波路のコア・クラッド間の比屈折率差Δ
を2%程度以上、導波路断面の寸法を1μm×1μm程
度としなければならず、光伝送用の石英系単一モード光
ファイバとの整合性が悪いという欠点が残る。
の光分波回路1も、第1に小型化に関する課題がある。
すなわち、ループバック用導波路5によって波長λ1 の
モニタ光の伝搬方向を転換する必要があるため、ループ
バック用導波路5は所定の曲率半径で湾曲させる必要が
ある。よって、図15に示すようにループバック用導波
路5の曲率半径Rとしたとき、主導波路3A,3Bの間
隔は2R程度となる。一般に、光導波路は急激な曲がり
部で放射損失を生じる。したがって、放射損失を抑える
為には曲率半径Rとしては50mm以上が要求され、回路
寸法は約2R=100mmとなるので、小型化を実現する
ことは極めて困難である。仮に、小型化を実現するため
曲率半径Rを1mm程度とすると、曲がり部の放射損失を
抑えるため光導波路のコア・クラッド間の比屈折率差Δ
を2%程度以上、導波路断面の寸法を1μm×1μm程
度としなければならず、光伝送用の石英系単一モード光
ファイバとの整合性が悪いという欠点が残る。
【0010】次に、第2の課題としては、波長分離回路
4A,4Bの波長特性についてである。一般に、波長分
離回路4A,4Bとして、図17に示すように、隣接し
た2本の光導波路111,112から構成される光方向
性結合器113が用いられる。また、図18に示すよう
に、光方向性結合器114,115を連続して設けてこ
れら光方向性結合器114,115の間のアーム導波路
116,117に光路長差(ΔL)を設けた、マッハツ
ェンダ干渉形光分波回路118も用いられる。しかし、
これら光方向性結合器113及びマッハツェンダ干渉形
光分波回路118は波長特性が急峻なため、信号光・モ
ニタ光の波長がずれた場合、又は製作ばらつきによって
回路の波長特性がずれた場合に、上述した光分波回路1
において、主導波路3A,3Bの出力ポート1b側にモ
ニタ光が漏れたり、主導波路3A,3Bの入力ポート1
a側へ信号光が戻ってしまったりする。この結果、信号
と雑音との比であるSN比が劣化したり、光源の出力を
不安定にしたりするという問題が生じる。
4A,4Bの波長特性についてである。一般に、波長分
離回路4A,4Bとして、図17に示すように、隣接し
た2本の光導波路111,112から構成される光方向
性結合器113が用いられる。また、図18に示すよう
に、光方向性結合器114,115を連続して設けてこ
れら光方向性結合器114,115の間のアーム導波路
116,117に光路長差(ΔL)を設けた、マッハツ
ェンダ干渉形光分波回路118も用いられる。しかし、
これら光方向性結合器113及びマッハツェンダ干渉形
光分波回路118は波長特性が急峻なため、信号光・モ
ニタ光の波長がずれた場合、又は製作ばらつきによって
回路の波長特性がずれた場合に、上述した光分波回路1
において、主導波路3A,3Bの出力ポート1b側にモ
ニタ光が漏れたり、主導波路3A,3Bの入力ポート1
a側へ信号光が戻ってしまったりする。この結果、信号
と雑音との比であるSN比が劣化したり、光源の出力を
不安定にしたりするという問題が生じる。
【0011】本発明はこのような事情に鑑み、小形、低
損失であると共に製作性が良好な光分波回路を提供する
ことを目的とする。
損失であると共に製作性が良好な光分波回路を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る光分波回路は、まず、入力ポート側から信号光
及びモニタ光が入射すると共に出力ポート側から信号光
が出射するか又は入力ポート側からモニタ光が出射する
第1の主導波路と、入力ポート側からモニタ光が出射す
るか又は入力ポート側から信号光及びモニタ光が入射す
ると共に出力ポート側から信号光が出射する第2の主導
波路と、前記第1及び第2の主導波路にそれぞれ設けら
れて入力ポート側から入射した信号光とモニタ光とを分
波する第1及び第2の波長分離回路とを有する。
明に係る光分波回路は、まず、入力ポート側から信号光
及びモニタ光が入射すると共に出力ポート側から信号光
が出射するか又は入力ポート側からモニタ光が出射する
第1の主導波路と、入力ポート側からモニタ光が出射す
るか又は入力ポート側から信号光及びモニタ光が入射す
ると共に出力ポート側から信号光が出射する第2の主導
波路と、前記第1及び第2の主導波路にそれぞれ設けら
れて入力ポート側から入射した信号光とモニタ光とを分
波する第1及び第2の波長分離回路とを有する。
【0013】更に、これら第1及び第2の波長分離回路
を連結すると共に途中に折り返し回路を有して一方の波
長分離回路で分波されたモニタ光を他方の波長分離回路
に伝搬するループバック用導波路と前記第1及び第2の
主導波路に介装されて出力ポ ートからのモニタ光の漏れ
を防止するモニタ光カットフィルタとを備える。
を連結すると共に途中に折り返し回路を有して一方の波
長分離回路で分波されたモニタ光を他方の波長分離回路
に伝搬するループバック用導波路と前記第1及び第2の
主導波路に介装されて出力ポ ートからのモニタ光の漏れ
を防止するモニタ光カットフィルタとを備える。
【0014】そして、本発明に係る光分波回路は、方向
性結合器と前記モニタ光を結合部とは異なる導波路上で
反射する波長選択反射フィルタとを直列に配置すること
により前記ループバック用導波路の折り返し回路を構成
し、且つ当該波長選択反射フィルタが前記モニタ光カッ
トフィルタを兼ねていることを特徴とする。また、波長
選択反射フィルタと主導波路とは傾いて交差している
が、波長選択反射フィルタとループバック用導波路とは
直交するようにしても良い。
性結合器と前記モニタ光を結合部とは異なる導波路上で
反射する波長選択反射フィルタとを直列に配置すること
により前記ループバック用導波路の折り返し回路を構成
し、且つ当該波長選択反射フィルタが前記モニタ光カッ
トフィルタを兼ねていることを特徴とする。また、波長
選択反射フィルタと主導波路とは傾いて交差している
が、波長選択反射フィルタとループバック用導波路とは
直交するようにしても良い。
【0015】
【作用】前記構成の光分波回路において、主導波路の入
力ポート側から入射した信号光は波長分離回路及び波長
選択反射フィルタを通過して主導波路の出力ポート側へ
出射する。主導波路の入力ポート側から入射したモニタ
光は波長分離回路によりループバック用導波路に分波さ
れ、方向性結合器と波長選択反射フィルタとが直列に配
置された折り返し回路で折り返されてループバック用導
波路の入力ポート側に出射する。また、主導波路の入力
ポート側から入射したモニタ光のうち波長分離回路を通
って主導波路に入った光は波長分離反射フィルタでカッ
トされ出力ポート側へ出射しない。
力ポート側から入射した信号光は波長分離回路及び波長
選択反射フィルタを通過して主導波路の出力ポート側へ
出射する。主導波路の入力ポート側から入射したモニタ
光は波長分離回路によりループバック用導波路に分波さ
れ、方向性結合器と波長選択反射フィルタとが直列に配
置された折り返し回路で折り返されてループバック用導
波路の入力ポート側に出射する。また、主導波路の入力
ポート側から入射したモニタ光のうち波長分離回路を通
って主導波路に入った光は波長分離反射フィルタでカッ
トされ出力ポート側へ出射しない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0017】(参考例1) 図1は本発明の第1の参考例に係る光分波回路を示す。
同図に示すように、この光分波回路11は図中左側が入
力ポート11a側、右側が出力ポート11b側であり、
クラッド12に主導波路13が形成されている。主導波
路13の途中には波長分離用方向性結合器14が形成さ
れており、入力ポート11a側の主導波路13のつなが
るポートと出力ポート11b側の主導波路13のつなが
るポートとは互いにスルーポートの関係になっている。
また、クラッド12にはループバック用導波路15A,
15Bが形成され、その途中には結合率15%の方向性
結合器16が設けられている。そしてループバック用導
波路15Aの入力ポート11a側は波長分離用方向性結
合器14の出力ポート11b側の他方のポートに結合し
ており、ループバック用導波路15A,15Bの他の端
部は入力ポート11a及び出力ポート11b側の端部ま
で延びている。さらに、主導波路13及びループバック
用導波路15A,15Bを横切るようにガイド溝が形成
されて当該ガイド溝に誘電体フィルタ17が挿入されて
おり、モニタ光カット部18及び折り返し部19を形成
している。ここで、主導波路13と誘電体フィルタ17
とは直交状態から傾いて交差しており、ループバック用
導波路15A,15Bと誘電体フィルタ17とは直交し
ている。なお、これによりループバック用導波路15
A,15Bの途中に設けられている方向性結合器16と
誘電体フィルタ17の折り返し部19とは直列に配置さ
れており、これらがモニタ光の折り返し回路を形成して
いる。
同図に示すように、この光分波回路11は図中左側が入
力ポート11a側、右側が出力ポート11b側であり、
クラッド12に主導波路13が形成されている。主導波
路13の途中には波長分離用方向性結合器14が形成さ
れており、入力ポート11a側の主導波路13のつなが
るポートと出力ポート11b側の主導波路13のつなが
るポートとは互いにスルーポートの関係になっている。
また、クラッド12にはループバック用導波路15A,
15Bが形成され、その途中には結合率15%の方向性
結合器16が設けられている。そしてループバック用導
波路15Aの入力ポート11a側は波長分離用方向性結
合器14の出力ポート11b側の他方のポートに結合し
ており、ループバック用導波路15A,15Bの他の端
部は入力ポート11a及び出力ポート11b側の端部ま
で延びている。さらに、主導波路13及びループバック
用導波路15A,15Bを横切るようにガイド溝が形成
されて当該ガイド溝に誘電体フィルタ17が挿入されて
おり、モニタ光カット部18及び折り返し部19を形成
している。ここで、主導波路13と誘電体フィルタ17
とは直交状態から傾いて交差しており、ループバック用
導波路15A,15Bと誘電体フィルタ17とは直交し
ている。なお、これによりループバック用導波路15
A,15Bの途中に設けられている方向性結合器16と
誘電体フィルタ17の折り返し部19とは直列に配置さ
れており、これらがモニタ光の折り返し回路を形成して
いる。
【0018】本参考例で、波長分離用方向性結合器14
は図2に示すように、波長λ1 のモニタ光をクロスポー
トへ出力し、波長λ2 の信号光をスルーポートへ出力す
る波長特性を有している。また、誘電体フィルタ17
は、図3に示すように、波長λ2 の信号光を透過する透
過特性を有し、図4に示すように、波長λ1 のモニタ光
を反射する反射特性を有する。
は図2に示すように、波長λ1 のモニタ光をクロスポー
トへ出力し、波長λ2 の信号光をスルーポートへ出力す
る波長特性を有している。また、誘電体フィルタ17
は、図3に示すように、波長λ2 の信号光を透過する透
過特性を有し、図4に示すように、波長λ1 のモニタ光
を反射する反射特性を有する。
【0019】次に、本参考例の作製手順の一例について
説明する。まず、Si基板上に火炎堆積法によってSiO2下
部クラッド層を堆積し、次にTiO2またはGeO2をドーパン
トとして添加したSiO2ガラスのコア層を堆積した後に、
電気炉で透明ガラス化した。次に、コア層をエッチング
して、所定の光導波路を形成し、最後に、SiO2上部クラ
ッド層を堆積した。作製した光導波路は伝送用単一モー
ド光ファイバとの整合性の良好なコア寸法8×8μm、
比屈折率差0.32%とした。そして、モニタ光カット
部18と折り返し部19が図1に示すように一直線上に
配置されているため、誘電体フィルタ17を挿入するた
めのガイド溝をダイシングソーによって一括して加工
し、このガイド溝に誘電体フィルタ17を設置した。
説明する。まず、Si基板上に火炎堆積法によってSiO2下
部クラッド層を堆積し、次にTiO2またはGeO2をドーパン
トとして添加したSiO2ガラスのコア層を堆積した後に、
電気炉で透明ガラス化した。次に、コア層をエッチング
して、所定の光導波路を形成し、最後に、SiO2上部クラ
ッド層を堆積した。作製した光導波路は伝送用単一モー
ド光ファイバとの整合性の良好なコア寸法8×8μm、
比屈折率差0.32%とした。そして、モニタ光カット
部18と折り返し部19が図1に示すように一直線上に
配置されているため、誘電体フィルタ17を挿入するた
めのガイド溝をダイシングソーによって一括して加工
し、このガイド溝に誘電体フィルタ17を設置した。
【0020】次に、上述の構成の光回路の機能について
説明する。主導波路13の入力ポート11a側から入射
した波長λ1 のモニタ光は波長分離用方向性結合器14
で分波してクロスポートへ出力され、ループバック用導
波路15Aを伝搬した後、方向性結合器16と誘電体フ
ィルタ17の折り返し部19との共同作用で、ループバ
ック用導波路15Bへ折り返して伝搬される。
説明する。主導波路13の入力ポート11a側から入射
した波長λ1 のモニタ光は波長分離用方向性結合器14
で分波してクロスポートへ出力され、ループバック用導
波路15Aを伝搬した後、方向性結合器16と誘電体フ
ィルタ17の折り返し部19との共同作用で、ループバ
ック用導波路15Bへ折り返して伝搬される。
【0021】ループバック用導波路15A,15Bの折
り返し回路においては、図5に示すように、鏡像の原理
により方向性結合器16の鏡像16′及びループバック
用導波路15A,15Bの鏡像15A′,15B′が形
成されていると考えられる。この結果、つまり結合率5
0%の方向性結合器16と方向性結合器16′とが結合
した結合器が形成され、ループバック用導波路15Aか
ら入射したモニタ光は100%ループバック用導波路1
5B′に結合することになる。このループバック用導波
路15B′はループバック用導波路15Bの鏡像である
ため、現実にはモニタ光はループバック用導波路15B
から入力ポート11a側へ出力される。
り返し回路においては、図5に示すように、鏡像の原理
により方向性結合器16の鏡像16′及びループバック
用導波路15A,15Bの鏡像15A′,15B′が形
成されていると考えられる。この結果、つまり結合率5
0%の方向性結合器16と方向性結合器16′とが結合
した結合器が形成され、ループバック用導波路15Aか
ら入射したモニタ光は100%ループバック用導波路1
5B′に結合することになる。このループバック用導波
路15B′はループバック用導波路15Bの鏡像である
ため、現実にはモニタ光はループバック用導波路15B
から入力ポート11a側へ出力される。
【0022】また、主導波路13の入力ポート11a側
から伝搬する波長λ1 のモニタ光の一部は、波長分離用
方向性結合器14によってクロスポートへ完全に分波さ
れずにスルーポートへ漏れるが、モニタ光カット部18
の誘電体フィルタ17で遮断される。ここで、誘電体フ
ィルタ17と主導波路13とが直交状態に対して傾いて
いるのは、モニタ光カット部18での反射を防止するた
めである。一方、主導波路13の入力ポート11a側か
ら伝搬する波長λ2 の信号光は方向性結合器14を透過
してスルーポートへ出力し、主導波路13の出力ポート
11b側へ伝搬していく。
から伝搬する波長λ1 のモニタ光の一部は、波長分離用
方向性結合器14によってクロスポートへ完全に分波さ
れずにスルーポートへ漏れるが、モニタ光カット部18
の誘電体フィルタ17で遮断される。ここで、誘電体フ
ィルタ17と主導波路13とが直交状態に対して傾いて
いるのは、モニタ光カット部18での反射を防止するた
めである。一方、主導波路13の入力ポート11a側か
ら伝搬する波長λ2 の信号光は方向性結合器14を透過
してスルーポートへ出力し、主導波路13の出力ポート
11b側へ伝搬していく。
【0023】(実施例1) 図6は本発明の第1の実施例に係る光分波回路の構成図
である。同図に示すように、本実施例の光分波回路11
Aは、クラッド12に第1の主導波路13A及び第2の
主導波路13Bを有し、各主導波路13A,13Bに波
長分離用方向性結合器14A,14Bが設けられてい
る。また、ループバック用導波路15A,15Bは波長
分離用方向性結合器14A,14Bを連結するように形
成されている。誘電体フィルタ17は、主導波路13
A,13B及びループバック用導波路15A,15Bを
横断するガイド溝に挿入して設けられ、主導波路13
A,13Bとはそれぞれ直交状態から傾いて交差する
が、ループバック用導波路15A,15Bとは直交する
ようになっており、モニタ光カット部18A,18B及
び折り返し部19とが形成されている。なお、ループバ
ック用導波路15A,15Bの途中に方向性結合器16
が設けられ、この方向性結合器16と折り返し部19と
の直列設置により折り返し回路を構成している点は第1
の参考例と同様である。
である。同図に示すように、本実施例の光分波回路11
Aは、クラッド12に第1の主導波路13A及び第2の
主導波路13Bを有し、各主導波路13A,13Bに波
長分離用方向性結合器14A,14Bが設けられてい
る。また、ループバック用導波路15A,15Bは波長
分離用方向性結合器14A,14Bを連結するように形
成されている。誘電体フィルタ17は、主導波路13
A,13B及びループバック用導波路15A,15Bを
横断するガイド溝に挿入して設けられ、主導波路13
A,13Bとはそれぞれ直交状態から傾いて交差する
が、ループバック用導波路15A,15Bとは直交する
ようになっており、モニタ光カット部18A,18B及
び折り返し部19とが形成されている。なお、ループバ
ック用導波路15A,15Bの途中に方向性結合器16
が設けられ、この方向性結合器16と折り返し部19と
の直列設置により折り返し回路を構成している点は第1
の参考例と同様である。
【0024】本実施例の光分波回路11Aは、上下対称
な構成であり、作用・効果は第1の参考例とほぼ同様で
あるため、主導波路13A,13Bの何れか一方の入力
ポート11a側から信号光及びモニタ光を入射すると、
信号光は同主導波路の出力ポート11b側から出射し、
モニタ光は他方の入力ポート11a側から出射する。
な構成であり、作用・効果は第1の参考例とほぼ同様で
あるため、主導波路13A,13Bの何れか一方の入力
ポート11a側から信号光及びモニタ光を入射すると、
信号光は同主導波路の出力ポート11b側から出射し、
モニタ光は他方の入力ポート11a側から出射する。
【0025】(実施例2) 図7は本発明の第2の実施例に係る光分波回路の構成図
である。本実施例の光分波回路11Bは、実施例1(図
6)の光分波回路11Aの波長分離用方向性結合器14
A,14Bの代りにマッハツェンダ干渉形分波器20
A,20Bを用いた以外は光分波回路11Aと同じであ
るので、図6と同一作用を示す部分に同一符号を付して
重複する説明を省略する。
である。本実施例の光分波回路11Bは、実施例1(図
6)の光分波回路11Aの波長分離用方向性結合器14
A,14Bの代りにマッハツェンダ干渉形分波器20
A,20Bを用いた以外は光分波回路11Aと同じであ
るので、図6と同一作用を示す部分に同一符号を付して
重複する説明を省略する。
【0026】マッハツェンダ干渉形分波器20A,20
Bは参考例1と実施例1で示した波長分離用方向性結合
器14,14A,14Bと同様の波長特性が得られるた
め(小湊他:「MZ干渉計で構成した導波型WDM回
路」,信学会論文誌,vol.J73−CI,pp.354
−359,1990参照)、本実施例の回路も、前述し
た実施例1と基本的に同様の動作をする。
Bは参考例1と実施例1で示した波長分離用方向性結合
器14,14A,14Bと同様の波長特性が得られるた
め(小湊他:「MZ干渉計で構成した導波型WDM回
路」,信学会論文誌,vol.J73−CI,pp.354
−359,1990参照)、本実施例の回路も、前述し
た実施例1と基本的に同様の動作をする。
【0027】(実施例3) 図8は第3の実施例に係る光分波回路の構成図である。
本実施例の光分波回路11Cは、実施例1(図6)の光
分波回路11Aと誘電体フィルタ17の配置方向が異な
る以外はほぼ同様であるので、図6と同一作用を示す部
分に同一符号を付して重複する説明は省略する。実施例
1では入力ポート11a及び出力ポート11bの端面と
平行に誘電体フィルタ17を配置しているが、本実施例
では誘電体フィルタ17を端面に対して傾むけて配置し
ている。但し、誘電体フィルタ17に対して主導波路1
3A,13Bは直交状態から傾いているが、ループバッ
ク用導波路15A,15Bは直交しているという相対位
置関係は実施例1と同様であるので、本実施例において
も、基本的に実施例1と同じ動作が得られる。
本実施例の光分波回路11Cは、実施例1(図6)の光
分波回路11Aと誘電体フィルタ17の配置方向が異な
る以外はほぼ同様であるので、図6と同一作用を示す部
分に同一符号を付して重複する説明は省略する。実施例
1では入力ポート11a及び出力ポート11bの端面と
平行に誘電体フィルタ17を配置しているが、本実施例
では誘電体フィルタ17を端面に対して傾むけて配置し
ている。但し、誘電体フィルタ17に対して主導波路1
3A,13Bは直交状態から傾いているが、ループバッ
ク用導波路15A,15Bは直交しているという相対位
置関係は実施例1と同様であるので、本実施例において
も、基本的に実施例1と同じ動作が得られる。
【0028】(参考例2) 図9は本発明の第2の参考例に係る光分波回路の構成図
である。本参考例の光分波回路11Dは、参考例1(図
1)の光分波回路11と誘電体フィルタ17の配置方向
が異なる以外はほぼ同様であるので、図1と同一作用を
示す部分に同一符号を付して重複する説明は省略する。
参考例1では誘電体フィルタ17を入力ポート11a及
び出力ポート11bの端面と平行に配置しているが、本
参考例では誘電体フィルタ17を端面に対して傾けて配
置している。但し、誘電体フィルタ17に対して主導波
路13は直交状態から傾いているが、ループバック用導
波路15A,15Bは直交しているという相対位置関係
は参考例1と同様であるので、本参考例においても、基
本的には参考例1と同じ動作が得られる。
である。本参考例の光分波回路11Dは、参考例1(図
1)の光分波回路11と誘電体フィルタ17の配置方向
が異なる以外はほぼ同様であるので、図1と同一作用を
示す部分に同一符号を付して重複する説明は省略する。
参考例1では誘電体フィルタ17を入力ポート11a及
び出力ポート11bの端面と平行に配置しているが、本
参考例では誘電体フィルタ17を端面に対して傾けて配
置している。但し、誘電体フィルタ17に対して主導波
路13は直交状態から傾いているが、ループバック用導
波路15A,15Bは直交しているという相対位置関係
は参考例1と同様であるので、本参考例においても、基
本的には参考例1と同じ動作が得られる。
【0029】(参考例3) 図10は本発明の第3の参考例に係る光分波回路の構成
図である。本参考例の光分波回路21はモニタ光を主導
波路の入力ポート側へ出射するものであるが、基本的構
成は参考例1,2および実施例1〜3と類似するので、
同一作用を示す部分には同一符号を付して重複する説明
は省略する。参考例3では、主導波路3とモニタ光反射
用導波路22とを波長分離用方向性結合器14で結合
し、入力ポート21a側の主導波路13と出力ポート2
1b側の主導波路13、並びに入力ポート21a側のモ
ニタ光反射用導波路22と出力ポート21b側のモニタ
光反射用導波路22とがそれぞれスルーポートの関係に
なっている。また、主導波路13とモニタ光反射用導波
路22とを横切るようにガイド溝が形成されて当該ガイ
ド溝に誘電体フィルタ17が挿入されており、モニタカ
ット部18及び折り返し部19を形成している。
図である。本参考例の光分波回路21はモニタ光を主導
波路の入力ポート側へ出射するものであるが、基本的構
成は参考例1,2および実施例1〜3と類似するので、
同一作用を示す部分には同一符号を付して重複する説明
は省略する。参考例3では、主導波路3とモニタ光反射
用導波路22とを波長分離用方向性結合器14で結合
し、入力ポート21a側の主導波路13と出力ポート2
1b側の主導波路13、並びに入力ポート21a側のモ
ニタ光反射用導波路22と出力ポート21b側のモニタ
光反射用導波路22とがそれぞれスルーポートの関係に
なっている。また、主導波路13とモニタ光反射用導波
路22とを横切るようにガイド溝が形成されて当該ガイ
ド溝に誘電体フィルタ17が挿入されており、モニタカ
ット部18及び折り返し部19を形成している。
【0030】ここで、光導波路の誘電体フィルタ17へ
の入射角度と反射減衰量の関係を図11に示す。なお、
ここで入射角度とは図12に示すように、誘電体フィル
タ17に対する法線と主導波路13とのなす角θをい
う。図11に示すように、モニタ光が誘電体フィルタ1
7で十分に反射されるためには入射角度を小さくする必
要がある。例えば、モニタ光の反射減衰量を2dB以下
とするためには入射角度を1度以下に設定しなければな
らない。一方、信号光が誘電体フィルタ17で反射され
ずに十分、透過するためには入射角度を大きくする必要
がある。例えば、信号光の反射減衰量を40dB以上に
するには、入射角度は4.6度以上必要である。よっ
て、モニタ光と信号光について入射角度を同時に満足す
ることは不可能である。例えば、単一の光導波路13に
斜めに誘電体フィルタ17を挿入した場合、モニタ光の
反射減衰量を2dB以下、信号光の反射減衰量を25d
B以上とするためには入射角度を3〜3.5度にする必
要があり製作が困難である。また、信号光の反射減衰量
を更に大きくしようとすればモニタ光の反射減衰量を犠
牲にしなければならない。しかしながら、本発明の構成
では波長分離用方向性結合器14で分波しており、モニ
タ光と信号光が伝搬する光導波路が異なるため誘電体フ
ィルタ17に対する導波路の入射角度を自由に設定する
ことが可能であるため製作性が良好とある。そして、本
参考例の光分波回路では、モニタ光カット部18におけ
る主導波路13の誘電体フィルタ17への入射角度は
4.6度以上とするのが好ましい。また、折り返し部1
9におけるモニタ光反射用導波路22の誘電体フィルタ
17に対する入射角度は特に限定されないが、モニタ光
の反射減衰量を小さくするのが好ましいため、1度以下
に設定するのが望ましい。
の入射角度と反射減衰量の関係を図11に示す。なお、
ここで入射角度とは図12に示すように、誘電体フィル
タ17に対する法線と主導波路13とのなす角θをい
う。図11に示すように、モニタ光が誘電体フィルタ1
7で十分に反射されるためには入射角度を小さくする必
要がある。例えば、モニタ光の反射減衰量を2dB以下
とするためには入射角度を1度以下に設定しなければな
らない。一方、信号光が誘電体フィルタ17で反射され
ずに十分、透過するためには入射角度を大きくする必要
がある。例えば、信号光の反射減衰量を40dB以上に
するには、入射角度は4.6度以上必要である。よっ
て、モニタ光と信号光について入射角度を同時に満足す
ることは不可能である。例えば、単一の光導波路13に
斜めに誘電体フィルタ17を挿入した場合、モニタ光の
反射減衰量を2dB以下、信号光の反射減衰量を25d
B以上とするためには入射角度を3〜3.5度にする必
要があり製作が困難である。また、信号光の反射減衰量
を更に大きくしようとすればモニタ光の反射減衰量を犠
牲にしなければならない。しかしながら、本発明の構成
では波長分離用方向性結合器14で分波しており、モニ
タ光と信号光が伝搬する光導波路が異なるため誘電体フ
ィルタ17に対する導波路の入射角度を自由に設定する
ことが可能であるため製作性が良好とある。そして、本
参考例の光分波回路では、モニタ光カット部18におけ
る主導波路13の誘電体フィルタ17への入射角度は
4.6度以上とするのが好ましい。また、折り返し部1
9におけるモニタ光反射用導波路22の誘電体フィルタ
17に対する入射角度は特に限定されないが、モニタ光
の反射減衰量を小さくするのが好ましいため、1度以下
に設定するのが望ましい。
【0031】次に、上述の構成の光分波回路の機能につ
いて説明する。主導波路13の入力ポート側から入射し
た波長λ1 のモニタ光は波長分離用方向性結合器14で
分波されてクロスポートへ出力され、モニタ光反射用導
波路21を伝搬した後、誘電体フィルタ17の折り返し
部19で再び折り返されて伝搬される。そして、モニタ
光反射用導波路21を折り返してきたモニタ光は、波長
分離用方向性結合器14のクロスポート、すなわち主導
波路13の入力ポート21a側へ戻される。また、主導
波路13の入力ポート21a側から伝搬する波長λ1 の
モニタ光の一部は、波長分離用方向性結合器14によっ
てクロスポートへ完全に分波されず、スルーポートへ漏
れるが誘電体フィルタ17のモニタ光カット部18で遮
断される。一方、主導波路13の入力ポート21a側か
ら伝搬する波長λ2 の信号光は波長分離用方向性結合器
14を透過してスルーポートへ出力し、主導波路13の
出力ポート21b側へ伝搬していく。
いて説明する。主導波路13の入力ポート側から入射し
た波長λ1 のモニタ光は波長分離用方向性結合器14で
分波されてクロスポートへ出力され、モニタ光反射用導
波路21を伝搬した後、誘電体フィルタ17の折り返し
部19で再び折り返されて伝搬される。そして、モニタ
光反射用導波路21を折り返してきたモニタ光は、波長
分離用方向性結合器14のクロスポート、すなわち主導
波路13の入力ポート21a側へ戻される。また、主導
波路13の入力ポート21a側から伝搬する波長λ1 の
モニタ光の一部は、波長分離用方向性結合器14によっ
てクロスポートへ完全に分波されず、スルーポートへ漏
れるが誘電体フィルタ17のモニタ光カット部18で遮
断される。一方、主導波路13の入力ポート21a側か
ら伝搬する波長λ2 の信号光は波長分離用方向性結合器
14を透過してスルーポートへ出力し、主導波路13の
出力ポート21b側へ伝搬していく。
【0032】本参考例の光分波回路は参考例1,2およ
び実施例1〜3と同様に製造することができる。また、
本参考例の光分波回路はネットワークの端末の前に挿入
することにより、OTDRを使用することなく線路状況
を常時、把握することができる点も上述した各参考例お
よび実施例と同様である。
び実施例1〜3と同様に製造することができる。また、
本参考例の光分波回路はネットワークの端末の前に挿入
することにより、OTDRを使用することなく線路状況
を常時、把握することができる点も上述した各参考例お
よび実施例と同様である。
【0033】なお、本参考例の回路はOTDRと比較
し、モニタ光を誘電体フィルタ17によって強制的に戻
すことによって通信線路内の障害点の有無を判別する点
が異なる。すなわち、反射光が有る場合は線路内に障害
点が存在せず、反対に、反射光がない場合は線路内に障
害が存在することになる。よって、通常のOTDRでは
障害点からの微弱な反射光を検出しなければならない
が、本回路では障害点をモニタ光の反射の有無で判定す
るため、測定が容易となる。更に、ネットワーク終端の
情報を得るため信号光と異なる波長の連続発振レーザを
モニタ光源として用いることができる点も異なる。
し、モニタ光を誘電体フィルタ17によって強制的に戻
すことによって通信線路内の障害点の有無を判別する点
が異なる。すなわち、反射光が有る場合は線路内に障害
点が存在せず、反対に、反射光がない場合は線路内に障
害が存在することになる。よって、通常のOTDRでは
障害点からの微弱な反射光を検出しなければならない
が、本回路では障害点をモニタ光の反射の有無で判定す
るため、測定が容易となる。更に、ネットワーク終端の
情報を得るため信号光と異なる波長の連続発振レーザを
モニタ光源として用いることができる点も異なる。
【0034】(参考例4) 図13は本発明の第4の参考例に係る光分波回路の構成
図である。本参考例の光分波回路21Aは、参考例3
(図10)の光分波回路21の波長分離用方向性結合器
14の代りにマッハツェンダ干渉形分波器23を用いた
以外は光分波回路21と同じであるので、図10と同一
作用を示す部分に同一符号を付して重複する説明を省略
する。ここで、マッハツェンダ干渉形分波器23は実施
例2で説明したように波長分離方向性結合器14と同様
の波長特性が得られるため、本参考例の回路も、前述し
た参考例3と基本的に同様の動作をする。
図である。本参考例の光分波回路21Aは、参考例3
(図10)の光分波回路21の波長分離用方向性結合器
14の代りにマッハツェンダ干渉形分波器23を用いた
以外は光分波回路21と同じであるので、図10と同一
作用を示す部分に同一符号を付して重複する説明を省略
する。ここで、マッハツェンダ干渉形分波器23は実施
例2で説明したように波長分離方向性結合器14と同様
の波長特性が得られるため、本参考例の回路も、前述し
た参考例3と基本的に同様の動作をする。
【0035】なお、以上説明した参考例1〜4および実
施例1〜3ではシリコン基板上に形成された石英系ガラ
ス単一モード光導波路について説明したが、半導体導波
路、イオン拡散導波路、他の導波路に対しても本発明が
適用できることはいうまでもない。
施例1〜3ではシリコン基板上に形成された石英系ガラ
ス単一モード光導波路について説明したが、半導体導波
路、イオン拡散導波路、他の導波路に対しても本発明が
適用できることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上、参考例と実施例に基づいて具体的
に説明したように、本発明は、モニタ光と信号光を分波
し、モニタ光のみを任意の反射率の波長選択反射フィル
タで戻す構造としたためネットワークの終端の情報が容
易に得られる光分波回路を提供できる利点がある。更
に、モニタ光カットフィルタを挿入するため主導波路へ
漏れるモニタ光を遮断できるとともに、光集積回路技術
によって同一基板上に一体化したため小型、軽量、生産
性に優れている。また、モニタ光を別の導波路に折り返
すループバック導波路を有する回路では、ループバック
用導波路を湾曲させずに、方向性結合器と波長選択反射
フィルタとからなる折り返し回路を有する構造としたた
め小型,低挿入損失な光分波回路を提供できる利点があ
り、しかも、モニタ光カットフィルタを挿入するため光
導波路へ漏れるモニタ光を遮断できると共に、波長選択
反射フィルタ、モニタ光カットフィルタの両フィルタと
各フィルタを挿入するガイド溝を同一としたため、生産
性が向上し優れている。
に説明したように、本発明は、モニタ光と信号光を分波
し、モニタ光のみを任意の反射率の波長選択反射フィル
タで戻す構造としたためネットワークの終端の情報が容
易に得られる光分波回路を提供できる利点がある。更
に、モニタ光カットフィルタを挿入するため主導波路へ
漏れるモニタ光を遮断できるとともに、光集積回路技術
によって同一基板上に一体化したため小型、軽量、生産
性に優れている。また、モニタ光を別の導波路に折り返
すループバック導波路を有する回路では、ループバック
用導波路を湾曲させずに、方向性結合器と波長選択反射
フィルタとからなる折り返し回路を有する構造としたた
め小型,低挿入損失な光分波回路を提供できる利点があ
り、しかも、モニタ光カットフィルタを挿入するため光
導波路へ漏れるモニタ光を遮断できると共に、波長選択
反射フィルタ、モニタ光カットフィルタの両フィルタと
各フィルタを挿入するガイド溝を同一としたため、生産
性が向上し優れている。
【図1】参考例1に係る光分波回路の構成図である。
【図2】波長分離用方向性結合器の波長特性図である。
【図3】誘電体フィルタの透過特性図である。
【図4】誘電体フィルタの反射特性図である。
【図5】折り返し回路の説明図である。
【図6】実施例1に係る光分波回路の構成図である。
【図7】実施例2に係る光分波回路の構成図である。
【図8】実施例3に係る光分波回路の構成図である。
【図9】参考例2に係る光分波回路の構成図である。
【図10】参考例3に係る光分波回路の構成図である。
【図11】光導波路への誘電体フィルタの入射角度と反
射減衰量との関係を示す説明図である。
射減衰量との関係を示す説明図である。
【図12】入射角度の説明図である。
【図13】参考例4に係る光分波回路の構成図である。
【図14】OTDRの構成図である。
【図15】従来技術に係る光分波回路の構成図である。
【図16】光分波回路の製作工程を示す説明図である。
【図17】光方向性結合器を示す説明図である。
【図18】マッハツェンダ干渉形分波回路を示す説明図
である。
である。
11,11A〜11D,21,21A 光分波回路 12 クラッド 13,13A,13B 主導波路 14,14A,14B 波長分離用方向性結合器 15A,15B ループバック用導波路 16 方向性結合器(結合率50%) 17 誘電体フィルタ 18,18A,18B モニタ光カット部 19 折り返し部 20A,20B,23 マッハツェンダ干渉形分波器 22 モニタ光反射用導波路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−246508(JP,A) 特開 平3−223705(JP,A) O plus E No.134(1991) p.121−126 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14 G02B 6/28 - 6/293 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 入力ポート側から信号光及びモニタ光
が入射すると共に出力ポート側から信号光が出射するか
又は入力ポート側からモニタ光が出射する第1の主導波
路と、入力ポート側からモニタ光が出射するか又は入力
ポート側から信号光及びモニタ光が入射すると共に出力
ポート側から信号光が出射する第2の主導波路と、前記
第1及び第2の主導波路にそれぞれ設けられて入力ポー
ト側から入射した信号光とモニタ光とを分波する第1及
び第2の波長分離回路と、これら第1及び第2の波長分
離回路を連結すると共に途中に折り返し回路を有して一
方の波長分離回路で分波されたモニタ光を他方の波長分
離回路に伝搬するループバック用導波路と前記第1及び
第2の主導波路に介装されて出力ポートからのモニタ光
の漏れを防止するモニタ光カットフィルタとを具えた光
分波回路において、方向性結合器と前記モニタ光を結合
部とは異なる導波路上で反射する波長選択反射フィルタ
とを直列に配置することにより前記ループバック用導波
路の折り返し回路を構成し、且つ当該波長選択反射フィ
ルタが前記モニタ光カットフィルタを兼ねていることを
特徴とする光分波回路。 - 【請求項2】 請求項1において、波長選択反射フィル
タと主導波路とは傾いて交差しているが、波長選択反射
フィルタとループバック用導波路とは直交していること
を特徴とする光分波回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26171192A JP3184332B2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-30 | 光分波回路 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-237979 | 1992-09-07 | ||
JP23797992 | 1992-09-07 | ||
JP26171192A JP3184332B2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-30 | 光分波回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06130238A JPH06130238A (ja) | 1994-05-13 |
JP3184332B2 true JP3184332B2 (ja) | 2001-07-09 |
Family
ID=26533467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26171192A Expired - Fee Related JP3184332B2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-30 | 光分波回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3184332B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100617693B1 (ko) | 2003-08-20 | 2006-08-28 | 삼성전자주식회사 | 광검출기를 구비하는 반도체 광증폭 장치 및 그 제조방법 |
US9461769B2 (en) | 2014-03-12 | 2016-10-04 | Stmicroelectronics S.R.L. | Optical demultiplexer and method of controlling an optical demultiplexer |
JP7106996B2 (ja) * | 2018-06-01 | 2022-07-27 | 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社 | 光デバイス |
JP2017219560A (ja) * | 2016-06-02 | 2017-12-14 | 日本電信電話株式会社 | 光ビーム制御装置 |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP26171192A patent/JP3184332B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
O plus E No.134(1991)p.121−126 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06130238A (ja) | 1994-05-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3497298B2 (ja) | 光ファイバフィルタ | |
JP2867859B2 (ja) | 双方向伝送用光送受信モジュール | |
US5717798A (en) | Optical waveguide system comprising a mode coupling grating and a mode discrimination coupler | |
JP4652507B2 (ja) | 光導波路回路とその製造方法 | |
JPH08304664A (ja) | 波長分波素子 | |
KR20050058381A (ko) | 의사 슬랜트형 파이버 브래그 그레이팅, 복수 직렬형 파이버 브래그 그레이팅, 광 파이버형 커플러 및 광 커넥터 | |
US6950581B2 (en) | Optical coupler apparatus and methods having reduced geometry sensitivity | |
JPH10170754A (ja) | 光導波路 | |
JP3184332B2 (ja) | 光分波回路 | |
US6882764B1 (en) | Polarization independent packaging for polarization sensitive optical waveguide amplifier | |
EP0667542B1 (en) | Broadband integrated optical proximity coupler | |
Mao et al. | An ARROW optical wavelength filter: design and analysis | |
KR100585016B1 (ko) | 고차 모드 제거 필터링 기능을 갖는 단일모드 광섬유 구조 | |
JP3112030B2 (ja) | 導波路形光結合器 | |
JP2758285B2 (ja) | 導波路形光結合器 | |
JP2005062704A (ja) | 光モジュール、光減衰装置、光送受信モジュール並びに光導波部材 | |
JP3820802B2 (ja) | 光送信器 | |
JP3474978B2 (ja) | 導波路型光合分波器および導波路型光合分波器を用いた光線路監視システム | |
JP3120777B2 (ja) | 光導波路型信号光モニタデバイス | |
JP2752848B2 (ja) | 干渉フィルタ付光導波路の作製方法 | |
JP3478460B2 (ja) | 光線路試験システム | |
JPS62273428A (ja) | 光試験回路 | |
JP3184358B2 (ja) | スターカップラ | |
JPH0915438A (ja) | 光モジュール | |
WO2000025091A9 (en) | A method and system for modal noise suppression in fiber optic systems |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001024 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010410 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |